- 「犬を飼ってみたいけど、費用面が心配」
- 「1年間でどれくらいの出費があるのかを知りたい」
今回のコラムでは、そんな疑問を抱える方向けに犬の年間飼育費用についてご紹介します。多くの方が見落としがちな費用や生涯にかかる費用、そして飼い主さんがお金以外について考えておきたいことについてもご紹介しますので、愛犬をお迎えする前の参考にしてください。
犬を飼うのに必要な年間費用は約340,000円
結論からいえば、犬の飼育にかかる年間費用は約340,000円となっています。これは、ペット保険シェアNo.1を誇るアニコム損害保険株式会社による、3,000名以上のペットオーナーへのアンケートで判明したデータになります。こちらが2020年の最新データで、年間費用は合計338,561円となっています。
治療費や食費、トリミング料が多くを占める
年間費用の内訳を見てみると、金額が多い項目のTOP3は次のとおり。
- フード・おやつ:64,745円
- ケガや病気の治療費:60,430円
- シャンプー・カット・トリミング料:48,692円
こちらは年間費用ですから、フード・おやつの食費を月額に直すと、約5,000円。初めてペットを飼う方にとっては、どれくらいの食費がかかるのかすらピンとこないと思いますが、ざっくりと5,000円程度の費用がかかることを知っておくと良いでしょう。
また、犬も高齢になればさまざまなケガや病気のリスクが高まりますから、歳をとるごとに治療費が増加していくことも考慮しておかないといけません。シャンプーやカット、トリミングにかけるお金については、室内で飼うか屋外で飼うか、トリミングが必要かどうかによっても変わってきます。
たとえば、トイプードルのような犬種は毛が抜けず伸び続けるので、定期的にトリミングが必要です。一方で柴犬のような犬種は毛が抜けて生え変わりますから、トリミングはほぼ不要。こうした犬種の違いや、小型犬か大型犬かによっても年間費用は異なります。
ですので、大まかな目安として年間340,000円くらいかかるものと考えておくと良いでしょう。
意外と見落としがちな「ペット保険料」
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なお、年間費用で4番目に金額が大きい金額は、「ペット保険料」です。実は犬や猫には、人間の健康保険のような公的な保険制度がありません。そのためもし愛犬がケガや病気で手術・入院などが必要になった場合、全額を実費で支払う必要が出てくるのです。
そうした高額な出費に備えるために多くの飼い主が加入しているのがペット保険です。セゾンカードでも、次のようなペット保険と提携しています。
もしものときに備えて保険に入っておきたいのは、人間も犬も一緒。大切な家族の一員になるからこそ、ペット保険は慎重に選びたいところです。なお、ペット保険の選び方についてはこちらの記事でも紹介しているので、参考にしてみてください。
犬を迎えるときの初期費用は最大400,000円程度
次に、犬をお迎えする際にかかる初期費用についてもチェックしておきましょう。犬を飼うための初期費用は、どのように犬をお迎えするかによって大きく異なってきます。
たとえば、街中のペットショップで子犬をお迎えする場合には、高額な生体費用が必要になります。一方で、保護犬を迎える場合や、譲渡会で譲り受ける場合などは、基本的に生体費用は無料です。
そうしたお迎え方法によっても初期費用は異なりますが、最大で400,000円程度を見積もっておくと安心です。
生体購入の場合は費用がかさむ
ペットショップで犬を購入する場合には、種類によって100,000円〜300,000円程度の費用がかかります。まだ若く可愛らしい子犬ほど生体価格は高くなり、大きく成長すればするほど安くなる傾向にあります。
珍しい犬種であれば、500,000円以上の生体価格になることもあるでしょう。それらに加えて、ワクチン接種やフード、トイレ用品、ケージなどの生活用具も必要になりますから、最大で400,000円程度の初期費用が必要になります。
保護犬や譲渡会でも生活用具は必要
保護犬や譲渡会で無料で犬を引き取れても、無料で飼い始められるわけではありません。場合によってはワクチン代や交通費などの譲渡費用が発生し、50,000円程度がかかることもあります。
また、生活用具はご自身で用意する必要がありますから、その費用も考慮しなければなりません。400,000円とまではいきませんが、50,000円〜100,000円程度の予算は組んでおいた方が良さそうです。
生涯費用は約565万円! 老後の蓄えと相談しておきたい
ここまで紹介してきた年間費用と初期費用を踏まえ、犬の寿命をざっくり15年と仮定すると、大まかな生涯費用が計算できます。初期費用が400,000円、年間費用350,000円として15年分を計算すると、トータルで565万円。犬をお迎えしてから看取るまでに、500〜600万円ほどの費用がかかるとみて良いでしょう。
50代で犬を飼い始めようと考える方の場合、定年退職して年金生活をスタートさせてからの犬の飼育も考慮する必要があります。特に突発的なケガや病気による治療費は、家計を大きく圧迫する可能性が高くなります。そうしたリスクに備えるためにも、ペット保険に加入しておくと安心です。
50代から犬を飼っても大丈夫?お金以外に考えたいこと
50代から犬を飼い始めようと思ったときに、心配なのは費用面だけではありません。
- 犬のしつけについて
- 飼い主の体力低下について
- 旅行や外出の制限について
犬を飼うとこれらの問題についても考える必要が出てきます。それぞれ具体的にチェックしていきましょう。
犬のしつけについて
犬を飼い始めたら、必ず必要になるのがしつけです。散歩中に通行人に吠えたり噛み付いたりしないことはもちろんですし、室内犬ならトイレシーツの上でトイレができることも重要です。
特に子犬の時期は、カーテンや電源コードを噛んでボロボロにしてしまうこともありますから、そうしたイタズラをしないようしっかりしつける必要があります。
しつけができず犬を甘やかして飼育していると、知人に犬を預けたいと思ったときや、万が一の際に面倒を見てくれる人を探すのが困難になります。なるべく若い時期からダメなことはダメと教え、良いことは良いと褒めてしつけることが重要です。
飼い主の体力低下について
50代以降の飼い主さんの場合、体力の低下による犬への影響も考えておくべきです。
例えばご自身が体調を崩して散歩に行けなくなった場合、散歩が好きな子であれば、室内に閉じ込められて大きなストレスを抱えてしまうこともあるでしょう。
中型犬や大型犬になるとエネルギーやパワーもありますから、散歩中にリードを強く引っ張られてご自身がケガをしてしまう可能性もあります。
そうした今後の体力の低下を見据えて、お迎えする犬の犬種を絞ったり、ペットシッターさんを探しておいたりすると安心です。
旅行や外出の制限について
老後の楽しみとして、海外や国内の旅行を楽しみにされている方も多いでしょう。犬を飼うことになると、基本的に長く家を空けることはできなくなります。
もちろんお世話ができる家族がいる場合や、ペットシッターさんをお願いできる場合は問題ないのですが、夫婦だけで犬を飼う場合は要注意。
旅行に行くことが難しくなり、外出にも制限が出てきます。そうしたデメリットがあっても、犬をお迎えしたいと思えるか慎重に考える必要があります。
「老犬ホーム」や「愛犬と暮らせる介護施設」という選択肢も
50代から犬の飼育を考えた場合に、大きな心配事になるのが「老後」です。飼い主が介護が必要になった場合に、残された愛犬はどうするのか。
飼い主の体力が低下している状態で、愛犬の介護が必要になった場合はどうするのかなどが挙げられますが、実はこうした問題は、「老犬ホーム」や「愛犬と暮らせる介護施設」を利用することで解決する選択肢もあります。それぞれどのようなものかをチェックしてみましょう。
老犬ホームってどんな施設?
老犬ホームとは、犬のための老人ホームのようなものです。
たとえばこちらの記事でも紹介している「あにまるケアハウス」では、充実したサポート体制や施設環境により、愛犬がのびのび過ごせるようになっています。広々としたドッグランを完備していて、愛犬にとっても楽しく生活できる場所があります。
特に10歳以上のシニア犬になってくると、日々のお世話も大変になってきますから、こうした方法もあると知っておくと良いでしょう。
愛犬と暮らせる介護施設とは?
逆に飼い主が施設に入ることになった場合には、愛犬と一緒に暮らせる介護施設を選ぶことも可能です。
こちらの記事で取材した「ハートランド・エミシア久我山」は、愛犬と暮らせるサービス付き高齢者向け住宅です。これまで通りに自宅で過ごすことは難しくても、こうした施設の力を借りることで、大切な愛犬と長く一緒にいることができます。
愛犬のお世話はペットシッターに任せることができますから、あなた自身が体調を崩してしまっても大丈夫です。
まだまだ先の話かもしれませんが、老犬ホームや愛犬と暮らせる介護施設があることを知っておくことで、より安心して愛犬との時間を過ごせるのではないでしょうか。
おわりに
犬を飼うために必要な年間費用は約340,000円、生涯では500〜600万円のお金がかかることを紹介してきました。ご自身の老後資金も考えれば、愛犬のペット保険には必ず加入して、急な出費に備えることが重要です。
お金の面以外にも、50代以上の方なら体力の低下や外出の制限が気になるところかもしれません。しかし最近では老犬ホームや愛犬と暮らせる介護施設もありますから、大切な愛犬と一緒に過ごせる時間を増やすことも可能です。こうした施設・サービスを利用することも考慮しながら、犬をお迎えする準備を進めましょう。