エコカー減税は自動車重量税を安くできる制度です。令和5年の税制改正で期限が延長され、2026年まで活用できる制度になりました。エコカー減税を活用することで、車の取得にかかるコストの軽減が可能です。
このコラムではエコカー減税の基本情報について解説します。これから車の購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 現行基準のエコカー減税は2023年12月31日まで
- 対象の燃費基準は段階的に引き上げられる
- グリーン化特例やCEV補助金との併用でさらにお得になる
エコカー減税とは?基本について知ろう
まずはエコカー減税の基本について、以下の視点から解説します。
- 安くなる税金の種類
- 2回目以降の車検への影響
- 他の自動車関連税制との違い
それぞれ順番に見ていきましょう。
エコカー減税では自動車重量税が安くなる
エコカー減税とは、環境性能に優れた車を新車新規登録する際などに受けられる優遇措置を指します。エコカー減税で抑えられる税金は「自動車重量税」です。対象車の購入で、自動車重量税が25〜100%軽減されます。2023年12月31日までの基準は以下のとおりです。
対象車 | 減税率 |
・電気自動車(EV) ・プラグインハイブリッド車(PHV) ・燃料電池自動車(FCV) ・天然ガス自動車(NGV) ・クリーンディーゼル車 | 100%(免税) |
対象車 | 2030年燃費基準の達成率 | 減税率 |
・ガソリン車(ハイブリッド車を含む) ・LPG自動車 | 90〜120% | 100%(免税) |
70〜90% | 50% | |
60〜70% | 25% |
エコカー減税は中古車にも適用される制度です。購入した車の車検が切れていれば購入時に、残っていればエコカー減税の対象期間内で最初の車検の際に優遇措置を受けられます。また、軽自動車もエコカー減税の対象です。
2回目以降の車検時も対象となる車がある?
エコカー減税の優遇措置が受けられるのは、基本的に初回車検時のみです。ただし、車種によっては2回目の車検時も免税となるケースがあります。
例えば2021年から適用されているエコカー減税制度では、以下の車種は自動車重量税が免税になります。
- 電気自動車(EV)
- プラグインハイブリッド車(PHV)
- 燃料電池自動車(FCV)
- 天然ガス自動車(NGV)
これから車の購入を検討される方は、エコカー減税の優遇措置を受けられる回数について把握しておきましょう。
知っておきたい!他の自動車関連の税制との違い
自動車関連の優遇措置には、エコカー減税のほかに「グリーン化特例」と「環境性能割」があります。それぞれがエコカー減税とどのように異なるのか解説します。
・グリーン化特例
グリーン化特例は、排出ガスや燃費の性能に優れた自動車の税負担を軽減する制度です。エコカー減税とは、減税される税金の種類が以下のように異なります。
税制の名称 | 対象の税金 |
エコカー減税 | 自動車重量税 |
グリーン化特例 | 自動車税・軽自動車税 |
自動車税や軽自動車税は、毎年4月1日時点の車の所有者が支払う税金です。支払いには都道府県から送付される納税通知書を使用します。
・環境性能割
環境性能割は環境性能が高い車を購入、または譲り受けた際に課税される制度です。自動車取得税にかわる新たな制度として導入されました。
環境性能割は燃費の良い車ほど税率は低く、電気自動車は非課税とされています。また、取得費用が50万円以下の場合は非課税となります。
エコカー減税はいつまで適用される?
エコカー減税は2023年4月30日で終了する予定でした。しかし国土交通省が発表した「令和5年度税制改正の大綱」によって、期間の延長が決定しています。ここからはエコカー減税の適用期間について解説します。
エコカー減税の期間延長が決定
令和5年度の税制改正によって、エコカー減税の期間は2023年4月末から2026年4月末まで延長されました。半導体不足による影響で、新車の購入から納車までに時間がかかってしまうことなどが理由とされています。
現行の基準が適用されるのは2023年12月31日までです。2024年1月1日以降に新車登録する車には、現行より環境性能の基準が厳しくなります。段階的に基準が引き上げられたあと、2026年4月30日をもって特例措置が終了する予定です。
2024年以降は段階的に内容が変化していく
現行の減税内容が延長された2023年末までの内容と、それ以降の内容の変化は以下のとおりです。
<2023年4月1日~2023年12月31日>
対象車 | 軽減率 |
・電気自動車(EV) ・プラグインハイブリッド車(PHV) ・燃料電池自動車(FCV) ・天然ガス自動車(NGV) ・クリーンディーゼル車 | 100%(免税) |
対象車 | 2030年燃費基準の達成率 | 軽減率 |
・ガソリン車(ハイブリッド車を含む) ・LPG自動車 | 90〜120% | 100%(免税) |
70〜90% | 50% | |
60〜70% | 25% |
<2024年1月1日~2025年4月30日>
対象車 | 軽減率 |
・電気自動車(EV) ・プラグインハイブリッド車(PHV) ・燃料電池自動車(FCV) ・天然ガス自動車(NGV) | 100%(免税) |
対象車 | 2030年燃費基準の達成率 | 軽減率 |
・ガソリン車(ハイブリッド車を含む) ・LPG自動車 ・クリーンディーゼル車 | 90〜120% | 100%(免税) |
80〜90% | 50% | |
70〜80% | 25% |
<2025年5月1日~2026年4月30日>
対象車 | 軽減率 |
・電気自動車(EV) ・プラグインハイブリッド車(PHV) ・燃料電池自動車(FCV) ・天然ガス自動車(NGV) | 100%(免税) |
対象車 | 2030年燃費基準の達成率 | 軽減率 |
・ガソリン車(ハイブリッド車を含む) ・LPG自動車 ・クリーンディーゼル車 | 100〜125% | 100%(免税) |
90〜100% | 50% | |
80〜90% | 25% |
現行の基準では要件を満たしていても、2024年1月1日以降は対象外となる可能性があるため、注意が必要です。
実際にいくら安くなるの?
エコカー減税によって税金がどれくらい安くなるかを知るためには、自動車重量税の仕組みを理解しておくことが重要です。
自動車重量税の税額一覧
自動車税は車の重量や経過年数に応じて課税される税金です。初回は自動車を購入する際、2回目以降は車検の際にまとめて支払います。乗用車の場合、2023年5月1日以降の税額は以下のとおりです。
車両重量/区分 | 2年自家用 | ||||
エコカー | エコカー(本則税率) | エコカー外 | |||
右以外 | 13年経過 | 18年経過 | |||
0.5トン以下 | 免税 | 5,000 | 8,200 | 11,400 | 12,600 |
〜1 | 10,000 | 16,400 | 22,800 | 25,200 | |
〜1.5 | 15,000 | 24,600 | 34,200 | 37,800 | |
〜2 | 20,000 | 32,800 | 45,600 | 50,400 | |
〜2.5 | 25,000 | 41,000 | 57,000 | 63,000 | |
〜3 | 30,000 | 49,200 | 68,400 | 75,600 |
車両重量/区分 | 1年自家用 | ||||
エコカー | エコカー(本則税率) | エコカー外 | |||
右以外 | 13年経過 | 18年経過 | |||
0.5トン以下 | 免税 | 2,500 | 4,100 | 5,700 | 6,300 |
〜1 | 5,000 | 8,200 | 11,400 | 12,600 | |
〜1.5 | 7,500 | 12,300 | 17,100 | 18,900 | |
〜2 | 10,000 | 16,400 | 22,800 | 25,200 | |
〜2.5 | 12,500 | 20,500 | 28,500 | 31,500 | |
〜3 | 15,000 | 24,600 | 34,200 | 37,800 |
車両重量/区分 | 1年事業用 | ||||
エコカー | エコカー(本則税率) | エコカー外 | |||
右以外 | 13年経過 | 18年経過 | |||
0.5トン以下 | 免税 | 2,500 | 2,600 | 2,700 | 2,800 |
〜1 | 5,000 | 5,200 | 5,400 | 5,600 | |
〜1.5 | 7,500 | 7,800 | 8,100 | 8,400 | |
〜2 | 10,000 | 10,400 | 10,800 | 11,200 | |
〜2.5 | 12,500 | 13,000 | 13,500 | 14,000 | |
〜3 | 15,000 | 15,600 | 16,200 | 16,800 |
エコカー減税の対象となる車とは
エコカー減税の対象となる車には、以下の種類が挙げられます。
- 電気自動車(EV)
- プラグインハイブリッド車(PHV)
- 燃料電池自動車(FCV)
- 天然ガス自動車(NGV)
いずれも排出ガスが少なく環境性能の高い車です。ここからはエコカー減税がどのような車に適用されるか具体的に解説します。
エコカー減税が適用される車の一覧
国内メーカーでエコカー減税が適用される車種の例は、以下のとおりです。
メーカー | 車種名 |
トヨタ | アクア、カローラスポーツ、アルファード、ヴォクシーなど |
日産自動車 | エクストレイル、キックス、スカイライン、セレナ、ノートなど |
スズキ | イグニス、スイフト、ソリオなど |
SUBARU | インプレッサ、クロストレック、フォレスターなど |
マツダ | CX-3、CX-5、CX-30、MAZDA3など |
対象となる車は他にも多数あります。気になる車種がある方は各メーカーへ問い合わせてみましょう。
中古車の中にも対象となる車がある
エコカー減税は初回車検時に適用されます。初回車検をまだ迎えていない中古車を購入した場合は、要件を満たしていればエコカー減税の対象です。
中古車の購入を検討する際には、店舗やホームページでエコカー減税の対象になる車か調べておきましょう。
輸入車にも適用される
エコカー減税の対象には輸入車が含まれます。例えば以下の車種は、エコカー減税の適用を受けられる可能性があります。
- ボルボ
- フォルクスワーゲン
- ルノー
- ジャガー
- アウディ
- BMW
- メルセデスベンツ
エコカー減税の対象車は、各メーカーのホームページで公開されています。減税による優遇措置を踏まえて車種を検討すると、お得に購入できる可能性があるためチェックしてみてください。
エコカーをお得に購入するためのポイント
エコカーをお得に購入するためのポイントは、以下の2つです。
- 減税を含めたトータルの費用で考える
- 電気自動車などのCEVを購入する
それぞれ順番に解説します。
減税を含めたトータルの費用で考える
エコカーは一般的なガソリン車と比べて、車体価格が高くなる傾向にあります。初期費用だけで比較すると、ガソリン車のほうが安いケースもあるでしょう。
しかし、車を購入する際には税金やランニングコストなどを合わせた費用で比較することが重要です。エコカー減税を含めた優遇措置を活用して、トータルの費用にどれくらいの差が生じるかシミュレーションしてみましょう。
電気自動車などのCEVを購入する
電気自動車やプラグインハイブリッド車は「CEV補助金」の補助対象に含まれます。CEVとは「クリーンエネルギー自動車」を指し、環境負荷の少ない車の購入を支援しています。
CEV補助金は、エコカー減税やグリーン化特例との併用が可能です。さらにCEVの購入を自治体が支援しているケースがあります。東京都葛飾区の「令和5年度 《個人住宅用》かつしかエコ助成金」では、電気自動車の急速充電器の設置にかかる費用のうち、上限30万円(CEV補助金交付額の1/4)まで助成金を出しています。お得にエコカーを購入するためには、国や自治体の制度を活用しましょう。
自動車税の支払いは「SAISON CARD Digital」で!
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おわりに
エコカー減税は自動車重量税を安くできる制度です。2026年4月30日まで続く予定の優遇措置で、対象となる燃費性能の基準は段階的に引き上げられます。車の購入を検討されている方は、優遇措置の期限などを考慮しておきましょう。エコカー減税を活用して、お得なカーライフを実現してみてはいかがでしょうか。