猫を飼ってみたいけど、特有の臭いがあるかどうか気になるという方は結構多いのではないでしょうか。動物を飼う以上、臭いがまったくのゼロになることはありませんが、ある程度の臭いであれば原因と対策を知ることで対処できる場合がほとんどです。
この記事では、猫の臭いが気になっている方に向けて、どの程度臭うのか、また臭いの原因や消臭のコツまで、わかりやすく解説します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
猫の臭いの原因
もともとの体臭か、それとも別の原因か、猫の臭いの発信源はさまざまです。まずは臭いの原因となるものの代表を押さえておきましょう。
体臭はほとんどない
「動物=臭う」というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、実は健康な猫はほとんど無臭である場合が多いです。これは、もともと自分の縄張りで狩りをしていたことに由来しています。
獲物に見つからずに狩りを成功させるためには、自分の居場所を知らせる体臭を隠さねばなりません。強い臭いをぷんぷんさせていたら、臭いに気づいた獲物に逃げられてしまいますね。
トイレや粗相など排泄物
体臭そのものにはほとんど臭いがありませんが、愛猫や部屋から嫌な臭いがするのであれば、それは排泄物によるものがほとんどです。
特に猫のおしっこは強いアンモニア臭を放つため、粗相やトイレからのはみ出しは悪臭の原因となります。さらに、縄張りの確認や発情期にみられるマーキング行為(スプレー)は、さらにおしっこを濃くしたような臭いがします。壁などにスプレーされると、普通に拭いただけでは臭いが取れません。
またおしっこと同様にうんちの臭いも強烈で、すぐに片づけてあげないと室内に嫌な臭いが残ってしまいます。
肛門腺
猫の肛門には、分泌液が溜まる嚢(肛門腺)があります。この分泌液は非常に強い臭いを放ち、悪臭の原因となることがあります。
通常、肛門腺の分泌液はうんちと一緒に排出されますが、なかには自力で排出できない猫もいます。肛門腺に分泌液が溜まると、周辺から嫌な臭いが漂うようになるのです。定期的なお手入れで絞り出すケアが必要です。
口臭
猫の口元から強い臭いがすることがあれば、フードやおやつの食べかすが溜まっているサインかもしれません。特に柔らかいウェットフードは歯に付着しやすく、歯石の原因になりやすいです。
また口内炎や歯肉炎、腫瘍などの病気や疾患により口臭がきつくなるケースもあります。食べかすの臭いとは違う、“腐敗臭”のような臭いがしたら、何らかの病気を疑う必要があります。
口臭以外にも、食欲不振や口の中の出来物、元気がないといった症状がないか、細かくチェックしましょう。気になる症状があるときは、早めに動物病院を受診してください。
猫の臭い対策
猫の嫌な臭いは、トイレの掃除や日ごろからのお手入れにより解消できる場合がほとんどです。ここで紹介するのは基本のお世話になりますので、必ず押さえておきましょう。
トイレ掃除
猫のトイレ掃除は、猫砂の交換とトイレトレーの清掃です。猫はとても清潔な動物で汚れたトイレを嫌いますので、こまめに掃除してあげましょう。
基本的なトイレの掃除方法
猫が排泄をしたら、トイレの猫砂を取り換えてあげましょう。排泄物で固まるタイプの猫砂はそのまま取り除き、新しい猫砂を足します。
日中仕事をしている場合でも、できれば1日2~3回、最低でも1日1回はトイレを確認、掃除しましょう。システムトイレの場合は、うんちは取り除き、下のトイレシートが汚れていたら交換してください。砂の交換時期になったらきちんと猫砂を入れ替えましょう。
また、猫砂を入れるトイレトレーも定期的に洗って綺麗にする必要があります。スポンジとペット用の洗剤を使い、汚れと臭いを落とすように丸洗いしましょう。臭いがこびりついて取れないときは、クエン酸や重曹を使って洗うのもおすすめです。
粗相した場合の掃除方法
トイレ以外の場所で粗相をしてしまったときは、すぐに布や新聞紙などで排泄物を片づけます。濡らした布で拭き掃除したあとは、ペット用の消臭剤を撒いておくと臭いもさっぱり取れます。
粗相をそのままにしておくと、猫がトイレの場所と勘違いしてしまうことがありますので、なるべく早めに片づけることが重要です。
粗相する原因4つ
猫が粗相を繰り返す場合は、何らかの理由があるのかもしれません。以下の4つのポイントをチェックしましょう。
トイレが汚くて入りたくない
先ほども説明した通り、猫は汚い場所での排泄を嫌がります。お留守番のときなど、すぐにトイレのお片付けができないときに粗相をするのであれば、トイレをもう1~2個増やし、いつでもきれいなトイレを使えるようにしてみましょう。
トイレの形状、砂が気に入らない
こだわりの強い猫のなかには、トイレの形状や猫砂が気に入らず、トイレを使ってくれないケースが見られることがあります。トイレトレーや猫砂はさまざまな種類のものが販売されていますので、大きさやサイズ、形状など、いくつかの種類を試してみるとよいでしょう。
トイレの場所が嫌
トイレの設置場所は、猫が安心して排泄できるような環境でしょうか。ドタバタと人の出入りが激しい場所や、騒音や振動が気になる場所では、猫も落ち着きません。
トイレの設置場所は、静かで落ち着けるところを選びましょう。
トイレで嫌な思いをした
例えばトイレをしているときに近くで大きな物音がしたり、何かが上から落ちてきてびっくりさせられたり……そんな嫌な経験のせいで、トイレを嫌がるケースもあります。
どうしてもトイレを使ってくれないようであれば、形状や設置場所を変えてみるのもひとつの方法です。
肛門腺のお手入れ方法
肛門の周辺から嫌な臭いがしたり、腫れ上がったりしていたら、お手入れ実施のサインです。肛門の左右をつまみ、そっと押し出すようにすると分泌液が出てきます。コツがいるので自分で絞るのが難しければ、動物病院やトリミングサロンにお願いしましょう。
口臭対策
フードの食べかすや病気が原因で起こる猫の口臭。日ごろの適切なケアで口腔内を清潔に保ちましょう。
歯磨き
猫の口臭は、食べかすの付着が原因であるケースがほとんどです。歯垢もたまりやすいため、食後の歯磨きを習慣づけると良いでしょう。
口周りを触られることを嫌がる場合は、噛んで遊ぶおもちゃタイプの歯磨きやおやつタイプ、飲み水に混ぜるタイプのものを試してみるのがおすすめです。
歯周病チェック
猫はもともと歯周病にかかりやすい動物です。定期的にお口の中を観察し、異常がないかチェックしましょう。
チェックするポイントとしては、歯石の有無、歯茎の赤みや腫れ、出血などを確認します。
ひどい場合は病院へ
歯磨きで改善されないほど臭いがひどいときは、何らかの病気のサインかもしれません。特に、口臭以外の異常が見られるときは、なるべく早めに動物病院を受診しましょう。
こんな臭いは要注意
冒頭でも説明したとおり、もともと猫はほとんど体臭のない動物です。嫌な臭いがするときは、皮膚病や耳の病気にかかっているのかもしれません。
体臭
皮膚炎や傷が化膿することで嫌な臭いを発している可能性があります。ブラッシングやコーミングをする際には、皮膚の異常がないかチェックしましょう。
耳の臭い
耳垢で汚れていたり、強い臭いがしたりするときは、外耳炎などの病気が疑われます。治癒まで時間がかかるケースも多いため、出来るだけ早く動物病院を受診し、適切な治療を受けさせましょう。
まとめ
気になる猫の臭いの原因と対策について解説しました。健康な猫はほとんど体臭をもたないため、ペット特有の臭いも薄い方です。もし飼っている猫から強烈な臭いがするのであれば、お掃除不足、もしくは何らかの病気にかかっている可能性を考えましょう。
どうしても臭いが気になる場合は、ペット用の消臭剤や脱臭機を使うのもおすすめです。適切な管理で、快適なペットライフを送りましょう。
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