車を所有すると「自動車税」の支払いが必要です。しかし自分の車にかかる自動車税の金額がわからない方も少なくありません。この記事では、自動車税額やグリーン化特例などについて詳しく説明します。
さらにエコカー減税や環境性能割などの減税制度も紹介しているので、気になる方はぜひご一読ください。
- 自動車税には、環境性能に優れた車が減税される「グリーン化特例」が設けられている
- 電気自動車やハイブリッドカーなどの対象車を購入するのも、自動車税を抑える方法のひとつ
- 自動車税の支払いは、銀行、郵便局、コンビニなどでの現金払いの他、PayPayなどのスマートフォン決済、クレジットカード払いが可能
自動車税とは車の保有者に課せられる税金
車の所有者に対して、毎年課せられる税金が自動車税です。普通車には「自動車税」が、軽自動車には「軽自動車税」がかかります。納税先は自動車税が都道府県、軽自動車税が市町村となります。
なお自動車取得税が2019年10月1日に廃止となり、新たな税として自動車の燃費性能などに応じて課税される「環境性能割」が導入されました。この結果、自動車税の正式名称は「自動車税(種別割)」および「軽自動車税(種別割)」に変更されています。。
自動車税の金額は排気量により異なる
ここでは自家用乗用車の自動車税額について紹介します。また自動車税が安くなる制度も解説するので、確認してみてください。
自動車税の早見表
普通車の自動車税は、排気量と新車登録した時期によって異なります。一方、軽自動車は税額が一律です。詳しくは以下の自動車税額早見表を確認してください。
<自動車税早見表>
※2015年3月31日までに新車登録した軽自動車は旧税率の7,200円となります。
2019年の税制改正により、2019年10月以降に新車登録した普通車の自動車税額が引き下げられました。自動車税は新車登録時期によって税額が異なることを覚えておきましょう。
参照元:総務省|地方税制度|2019年10月1日、自動車の税が大きく変わります、総務省|地方税制度|平成28年度から軽自動車税の税率が変わります
エコカーはグリーン化特例で自動車税が安くなることも
自動車税には「グリーン化特例」があります。グリーン化特例とは、電気自動車やハイブリットカーなど、環境に優しい車の自動車税額を軽減する制度です。グリーン化特例の詳細は以下のとおりです。
自動車税のグリーン化特例概要
<適用期間>
2023年4月1日~2026年3月31日
<自動車税適用内容>
・適用期間中に新車新規登録を行った場合に限り、当該年度の翌年度分について特例措置が適用
<対象・要件等>
乗用車 | ・電気自動車 ・燃料電池自動車 ・天然ガス自動車 ・プラグインハイブリッド自動車 | 概ね75%軽減 |
軽自動車税のグリーン化特例の概要
<適用期間>
2023年4月1日~2026年3月31日
<軽自動車税適用内容>
・適用期間中に初めて車両番号の指定を受ける減税対象車(三輪以上の軽自動車)を取得する場合に
限り、当該年度の翌年度分について特例措置が適用
<対象と軽減率>
乗用車 | ・電気自動車 ・燃料電池自動車 ・天然ガス自動車 | 概ね75%軽減 |
グリーン化特例を受けるには、適用期間内の新車登録が条件なので注意しましょう。
年式が古いと自動車税は高くなる
新車登録から一定の年数が経過した車は、自動車税が増税されます。以下の年数が経過した車は、自動車税の上乗せ対象です。
- ディーゼル車:11年
- ガソリン車:13年
- LPG車:13年
- 軽自動車:13年
以下の表は、13年経過したガソリン車のおおまかな自動車税額です。
1000cc以下 | 約33,900円 |
1000cc超〜1500cc以下 | 約39,600円 |
1500cc超〜2000cc | 約45,400円 |
2000cc超〜2500cc | 約51,700円 |
2500cc超〜3000cc | 約58,600円 |
3000cc超〜3500cc | 約66,700円 |
3500cc超〜4000cc | 約76,400円 |
4000cc超〜4500cc | 約87,900円 |
4500cc超〜6000cc | 約101,200円 |
6000cc超 | 約127,600円 |
軽自動車 | 12,900円 |
なお、電気自動車やハイブリッド車などのエコカーは、増税の対象外です。
自動車税の納付期限は原則5月末
自動車税は、納付通知書に記載されている期限内に支払いが必要です。なお納税通知書は、毎年4~5月頃に各自治体から送付されます。納付期限は自治体によって若干異なるため、必ず納付通知書を確認するようにしてください。
また、4~5月頃に引っ越し予定がある方は注意が必要です。多くの自治体では、4月1日時点で車検証に登録されている住所に納付通知書を送付しています。そのため、4~5月頃に住所が変わった場合は、納税通知書が新住所に届かない可能性があります。
4~5月頃に引っ越して納税通知書が届かない場合は、旧住所の税事務所に問い合わせてみてください。
自動車税の支払い方法
自動車税の支払い方法は、主に以下のとおりです。
- 銀行や郵便局などの金融機関
- コンビニエンスストア
- 口座振替
- クレジットカード
- スマートフォン決済
- Pay-easy(ペイジー)
自動車税をクレジットカードで支払うなら、「SAISON CARD Digital」がおすすめです。申し込み手続きはスマートフォンで簡単にでき、アプリ上のカード番号を確認し、カード決済ができます。年会費は永年無料でポイントの有効期限もありません。詳しくはこちらのWEBサイトからご確認ください。
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自動車税を抑える4つの方法
自動車税は毎年支払いが必要なため、できるだけ安く抑えたいと考える方は多いでしょう。ここでは自動車税を抑える4つの方法を紹介します。
エコカー・軽自動車を購入する
自動車税を抑える方法のひとつに、エコカーや軽自動車の購入があります。電気自動車やハイブリットカーなどのエコカーは、グリーン化特例による減税の対象です。対象車は、概ね75%減税されるため、自動車税を大幅に抑えられます。また、軽自動車は普通車よりも自動車税や維持費などを安く抑えられるため、トータルでの費用を考慮して軽自動車を選択するのも良いでしょう。
11年超・13年超になる前に買い替える
年式が古い車は自動車税が高くなります。そのため、早めに車を買い替えると、自動車税を抑えることにつながります。ディーゼル車は11年、ガソリン車・LPG車・軽自動車は13年を超える前に買い替えを検討してみましょう。
身体障害者の方は減免が受けられる
精神障害者保健福祉手帳や身体障害者手帳をお持ちの方は、一定の要件を満たす場合に自動車税の減免を受けられます。
ただし、減免を受けるには登録日から1ヵ月以内に自治体への申請が必要です。自治体によって減免の対象になる障害の程度や免税額が異なるため、詳細は各自治体に確認してください。
購入時期によってお得になることも
新規で車を購入する場合、購入時期により自動車税がお得になるケースがあります。自動車税は4月1日時点で車を所有する方に課せられる税金です。しかし年度の途中で車を購入した場合、普通車であれば翌月から3月までを月割りで支払うことになります。そのため、月初に購入すれば約1ヵ月分の税金を支払わずに済みます。
なお、軽自動車を年度の途中に購入した場合、翌年の4月まで軽自動車税はかかりません。そのため、4月2日以降の早い時期に購入すれば1年間税金を支払わずに済みます。車を購入する際は、このような自動車税の特徴も考慮して購入時期を検討してみてください。
自動車税で注意するポイント
ここでは自動車税の注意点を5つ紹介します。
車を手放す場合は確実に手続きをする
車を手放す場合は、所定の手続きを忘れないようにしましょう。廃車の場合は抹消登録、車を他の方に譲った場合は名義変更が必要です。抹消登録や名義変更を忘れてしまうと、ご自身に納税通知書が送付されてしまいます。無駄な税金を支払わないためにも、車の所有権が移る際は必ず手続きしましょう。
軽自動車税は廃車になっても還付金が受け取れない
普通車の場合、廃車になると支払い済みの自動車税が還付されます。還付額は、抹消登録した翌月から3月までの月割り分です。一方、軽自動車の場合は月割り課税ではないため、廃車になっても還付金はありません。
なお、自動車税の還付金が受け取れるのは廃車したときに限ります。売却や譲渡の場合は還付されないので注意しましょう。
住所変更の際は車検証の手続きも必要
住所が変わったときは、車検証の変更手続きを忘れないようにしてください。住所変更の手続きを忘れると、自動車税の納付書が届かない可能性があります。
なお住所変更は、普通車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会で手続き可能です。
滞納すると延滞金がかかる
自動車税は滞納すると延滞金がかかるため注意が必要です。期日までに支払わなかった場合、納期限から実際に納めた日までの延滞金が自動車税に加算されます。
また、自治体から督促状が届いても支払わない場合、財産を差し押さえられるケースもあるため注意してください。
自動車税の納税証明書がなくても車検は受けられる
平成27年4月から、車検時に納税証明書の添付が不要になりました。軽自動車についても、令和5年1月から添付が不要となっています。
ただし自動車税の納付方法により、運輸支局が支払いを確認できるまで時間がかかる場合があります。例えばクレジットカードやスマートフォン決済アプリで納付すると、運輸支局の確認まで1週間程度かかり、その間は未納扱いとなってしまいます。
自動車税の未納がある場合は、車検を受けられないだけではなく、延滞金が発生する可能性もあるので、早めに納付手続きを済ませましょう。
自動車税以外に車の税金はある?
車には自動車税以外にも以下の税金がかかります。
- 自動車重量税
- 環境性能割
- 消費税
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
自動車重量税
自動車重量税とは、車の重さに応じて課せられる税金です。自動車重量税は新車登録時と車検時に、車検証の有効期間分(初回は3年、その後は2年)をまとめて支払います。なお一定の条件を満たす車は、エコカー減税が適用されます。
エコカー減税
エコカー減税とは、排出ガス性能及び燃費性能に優れた自動車に対して、自動車重量税を免税・軽減する制度です。
参照元:国土交通省|エコカー減税の概要、国土交通省|自動車重量税額について
環境性能割
2019年の税制改正により「自動車取得税」が廃止され「環境性能割」が課されるようになりました。環境性能割は、適用期間中に取得した車の価格に対して、環境性能に応じた税率が課税される仕組みです。
参照元:国土交通省|環境性能割の概要
消費税
車の購入時には消費税がかかります。2024年9月現在の消費税率は10%です。例えば、車の本体価格が130万円だった場合は、10%の130,000円が消費税としてかかります。
さらに、オプションや付属品に対しても消費税がかかるため、車の購入予算は多めに見積もっておきましょう。
おわりに
車にかかる税金の中で、毎年納めるのが自動車税です。自動車税は軽自動車は税額が一律ですが、普通車は排気量によって異なります。
また2019年の税制改正で、2019年10月以降に新車登録された普通車は、自動車税額が安くなりました。さらに、車の性能によっては減税される制度もあります。自動車税について理解を深め、納得して支払えるようにしましょう。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。