新生活に向けて引っ越しの準備をする際、最も重要なのが「引っ越し会社の選び方」です。引っ越し料金は時期や会社によって見積もり金額が大きく変わるため、上手に業者を選ぶことがカギとなります。
そんな時に便利なのが、複数の引っ越し会社を一括で比較・検討できる「引っ越し一括見積もりサイト」です。一社ずつ見積もりを取ると20~50分かかるため、大手15~20社分を全て確認するとなると16時間以上も要します。引っ越しの忙しい時期に個別に見積もりを取るのは現実的ではありません。
引っ越し一括見積もりサイトなら、アート引っ越しセンターやアリさんマーク、サカイ引越センター、アーク引越センター、ヤマト運輸、日通など主要な大手引っ越し会社の見積もりを、ワンストップで効率的に集めることができるのが最大のメリットです。
本記事では、一括見積もりサイトの仕組み、メリット・デメリット、よくある質問と回答も解説しながら、業界でも有名なおすすめの一括見積もりサイト10社を比較レビューします。さらに、訪問対応や価格交渉など面倒な手続きを節約したい方向けの「引っ越しコンシェルジュサービス」も併せて紹介しています。
【比較】引っ越し一括見積もりサイトのおすすめ10社
※おすすめ評価については、各企業が保有している提携事業者数、同時に取り寄せられる見積もり数、コンシェルジュ・マッチングサービス、見積書を依頼するにあたって電話番号の入力が必要かどうか、WEBサイトが見やすいかどうかを当社の基準で総合的に判断して★をつけております。
引っ越し見積もりサイト | 5段階評価 | 提携会社数 | 取り寄せ可能な見積もり数 | コンシェルジュへの相談 | 電話番号の入力 |
引越し侍 | ★★★★★ | 345社 | 最大10〜22社 | × | 必要 |
SUUMO引越し見積もり | ★★★★★ | 非公開 | 最大15社 | × | なし (任意) |
ズバット 引越し比較 | ★★★★☆ | 225社 | 最大12社 | × | 必要 |
引越し価格ガイド | ★★★★☆ | 300社以上 | 最大10社 | × | 必要 |
LIFULL引越し | ★★★☆☆ | 130社以上 | 最大10社 | × | 必要 |
引越し&新生活ナビ | ★★★☆☆ | 約50社 | 1社(コンシェルジュが代行) | ○ | 必要 |
価格.com引越し | ★★★☆☆ | 非公開 | 条件による | × | 必要 |
引越し達人セレクト | ★★★☆☆ | 10社以上 | 最大15社 | × | 必要 |
単身引越しナビ | ★★★★☆ | 45社以上 | 1社(マッチング完了後) | △ | 必要 |
DOOR引越し見積もり | ★★★☆☆ | 130社 | 条件による | × | 必要 |
「引越し侍」
「引越し侍」は引っ越し一括見積もりサイトの中でも最大手のサイトで、提携会社数や成約実績、口コミ件数では業界トップの規模を誇ります。60分程度の時間をかけてじっくり見積もりを依頼する「一括見積もり依頼サービス」と、個人情報の入力なしで手軽に見積もりをチェックできる「ネット見積もり比較&予約サービス」の2種類があることも特徴です。
特に「ネット見積もり比較&予約サービス」であれば、電話番号やメールアドレスを入力せずに見積もりを確認できるため、費用相場を調べたい時にも便利です。運営しているのは東証プライム市場上場のグループ会社なので安心ですが、「一括見積もり依頼サービス」を利用する時には正確な荷物量の入力が必要なのでご注意ください。
運営会社:株式会社エイチームライフデザイン |
特徴: ・「ネット比較&予約サービス」であれば手軽に見積もりを確認可能 ・提携会社数は345社、5,000件以上の実績を持ち口コミも豊富 ・荷物量を詳しく入力必要があるためハードルが高い |
5段階評価:★★★★★ |
「SUUMO引越し見積もり」
株式会社リクルートが運営する「SUUMO引越し見積もり」は、業界では唯一の「電話番号の入力不要」で見積もりを取り寄せられるサービスです。見積もり結果は登録したメールアドレス宛に送られるので、余裕を持って見積もりの比較・検討ができるのは大きなメリットです。もちろん、引っ越し会社を決めて詳しく連絡を取りたい時には、こちらから電話連絡をすることもできます。
業界でもトップクラスの利用者数を誇るので詳細な口コミも充実しており、他のユーザーの体験談をもとに引っ越し会社を選べるメリットもあります。ただし訪問見積もりを依頼するなど正確な金額を調べるためには、電話対応が必要になる点に注意しましょう。
運営会社:株式会社リクルート |
特徴:・業界では唯一の「電話番号の入力不要」の一括見積もりサイト・会社ごとの具体的な口コミをチェックできる・詳細な見積もりでは電話対応が必要なことも |
5段階評価:★★★★★ |
「ズバット 引越し比較」
「ズバット 引越し比較」は、業界でも高水準の12社からの見積もりを一括で取り寄せられる点や、荷物量を入力しなくても費用相場をチェックできるのが特徴です。提携会社数も比較的多いので、地域密着型から大手まで、さまざまな会社の見積もりを一度に取り寄せることが可能です。
口コミ実績をもとに「総合満足度ランキング」「訪問見積もり満足度ランキング」などのコンテンツも充実しており、評価の高い引っ越し会社を絞り込む時に役立つでしょう。ただし、荷物量を入力せずに一括見積もりを依頼してしまうと、各会社から毎回荷物量について尋ねられる可能性がある点に注意してください。
運営会社:株式会社ウェブクルー |
特徴: ・荷物量を入力せずに大まかな料金が調べられる ・提携会社数は225社、一度に12社まで見積もり可能 ・複数の会社に荷物量を毎回尋ねられるケースも |
5段階評価:★★★★☆ |
「引越し価格ガイド」
前述した引越し侍と同じ運営元の一括見積もりサイト「引越し価格ガイド」では、業界最大手の口コミ・実績を参照しながら、最適な会社選びができる点が魅力です。引越し侍の「一括見積もり依頼サービス」に近いシステムで、電話番号の入力は必要ですが詳細な見積もり金額をチェックすることができます。
一度に取り寄せられるのは最大10社の見積もり結果で、引っ越し会社を指定しての見積もり依頼は出すことができません。そのため営業電話が増える可能性はありますが、スピーディに予約を取りたい方に向いています。
運営会社:株式会社エイチームライフデザイン |
特徴: ・「引越し侍」と運営元が同一 ・荷物量を入力せずに見積もりが可能 ・会社の希望を出せず営業電話が増えることも |
5段階評価:★★★★☆ |
「LIFULL引越し」
不動産ポータルサイトも運営する株式会社LIFULLが提供するのが、「LIFULL引越し」です。最短45秒で見積もりが完了するため、大まかな荷物量や引っ越し先のエリアだけを入力して、簡易的な見積もりをチェックできるのが特徴です。引っ越し会社との成約やネット回線の同時申し込みでキャッシュバックが当たるなど、充実したキャンペーンが用意されているのも魅力です。
単身での格安引っ越しに向いている「赤帽」にも対応しているので、荷物の少ない方や近距離での引っ越しを考えている方に適しています。ただし全体的な提携会社数はやや少なめの印象で、とことん安い会社を探すには向いていません。
運営会社:株式会社LIFULL |
特徴: ・キャッシュバックなどのキャンペーンが豊富 ・荷物量や引越し先が未確定でも見積もりを取れる ・提携会社数がやや少なめ |
5段階評価:★★★☆☆ |
「引越しラクっとコンシェルジュ」
クレディセゾンの「引越し&新生活ナビ」では、引っ越しの手続きや新生活を充実させるコツについて、4つのステップでご紹介しています。その中でおすすめしているのが、専任のコンシェルジュが引っ越し会社選びを代行してくれる「引越し一括見積りサービス(ラクっとコンシェルジュ)」です。
引越しラクっとコンシェルジュでは、一回のヒアリングでご自身に最適な引っ越し会社を比較・検討し、日程の予約から価格交渉までを丸投げできるのが特徴です。引っ越し会社選びのめんどうな手間をまるまるカットできることに加えて、最大60%のコスト削減につながった実績もあるので、料金も手間も抑えたい方におすすめです。
他にも「引越し&新生活ナビ」では、電気料金比較サービスや新生活に役立つ特典・クーポン、引っ越しでやるべきことのチェックリストなどもご用意しているので、ぜひチェックしてみてください。
運営会社:株式会社リベロ |
引越し&新生活ナビ |
特徴:・専任のコンシェルジュに引っ越し会社選びを丸投げ可能・一回のヒアリングで最適・最安の引っ越し会社を提案・価格交渉や訪問見積もりの手間をカットできる |
5段階評価:★★★☆☆ |
「価格.com引越し」
価格比較サイトの大手、価格.comの引っ越し一括見積もりサイトが、「価格.com引越し」です。豊富な口コミ収集力があるサイトなので、リアルなユーザーの感想をもとに引っ越し会社を選べるのが最大のメリットです。口コミをもとにしたおすすめの引っ越し会社ランキングなどのコンテンツも充実しており、大手/地域密着で絞り込んだり、地域ごとのランキングをチェックしたりできるので、最適な会社選びに役立つでしょう。
提携会社数は非公開ですが、大手と比べるとやや少なめの印象です。また、住所や荷物量の入力画面がやや特殊で、人によっては使いにくさを感じることがあるかもしれません。
運営会社:株式会社カカクコム |
特徴: ・豊富な口コミをもとに会社選びが可能 ・成約・口コミ投稿に関するキャンペーンが豊富 ・提携会社数が少なめでサイトがやや使いにくい |
5段階評価:★★★☆☆ |
「引越し達人セレクト」
引っ越しや新生活に関連した豊富な特典を用意しているのが、「引越し達人セレクト」です。無料見積もり+アンケート回答で500円分のAmazonギフト券がもらえるキャンペーンや、同サイト限定の「引っ越し交渉術」がプレゼントされるなど、一括見積もり以外のサービスも充実しています。
福利厚生サービスの「WELBOX」と提携した会員優待が用意されているほか、近畿地方限定でホームセキュリティの初期費用が0円になるキャンペーンを実施しているのも魅力です。ただし提携会社数は少なめで、エリアや条件によっては依頼できる社数がゼロ、もしくは数社に限られてしまうこともあるようです。
運営会社:株式会社グライド |
特徴: ・引っ越しを応援するキャンペーンが豊富 ・「引っ越し交渉術」ガイドブックが入手できる ・提携会社数が少なくエラー表示になることも |
5段階評価:★★★☆☆ |
「単身引越しナビ」
荷物の少ない単身引っ越しをお得に利用できる「単身引越しナビ」は、条件を満たせば6種類の定額料金の中から料金が決まり、最適な引っ越し会社1社のみを提案してもらえるのが特徴です。近距離で荷物が少ない方であれば、税込29,480円と相場よりも安い金額で引っ越しを依頼することができます。
ご自身の引っ越しに最適な1社をマッチングしてくれるサービスなので、複数の会社とやりとりする手間は抑えられますが、長距離引っ越しや大型家具の運搬には非対応です。また、時間指定ができないタイプのフリー便しか選べない点にも注意が必要です。
運営会社:株式会社エイブル |
特徴:・税込29,480円からの定額料金で引っ越し可能・マッチングシステムをもとに最適な1社を提案してもらえる・長距離引っ越しや大型家具、時間指定には非対応 |
5段階評価:★★★★☆ |
「DOOR引越し見積もり」
引用元:DOOR引越し見積もり
「DOOR引越し見積もり」では、大手では少ない「赤帽」グループからの見積もりも取り寄せられるのが特徴です。前述のLIFULL引越しと連携しており、充実した特典も受けられます。運営会社は東証プライム市場上場の企業なので、大手の安心感もあります。
一方で2020年9月に開始した比較的新しいサービスであり、口コミや評価が少ない点がデメリットです。単身引っ越しを予定している方で、赤帽の利用も検討している場合には、便利に使える引っ越し一括見積もりサイトになるでしょう。
運営会社:株式会社キャリアインデックス |
特徴: ・大手では少ない「赤帽」グループの見積もりが可能 ・「LIFULL引越し」と提携した充実の特典あり ・2020年9月に開始したサービスのため評価が少ない |
5段階評価:★★★☆☆ |
引っ越し一括見積もりサイトの仕組み・特徴とは?
引っ越し一括見積もりサイトとは、「サカイ引越センター」「アート引越センター」といった多くの引っ越し会社に対して、一括で見積もりを取り寄せるサービスのことをいいます。従来であれば引っ越し会社に依頼する場合、ひとつの会社に問い合わせて引っ越し料金の見積もりを取り、また別の会社にも問い合わせて…と、非常に煩雑な作業が必要でした。
しかし引っ越し一括見積もりサイトを利用することにより、現住所・新住所や荷物量などの必要な情報を一回入力すれば、場合によっては10社以上の引っ越し会社の見積もりが取り寄せられるようになりました。近年では、自家用車・レンタカーで運んだり、宅配便で配送したりする方を除いて、多くの方が引っ越し一括見積もりサイトを使っているといっても過言ではありません。
相見積もりを取ることで引っ越し費用が安くなる
引っ越し一括見積もりサイトは、まったく使用しなかった場合と比べて、引っ越し費用が安くなる傾向があります。というのも、引っ越し費用の見積もりを一括で取り寄せることにより、ご自身の条件における最安の会社を選びやすくなるためです。
また、他の引っ越し会社の見積もりを用意しながら「相見積もり」を行うと、別の会社との価格交渉でも有利な材料となります。「別の会社ではこの価格だと言われたんですが…」と添えながら値引きを相談してみると、応じてもらえるケースも少なくありません。
多くの引っ越し一括見積もりサイトでは、「最大50%安くなる」「最大60%安く引っ越せる」といったキャッチフレーズを掲げていますが、これだけ割引率が高いのも相見積もりができるからなのです。
無料でサービスを利用できる理由
引っ越し一括見積もりサイトの利用は原則無料で、どれだけ見積もりを取っても一切料金は発生しません。なぜ無料でこれだけ便利なサービスを使えるのかといえば、引っ越し会社側が手数料を支払っているからです。ポイ活やアンケート回答といったお小遣い稼ぎのように、個人情報を提供することで価値が発生しているという側面もあります。
また、引っ越し一括見積もりサイトの運営側も、インターネット回線の紹介や不用品処分サービスなど、オプションサービスを用意して申し込んでもらうことにより、利益を生み出す仕組みになっています。こうしたオプションは、希望しない場合は不要のチェックを入れておき、営業電話がかかってきたとしてもキッパリと断ることで対策することができます。
引っ越し代金が割高になることはない
「引っ越し一括見積もりサイトを使ったら、直接申し込むのと比べて割高になるのでは?」
そう感じる方も多いでしょう。しかし実際には、引っ越し一括見積もりサイトを使うことで割高になるケースは少なく、むしろ割安になることがほとんどです。その理由は、引っ越し一括見積もりサイトでは常に他の会社と比較されるため、より安価に引っ越しを請け負う会社が増える点にあります。
また、引っ越し一括見積もりサイトの中には、見積もり完了や成約の時点で、キャッシュバックキャンペーンや新生活に役立つサービスなどの特典を用意しているところもあります。こうした特典を活用すれば、引っ越し費用だけでなく、新生活の初期費用を大きく節約できることもあるでしょう。
引っ越し一括見積もりサイトのメリット
引っ越し一括見積もりサイトを使うことで得られるメリットには、次の3つがあります。
- 引っ越し費用が節約できる
- 複数の引っ越し会社を比較できる
- 情報入力の手間を減らせる
それぞれ詳しく解説していきましょう。
引っ越し費用が節約できる
前述した通り、引っ越し一括見積もりサイトを使うと引っ越し費用を大きく節約できることが多いです。引っ越し会社1社だけの見積もりで決めるよりも2〜3社以上の見積もりを取るほうが、ご自身の条件での相場が把握しやすくなり、割高な請求を防ぐことができます。
引っ越し一括見積もりサイトに掲載している引っ越し会社は、常に価格競争にさらされているため、できるだけ手頃な見積もり金額を出そうとするモチベーションが働くことも背景にあります。わざと安い料金を提示して後出しで追加料金を請求するなどの悪徳な会社は、サイト内でも悪い口コミが集まり、自然と淘汰されていくので騙される危険性も低いでしょう。
複数の引っ越し会社を比較できる
現住所・新住所や荷物の量などを入力しておけば、同じ条件で複数の引っ越し会社のサービス内容を比較できるのも、引っ越し一括見積もりサイトを使うメリットです。引っ越し会社を選ぶ際には、料金はもちろんのこと、サービスの充実度にも気を配りたいところです。
たとえば、料金が安い大手の引っ越し会社ではなく、少し料金は高めだが柔軟にニーズに応えてくれる地元の引っ越し会社を選ぶなど、料金以外の面でも比較できるのは他にない魅力です。また、複数の会社の空き状況をチェックすることにより、引っ越し予定日に予約が空いている会社を簡単に探せるメリットもあります。
情報入力の手間を減らせる
引っ越し会社の見積もりを取り寄せる際には、少なくとも下記の情報を伝える必要があります。
- 現住所・新住所
- 名前
- 電話番号
- メールアドレス
- 引っ越し予定日・時間帯
- 荷物の量・種類
こうした情報を毎回入力するのは非常に手間が掛かりますが、引っ越し一括見積もりサイトであれば一度入力した情報がそれぞれの引っ越し会社に伝わります。そのため情報入力の回数を減らすことができて、引っ越し前の忙しい時期に時間・労力を節約できるメリットも得られるでしょう。
引っ越し一括見積もりサイトのデメリット・注意点
続いて引っ越し一括見積もりサイトを使うデメリットについても解説します。引っ越し一括見積もりサイトを使う時には、次のようなポイントに注意しましょう。
- 営業電話・メールが増える
- 訪問見積もりの手間が掛かる
- 対応不可の会社から見積もりが届くことも
一つひとつ解説していきます。
営業電話・メールが増える
引っ越し一括見積もりサイトの大きなデメリットとして、営業の電話・メールが大量に届くケースがある点が挙げられます。引っ越し会社としても少しでも多くのお客さんを獲得したいので、引っ越しを予定している方に対してローラー作戦のように営業をかけるというケースも少なくありませんでした。
しかし近年では、営業電話・メールが消費者に避けられるようになり、人件費のコストカットも進む中で、露骨な営業電話・メールは少なくなっている傾向にあります。引っ越し一括見積もりサイトの中には、電話番号の入力なしで見積もりを取り寄せられるサイトや、引っ越し会社との交渉を代行してくれるところも増えています。
こうしたサイトを利用することにより、営業電話・メールが増えるデメリットは回避することが可能です。
訪問見積もりの手間が掛かる
荷物の量が多いケースや楽器・大型家具などを運びたいケースでは、正確な見積もりのために訪問見積もりを依頼されることがあります。自宅に営業マンが訪れて、荷物の量を確認した上で見積もりを提示するという流れです。
荷物が少ない単身引っ越しの場合には訪問見積もりが不要になることもありますが、家族が多いと訪問見積もりが必須になることが多いです。訪問に備えて家を片付けたり、予定を空けておいたりと、対応の手間がかかることはデメリットです。
ただし訪問見積もりは、引っ越し一括見積もりサイトを使わなかった場合にも必要になる作業です。引っ越し一括見積もりサイトを通じて訪問見積もりを依頼する会社を最小限に絞れるという意味では、むしろメリットになるともいえます。
対応不可の会社から見積もりが届くことも
引っ越しの条件や日程によっては、引っ越し一括見積もりサイトを使って見つけた会社が、対応不可になることも珍しくありません。小規模な引っ越し会社の中には、高層階への引っ越しに対応しておらず、大型家具や長距離の引っ越しを引き受けてもらえないケースもあります。
そうした対応不可の会社に対しても見積もり依頼が送られてしまうことがあり、時間と手間のムダに終わることも考えられます。対応不可の会社に対して、個人情報が送られてしまうのも好ましくないでしょう。こうしたデメリットを防ぐためには、あえて大手の会社としか提携していないサイトを選ぶのもひとつの選択肢です。
引っ越し一括見積もりでよくあるQ&A
次に、引っ越し一括見積もりサイトを使う上でよく挙げられる質問・疑問点や不安なポイントに対して、Q&A形式で回答していきます。
Q.引っ越し費用の相場はいくら?
単身引越しの場合で、3月〜4月の繁忙期は5万円〜7万円程度、5月〜翌2月の通常期は3万円〜4万円程度が相場です。家族引っ越しの場合には、3月〜4月の繁忙期は10万円〜14万円程度、5月〜翌2月の通常期は7万円〜8万円程度が相場になります。
ただし、引っ越し費用は荷物の量や移動距離、依頼する曜日や時間帯によっても大きく異なります。そのため上記の料金はあくまでも目安として、ご自身の条件での費用相場は引っ越し一括見積もりサイトの結果を踏まえて調べることをおすすめします。
Q.引っ越し見積もりが安くなるタイミングは?
一般的に引っ越し費用が安くなるのは、次のようなタイミングです。
- 5月〜翌2月の通常期
- 連休・祝日と重ならない平日
- 仏滅・赤口などの縁起が良くないとされる日
- 午後〜夕方の遅い時間帯またはフリー便
引っ越しの時期については、3月〜4月の繁忙期を避ければ大きな差はありません。ただしゴールデンウィークやお盆休みシルバーウィークなどの大型連休や土日・祝日などは、引っ越し依頼が増えて料金が高くなるケースがあります。また、大安や友引などの縁起の良い日も、引っ越し予約が埋まりやすい傾向があります。
そのため引っ越し費用を抑えるためには、仏滅・赤口などの縁起が悪いとされる日や平日を選ぶのがおすすめです。午前中の作業よりも午後〜夕方を選ぶ、または時間指定なしのフリー便を利用するとさらに料金が安くなるでしょう。
Q.いつ見積もりを取れば良い?
引っ越し先の住所が決まったら、すぐに引っ越し一括見積もりサイトで見積もりを取り寄せることがおすすめです。というのも、各引っ越し会社には予約の上限があり、引っ越し直前になると予約が取れないケースも増えるためです。引っ越しの時期までに余裕があれば、安くて質の高い会社をじっくり選ぶ時間も取ることができます。
また、引っ越し一括見積もりサイトの結果をもとに、安くなる日や時間帯を調べてから、新居への入居日やお休みを取る日取りを決めるのもおすすめです。荷物量をしっかり入力すると見積もり金額も正確に近づくため、引っ越し一括見積もりサイトを利用するのと同時に、荷物の整理や断捨離を行うと良いでしょう。
Q.どの見積もりサイトを選べば良い?
営業電話・メールを受け取りたくない方や、引っ越し会社選びの手間を最小限にしたい方は、自身に代わって引っ越し会社を選んでくれる「コンシェルジュサービス」を用意しているサイトを選ぶのがおすすめです。専任のコンシェルジュに引っ越し先や荷物量などを一回伝えるだけで、最安の会社選びや価格交渉などを代行してくれるのが魅力です。
また、電話番号を入力せずに簡易的な見積もりを取り寄せられるサイトであれば、営業電話を減らしてメールなどを使って対応しやすくなります。とにかく安い会社を探したい場合には、地域密着型の会社を含めた、提携会社数が多いサイトを選ぶと良いでしょう。
Q.見積もり以外で準備することは?
引っ越し見積もり以外に準備しておきたいこととして、次のような手続きが挙げられます。
- 荷物の整理・梱包
- 旧居の掃除
- 旧居からの退去手続き
- 粗大ゴミの処分
- ネット回線の解約・移転手続き
- ライフラインの解約・移転手続き
- 日本郵便の「転居・転送サービス」の申し込み
- 免許証やマイナンバーなどの住所変更
- 銀行やクレジットカードなどの住所変更
荷物の量は少なければ少ないほど引っ越し費用は安くなるため、引っ越しを機に断捨離して持ち物を減らすと良いでしょう。賃貸物件にお住まいの場合は、退去費用を抑えるため、旧居を掃除してできるだけ綺麗な状態に戻すことも大切です。また、家電や粗大ゴミを処分する際には、自治体の回収や引っ越し会社の引き取りサービスなども検討しながら、料金や手間が少なくなる方法を選びましょう。
【おすすめ比較サイト一覧】
引っ越し見積もりサイト | 5段階評価 | 提携会社数 | 取り寄せ可能な見積もり数 | コンシェルジュへの相談 | 電話番号の入力 |
引越し侍 | ★★★★★ | 345社 | 最大10〜22社 | × | 必要 |
SUUMO引越し見積もり | ★★★★★ | 非公開 | 最大15社 | × | なし (任意) |
ズバット 引越し比較 | ★★★★☆ | 225社 | 最大12社 | × | 必要 |
引越し価格ガイド | ★★★★☆ | 300社以上 | 最大10社 | × | 必要 |
LIFULL引越し | ★★★☆☆ | 130社以上 | 最大10社 | × | 必要 |
引越し&新生活ナビ | ★★★☆☆ | 約50社 | 1社(コンシェルジュが代行) | ○ | 必要 |
価格.com引越し | ★★★☆☆ | 非公開 | 条件による | × | 必要 |
引越し達人セレクト | ★★★☆☆ | 10社以上 | 最大15社 | × | 必要 |
単身引越しナビ | ★★★★☆ | 45社以上 | 1社(マッチング完了後) | △ | 必要 |
DOOR引越し見積もり | ★★★☆☆ | 130社 | 条件による | × | 必要 |
おわりに
完全無料で利用できる引っ越し一括見積もりサイトは、価格競争が行われる中で相見積もりを取り寄せられるため、引っ越し会社に個別に問い合わせるよりも費用を抑えることができます。サイトを利用したからといって引っ越し代金が上乗せされることもなく、同じ条件で複数の会社を比較できるなどのメリットが得られます。
一方で、電話番号やメールアドレスが引っ越し会社に伝えられるため、営業の連絡が増える可能性があります。対応不可の会社にも見積もり依頼が行われてしまうことがあるため、気になる場合には引っ越し会社選びのコンシェルジュサービスを利用するのもおすすめです。
引っ越し一括見積もりサイトを上手に活用して、ご自身にとって最適な引っ越し会社選びを進めましょう。