七五三の祈祷を受ける際は、初穂料を奉納するのが一般的です。例えば、初穂料に関しては、金額、のし袋の書き方やお金の入れ方などさまざまなマナーがあります。しかし、どのようなマナーがあるのか調べるのは大変ですよね。
そこでこのコラムでは、七五三の初穂料に関する必要なマナーをまとめました。初穂料の金額相場も紹介していますので、合わせてご覧ください。
この記事のポイント
七五三の初穂料は、1人あたり5,000円から10,000円が相場ですが、初穂料の金額や渡すタイミングは、神社によって異なるため、事前に問い合わるのがおすすめです。また、七五三の初穂料の「のし袋」には「外袋」「中袋表面」「中袋裏面」があります。そして、ぞれぞれ書く内容やマナーが決まっています。のし袋は、水引が「紅白蝶結び」のものを選ぶのが一般的です。初穂料として包むお札は、なるべく新札にしましょう。
1.七五三の初穂料を入れる「のし袋」の書き方
七五三の初穂料の「のし袋」には「外袋」「中袋表面」「中袋裏面」があります。そして、書く内容が異なり、それぞれのマナーもあります。
1-1.外袋の書き方
のし袋の外袋に記載する表書きは、筆ペンや毛筆で書きます。ボールペンや万年筆など線が細いものは向いていません。のし袋の表書きには、以下の内容を記載します。
■のし袋の表書きとして書くこと
書く場所 | 書く内容 |
表書き上段 | 「御初穂料」または「御玉串料」 ※ただし4文字になるのを避けるため「初穂料」「玉串料:と書いても可 |
表書き下段 | 子どもの姓名 ※きょうだい同時に七五三をお祝いする場合は連名でも可※地域によっては隣に親の連名が必要なこともある |
封筒の裏面(左下) | 金額・住所 |
1-2.中袋表面の書き方
のし袋中袋表面には、初穂料の金額を書きます。一般的には「大字(だいじ)」と呼ばれる漢数字で、大きめに書きます。大字の例は、以下のとおりです。
- 一万円 → 壱万円・壱萬円・弐萬圓
- 二万円 → 弐万円・弐萬円・弐萬圓
- 三万円 → 参万円・参萬円・参萬圓
1-3.中袋裏面の書き方
のし袋中袋裏面には、子どもの名前(フルネーム)・郵便番号・住所を書きます。きょうだい同時に七五三を祝う場合は連名で記入し、住所や郵便番号は初穂料の金額と同様に漢数字で書きましょう。
2.七五三の初穂料を入れるのし袋を買える場所
七五三の初穂料を入れるのし袋は、スーパーやホームセンター、コンビニなどで買えます。そのため、手に入れるのは難しくありません。
3.七五三の初穂料を入れるのし袋の選び方
ご祝儀袋には、さまざまな種類があります。しかし、七五三初穂料ののし袋として相応しいものは決まっています。
七五三初穂料ののし袋は、水引が「紅白蝶結び」のものを選びましょう。
水引とは、祝儀袋などの表に用いられる飾り紐の素材の一種です。紅白蝶結びのものを選ぶ理由は「何度でも結び直せる」という縁起の良い意味を込めるためです。ちなみに、水引が「結び切り」のものは「二度と繰り返さないように」という意味が込められており、縁起が悪いため避けましょう。
4.七五三の初穂料の包み方
七五三の初穂料の包み方ですが、こちらも最低限のマナーがあります。
まずお札については、新札を入れるのが一般的です。しかし、新札は必ずしも用意できるとは限らないため、必須ではありません。
お札をのし袋に入れる際は、すべてのお札の肖像画(人物)が上にくるようにします。のし袋の表とお札の表面の向きも揃えましょう。
のし袋を畳む際は、袋の上側を先に折りこみ、下側を重ねます。折り込みを反対にすると「不祝儀」の意味になるため要注意です。
5.七五三の初穂料の納め方
七五三の初穂料の納め方にもある程度決まりがあるため、確認しておきましょう。
5-1.渡すタイミング
七五三の初穂料をいつ渡すかについてですが、神社に到着して祈祷を申し込むときが一般的です。祈祷の申込用紙が用意されていることが多いため、気になる点があれば確認したうえで記入します。神社によっては、祈祷の事前予約を受け付けていることもあるため、その際は予約の際に初穂料渡すタイミングも確認しましょう。
5-2.渡す場所
七五三の初穂料を渡す場所は、神社によって決まりがある場合があります。そのため、前もって神社に確認しておきましょう。
6.七五三の初穂料の金額相場
七五三の初穂料の金額相場は、約5千円〜1万円。具体的な金額は、おもに以下の要因によって変わります。
- 地域
- お札の大きさ
- 祈祷の有無
- 記念品(おしるし)の違い
- 社殿に上がる人数
正確な金額は、事前に神社に問い合わせると良いでしょう。
6-1.有名神社の初穂料一覧表
神社によっては、初穂料の金額を一覧表として看板やWEBサイトに記載している事があります。お参りを検討している神社がある場合は、まず確認してみましょう。ここでは、例として有名神社の初穂料を一覧表にして紹介します。
■有名神社の初穂料
神社 | 初穂料 |
明治神宮(東京都) | 5,000円・10,000円・ 30,000円 |
伊勢神宮(三重県) | 御饌(みけ):5,000円~ 大御饌(おおみけ)8,000円~ 別大御饌(べつおおみけ): 10,000円~ |
厳島神社(広島県) | 3,000円~ |
鶴岡八幡宮(神奈川県) | 10,000円 |
春日大社(奈良県) | 小祈祷:5,000円 中祈祷:10,000円 大祈祷:30,000円 |
住吉大社(大阪府) | 10,000円 |
太宰府天満宮(福岡県) | 6,000円 |
6-2.ごきょうだいの分をまとめる場合
きょうだい同時に七五三の祈祷を受ける場合は、初穂料をまとめて奉納します。例えば、初穂料が1人10,000円の場合、2人きょうだいでは合計20,000円です。
ただし、神社によってはきょうだい割引が適用されることもあります。こちらについても、前もって神社に問い合わせておきましょう。
7.七五三の初穂料と玉串料の違い
初穂料・玉串料ともに、神社の祈祷へのお礼として奉納するものである点は共通しています。しかし、初穂料と玉串料には、以下の違いがあります。
■初穂料と玉串料の違い
初穂料 | 祈祷の儀式にのみ捧げる祈祷に後にお守りなどを受け取る |
玉串料 | 葬儀にも使用できる祈祷の後に受け取るものはない |
8.その他七五三の初穂料に関するマナー
七五三の初穂料には、他にもさまざまなマナーがありますので、それぞれ確認してみましょう。
8-1.初穂料は事前に準備する
初穂料は、お参りの前日までには用意しておきましょう。お参り当日は、着付けや親族との待ち合わせなどで慌ただしくなることも考えられます。また、初穂料を納める方も事前に決めます。決まりはありませんが、親が奉納することが一般的です。
8-2.新札を選ぶ
七五三の初穂料は、新札が好ましいです。新札を用意するのが難しい場合でも、なるべく綺麗なお札を選びましょう。また、のし袋には複数のお札を入れるよりも、5,000円なら5,000円札というように1枚にしたほうが良いです。
8-3.袱紗(ふくさ)に包む
七五三の初穂料は、そのまま持ち歩くのはマナーに反するため避けましょう。一般的には「袱紗(ふくさ)」に包んで持ち歩きます。
袱紗(ふくさ)とは、金品などの貴重品を、ほこりなどから守るために使う布のことです。現代では、相手を敬う気持ちを示す目的も兼ねて用います。袱紗(ふくさ)の色は、男の子の場合は藍色、女の子の場合はえんじ色が一般的です。
おわりに
のし袋は、マナーに沿って書きましょう。他にも、初穂料の包み方やのし袋の選び方など、さまざまなしきたりがあります。