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元滝伏流水
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【ふるさと納税紀行】1200年間舞い継がれた神事が郷愁を誘う鳥海山(ちょうかいさん)の恵みが溢れる「秋田県にかほ市」

秋田県にかほ市は、秋田県と山形県の県境に位置し、西側に日本海、南側には標高2,236mの鳥海山(ちょうかいさん)を望める美しいエリアです。約23,000人が暮らすにかほ市の特徴は、なんといっても水がおいしいことです。それもそのはず、こちらの水は鳥海山から流れてくる冷たく澄んだ名水であり、住民たちの喉を潤すだけでなく、旨みがギュッと詰まった牡蠣や米を育むのに大いに活躍しています。

セゾンふるさと納税の人気ランキング(米部門)で上位に名を連ねているのを見ても、そのおいしさは県内外問わず、多くの人を惹きつけていることがわかります。

鳥海山の恵みをふんだんに受けながら、ふるさとの味を育てるにかほ市では、1200年間受け継がれてきた伝統芸能も大切にしています。そんな同市の魅力について、にかほ市役所総合政策課ふるさと納税担当の高橋潔(たかはし・きよし)さんにお聞きしました。

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1.夏の牡蠣がイチオシ!いちじくもおすすめ

-にかほ市では、鳥海山から流れてくるおいしい水が市内のあちこちで味わえると聞きました。特産物にも大きな影響がありそうですが、どのような物が採れるのでしょうか?

夏は天然岩牡蠣が有名です。牡蠣って基本的には冬に獲れるイメージがあるのですが、にかほ市の場合は夏なんです。

岩ガキ2
夏に収穫される岩牡蠣

-珍しいですね!どうしてでしょうか?

鳥海山の伏流水が海まで流れてくるのですが、その水が夏でも冷たいので牡蠣が育つんです。冷たい水に対抗するために、牡蠣も身を守ろうと大きく成長します。結果、大粒でぷりぷりの岩牡蠣になるんですよ。山の水といえば、にかほで生産される米も鳥海山の伏流水を使って栽培しているので、とてもおいしいんです。

米2
鳥海山の新鮮な水で作られたお米は、香りが良く上品な甘みがある

しかも、育てている田んぼは鳥海山が噴火してできた土壌なので、ミネラルがたっぷり含まれています。「この環境でしかできないお米だよね」って多くの生産者の方が口をそろえて言っているぐらいですよ。

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-秋田といえばお米がすぐに浮かびますが、にかほ市のお米のおいしさは、水と土が影響していたんですね。

秋に収穫されるいちじくも特産品になっています。にかほのいちじくは、甘露煮で甘く煮詰めたものを食べるんです。

いちじく甘露煮2
にかほ市の秋の風物詩「いちじくの甘露煮」。秋になると市内のお店では、甘露煮用のいちじくが売られる

完熟になる前に収穫したいちじくを使うんですが、これがすごくおいしいんですよ!しかも、あの家はザラメ、あの家ははちみつでって甘くするのにも各家庭で違いがあります。いちじくの甘露煮は、まさににかほの文化だと感じています。

-各家庭の違いを比べるのも楽しそうですね。例えば魚などの場合、地元の方々のおすすめの食べ方にはどんな方法がありますか?

私たちは、魚自体を焼いたり煮たりして食べるのはもちろんですが、味噌汁代わりにすることが多いですね。「ざっぱ汁」と呼んでいるんですが、魚をおろしたあとに残る部分を秋田の言葉で「ざっぱ」というんです。それを煮込むと、すごくダシが出るんですよ。これがまたかなりおいしくて、魚嫌いな人でない限り、みんな好きだと思います。

にかほ市の返礼品でも、鮮魚を送る際はその「ざっぱ」も一緒に入れて送るようにしています。食べ方の説明書を魚屋さんが付けてくれているので、初めての方でもきっとおいしく召し上がっていただけると思います。

鮮魚2
身もアラもすべて美味しくいただける「ざっぱ汁」が地元では人気

あとは、仁賀保高原にある土田牧場の「幸せのミルク」という牛乳がおすすめです。

幸せのミルク2
ふるさと納税でも大人気の「幸せのミルク」。定期便を活用するリピーターも多い
土田牧場
仁賀保高原内にある「土田牧場」。餌(牧草)の100%自給と放牧にこだわり、安全でおいしいものを作り続けている

絞り立ての生乳をなるべく栄養を壊さないようにしようと、低温でじっくり殺菌しているのですが、別格の味です。リピーターもものすごく多くて、「もう市販の牛乳には戻れない」という人までいるぐらいです。ビタミンや鉄分、カルシウムがとても豊富な牛乳ですが、さらさらしていて飲みやすい。リピーターが多いのもうなずけますね。

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-食料品以外にもおすすめしたい自慢の逸品はありますか?

にかほ市出身の木版画家、池田修三さん です。小さな女の子の絵をよく描かれていたのですが、にかほ市のなかでも象潟エリアでは、結婚やお子さんが生まれた時などに、お祝いとしてこの木版画を贈り合う文化があるんです。こうしたストーリーが有名になり、池田さんの作品展なども開かれるようになっているんです。

最新のイベント情報はにかほ市運営のホームページにて都度ご確認ください。

-とても素敵な習慣ですね!木版画を観るたびに、幸せな気持ちになれそうです。

郷土資料館外観
象潟郷土資料館の入り口。平日9~17時まで開館。毎週月曜日と年末年始(12月29日~1月3日)は休館
池田修三木版画展
企画展「池田修三生誕100周年記念企画展 ~暮らしを彩る木版画~」の様子

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2.1200年前から続く長寿を祈る舞

-おいしい牡蠣や米を育ててくれる鳥海山ですが、この山にまつわる伝統芸能があると聞きました。それはどんなものなのでしょうか?

今から約1200年前、天安元年(859年)頃から始まった「小滝のチョウクライロ舞(こたきのちょうくらいろまい)」ですね。にかほ市はもともと、象潟(きさかた)・金浦(このうら)・仁賀保(にかほ)という3つの地域が合併してできた市なのですが、このうち「小滝のチョウクライロ舞」は象潟地区の小滝という場所で舞い継がれてきたものなんです。

チョウクライロ舞
国の重要無形民俗文化財に指定されている「小滝のチョウクライロ舞」

その昔、鳥海山に住みついた妖怪を慈覚大師(じかくだいし)というお坊さんが退治したという言い伝えがあるのですが、その際、神様に感謝を捧げるために行った祭りが始まりだといわれています。現在は、毎年5月の最終土曜に小滝の「金峰神社(きんぽうじんじゃ)」で見ることができます。

-「チョウクライロ」とはあまり耳慣れない響きですが、どういう意味なんでしょう?

「長(ちょう)久(く)生(ら)容(いろ)」という漢字の組み合わせからできた名前だと聞いています。「長く久しく生きる姿」という意味で、長寿を祈願するための舞です。平成16年(2004年)には「国指定重要無形民俗文化財」にも認定されています。

にかほ市には、それぞれのエリアごとに代々伝わってきている「番楽(ばんがく)」という伝統芸能もあるのですが、イベントごとに披露する機会が多い「番楽」に比べると、「チョウクライロ舞」はあくまでも神事のため、あまり頻繁に見られない印象がありますね。

もともと明治時代以前は、修験寺院の信徒たちによって「チョウクライロ舞」が行われていたんです。今は地元の方々が大切につないできており、実際の舞は2名の大人と6名の小学生たちで行っています。

-地域の小学校では、このような芸能について学ぶ機会があるのでしょうか?

ありますね。伝承芸能については小学校に入る前の、それこそ保育園の頃からそれぞれのエリアで体験する機会などもありますし、小学校では総合学習の時間に学ぶ機会があります。先ほど触れた「番楽」についても、太鼓や笛などを体験する時間もあり、子どもたちは自然に伝統芸能に親しんでいると思いますよ。

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3.熱々のタラ汁が食欲をそそる!「掛魚まつり(かけよまつり)」

-伝承芸能の他にも、住民の方々が楽しんで参加される行事はありますか?

毎年2月4日に行われる「掛魚まつり」があります。このイベントは、先ほどの3つのエリアの中でいうと、金浦地区で昔から行われてきたものです。祭りの主人公は、魚のタラです。タラといえば、にかほ市の「市の魚」にも選ばれているぐらい、私たちにとっては馴染みの深いものなんです。

掛魚まつり4
多くの人が見守る中、金浦漁港から金浦山神社まで約2kmの距離を歩く
掛魚まつり2
「掛魚まつり」に使われる奉納用の立派なタラ

-どういった祭りなのでしょうか?

船主たちが海上の安全や豊漁祈願をするための行事なのですが、タラを担いでまちを練り歩き、最終的には金浦山(このうらやま)神社に奉納します。そのタラは、この日のために水揚げされた特別に大きなタラなんです。体長は1メートルぐらい、重さは10キロ近くはあるんじゃないでしょうか。

それを1匹ずつ縄でぶら下げて、漁師が二人掛かりで担いで歩いていくんです。金浦漁港から神社まで、約

2キロ程の道のりを歩いていくのですが、漁師だけではなく子どもたちやにかほ市のご当地ヒーローなども参加しています。

この日は、熱々のタラ鍋の炊き出しもあります(1杯500円)。寒い中、祭りの見物にいらした方も出来立てのタラ汁を味わえます。冷えた空気の中で食べるタラ汁は、身体が温まって本当においしいですよ!おすすめです。

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4.鳥海山が生み出す雄大な自然スポット

-ところで、日本海と鳥海山に挟まれたにかほ市は、自然の見所もたっぷりだそうですね。にかほ市に来たら、ぜひ足を運ぶべきおすすめスポットを教えてください。

私が個人的におすすめしたいスポットは、「元滝伏流水(もとだきふくりゅうすい)」「獅子ヶ鼻湿原(ししがはなしつげん)」、そして「仁賀保高原(にかほこうげん)」です。どのスポットも、鳥海山の麓にあったり、山の水が深く関係するなど鳥海山なくしては語れない場所です。その中でも一度は訪れていただきたいのが、「元滝伏流水」ですね。

元滝伏流水
年間平均水温10度の滝周辺は夏でも涼しい

環境省が選ぶ「平成の名水百選」にも選ばれるぐらい、ここでは澄んだ美しい水を見ることができます。鳥海山に降った雪や雨水が、約80年かけて山の中にゆっくり浸透して、この滝の水として流れ込んでいるといわれているんです。

-水が山の中で濾過されておいしくなっていくなんて、聞くだけでたまらないですね!

滝自体は約30mの幅があり、そこから一日約5万トンの水が溢れ出しています。今目の前にある水が、時間をかけて鳥海山の中を通ってきたものだと考えると、不思議な時代の流れを感じて心に残りますね。

鳥海山の湧水や雪解け水には、私たちにかほ市民は本当に恩恵を受けています。鳥海山の水が水道水として来ているので、市内で飲める水って水道水でも非常においしいんですよ。その恩恵を一番に感じられるのが、このスポットだと思います。にかほ市にいらしたら、ぜひ行ってみてくださいね!

s獅子ヶ鼻湿原
26ヘクタールの広さを持つ獅子ケ鼻湿原。湧水が点在し、ユニークな形をしたブナの木が群生している
にかほ市風景
鳥海山の麓にある、標高約500mの風車が印象的な高原。サイクリングも可能。ふるさと納税でもおなじみの「土田牧場」がある

-滝や湿原、高原など市内は見ごたえのあるスポットがたくさんあるんですね。ぜひ一目見てみたくなりました。そんなにかほ市は、前述したふるさと納税のお礼品について、ちょっとしたこだわりがあると伺いました。具体的に教えていただけますか?

実はお礼品を扱う際に、日本一を目指そうと尽力していることが2つあります。それは定期便を充実させることと、ふるさと納税の寄付に対する「受領証明書」を送る際、たくさんの観光パンフレットや手づくりチラシ、そしてコロナの流行を受けて、地域で配布された「疫病払いのお札」など、地域のPRになるものを同封して、日本一分厚い受領証明書の封筒をお送りしようと心掛けていることです。

特に定期便については、皆さんそれぞれの生活スタイルが異なりますので、なるべく意に沿えるよう細かい定期便のバリエーションを組もうと努力しています。自分でカウントしてみたんですが、おそらく国内で2番目ぐらいに定期便の数が多いはずです(笑)。担当者として、なるべくお客さまに便利さを感じていただけるように、にかほのいい物をこれからもぜひお届けしていきたいですね。

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5.「ふるさと納税」でにかほ市を応援しませんか?

今回は、鳥海山の恩恵をふんだんに受けて、豊かな特産品が集まるまち、にかほ市についてご紹介しました。市内で飲む水はどれもおいしく、その水で作られた牡蠣やお米なども味わい深く仕上がっているにかほ市。1200年間続く伝統芸能を大切に守りながら、一方で、毎年秋には市民全員が主体となって参加できる行事も充実しています。「チョウクライロ舞」の細く響く笛の音を聞くと、思わず郷愁の念にかられ、ふるさとの良さを改めて実感する方も多いかもしれませんね。

現在「セゾンふるさと納税」では、そんなにかほ市を応援する「ふるさと納税」を受付中です。寄付を通じて、にかほ市を応援してみませんか?「ふるさと納税」で自治体に寄付してくださった分は、「寄付金控除」として所得税や住民税から控除されるメリットがあります。

さらに、「納税のお礼品」として自治体イチオシの特産品を送ってもらえるので、ご自宅にてふるさとの味をじっくり堪能できるチャンスです!雄大な鳥海山と日本海に育まれ、古くからの伝承芸能を後世に伝えるべく奮闘するにかほ市への応援を、心よりお待ちしています。

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