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牡蠣にあたる原因とは?あたらない人との違いや予防方法について

牡蠣にあたる原因とは?あたらない人との違いや予防方法について
セゾンのくらし大研究 編集部

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セゾンのくらし大研究 編集部

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牡蛎は、「海のミルク」ともいわれ、濃厚でクリーミーな味わいの中に海の幸のうまみを存分に感じられる、栄養価も高く美味しい海産物です。しかし、牡蠣を食べる上で食あたりが少し心配ではありませんか。

そこで今回は牡蠣好きの方に向けて、好きだからこそ知っておきたい、牡蠣にあたる原因や症状、対処法などをまとめてお伝えします。旬の季節に、美味しく牡蠣を食べられるように、ぜひご一読ください。

牡蠣にあたる主な原因

牡蠣にあたる主な原因

牡蠣にあたったときはどのような原因が考えられるのか、まずはウイルスの種類やなぜそのウイルスがいるのかなど、主な原因を説明します。

牡蠣にはノロウイルスがいる可能性がある

二枚貝である牡蠣は海水中のプランクトンを食べて育ちます。牡蠣は主食であるプランクトンを食べる際に、海水中に存在する「ノロウイルス」も一緒に吸い込んでいる可能性があります。

牡蠣は基本的にプランクトン以外の物質は体外に排出しますが、そのまま体内に残ってしまい蓄積されてしまう場合もあります。

ノロウイルスが蓄積された牡蠣を食べると「牡蠣食中毒」につながる可能性があります。牡蠣を食べてから食あたりのような症状が出た場合は、牡蠣にノロウイルスがいた可能性を疑いましょう。

また、5月~9月は海水の温度が上昇するため夏場に出回る「岩ガキ」や、購入後保存状態が悪かった牡蠣は、「腸炎ビブリオ」という細菌性食中毒の危険性もあります。

加熱用牡蠣を生食で食べていないか

牡蠣には「生食用」と「加熱用」の2種類があります。加熱用の牡蠣を生で食べてしまうと、食中毒の危険性が高まるため、生で食べる際は必ず「生食用」を選ぶ必要があります。具体的な違いは以下のとおりです。

生食用

生食用は、保健所から許可がおりている地域で採れた牡蠣です。定期的な水質検査を行っている海で育てられています。また、不純物が排出された牡蠣でも紫外線殺菌水やオゾンなどで浄化し、生食用として販売されていることがあります。

加熱用

上記以外の牡蠣は生では食べられないため加熱が必要です。これらは「加熱用」の牡蠣として販売されています。

牡蠣にあたるとどんな症状が出る?

牡蠣にあたるとどんな症状が出る?

牡蠣にあたったときの症状は、胃もたれや吐き気、下痢などさまざまです。それぞれ原因別にどんな症状が出るのかを確認しましょう。

ノロウイルスが原因のケース

ノロウイルスが蓄積されている牡蠣を食べたときは、以下のような症状が出る可能性があります。

  • 38度前後の高熱
  • 腹痛
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 胃もたれ
  • 悪寒

ノロウイルスが原因で牡蠣にあたると、どの症状も強く現れるケースが多いです。潜伏期間は多くの場合、食後1日~2日程度ですが、12時間ほどで症状が現れるケースもあります。継続時間や期間は人によりますが、1日~2日ほど続く可能性があります。

貝毒が原因のケース

海水の中にはノロウイルス以外にも有害なプランクトンや菌が潜伏している可能性があり、それらが蓄積された牡蠣を食べてしまうと「貝毒」の危険性もあります。貝毒の症状は「麻痺性」と「下痢性」の2通りあり、それぞれで起こり得る症状は以下のとおりです。

<麻痺性>

  • 口腔内の違和感
  • 唇や顔、手足のしびれ
  • 頭痛
  • めまい

<下痢性>

  • 下痢
  • 吐き気
  • 嘔吐

貝毒の潜伏期間は短く、食後30分程度、またはそれよりも早く症状が現れる場合があります。食べてすぐに異変を感じたら、貝毒を疑っても良いかもしれません。4時間程度で症状がなくなるケースもありますが、12時間以内に呼吸困難に陥ったり身体が痺れて動かなくなったりと重症化する危険性もあります。

腸炎ビブリオが原因のケース

水温が高いと活発化する食中毒菌の腸炎ビブリオが原因の場合は、このような症状が出るかもしれません。

  • 激しい下痢
  • 腹痛
  • 血便
  • 嘔吐
  • 発熱

潜伏期間は2時間~24時間程度、激しい下痢が1日に数回~数十回と何度も続く可能性があり、辛い症状が続きます。

一般的には6時間を超えたあたりから24時間経つ頃までには、症状が落ち着いてくるでしょう。しかし、高齢者の人が腸内ビブリオが原因で亡くなったケースもあるので、症状が治まっても、医療機関の受診をおすすめします。

牡蠣アレルギーが原因のケース

牡蠣を食べてアレルギー反応が現れる可能性もあります。症状は以下のとおりですが、ひどいときはアナフィラキシーショックを引き起こすかもしれないので注意が必要です。

  • かゆみ
  • じんましん
  • 腹痛
  • 下痢
  • 意識障害
  • 呼吸困難

最後の2つの症状は、アナフィラキシーショックの可能性が高いのですぐに医療機関に行きましょう。アレルギー反応に潜伏期間はなく、食後1時間~2時間で症状が出ます。身体だけではなく、喉や口腔内がかゆくなるケースも。

また、牡蠣アレルギーの人はオイスターソースのように牡蠣エキスが使われたものでも反応が起こり得るので注意しましょう。

牡蠣があたりやすい人やあたりにくい人はいるの?

牡蠣があたりやすい人やあたりにくい人はいるの?

知人や親族の中に「この人、何度も牡蠣にあたってるかも」と思う方はいませんか?牡蠣に「あたりやすい人」と「あたりにくい人」がいるのではないか、と考える方が多いようです。あたりやすさを明確に示す判断材料はありません。しかし牡蠣に何度かあたった経験のある方は、これから紹介するような傾向が当てはまるかもしれないので要チェックです。

1度あたったからといって癖にはならない

「1度牡蠣にあたると癖になる」と聞いたことはありませんか?何度もあたったことがある方はいるかもしれませんが、実は1度牡蠣にあたったからといって癖になるわけではありません。とはいえ、1度牡蠣にあたって重い症状に悩まされた方は、「もう牡蠣を食べたくない」「またあたりそうで怖い」と感じる方もいるでしょう。

牡蠣にあたる人あたらない人の差は免疫力?!

ノロウイルス・腸炎ビブリオなどの感染症が原因で牡蠣にあたった場合、免疫力の低下も考えられます。免疫力の低下でウイルスに勝てずに、腹痛や嘔吐、下痢などを引き起こす場合もあることを頭に入れておきましょう。

特に子どもや高齢者など、もともと免疫力が弱い方は牡蠣にあたりやすいといわれているので要注意です。また、体調不良が続いている方や寝不足・不規則な生活をしている方が牡蠣を食べると、いつもは平気でもあたりやすくなる可能性もあります。

免疫力はあたりやすさ以外にも症状の重さにも影響します。体調が悪いときや寝不足のときは、なるべく牡蠣を食べるのを避けた方が良いかもしれません。

牡蠣アレルギーの人は要注意!

何度も牡蠣にあたる方は癖になっているわけではなく、食べる度にアレルギー反応が出ている可能性があります。牡蠣に何度もあたる方は1度アレルギーを疑いましょう。

アレルギーは今まで平気だったのに、突然反応が出るケースもあります。誰が、いつ、どんなタイミングで牡蠣アレルギーを発症するのかは誰にも分かりません。

アレルギー症状は、ひどいときにはアナフィラキシーショックを引き起こし命にかかわる危険性があることを忘れてはいけません。牡蠣アレルギーだけど、牡蠣が好きだから食べるのをやめられない、という方がもしいるならば、命に危険があることを理解してください。

アレルギーの方は、生牡蠣に比べて食あたりを起こしにくい、火のとおった「蒸し牡蠣」や「牡蠣フライ」でも症状が現れる可能性があります。「アレルギーかも?」と思ったら、早めに病院で血液検査を受けましょう。

以前あたった牡蠣と同じ産地は注意?

以前あたった牡蠣と同じ産地は注意?

以前あたった牡蠣と同じ産地の牡蠣を食べると、再度あたる可能性もゼロではありません。同じ海で生息した牡蠣は、同じ毒性のプランクトンが蓄積されている可能性があるためです。

とは言え、牡蠣の養殖を行う海域では定期的に水質調査や検査が行われている場合がほとんどです。以前あたったからと言って、そこの牡蠣の品質に問題があるとは考えにくいでしょう。加熱用を誤って生で食べてしまっていた、購入後の保管期間が長かったなど、消費者側に問題があった可能性もあります。

もし牡蠣にあたった場合の対処法について

牡蠣が好きな方や、牡蠣をよく食べる方は、もしも牡蠣にあたってしまった場合の対処法を知っておきましょう。

下痢や嘔吐を止めない

牡蠣にあたると下痢や嘔吐が起こるケースが多いです。このとき、薬を使用して下痢や嘔吐を止めるのはタブーです。

牡蠣にあたると症状の軽い・重いは人それぞれですが、できることなら「一日で治る方法が知りたい」という方が多いでしょう。しかし、下痢や嘔吐は体内の病原体を排出する自然な働きともいえます。安易に下痢や嘔吐を止めようと薬を飲むと、身体の作用を止めてしまうことになりかねません。

また、「牡蠣を食べて体調が少し悪いけど、症状が下痢や嘔吐のみだから…」と油断するのは禁物です。下痢や嘔吐を繰り返すと脱水症状を引き起こしやすくなります。対処法としては、水分やミネラルの補給を意識するようにしましょう。

人によっては病院へ

牡蠣にあたった場合、症状や人によっては病院の受診が必要です。特に高齢者や子ども、何らかの原因で免疫機能が弱い方はなるべく早く受診した方が良いでしょう。

また、3日~4日経っても症状が軽快しない場合や下痢・嘔吐が続いているのに全く水分が取れない方も、病院を受診して医師の判断を仰ぐことをおすすめします。点滴やその他の処置で回復の兆しが見えるかもしれません。

牡蠣にあたった人がいた場合は周囲も注意

牡蠣にあたった方がノロウイルスが原因だった場合、他の方にうつる可能性があります。感染者の排泄物や吐物にはノロウイルスが含まれているので、処理する際は必ずマスクやエプロン、ビニール手袋などをして直接触らないように処理しましょう。

またノロウイルスにはアルコール消毒液は効きません。消毒をするなら次亜塩素酸などの塩素系が有効です。対して、腸炎ビブリオが原因の場合の汚染した服や寝具は、水道水で洗浄するのが有効です。腸炎ビブリオは淡水で生きるのが困難なため、大量の水道水で洗い流しましょう。

感染力がかなり高いので、感染した本人以外の周囲の方も徹底した対策が必要です。

牡蠣にあたらないようにするためには

ここまで「もしも牡蠣にあたったら」「牡蠣にあたる原因」など、牡蠣にあたることを前提に話してきました。しかし、美味しくて栄養価の高い牡蠣を、あたらずに美味しく食べたいと思う方がほとんどです。

そこで最後に、牡蠣にあたらないようにする方法を紹介します。必ずしも「これをすればあたらなくなる」ということではなく、あたる確率・原因を少しでも排除する方法としてお伝えします。

調理の前にはしっかり手洗いをする

調理の前にはしっかり手洗いをする

基本的なことですが、調理前にしっかりと手を洗うことが大切です。また、調理中もこまめに手洗いをしましょう。

牡蠣の殻や身を触った手で他の食材に触れると、他の食材にまでノロウイルスをつけてしまう可能性もあります。もしそうなると、子どもや高齢者などは牡蠣を食べるのは避けたのに、調理中にノロウイルスがうつった食材を食べてあたってしまうかもしれません。

他の食材にうつさないためにも、できれば手袋を着用した状態で調理すると良いでしょう。調理中のまな板や包丁の消毒も忘れずに行えば、あたる確率を下げることにつながります。

牡蠣にあたりたくなければ加熱がおすすめ

牡蠣にあたりたくない方は、生食を控えるようにしましょう。牡蠣にあたる可能性は、加熱したからといってゼロになるわけではありません。しかし、ノロウイルスや腸炎ビブリオの場合、下記のとおりに加熱すればウイルスや菌の活性が減少します。

  • ノロウイルス…中心部85℃~90℃以上
  • 腸炎ビブリオ…中心部60℃で10分以上

ただし、貝毒は加熱しても変わりません。もちろん、牡蠣アレルギーの方も同様です。牡蠣を食べて異変を感じた場合は、食べるのをやめましょう。

冷凍牡蠣にも注意

ノロウイルスは、残念ながら冷凍しても死滅しません。そのため冷凍の状態で売られている牡蠣だからといって、「あたらないだろう」と安心できませんので注意しましょう。

冷凍牡蠣のほとんどは「加熱用」と記載があります。加熱用なのでもちろん加熱して食べてください。冷凍牡蠣の場合は、中心部までの火のとおり時間が、冷凍されていない牡蠣と比べると少し違うので気をつけましょう。

30秒程度流水解凍して、半解凍の状態で加熱をすると中心部まで火が通りやすくなります。冷凍牡蠣もしっかりと加熱して食べてください。

おわりに 

1度牡蠣にあたると食べられなくなるという方もいるほど、あたったときの症状は重いものです。しかし、美味しくて栄養価の高い牡蠣は熱狂的なファンも多く、安心して食べたいですよね。

牡蠣にあたる原因や症状を理解し、加熱したり鮮度の良いもの、保管状態の良いものを選ぶようにしましょう。万が一牡蠣にあたったときは薬に頼らず、身体やお腹の状態が芳しくない場合はすぐに医療機関を受診しましょう。

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