近年、手軽に多くの栄養素が摂取できる食材として、米ぬかが大きな注目を集めていることはご存知でしょうか。米ぬかと聞くと、食べるものではないというイメージがある方や、美容において、パックなど肌に塗ることで効果があるということを聞いたことがある方もいるかもしれません。
本来、米ぬかはお米を精米する際に捨てられてしまう部分でしたが、たくさんのお米の栄養素が詰まっています。そして、そのような栄養素を効果的に取り入れることで健康にさまざまな良い効果があるということもわかっています。
この記事では米ぬかがどのような栄養素を含んでいるか、その栄養素が私たちの体にどのような効果・効能を与えてくれるかを紹介します。
米ぬかとは?
米ぬか自体はお米を主食とする日本人の生活に昔から根付いてきたものです。今一度米ぬかとはなんなのかということを確認してみましょう。
米ぬかの「ぬか」とは、穀物を精白したときに出る果皮や種皮、胚芽のことを指します。米ぬかは収穫したばかりのお米からもみ殻を取り除いた玄米を胚乳のみの状態の白米に精米するときに粉になって出てきます。この玄米の表面を削ったときに出る粉が、「米ぬか」です。
さまざまな用途で使われてきた米ぬか
米ぬかには多くの成分が含まれており、江戸時代からぬか漬けやこめ油などで、利用されてきました。漬物や化粧品への活用は多くの方が知っている用途だと思います。
その一方で、こめ油は米ぬかから抽出される植物性油脂ですが、日本産の原料を使って作られる植物性油脂のほとんどは、このこめ油が占めているということはあまり知られていないかもしれません。
近年では美容効果でも米ぬかを活用できることが分かり、洗顔料や入浴剤にも米ぬかが使われています。このように米ぬかは実は多くの用途で私たちの生活に役立っています。そして、実際に米ぬかを食べることも体に良い効果を与えることがわかっています。
米ぬかに含まれるさまざまな栄養素
米ぬかに含まれる胚芽は「お米の命」と呼ばれており、抗酸化作用のあるビタミン類やフィチン酸などの私たちの健康を守っている成分がたっぷり詰まっています。ここからは米ぬかに含まれる代表的な栄養素について紹介していきます。
食物繊維
食物繊維は腸のぜん動運動を活発にし、善玉菌の働きをサポートするなど高い整腸効果を持っており、便秘・下痢の予防になります。さらに、脂質・糖・ナトリウムなどの老廃物を排出する効果もあるため、心疾患や糖尿病などの生活習慣病を予防する効果もあります。米ぬかは食物繊維を精白米の40倍以上含んでいます。
ビタミンB群
玄米の胚芽に多く含まれているビタミンB群は新陳代謝だけでなく、ダイエットや美肌効果を高めてくれます。米ぬかに含まれるビタミンB群で特に多いのはビタミンB1とビタミンB6で、ビタミンB1は精白米の約12倍米ぬかに含まれています。ビタミンB1は糖質をエネルギーに代謝する機能、B6はたんぱく質や脂質を代謝する機能を持っており、疲労回復や皮膚炎・口内炎などの予防をしてくれます。
フィチン酸
米ぬかにはビタミンB群の仲間の成分のひとつ、フィチン酸が含まれています。フィチン酸の抗酸化作用は、がんや生活習慣病の原因である活性酸素の働きを抑えることができ、病気の予防に大きく役立つといわれています。また、脂肪肝の発症を抑制する効果があることもラットを通じた実験で明らかになっています。
フェルラ酸
フェルラ酸もフィチン酸同様、強力な抗酸化作用を持っており、大腸がんへの予防効果が期待されています。このほかに、フェルラ酸には紫外線吸収作用があり、紫外線から皮膚を保護してくれます。天然由来成分で美肌にもつながることからフェルラ酸は「お米のポリフェノール」と名付けられています。製薬会社の研究によりアルツハイマー型の原因となる物質の蓄積を防ぐ効果があることも分かっています。
γ-オリザノール
γ-オリザノールは米ぬかに含まれるポリフェノールの1種で、コレステロールを低下させる効能を持っています。悪玉コレステロールを減らすことで動脈硬化などの予防ができるだけでなく、自律神経失調症や更年期障害、潰瘍、高脂血症などにも効果的とされており、治療薬として実際に採用されています。
米ぬかの効果・効能は?
栄養素が豊富に含まれている米ぬかですが、ここからは米ぬかの効果・効能について解説します。
胃腸に効く効果
胃腸には米ぬかに含まれる食物繊維が効果的とされています。例えば、便秘は腸内に老廃物を溜める状態を作ることで有害菌を増殖させ肌荒れや免疫力の低下を招きますが、食物繊維はそうした老廃物の排泄を促進させ、善玉菌を増やす作用を持っています。単に腸内の環境が整うだけでなく、以前より整腸効果が高くなる効果があります。
皮膚に効く効果
米ぬかには美肌や美白効果を高めてくれる成分が豊富に含まれています。ビタミンB群やミネラルは皮膚の新陳代謝を促し、フェルラ酸は抗酸化作用や紫外線の吸収で肌の酸化やメラニンの生成を抑制してくれます。さらに、セラミドという成分は肌の成分を保つことでバリア機能を果たします。
血液に効く効果
米ぬかは血液サラサラ効果や血糖値ケアの手助けをしてくれます。米ぬかに含まれるGABAは腎臓の働きを高める効果があり血圧を上昇させる塩分を排出しやすくします。高血圧のときに限り、血圧降下作用が発生するため、摂りすぎに気をつける必要もありません。
γ-オリザノールは動脈硬化の原因になるコレステロールを低くしてくれるため、血液をサラサラで正常な血糖値にするなどの健康効果が期待できます。
米ぬかはこんな方におすすめ
ダイエットを考えている方
米ぬかはお腹の調子を整え、糖や脂質の吸収を阻止してくれます。例えば、米ぬかに含まれるビタミンB群は新陳代謝を促進し、食物繊維は腸内の老廃物や毒素を体外に排出する手助けをしてくれます。
また、アミノ酸の仲間であるGABAは食欲中枢に働きかけることで脳を落ち着かせ、暴飲暴食を防ぐ手伝いをしてくれます。お腹の調子が不安定な方や、食べすぎてしまわないか不安な方のダイエットに米ぬかはおすすめです。
肌荒れに悩んでいる方
米ぬかは肌荒れの原因となる毒素を体内から排出するだけでなく、健康な肌を保湿し、紫外線などの外的要因から守ってくれる成分を持っています。米ぬかに美肌や美白効果があるといわれるのはそのためです。肌荒れに悩んでいるのであれば、米ぬかは体の中だけではなく外からも肌荒れの改善と肌の機能の向上を高めてくれるので、効果的でおすすめです。
便秘に悩んでいる方
米ぬかには腸内環境を整えてくれる食物繊維がたっぷり含まれています。便秘になると長期間便が出ないだけでなく、増殖した有害菌の悪影響も受けます。ですが、食物繊維は善玉菌を増やす働きがあり、荒れた腸内の環境を整える効果も持っています。アフターケアができるという点でも米ぬかは便秘改善に効果的です。
血圧が気になる方
米ぬかの成分でもっとも血圧改善の手助けをしてくれるのはGABAです。この成分は高血圧のとき、つまり危険なときだけ血圧上昇の原因になる塩分を排出してくれます。常日頃から血圧の上下に悩まされる生活を送っていても、米ぬかを継続的に食べていれば血糖値が高くなると自動的に低くなるような手助けの効果も期待できるでしょう。コレステロールを抑えるγ-オリザノール、リノール酸なども米ぬかには含まれています。
米ぬかを効果的に摂る方法は?
ここからは米ぬかを効果的に摂る方法を解説します。
米ぬかは1日どれくらい摂取すればいい?
米ぬかは1回の食事に大さじ1杯程度で充分です。米ぬかは豊富な栄養素が含まれていますが、食べ過ぎるとかえって体には良くありません。また、一度に食べるのではなく、1日3回の食事ごとに分けて食べるほうがより効果的です。
パウダー状の米ぬかがおすすめ
米ぬかは、加熱殺菌処理をしないと食べることはできません。また、精米したままだと胚芽など固い部分が残るので、粉砕加工等を行ったパウダー状のもののほうが食べやすくおすすめです。パウダー状の米ぬかはサラサラで、舌触りが良く食べやすい仕上がりになります。また、味のえぐみも取れ、きな粉のような甘さが出ます。
栄養素は大さじ1杯で玄米ご飯約1膳分の量が含まれています。少量で食べやすく、一度にたくさんの栄養素を摂取できるという点でパウダー状の米ぬかが良いでしょう。
パウダーなら色々なメニューに応用可能!
米ぬかパウダーは様々な方法で普段の食生活に取り入れることができます。ヨーグルトや味噌汁とそのまま混ぜるだけで、手軽に摂取できます。また、パンやケーキ、サブレなどを作る際も、強力粉と米ぬかを混ぜることで栄養価の高いスイーツが作れます。
米ぬかを摂るなら「食べる米ぬか」!
最後におすすめの米ぬかパウダーである「食べる米ぬか」について紹介いたします。
「食べる米ぬか」は栄養価、風味のロスが少ない
米ぬかパウダーである「食べる米ぬか」は米ぬかを手軽に食べるという習慣を取り入れてほしいという願いから生まれました。この「食べる米ぬか」は、特殊な技術により添加物は一切加えず、短時間の加熱処理のみを行い栄養価・風味はそのままで美味しくいただけます。
普段の食事にかけるだけ・混ぜるだけで簡単栄養価アップ!
「食べる米ぬか」は約5g(大さじ1杯)で、お茶碗1杯の玄米と同じ量の栄養素を得ることができます。特別な調理は必要なく、お味噌汁、ヨーグルトなどに混ぜるだけでも栄養素を摂取することができます。まずは1日5g食事に取り入れることから始めてみるのはいかがでしょうか。
少しでも気になった方は、ぜひ「食べる米ぬか」を普段の食生活に取り入れてみてください。