新たな住まいへの引っ越しでは、旧居の退去費用や新居の初期費用、そして荷物を運ぶための引っ越し費用など、高額な出費が続くのが一般的です。しかし住環境は私たちの暮らしには欠かせないインフラでもあるため、国や地方自治体が補助金を用意しているケースも少なくありません。
今回のコラムでは、引っ越しに関する国や地方自治体による補助金にはどのようなものがあるのか、そして対象となりやすい世帯や具体的な補助金の事例についてご紹介します。また、引っ越し費用を節約するコツもご紹介しているので、お得に引っ越したい方はぜひ参考にしてください。
【補助金や具体的な制度5種類】
- 住宅確保給付金
- 結婚新生活支援事業
- 住宅ローン減税
- 地方創生移住支援事業
- 東京都新宿区の補助金
【引っ越しの補助金が対象となる6つの世帯】
- 新婚・子育て世帯
- 高齢者、障がいを持つ方と同居している世帯
- 親世代との同居を考えている世帯
- 家を新築しようとする世帯
- 空き家への引っ越しを行う世帯
- 地方へ移住しようとする世帯
引っ越しに伴う退去費用や初期費用はつきものです。交渉次第で減額してもらえるものや、外すことのできるオプションが存在しますが、意外と高額なこともあります。
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引っ越しで受け取れる補助金にはどんなものがある?
引っ越しに合わせて申請できる補助金にはさまざまな種類がありますが、大まかな分類としては次の3つがあります。
- 結婚・子育て世帯向けの補助金
- 経済的に困窮している方向けの補助金
- 自治体が行う独自の補助金
少子化対策や子育て世帯の負担軽減のため、結婚・子育てを控える世帯向けの補助金が国からも地方自治体からも支給されることが多いです。また、住宅は私たちの暮らしの基盤となることから、経済的に困窮している方向けの補助金も充実しています。引っ越しに関する補助金には、自治体ごとに用意しているものも多く、お住まいの地域の公式ホームページなどをチェックすることで最新の情報を確認することができます。
また、引っ越しとは異なりますがマイホームを購入した場合に受けられる補助金も存在します。例えば「住宅ローン減税」が代表的です。購入した家に引っ越す場合には、こうした制度・補助金もチェックしてみると良いでしょう。
引っ越し時の補助金の対象となりやすい世帯とは?
引っ越し時の補助金の対象となりやすい世帯としては、次の6パターンが挙げられます。
- 新婚・子育て世帯
- ひとり親世帯
- 高齢者、障がいを持つ方と同居している世帯
- 親世代との同居を考えている世帯
- 家を新築しようとする世帯
- 空き家への引っ越しを行う世帯
- 地方へ移住しようとする世帯
これらの世帯に当てはまると、国の補助金や自治体独自の補助金を申請しやすくなるので、ご自身が条件を満たすかどうかチェックしてみましょう。
新婚・子育て世帯
前述したとおり、結婚・子育てを控える世帯に対しては、国からも自治体からもさまざまな補助金が支給されます。年齢や収入の上限が設けられていることが多いですが、結婚に伴う引っ越しや、子どもの出生に伴う引っ越しでは補助金の対象になりやすいため、事前に補助金情報をよく調べておくことをおすすめします。
ひとり親世帯
日本の離婚件数は過去20年減少傾向にありますが、厚生労働省が令和4年(2022年)に公表したデータによると、令和2年には1年間におよそ19万組も離婚をしています。ひとり親世帯は、生活費の準備が難しいケースも多いです。
未成年の子どもを育てているひとり親世帯を対象に、経済的な援助を受けられる制度があります。例えば引っ越し費用に関しては「ひとり親家庭住宅支援資金貸付」が該当します。この制度は小さなお子さんを抱えたひとり親世帯が、住まいを確保するために必要な資金を原則12か月に限り、入居している住宅の家賃の実費(上限4万円)を無利子で貸付してくれる制度です。制度で貸付の場合は、所定の条件を満たすと返済が免除されます。利用するには、児童扶養手当受給者であることなど条件がありますので確認しましょう。
高齢者、障がいを持つ方と同居している世帯
高齢者または障がい者がいる世帯も、福祉の観点から引っ越し費用の補助が受けられるケースが多いです。賃貸物件の初期費用や引っ越し費用の補助のほか、優先的に公営住宅へ入居できるケースもあります。
親世代との同居を考えている世帯
近年では核家族化が進み、高齢の親世代のひとり暮らしも珍しくなくなりました。その結果、病気や異変の発見が遅れ、重症化するケースが多発したため、親世代との同居を支援する補助金が用意されました。中には住宅ローンの金利が低くなったり、親が住む実家の近くに引っ越す(近居)だけでも対象になったりと、自治体によってさまざまな補助金が支給されています。
家を新築しようとする世帯
家を新築または購入する際に、補助金や税制優遇を受けられることも多いです。地球環境に配慮した住宅を建てる場合や、耐震性の高い住宅に建て替える場合などに補助金の対象となりやすく、数十万円〜数百万円と手厚い補助が受けられるケースもあります。
空き家への引っ越しを行う世帯
日本では人口減少や一極集中が進んだことにより、放置されている空き家が増加傾向にあります。老朽化した空き家は景観を損ねるほか、災害時に倒壊の危険性が高まるため、国全体で空き家を減らす取り組みを進めています。その一環として用意されているのが、空き家状態の家を購入する方、またはリフォームする方向けの補助金です。空き家を購入して維持・管理し、賃貸に出す事業会社向けの補助金もあるため、空き家をお得に借りられるケースもあります。
地方へ移住しようとする世帯
地域活性化のために積極的に移住者を受け入れている自治体では、U・Iターンを考えている方向けに補助金を支給していることが多いです。これまで都市部に住んでいた方が、継続して地方に暮らし続ける意思がある場合に、引っ越し費用を含めた移住支援の補助金の対象となります。
引っ越しで受け取れる補助金の事例まとめ
続いて、引っ越しで受けられる補助金の具体的な事例・制度について詳しく解説していきます。ここでご紹介するのは、次の5種類です。
- 住宅確保給付金
- 結婚新生活支援事業
- 住宅ローン減税
- 地方創生移住支援事業
- ひとり親家庭住宅支援資金貸付
- 東京都新宿区の補助金
それぞれご説明していきます。
住宅確保給付金
「住宅確保給付金」は、離職・廃業などの理由で収入が大きく減少している場合に、原則3ヵ月、最大で9ヵ月まで一定の家賃相当額が支給される制度です。収入要件のほかに、預貯金合計額や求職活動についての要件も設けられています。各自治体の窓口で申請を行い、市区町村が不動産会社に対して家賃を代理納付することが特徴です。直近の家賃の補助が受けられるため、引っ越し費用を工面しやすくなるでしょう。
住宅確保給付金の申請について詳しくは、厚生労働省のホームページもしくは各自治体の窓口で問い合わせください。
参照元:厚生労働省生活支援特設ホームページ | 住居確保給付金:制度概要 ※2024年8月現在
結婚新生活支援事業
内閣府の地域少子化対策重点推進交付金の一環として実施されている「結婚新生活支援事業」は、新婚世帯に対して最大60万円の補助金を支給する制度です。「一般コース」と「都道府県主導型市町村連携コース」の2種類が用意されており、自治体によって申請できる補助金は異なります。補助金の対象となるのは、婚姻日時点で夫婦ともに39歳以下で、世帯所得が500万円未満である場合です。(奨学金返済中の場合は、返済額を控除可能)
新居の購入またはリフォーム費用、賃貸物件の初期費用、そして引っ越し費用にのみ使用できる補助金のため、結婚式の費用などに充てることはできませんが、金銭的な理由で結婚や引っ越しに不安を感じている方に適した制度となっています。
参照元:令和6年度地域少子化対策重点推進交付金の概要-こども家庭庁 ※2024年8月現在
住宅ローン減税
住宅ローン減税は、住宅ローンを組んで新居を購入した場合に、年末時点のローン残高の0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から最大13年間控除できる制度です。さらに、住民税からも最大13.65万円(所得税と合わせて最大52万円)が10年間控除されます。支払う税金が少なくなるため年末調整の際に戻ってくるお金が増え、手元に残せるお金が増えるのがメリットです。
ただし2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅を購入する場合は、省エネ基準を満たす住宅でないと住宅ローン減税の対象にはなりません。
新築だけではなく中古住宅の購入でも利用可能ですが、住宅ローンの返済期間を10年以上に設定している場合に限られます。また、中古住宅の場合は築年数によって控除期間が異なり、新耐震基準に適合している住宅であれば10年間ですが、それ以外の住宅では築年数に応じて控除期間が短くなります。住宅ローン減税を利用する場合、1年目の2月〜3月に確定申告を行う必要がある点にご注意ください。
参照元:住宅ローン減税 – 国土交通省 ※2024年8月現在
地方創生移住支援事業
東京23区に住む方もしくは通勤する方が地方に引っ越す場合に受けられるのが、「地方創生移住支援事業」の補助金です。移住直前の10年間で通算5年以上かつ直近1年以上、東京23区に居住または、東京圏に居住し東京23区へ通勤してきた方で、申請後5年以上継続して移住先に住み続ける意思がある方が対象となります。また、移住先では地域の中小企業への就業や移住前の業務をテレワークで継続、移住先での起業など、就業していることも条件となります。
支給額は世帯あたり100万円以内で、18歳未満の子どもがいる場合はひとりあたり100万円以内の加算があります。単身での移住の場合は60万円以内で都道府県が設定する額が支給額です。補助金の申請は、移住先へ転入後3ヵ月以上1年以内のタイミングに限られますので、申請が遅れないよう注意が必要です。
参照元:移住支援金 ※2024年8月現在
ひとり親家庭住宅支援資金貸付
「ひとり親家庭住宅支援資金貸付」とは、自立に意欲的な取り組みをしている児童扶養手当受給者に対して、住宅の借り上げに必要な資金を無利息で貸し付ける制度です。
条件貸付の条件は次の3つです。
- 児童扶養手当受給者、または同等の水準の方
- 母子・父子自立支援プログラムの策定を受けること
- 自立に向けて積極的に取り組むこと
貸付額は、原則12ヵ月に限り、入居物件の家賃の実費(上限は4万円)です。
償還期間は、自治体により異なり、無利息で借りられます。1年以内に母子・父子自立支援プログラムで定めた目標どおりの就職をし、1年間継続して勤務できると返済が免除されます。
参照元:20210421_【事務連絡】ひとり親家庭高等職業訓練促進資金の貸付(住宅支援資金貸付の新設)について-厚生労働省 ※2024年8月現在
東京都新宿区の補助金
最後に、各自治体が実施する補助金の事例をご紹介しましょう。東京都新宿区の場合、引っ越し時に使える補助金として「民間賃貸住宅家賃助成」「次世代育成転居助成」の2種類が用意されています。
「民間賃貸住宅家賃助成」は、区内の賃貸物件に住む子育て世帯向けに、月額3万円、最長5年間の補助金を受けられる制度です。令和5年度は10月20日〜10月16日に募集が行われ、50世帯の募集数に対して158世帯の応募がありました。10月31日に公開抽選が行われ、支給世帯が決定しています。
参照元:新宿区|民間賃貸住宅家賃助成
「次世代育成転居助成」は、子育て世帯が区内で引っ越しを行う場合に、転居前後の家賃差額(月額最高3.5万円)と引っ越し費用の実費が最大10万円支給される制度です。令和6年度は4月、7月、11月に募集が開始されます。賃貸契約を締結する前に予定登録申請が必要となるため、手順を間違えないよう注意が必要です。
参照元:新宿区|次世代育成転居助成 ※2024年8月現在
補助金利用時の注意点
補助金利用には注意点があるため、あらかじめ確認しておきましょう。
補助金の申請には期限が設けられています。期限内に申請できないと補助金は交付されません。また募集世帯数よりも、応募世帯数が上回ると抽選になります。
所得制限を設けている制度もあります。収入が高いと補助金の対象外となるため、事前確認が欠かせません。
税金滞納や生活保護の住宅扶助を受けている場合には、補助金の対象外となることが多くあります。とくに税金滞納している方は、申請前に納税を済ませておきましょう。
引っ越し費用の負担をできるだけ抑えるコツ
引っ越し費用は補助金・税制優遇を活用することで負担を抑えることができますが、対象となる世帯は限られるほか、自治体によってはそもそも補助金を用意していないこともあります。そうした場合にも活用できる、引っ越し費用の負担を軽減させるコツについてご紹介します。
- 会社の福利厚生制度を確認する
- 手当てがない場合は「特別支出控除」を活用できるか確認する
- 退去費用・初期費用を見直す
- 引っ越し会社選びは一括見積もりサイトを使う
勤務先の福利厚生制度を確認する
勤務先の福利厚生として、引っ越しに伴って手当が支給されることがあります。「住宅手当」「単身赴任手当」「転勤手当」などの名称で用意されているケースが多く、条件を満たせば引っ越し費用の負担を軽減することができます。引っ越し費用を会社が負担してくれる制度が社内にある場合には、うまく活用して出費を抑えましょう。
「特別支出控除」を活用できるか確認する
会社都合の転勤の場合にしか利用できませんが、勤務先が転勤に伴う費用を負担してくれない場合、引っ越し費用を給与所得から控除できる「特別支出控除」という制度が利用できる場合があります。
会社都合の転勤とは、距離的な要件や業務上の必要性など、一定の条件を満たす転勤を指します。
特別支出控除とは、その年の特別支出の合計額が「特別支出控除額の適用判定の基準となる金額」を超えた場合、確定申告でその超える部分の金額を給与所得控除後の所得金額から差し引ける制度です。
支払う税金が少なくなることにより、実質的に引っ越し費用の負担を軽減できます。控除額は、給与収入や家族構成、その他の控除額などによって異なります。例えば年収500万円の方が、会社都合の転勤で引っ越し費用が30万円かかったとしましょう。その場合、所得税と住民税を合わせて10万円以上の税金還付を受けられる可能性があります。
特別支出控除を受けるためには、確定申告を行わなければなりません。また、引っ越しにかかった費用を証明できる明細書や領収書などの保管も必要です。
注意点として、特別支出控除は、医療費控除や寄付金控除など、他の控除と合算して計算されます。そのため、他の控除の適用状況によっては、期待するほどの控除を受けられない可能性もあります。
参照元:No.1415 給与所得者の特定支出控除-国税庁
退去費用・初期費用を見直す
引っ越しに伴う退去費用や初期費用の中には、交渉次第で減額してもらえるものや、外すことのできるオプションが存在します。退去費用では経年劣化や通常損耗にあたる修繕費用、初期費用では消毒料や安心サポートといったオプションが代表的です。こうした費用を節約することにより、引っ越しにかかる費用負担を抑えることができるでしょう。
セゾンのカードローン「MONEY CARD GOLD(マネーカードゴールド)」であれば、ATMでの借り入れや「振込キャッシング」を利用して、最短数十秒で指定の金融機関口座にお金が振り込まれます。新規契約時には最大2ヵ月分の利息が実質無料になるので、一時的な出費に対応しやすいのも特徴です。
MONEY CARD GOLDについて詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
引っ越し会社選びは一括見積もりサイトを使う
引っ越しに伴う荷物の運搬を依頼する際には、必ず一括見積もりサイトを利用して、引っ越し会社を選ぶことも大切です。一括見積もりをせずに1社の見積もりだけで決めてしまうと、割高な引っ越し費用を請求されても気づくことができないからです。一括見積もりサイト内では激しい価格競争が行われているため、安い引っ越し会社を探しやすいというメリットもあります。
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おわりに
引っ越しで利用できる補助金には、結婚・子育て世帯や経済的に困窮している世帯が利用できるものが多くあります。親世代との同居を考えている方や、東京23区から地方へ移住を考えている場合にも、引っ越し費用の一部が補助されます。
これらの制度の対象とならない場合にも、勤務先の手当や退去費用・初期費用の見直し、そして引っ越し一括見積もりサイトを使うなどの方法で、費用負担を抑えることが可能です。まずは自治体のホームページをチェックして、ご自身でも利用できる補助金がないか、確認するところから始めましょう。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。