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消化の良い食べ物・調理法は?食事のときの注意点も

消化の良い食べ物・調理法は?食事のときの注意点も
セゾンのくらし大研究 編集部

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豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

仕事が忙しく無理が重なったとき、季節の変わり目などは、特に体調を崩しやすくなります。早く元気になるためには、消化の良い物を食べて栄養をつけることが大切です。そこで、消化の良い食べ物とは何か、調理法や食事をするときの注意点などを紹介します。

消化の良い食べ物とは

消化の良い食べ物とは

消化の良い食べ物とは、繊維質が少なくタンパク質中心の食事です。また、炭水化物も含まれます。消化の良い食材の代表例をご紹介します。

  • 豆腐
  • おかゆ、重湯
  • やわらかいうどん
  • 鶏ささみ、赤身肉
  • 白身魚
  • 牛乳、ヨーグルト
  • バナナ、りんご
  • ほうれん草、白菜、キャベツ、大根、人参など繊維質の少ない野菜
  • 麦茶、白湯
  • ゼリー

反対に消化の悪い食べ物とは、脂肪や繊維質を多く含んだ食べ物です。代表例は下記のような食材です。

  • 赤飯
  • 中華麺
  • あずき、大豆などの固い豆
  • さんま、ブリ、うなぎ、いか、たこ、サバなど油の多い魚
  • ラード
  • 豚肉、ベーコン、ソーセージ
  • しいたけ、しめじ、えのき
  • パイナップル、みかん、ドライフルーツ、梨
  • たけのこ、ごぼう、セロリ、れんこんなど繊維質の多い野菜
  • コーヒー
  • ケーキ、ドーナツ

この他、身近な食事ではラーメン、寿司、焼き肉、炒飯なども消化の悪い食べ物に含まれます。

消化の良い食べ物の条件

消化の良い食べ物とは、胃腸に負担を掛けけないことが必須条件です。脂肪や食物繊維が少なく、食べ物が胃に留まる時間が短ければ消化に良いといえるでしょう。胃腸に負担をかけないためには、なるべく柔らかい方が好ましいです。

また、一般的に冷たい食べ物よりも温かい食べ物、味が濃い食べ物よりも薄い食べ物の方が消化に良いとされています。胃腸を温めることで働きが活発になることが期待されます。辛いものは刺激が強く、胃腸に負担がかかるので注意が必要です。

消化の悪い食べ物とは

一方で消化の悪い食べ物は、胃腸に負担をかけます。脂肪と繊維質の多い食べ物が代表的です。脂肪の多い食べ物と繊維質の多い食べ物の種類を挙げてみました。

【脂肪の多い食べ物の種類】

  • ナッツ類
  • 乳製品

繊維質の多い食べ物の種類】

  • 穀物
  • 野菜
  • 根菜
  • きのこ類

同じ種類の食べ物の中にも、比較的消化に良い物と悪い物があります。これらの食べ物は胃腸に留まる時間が長く、消化に時間がかかるのが特徴です。

消化を良くするための調理法

消化を良くするための調理法

前項で記載しているとおり、温かい物、柔らかい物、脂肪が少ない物が消化の良い食べ物の条件です。さらに、調理法を工夫すれば消化を良くすることができます。なるべく細かく切ったり、ミキサーなどを使ってペースト状にしたり、味を薄めたりすることでより消化の良い食べ物に近付けることが可能です。

また、食材は油で揚げるよりも蒸したり煮込んだりした方が消化が良くなります。具体的なメニューを紹介しているので参考にしてみてください。

【冷たい物より温かい物】

  • ざるそば、ざるうどん→かけそば、かけうどん
  • 冷奴→湯豆腐
  • 生野菜サラダ→野菜スープ

【固い物よりやわらかい物】

  • 玄米→白米
  • ご飯→おかゆ
  • 焼き魚→煮魚

【脂肪が多い物より少ない物】

  • 鶏のから揚げ→蒸し鶏
  • アップルパイ→りんごのコンポート
  • プリン→ヨーグルトムース

このように、体調が悪い時は、調理の工夫や食品選びに気をつけることで消化の良い食べ物を摂りましょう。ただし、栄養をつけようと無理に食べる必要はありません。胃腸に負担がかからないように量を調節しながら、栄養のあるものを食べて回復に努めましょう。

自炊がつらいときはコンビニや外食も検討を

体調不良のときはキッチンに立つこともつらく感じてしまいます。自炊が大変なときは、コンビニや外食を利用して負担を軽減しましょう。ここでは、コンビニで手に入る消化の良い食べ物や、胃腸に優しい外食メニューの選び方について説明します。

コンビニで買える!消化の良い食べ物

24時間いつでも便利に買い物ができるのがコンビニです。体調不良で自宅で寝ていると、目が覚めた時には夜だったという経験はありませんか。そんなときにコンビニが近くにあると助かりますね。コンビニで買える消化の良い食べ物には、どんな商品があるのか具体的に紹介します。

おでん

おでん

寒い季節になるとコンビニのレジ近くに登場するおでん。おでんは温かく刺激が少ないので胃腸にも優しい食べ物です。ただし、具材選びには注意してください。はんぺん、だし巻き卵、大根などがおすすめです。食物繊維の多いこんにゃくや、脂肪の多い練り物などはあまり消化に良くありません。おでんの卵は、煮込んで固くなっていることがあるため、控えましょう。

おにぎり

お米は大切なエネルギー源です。コンビニには常にたくさんの種類のおにぎりがあるので、消化に良い物を選んでください。消化のためには鮭、かつお、塩おにぎりがおすすめです。昆布は食物繊維が多く、ツナマヨ、明太子、炒飯は脂肪が多いので胃腸が弱っているときには適しません。また、おかゆほど柔らかくないため、よく噛んでゆっくり食べましょう。

野菜スープ

健康志向の高まりで、野菜スープを売っているコンビニが増えています。細かく切った野菜を柔らかく煮た野菜スープは、消化の良い食べ物の代表格です。水分、塩分、ミネラルが補給できるので、下痢や脱水症状を防ぐのにも効果的。また温かいので胃腸の働きを活発にします。気をつけたいのは野菜スープの中に入っている具材です。ごぼう、きのこ、こんにゃく、たけのこなどは食物繊維が多く、ベーコンなどの加工肉は脂肪や塩分が多いので避けることをおすすめします。なるべく薄い味付けのスープを選ぶと良いでしょう。

胃腸に優しい外食の選び方

外食では、元気なときの感覚のままでメニューを選ばないように気をつけましょう。できるだけ柔らかく温かいもの、堅いものや、揚げ物は避けましょう。

また、冷やし中華やざるそばなどの冷たい麺は弾力もあり、つい早食いになることも。温かい麺類のほうが、時間をかけて食べられ、身体を温めてくれるのでおすすめです。

また、ご飯はなるべくおかゆにしたほうが良いですが、おかゆを提供する飲食店は多くありません。おかゆの代わりに雑炊やリゾットがあれば、そちらを選ぶようにしましょう。ただし、あまり濃い味付けでは逆効果。卵雑炊やトマトリゾットなどがおすすめです。

胃腸の調子が悪いときの食事で気をつけること

胃腸の調子が悪いときに食事を摂る際には、注意すべき点がいくつかあります。ここでは、体調不良時の食事方法について注意点をまとめました。

胃腸に負担をかけないためにすること

胃に負担をかけないためには、規則正しく食べること、就寝前の食事は避けることが重要です。

規則正しい食事とは、栄養バランスの良い食事を1日3食適量とることです。朝、昼、夕、毎日同じ時間帯に食事することで、生活リズムを整えることができます。食事の間隔が短すぎると胃に負担をかけてしまい、反対に長すぎると飢餓状態になり次の食事で補おうとして食べ過ぎになる可能性があります。

また、寝る前の食事は睡眠の質に影響を与えるため特に注意が必要です。食べ物があると消化のために胃は活動しつづけます。夜間は消化酵素が減少するので、消化しきれず食べ物が朝まで残ってしまうことになりかねません。これが翌朝の胃もたれにつながるのです。また、満腹の状態では、胃が活動するため脳が興奮し、空腹の状態では脳が覚醒します。満腹でも空腹でも浅い眠りになりがちです。質の良い睡眠をとるには、寝る2~3時間前までの食事が理想的です。

下痢のときの注意点

下痢のときの注意点

一般的に消化に良いとされている食べ物でも、下痢の症状があるときは特に注意が必要です。下痢のときには身体から普段より多くの水分が排出されます。したがって、脱水症状にならないよう心掛けましょう。

例えば、さつまいもやヨーグルト。これらは消化に良い食べ物ですが、腸の働きが活発になり、かえって刺激を与えてしまいます。下痢のときは、便をまとめる働きのあるペクチンという物質を多く含んだりんごや人参がおすすめです。また、腸の刺激を軽減するには、すりおろして食べると良いでしょう。

食べ物を受け付けないときは

少しでも食事をすると吐いたり、下痢になったりするときは、無理に食べる必要はありません。ただし、水分や電解質は身体にとって不可欠なため意識して摂りましょう。電解質とは主に塩分です。

電解質といえばスポーツドリンクをイメージする方が多いのではないでしょうか。しかし、スポーツドリンクは糖分が多く、塩分は比較的少なめなので注意しましょう。身体が食べ物を受け付けないときは、薬局などで手に入る経口補水液がおすすめです。飲むときは常温かぬるめの温度で少量ずつが良いでしょう。水分も受け付けないときは早めに医療機関を受診しましょう。

胃腸の調子を整えるために心掛けること

胃腸の調子が崩れるのには、いくつかの原因があります。その主な原因は食習慣です。脂っこい食べ物や辛い物、食物繊維の多い食材を摂りすぎると胃腸に負担がかかります。また、季節の変わり目は気候の変化で体調が不安定になりがちです。

いつもより胃腸の調子が悪いと感じたら、さらなる悪化を防ぐために調子を整えましょう。ポイントはよく噛んで食べること、ストレスを溜めないこと、適度な運動をすることです。よく噛むと食べ物が細かくなるだけでなく、唾液が多く分泌されてさらに消化しやすくなります。すると胃腸の負担が少なくて済むのです。

また、ストレスは自律神経に影響します。なるべくストレスを溜めないようにしましょう。そして、ストレス発散に効果的なのが、適度な運動です。身体を動かすことで腸のぜんどう運動が促進されます。運動が苦手な方でも、いつもより多く歩くことなどを心掛けましょう。

消化の良い食べ物で作るおすすめレシピ

ここからは、消化の良い食べ物で作るおすすめレシピを紹介します。ご自身や家族が体調不良のときに、ぜひ参考にしてみてください。

ねぎと鶏の卵がゆ

ねぎと鶏の卵がゆ

体調不良時の食べ物の代表格ともいえるのが、おかゆです。シンプルな白粥はお米本来の美味しさを味わえますが、野菜や鶏肉をプラスすれば栄養バランスのとれた一品に仕上がります。ここでは、たんぱく質が豊富な卵、皮をそぎ落として脂質をカットした鶏モモ肉、身体を温める効果のある青ねぎや生姜を使ったおかゆのレシピを紹介します。

材料2人分

  • 白米 1合
  • 水 900ml
  • 鶏モモ肉 1/2枚
  • 卵 1個
  • 大根 5cm程度
  • 青ねぎ 適量
  • 生姜 適量
  • ごま油 大さじ2
  • 塩 適量
  • しょうゆ 適量

作り方

  1. お米を研いでザルにあげておく
  2. 大根を1cm程度の短冊切りにする
  3. 鶏モモ肉は皮を落として一口大に切る
  4. 鍋にみじん切りにした生姜と鶏モモ肉を入れ、ごま油で炒めて塩を適量加える
  5. 水を切った白米を鍋に入れて、軽く炒める
  6. ごま油が全体に回ったら水を加える
  7. 大根を加えて塩としょうゆで味付けし、20分程度弱火で煮る
  8. アクが出たら取り除く
  9. 炊きあがりに溶き卵を加え、フタをして2~3分程度蒸らす
  10. 最後に青ねぎを加えて完成

炊きあがってから塩加減を調整すると良いでしょう。胃腸が弱っているときはもちろんのこと、普段の朝食や受験生の夜食にもぴったりです。

大根と生姜の野菜スープ

大根と生姜の野菜スープ

栄養もとれて身体を芯から温めてくれるのが、野菜スープ。ここでは、メインの具材として大根を使ったスープを紹介します。大根には消化酵素が多く含まれており、でんぷんの消化を助けたり、たんぱく質や脂肪を分解したりと消化促進に効果的です。

材料2人分

  • 大根 5~6cm
  • 生姜 1片
  • 白ねぎ 適量
  • 水 400ml
  • ごま油 小さじ1
  • しょうゆ 小さじ1
  • 鶏ガラスープの素 小さじ1
  • 塩こしょう 適量

作り方

  1. 大根の皮をむいて薄いイチョウ切りにする
  2. 生姜の皮をむいて千切りにする
  3. 白ねぎの青い部分を細切りにする
  4. 鍋に水と大根を入れて中火にかける
  5. 沸騰したら火をとめて、しょうゆ、鶏ガラスープの素、生姜を入れる
  6. 塩こしょうでお好みの味に調え、仕上げに白ねぎの青い部分とごま油を加えると完成

下準備のときになるべく具材を細かく切っておくのがポイントです。野菜スープはアレンジもしやすく、お好みで人参や葉物野菜なども追加すると彩りも豊かになります。

電子レンジで作る茶碗蒸し

電子レンジで作る茶碗蒸し

体調が悪いときは、料理もなるべく簡単に済ませましょう。茶碗蒸しは電子レンジでも作れます。卵は消化の良い食べ物のひとつですが、固ゆでにすると胃腸に負担が掛かることもあります。滑らかな茶碗蒸しにすれば、温かくてのどごしも良く、胃腸に優しいでしょう。具材はなるべくシンプルにした方が、加熱時に卵が飛び散る失敗も少ないのでおすすめです。

材料4人分

  • 卵 1個
  • 水 200ml
  • みりん 小さじ1
  • しょうゆ 小さじ2
  • 和風だし 小さじ1/3
  • みつば 適量

作り方

  1. みつばは食べやすい大きさに切っておく
  2. ボウルの中で卵、水、みりん、しょうゆ、和風だしをよく混ぜる
  3. 混ぜた卵液をこす
  4. 器に卵液を入れて、ふんわりとラップをする
  5. 電子レンジを200Wに設定し、2分ずつこまめに様子を見ながら加熱する
  6. ちょうど良い固さになったら完成

卵液を混ぜるときは泡立てないように注意しましょう。空気が入ると加熱時に粒状の「す」が入り、滑らかさが損なわれます。菜箸をボウルの底につけて、左右に動かすように混ぜるのがコツです。

おわりに

風邪を引いたときや暴飲暴食をしたとき、季節の変わり目など、誰しも胃腸の調子を崩すことがあります。調子が悪いと思ったら、胃腸に優しい食事に切り替えましょう。消化の良い食べ物を適量とることで早めの回復が期待できます。また、健康的な生活を送るためにも、日ごろから消化の良い食べ物を把握し、胃腸を労わることが大切です。

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