「家や車を買いたい」「お金を借りたい」というときに、「ローンの金利はどのくらいだろうか」と考える方も多いのではないでしょうか。何かを分割で購入するときや、お金を借りるときには、金利や利息がつきものです。
そこで、本記事では、住宅ローンやカードローン、カーローン、キャッシングを利用する際の金利や利息の計算方法を紹介します。今後、賢くローンと付き合っていくためにも、金利や利息について、確認してみませんか。
ローンの金利とは
ローンの金利とは、元金つまり借りたお金の使用料として、借りた側が上乗せして支払うお金の割合を指します。上乗せしたお金のことを「利子」や「利息」と呼び、利子と利息の意味合いは基本的に同じです。
また、元金に対する1ヵ月当たり利息の割合を「月利」、1年当たりの利息の割合を「年利」と呼びます。
ローンの金利・利息計算方法
ローンの金利は、ローンの種類や借入を行う機関によってさまざまです。例えば、セゾンの住宅ローンでは表のとおり、タイプや団体信用生命保険の有無によって金利が異なります。
例えば、セゾンの住宅ローン(フラット35・保証型)では、一般団信タイプ:年1.58%(実質年率1.695%)です。(2023年1月金利・新規借り入れ・融資率プラン6)
金利がわかればローンの利息を計算できます。利息がいくらか知りたいときには、まずは金利が何%かを確認しましょう。
ローンの金利が変わると返済額はどう変化する?
金利が変わったからといって、月々の返済額が必ずしもすぐに変わるわけではありません。金利を見直した翌月から返済額が変わるケースや、金利の変動を考慮して5年ごとに返済額を見直すケースなど、金融機関やローンの種類によってさまざまです。契約内容を確認しましょう。
住宅ローンなど、借入額が大きく返済期間が長い場合には、金利が1%アップするだけで支払う利息が大きく変わることも忘れてはいけません。仮に月々の利息が10,000円増えた場合、30年間では総額360万円多く支払う必要があります。
住宅ローンの金利について
次は、住宅ローンの金利についてです。住宅ローンの金利の種類には「固定金利型」「変動金利型」「固定金利選択型」などがあり、金利タイプや審査結果、優遇適用によって最終的に適用される金利は異なります。まずは、適用されている金利が何%なのかを確認してみましょう。
住宅ローンの金利・利息計算方法
それでは、実際に住宅ローンの金利・利息計算方法を解説します。
まず、住宅ローンには金利の種類だけでなく返済方法も2種類あります。「元利均等返済」と「元金均等返済」のどちらの返済方法かによって計算方法が異なるので、注意が必要です。
元利均等返済の計算方法
元利均等返済とは、月々の返済額を一定にする方法です。元利均等返済で1,000万円を借入した場合の1ヵ月分の金利・利息の計算方法を解説します。
年利(%)÷12ヵ月=月利(%)
ローン残高×月利(%)=1ヵ月分の利息額
例えば年利が0.9%の場合「0.9%÷12ヵ月=0.075%」で、月利は0.075%です。1,000万円を年利0.9%で借りた場合の1ヵ月分の利息は、7,500円です。(1,000万円×0.075%)
返済額が30,000円だとすると、その内訳は元金が22,500円、利息が7,500円です。
2回目以降は借入総額から支払った元金を差し引いた借入残高で利息を計算します。計算式は(1,000万円-22,500円)×0.075%=7,483円(1ヵ月の利息)です。
元金均等返済の計算方法
次に、元金均等返済について解説します。元金均等返済とは、毎月一定額の元金と残りの返済期間に応じた利息を返済する方法です。
借入額÷返済回数=元金返済額
例えば、借入額が1,000万円で返済期間が35年(420回)の場合、「1,000万円÷420回=23,809円」なので、毎月元金を23,809円を支払います。
金利の計算方法は元利均等返済と同じです。上記と同様に年利が0.9%の場合、1回目の支払いでは、元金23,809円と1ヵ月分の利息7,500円を合わせた31,309円を支払います。
2ヵ月目は、ローン残高「1,000万円-23,809円=9,976,191円」に、月利0.075%を掛けた金額である7,482円が利息になり、支払額は「23,809円(元金)+7,482円(利息)=31,291円」です。
住宅ローンの金利タイプ|固定金利型
固定金利型とは、借入をした際の金利が返済期間を通して適用されるタイプです。返済期間中に金利が変動しないので、返済計画が立てやすいメリットがあります。
固定期間は2年、3年、5年、10年、35年などから選ぶことができるものの、固定期間が長くなるほど適用される金利が高くなる点がデメリットといえるでしょう。
住宅ローンの金利タイプ|変動金利型
変動金利型とは、一定期間ごとに金利が見直されることにより、借入期間中に金利が変動するタイプです。金利見直しのタイミングは、「毎月行う」「年2回(4月1日と10月1日)に行う」など、金融機関によって異なります。他の金利タイプに比べて金利が低めという点がメリットです。
しかし、変動金利型は市場金利が上昇すると金利が上がり、市場金利が下落すれば金利も下がるなど、市場金利の変化による影響が大きい点がデメリットといえるでしょう。
住宅ローンの金利タイプ|固定金利選択型
固定金利選択型では、借入後に一定期間金利が固定され、期間が終了すると自動的に変動金利に変更されたり再度固定金利を選択できたりします。固定期間は、3年、5年、10年などがあり、この期間中は月々の返済額が変動しない点がメリットです。
しかし、一般的に固定期間が長いほど、金利が高くなる傾向があることや、固定期間終了後に金利の優遇幅が縮小され、金利が大きく上がってしまうケースがある点がデメリットといえるでしょう。
店頭金利と適用金利の違いは?
店頭金利とは金融機関が元々設定している金利のことで、適用金利とは店頭金利から割引や優遇をしてもらった後、実際に適用される金利のことです。店頭金利は「定価」で、適用金利は「値下げ後の金利」と考えると理解しやすいでしょう。
住宅ローンの広告などで見かける「店頭金利より最大▲%割引」にある▲は、引き下げ幅のことです。仮に店頭金利が2.5%で「店頭金利より最大1.5%割引」と表記があった場合「2.5%-1.5%=1%」となります。
また、店頭金利からどのくらい金利が優遇されるかは、当初のみ引き下げる「当初優遇」か、通期引き下げる「通期優遇」かによって異なるため、記載がない場合には金融機関に直接確認してみましょう。
ライフスタイルごとに向いている金利タイプは?
ライフスタイル別に、おすすめの金利タイプを紹介します。
固定金利型は「10年程度は子どもにお金がかかるので返済額を安定させたい」というファミリーや、「車を買ったのでローンが安定するまでは返済額を変動させたくない」など、一定期間返済額を安定させたい方に向いています。
変動金利型は繰り上げ返済の予定がある方や、収入アップが見込める方におすすめです。「予想よりも返済に余裕がある」という方や「今度収入がアップする」という方の場合、変動金利型が向いているといえるでしょう。
カードローンの金利について
カードローンは急な出費や、いざというときに利用目的を限定することなく借りられる便利さが魅力といえるでしょう。しかし、カードローンは借入額によって金利が変動するので注意が必要です。
ここでは、金利と利息や利回りの違いや、金利・計算方法、借入額によって金利が変動する理由について解説します。
金利と利息の違い
金利は、借りたお金の使用料として借りた側が「上乗せして支払うお金の割合」のことです。一方、利息とは「金額そのもの」を指します。また、金利は「〇%」で示すのに対し、利息は金額そのものなので「〇円」と示されます。
金利と利回りの違い
利回りは「一定期間(通常は1年あたり)あたりの投資額に対する収益の割合を示したもの」です。金利と利回りは一見、似たような意味合いとして考えられがちですが、まったく違うものなので、混同しないように気をつけましょう。
カードローンの金利・利息計算方法
カードローンの利息を計算する方法は、「利息額=借入額×金利÷365×借入期間」です。実際に例を立てて計算してみましょう。ここでは1回払いを前提に解説します。
200,000円を30日間、金利18%で借り入れた場合の計算は以下のとおりです。この式から、借入額が200,000円で金利が18%、借入期間が30日の場合の利息は2,958円と理解できます。
200,000円×18%÷365×30日=2,958円
カードローンの金利は限度額によって異なる
カードローンは利息制限法によって、あらかじめ金利の上限が決められています。例えば限度額が100,000円未満は20%、100,000円〜100万円未満は18%、それ以上は15%が上限です。
実際にカードローンを申し込むと審査が行われ、限度額が設定されます。カードローンには総量規制があり、年収の1/3を超えるお金は借入できません。設定された限度額に合わせて金利が決定します。
実際に年収300万円のAさんがカードローンの審査を受けたと仮定して考えると、Aさんの限度額は総量規制によって最大100万円までです。審査の結果、限度額が100万円に設定されれば、Aさんの金利は15%が上限と理解できます。
使えば使うほど節約に?セゾンの「MONEY CARD」
クレディセゾンのカードローン「MONEY CARD」は、利用可能枠が最高100万円で、年利15.0%と低金利が魅力です。加えて、コンビニATMなどでの手数料も無料で、日々の使用が節約につながります。
「MONEY CARD」には「MONEY CARD GOLD」という、利用可能枠が最高300万円のコース:年利6.47%、利用可能枠が最高200万円のコース:年利8.47%と、2つのコースがあります。
カーローンの金利について
カーローンは、車の購入する際に利用できるローンです。カーローンには「固定金利型」と「変動金利型」の2つのタイプがあります。カーローンには「銀行系」と「信販会社系」があり、どちらにもそれぞれメリットとデメリットがあるので、利用前にどちらが良いのか確認しましょう。
カーローンの金利・利息計算方法
カーローンは「元利均等返済方法」と「元金均等返済方法」の2つの返済方法があり、それぞれ計算方法や返済額が異なります。それでは実際に例を立てて考えてみましょう。
200万円を5年間、金利5%で借り入れた場合の計算は以下のとおりです。
元利均等返済の計算方法
元利均等返済方式は、月々の支払額が一定になる返済方法です。借入額が200万円、金利5%、借入期間5年の場合、1回目と2回目の支払額の内訳は以下のとおりです。
1回目の支払額:37,742円(元金分:29,409円、利息分:8,333円)
2回目の支払額:37,742円(元金分:29,532円、利息分:8,210円)
元利均等返済方式の支払利息総額は264,515円、支払総額は226万4,515円です。
元金均等返済の計算方法
元金均等返済方式は、毎月同額の元金に利息を加えた金額を支払う返済方法です。月々の元金返済額は「借入額÷返済回数」で計算できます。この元金に、その月の利息額「借入残高×月利」をプラスした金額が返済額です。
元金返済額:200万円÷60回=33,333円
月利:5%÷12=0.4166%
1回目の利息額:200万円×0.4166%=8,333円
2回目の利息額:(200万円-33,333円)×0.4166%=8,194円
1回目の支払額:元金33,333円+利息8,333円=41,666円
2回目の支払額:元金33,333円+利息8,194円=41,527円
元金均等返済方式の場合の支払い利息総額は254,139円、支払総額は225万4,139円です。どちらを選択するかによって月々の返済額が異なりますので、自身のライフスタイルに合った支払方法を選択しましょう。
銀行系のカーローン
銀行系のカーローンは、車の購入以外に車検や修理などにも使用できます。また年利は2%〜4%で、低金利の良さはもちろん、WEBで申し込みができる点も魅力です。ただし、信販会社系ローンと比較すると審査期間が長くなる可能性があるので、余裕を持った申し込みを心掛けましょう。
信販系のカーローン
信販系のカーローンはカーディーラーとの提携ローンとして、利用されているものが多いです。信販系のカーローンは、審査が早めで年利は3%〜5%程度です。ただし、車体とそのオプションにしか利用できないなど条件がある場合もあります。
キャッシングの金利について
キャッシングは、元々持っているクレジットカードの付帯サービスとして利用できるサービスです。急な出費に対応できる便利なキャッシングですが、どの程度の利息が発生するかわからないという方もいるのではないでしょうか。
ここでは、実質年率の意味や金利を見る際のポイント、利息の計算方法を解説します。
実質年率とは?
実質年率とは、利息に手数料や諸経費を合わせて算出した、「実質上の金利」のことです。実質年率がわかれば、実際に支払う金額が理解できます。
キャッシングの金利・利息計算方法
キャッシングの利息計算方法は「利息額=借入額×金利÷365×借入期間」です。ここからは、キャッシング1回払いを例に解説します。
500,000円を10日間、金利18%で借り入れた場合の計算は以下のとおりです。借入額が500,000円で金利が18%、借入期間が10日の場合の利息は2,465円と理解できます。
50万円×18%÷365×10日=2,465円
キャッシングの金利は限度額によって異なる
キャッシングの金利は、限度額によって異なります。すでにクレジットカードにキャッシング機能が付いていれば、そのまま利用できますが、キャッシング機能がついていない場合には改めて申し込みが必要です。
ローンの金利に関するFAQ
最後にローンの金利に関するよくあるFAQを解説します。「金利が低いことのメリット」や「金利が政策や物価と連動するのは本当か」といった質問に対する回答を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
Q1.金利が低いことのメリットは?
金利が低いことによる大きなメリットは「総返済額が少ない」ことでしょう。特に返済期間が長く借入額が高額な住宅ローンなどは、金利が少し変動するだけで返済額が大きく変わります。
Q2.金利は政策や物価と連動するって本当?
一般的に物価が上昇すると金融政策として金利が上昇しやすくなります。金利が上昇すると、金融機関は以前よりも高い金利で資金を調達する必要があるので、お金を貸す際の金利は高くする傾向にあります。
おわりに
ローンの金利とは、借りたお金の使用料として支払うお金の割合のことです。ローンの計算方法は、利用するローンの種類によって異なります。計算が難しいと感じる場合には、ローンシミュレーションなど、入力するだけで簡単にローンの利息を算出してくれるサイトもありますので利用してみると良いでしょう。