「カードローンに申し込みたいけれど、在籍確認について気になる」「以前、ローンを申し込んだら会社に電話が来て困った経験がある」という方もいるのではないでしょうか。勤務先にカードローン会社からの電話が入ることを考え、利用を控えている方もいるかもしれません。
そこで本記事では、カードローンを申し込む際に審査の過程で行われる在籍確認の方法や、カードローン会社が確認する内容について解説します。在籍確認をスムーズに進めるコツもご紹介しているので、参考にしてみてください。
ローンの在籍確認とは?
在籍確認は、カードローンに申し込んだ際に行われる審査方法のひとつです。カードローンは、急な出費で困ったときに利用したいと考える方も多く、わざわざ店舗へ行かなくても、WEB上で手軽に手続きできます。
ここでは在籍確認とはどのようなものか、内容や連絡が来るタイミングについて解説します。
在籍確認とは?
在籍確認とは、その名のとおり、申し込み時に勤務先として申告した会社に、本当に在籍しているかを確認するものです。勤務先を確認することで、申込者の収入状況や返済能力を見極めます。貸金業者であるカードローン会社の返済能力調査義務は貸金業法の第13条で定められている事項です。
在籍確認の内容
在籍確認の内容はとてもシンプルで、申し込みの際に申告した会社やお店に担当者が電話を掛け「そちらに〇さんという方はご在籍でしょうか」「〇さんという方はいらっしゃいますか」などと質問します。
本人であれば「〇〇様でしょうか」と聞かれ、確認が取れると在籍確認は終了です。ただし、電話に出られなかった場合には、再度電話がかかってくるので注意しましょう。
在籍確認のタイミング
多くの場合、在籍確認は本人確認のあとに行われます。申し込み後、まずは申告した電話番号に担当者から電話があり、本人確認を終えると、次は勤務先への在籍確認という流れが一般的です。
基本的に在籍確認は、審査の最終段階で行われますが、カードローン会社によってはタイミングが異なる場合もあります。
カードローンの在籍確認はどんなときに行われる?
在籍確認を行う主な理由は2つあります。1つ目は「返済能力の有無を確認するため」、2つ目は「申し込み内容に嘘がないかを確認するため」です。ここでは、それぞれの理由についてさらに詳しく解説します。
返済能力の有無を確認するため
カードローンの審査で重視されるのは「返済能力があるか」という点です。返済能力の有無を確かめるには「年収」「職業」「勤務先」「過去の金融利用歴」といった情報が必要になるでしょう。カードローン会社はこれらの情報を確認し、申込者に返済できる能力があるかを調査します。
また、総量規制と呼ばれるルールにより、借入は年収の3分の1までしかできません。そのため、返済能力の有無だけでなく、希望額を貸し付けられるかも同時にチェックします。
申し込み内容に嘘がないかを確認するため
在籍確認は、申し込み内容に嘘がないかを確認する手段でもあります。申告内容に嘘があると、正しい審査ができません。事実、カードローンの申込者の中には、お金を借りたいからと以下のような虚偽の申告をする方もいます。
- 少しでも多く借りるために、年収を高めに申告する
- 会社での勤続年数が少ないと審査を通りづらいと聞いたので、勤続年数を長く申告する
- 他からもお金を借りていることを伝えると審査に通っても借りられるお金が減るので借入はないと申告する
しかし、偽りの申告をした場合でも、収入証明書の提出や信用情報機関での照会により、わかってしまう場合もあります。虚偽が発覚すると、今後のローン審査にも影響を及ぼすため、正しく申告しましょう。
カードローンの在籍確認方法は2つ
カードローンの在籍確認は、電話が主流です。しかし、書類の提出による在籍確認を行っているカードローン会社もあります。ここでは「電話」と「書類」、それぞれの在籍確認の流れを確認してみましょう。
電話での在籍確認の流れ
電話での在籍確認を行う場合の、申し込みから審査結果が出るまでの一般的な流れを見ていきましょう。
- 申し込み
- 本人確認書類の提出(運転免許証や健康保険証、マイナンバーカードなど)
- 本人確認の電話
- 会社への在籍確認
- 審査結果のお知らせ
多くの場合、会社への在籍確認は審査の最終段階で行われます。電話が来る時間帯については、カードローン会社の営業時間内である平日朝10時〜20時頃としているところが多いものの、状況によって異なるでしょう。
書類での在籍確認の流れ
書類での在籍確認の流れは、カードローン会社によって異なるため、希望するカードローン会社に直接問い合わせてみましょう。
「対応改善の観点から会話が録音されている」「会社に人がいる時間が少ない」「セキュリティーが厳しく、外部からの電話では在籍の有無を答えられない」など、電話での在籍確認ができない明確な理由がある場合のみ、書面で対応するカードローン会社もあります。
書類による在籍確認では、会社名が記載された給与明細書や健康保険証など、指定された書類のコピーを提出しなければなりません。指定された書類が準備できなければ、書面での在籍確認はできないため、注意しましょう。
カードローンの在籍確認で会社バレする危険性は?
在籍確認で特に気になるのは「会社へ電話が来た際、電話に出た方に怪しまれるのでは」ということではないでしょうか。しかし、基本的には在籍の有無だけを確認するため、カードローン会社からの問い合わせだと気付かれる危険性は低いでしょう。
ここでは、会社バレの可能性が低いと考えられる理由を解説するとともに、在籍確認の電話だと会社に知られてしまった事例もご紹介します。
担当者は個人名を名乗る
カードローンの在籍確認では、担当者が個人名を名乗って電話をしてきます。もちろん自身の会社名も名乗りません。電話を受けた方に対し、ご自身から在籍確認ではないかと、伝えない限り、カードローン会社からの電話だと疑われる可能性は低いでしょう。
本人以外に電話の内容を話すことはない
申込者が席を外していて電話に出られない場合、担当者は在籍の有無だけを尋ねます。本人以外に用件を話すことはありません。
例えば、電話に出た方が「電話があったことを伝えておくので、内容を教えて欲しい」と伝えたとしても、「改めてお電話させていただきます」などと、うまく流してくれるでしょう。
カードローン会社以外でも在籍確認は行っている
カードローン会社だけでなく、審査の過程で在籍確認を行っているケースがあります。例えば、クレジットカードや住宅ローンの申し込みをした場合などです。
カードローンの在籍確認で会社バレした事例
ここでは、在籍確認の電話だと会社に気付かれた経験がある方の事例を見ていきます。
- 自分宛に電話がかかってくること自体めったにないので、怪しまれた
- 電話に出た人がカードローンに申し込んだ経験があり、気付かれた
- 今までに何度か同じような電話を受けた経験があり、勘付かれた
基本的には、在籍確認だと悟られないようにカードローン会社側が配慮してくれます。しかし、状況によっては気付かれる場合があることも理解しておきましょう。
カードローンの在籍確認をスムーズに進めるコツ
ここでは、在籍確認をスムーズに進める4つのコツを解説します。「カードローンの申し込みから審査結果が出るまでの時間をできるだけ短くしたい」「勤務先に何度も電話されるのは困る」など、在籍確認をスムーズに進めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
あらかじめ連絡が来る時間帯を把握しておく
カードローン会社からの電話に出られない状況が何度か続くと、審査がスムーズに進まないだけでなく、担当者に「虚偽の申告では」と疑われることにもなりかねません。
そのため、あらかじめ連絡が来る時間帯を把握しておくことが大切です。なかなか電話に出る余裕がない場合は、申し込み時や本人確認の電話の際に、勤務先で電話に出られる時間を伝えておきましょう。
会社での内線番号や直通の電話番号を申告しておく
電話を直接受けられるよう、会社での内線番号や直通番号があれば伝えておきましょう。直通番号があれば、知られてしまうリスクも減らせます。
また、内線番号を担当者に伝えておくことで、電話を受けた方は「内線番号を知っているということは仕事の関係者だろう」と思ってくれるかもしれません。
申し込み時に嘘の情報を申告しない
どうしても審査を通りたいからと申し込みの際に嘘をつくと、審査に時間がかかったり、虚偽申告が発覚したりして審査に落ちるリスクが高まります。
少額を借入する際は収入証明書が不要なことから、「年収の嘘をついてもバレない」と考えるかもしれません。しかし、後から収入証明書を出さなければならなくなり、そこで虚偽の申告が発覚する可能性もあります。
申し込みは日中に行う
在籍確認をスムーズに進めたい場合、カードローンの申し込みは平日の昼間の時間帯がおすすめです。夜間や土日に申し込むと、翌日以降や平日になるのを待って在籍確認を行う必要があるため、通常よりも審査完了までに時間がかかる場合があります。
事前にカードローン会社の営業時間や対応時間を調べ、審査の時間も考慮してなるべく早い時間帯に申し込みを済ませると良いでしょう。
在籍確認なしのカードローンはある?
在籍確認を行わずに利用できるカードローン会社を探している方もいるでしょう。そこで、大手カードローン会社数社に対し、在籍確認の有無について質問した結果をご報告します。電話での在籍確認が難しい場合の対処法もご紹介しているので、参考にしてみてください。
原則電話での在籍確認は行っていないところもある
調査の結果、「原則電話での在籍確認は行っていない」という回答はあったものの、在籍確認自体なしで審査を進められるカードローン会社はありませんでした。
また、通常は電話での在籍確認を必須としている場合でも、「電話確認が難しい場合、事情によっては書類確認への変更が可能」と答えたカードローン会社もあります。
審査状況によっては電話での在籍確認が必要な場合も
在籍確認を書類で行う場合でも、審査の過程で電話での確認が必要になるケースがあります。そのような場合には無断で勤務先に電話するのではなく、本人の了承を得てから電話での在籍確認に切り替えるため、事前に承諾を得る連絡があるでしょう。
電話での在籍確認が難しい場合
何らかの理由があって「電話での在籍確認は難しい」と感じている方は、申し込みを検討しているカードローン会社に、理由を伝えて書面に変更できるか確認してみましょう。
ただし、電話よりも書類での在籍確認のほうが審査に時間がかかる場合があります。書類での在籍確認を希望する場合は、時間に余裕をもって申し込むようにしましょう。
2022年12月時点で、原則電話確認での在籍確認がないカードローン
2022年12月の時点で、在籍確認を原則電話で行わないカードローンはアイフルやアコム、プロミスです。その他にもSMBCモビットのWEB完結申し込みや、セブン銀行カードローン、土日も対応しているレイクALSAも、原則電話での在籍確認はなしとしています。
ただし「原則」というだけで、審査の内容によっては電話での確認が必要になるケースもあるため注意が必要です。
カードローンの在籍確認に関するFAQ
最後に、カードローンの在籍確認に関するよくある質問に回答します。「派遣は在籍確認をどこで行うか」「アルバイトやパートでも在籍確認があるか」「申し込んだ後に転職した場合には再度、在籍確認が必要か」といった内容を解説しますので、ぜひご覧ください。
Q1.派遣の場合、どこで在籍確認が行われますか?
派遣の場合、在籍確認は派遣元で行います。電話に出られない場合は、事情を話して書類での在籍確認に変更してもらいましょう。書類での在籍確認が難しい場合には、派遣元の担当者に事情を話して、在籍していることを伝えてもらうのもひとつの方法です。
Q2.パートやアルバイトでも在籍確認は行われますか?
パートやアルバイトであっても正社員と同じように、在籍確認が必要です。申込書に記載した会社やお店にカードローン会社の担当者から電話が入ります。「勤務先への電話は困る」という方は、書類での在籍確認に変更できるか相談してみましょう。
Q3.申し込み後に転職した場合、再度在籍確認がありますか?
転職した場合の在籍確認の有無は、カードローン会社によって異なります。プロミスやアイフル、アコムなどは転職後に改めて在籍確認を行いません。しかし、三井住友銀行や楽天銀行など、転職後に再度在籍確認を行っているカードローン会社もあります。
おわりに
カードローンの申し込みでは、審査の過程で在籍確認が必要です。「カードローンを申し込みたいけれど、事情があって電話による在籍確認はできるだけ避けたい」という方は、希望するカードローン会社に書類での在籍確認に変更できるか相談してみましょう。
電話による在籍確認が行われる際には、できるだけ電話に出られるよう希望時間を伝えたり、事前に勤務先の担当者に電話が来る旨を伝えたりしておくとスムーズに進みます。