カードローンを利用する前には必ず審査があります。「審査に通るだろうか」「審査の甘いカードローンはあるかな」と、不安になる方もいらっしゃることでしょう。本記事では、カードローンの審査ポイント、必要書類などについて解説します。カードローンの利用をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
カードローンの審査のポイント
カードローンの審査は、「返済能力」「信用情報」「総量規制」がポイントになります。また、提出した書類に虚偽がないことや、記載情報が正しいことも重要です。
返済能力は充分か
カードローンの審査では、「問題なく返済が続けられるか」が重要なポイントです。年収だけでなく、勤務先、雇用形態、勤続年数、居住形態なども考慮されるポイントです。
なお年収については、安定性も重視されます。年収が高くても毎月の収入が安定していないと、長期的視点では返済リスクが高まるためです。
総借入額が年収の1/3を超過しないか
貸金業者は「貸金業法」の規制を受けます。そして、貸金業法で定められている「総量規制」により、貸金業者は個人に対する「年収の1/3を超える貸付」が禁止されています。
複数の貸金業者からの借り入れがある場合、新たな借り入れ額と既存の借り入れ額の合計が年収の1/3を超えると融資を受けられません。
返済状況に遅れはないか
カードローンの審査の際は、現在や過去に支払の延滞があるかどうかも確認されます。確認の際は、借り入れや返済の状況、金融事故の履歴などを記録している「信用情報機関」で情報を確認します。延滞履歴が見つかった場合、今後も返済が遅れる可能性が高いと判断され、審査に通るのは難しくなります。
なお信用情報の開示請求は個人でも可能です。ご自分の信用情報に不安がある方は、一度確認してみると良いかもしれません。次の章では、自分の信用情報の確認方法を見ていきましょう。
信用情報を確認する方法
カードローンの審査に通るか不安な方は、信用情報機関に開示請求し、自分の信用情報を確認してみましょう。
信用情報機関で本人開示ができる
信用情報機関では、加盟している金融機関からの借り入れ等の内容や返済状況などの確認ができる制度があります。
機関名 | 開示請求方法 | 開示までの日数 | 手数料 |
---|---|---|---|
全国銀行信用情報センター | ・インターネットで開示請求 | 最短3~5営業日 | 1,000円 |
株式会社シー・アイ・シー(CIC) | ・インターネットで開示請求 | 即時 | 500円 |
株式会社日本信用情報機構(JICC) | ・JICC専用スマートフォンアプリ ・郵送 | データ:数分~数時間 郵送:5~7日 | データ:1,000円 郵送:1,300円 |
信用情報機関の情報開示でわかること
信用情報機関への情報開示で得られる主な情報は「個人を特定する情報」「取引に関する情報」「取引から発生する情報」の3つです。
具体的には、ローンの借入日や金額、返済状況などの取引内容と、個人の属性情報として氏名や住所、生年月日、勤務先等が開示されます。
更に、ローンの支払い遅延の記録や債務整理などの情報もわかります。
信用情報に傷がつくとローンの審査に通らない
信用情報機関に金融事故情報が登録される(傷がつく)と、新たな借り入れは難しくなります。例えば現在の借り入れの返済が遅れたり、任意整理などの債務整理を行ったりすると、信用情報機関にそれらの記録が残ってしまいます。
信用情報に登録された金融事故情報は、削除されるまでに5~10年程度かかるため、無理のない返済計画を立て、カードローンを利用しましょう。
審査に必要な提出書類にはどのようなものがあるのか
審査に必要な書類は、氏名や住所などの個人情報を確認する「本人確認書類」と、返済能力の有無を判断するための「収入証明書」です。
本人確認書類の主な書類と注意
本人確認書類では、主に申込者の生年月日や現在の住所などを確認します。また「犯罪収益移転防止法」の観点で、基本的にどの金融機関や貸金業者でも必要になる書類です。
本人確認書類は、原則として公的機関が発行しているものを求められます。主な本人確認書類は、以下のとおりです。
- 運転免許証
- 個人番号カード(マイナンバーカード)
- 住民基本台帳カード
- 健康保険証
健康保険証など、顔写真が貼付されていない本人確認書類の場合には、補完書類が必要となる場合があります。補完書類には住民票の写しや印鑑証明書、公共料金の領収書、母子手帳などがあります。補完書類は、住所を変更した場合などにも求められるケースがあります。
パスポートは、以前は本人確認書類として利用できましたが、2020年2月4日以降に申請されたパスポートには、住所記載欄はありません。そのため、パスポートのみでは本人確認書類として認められないので注意しましょう。
本人確認書類や補完書類の要不要については、カードローンの申込先によっては指定されている場合があるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
収入証明書の種類と注意事項
収入証明書は、以下の要件に該当する場合に提出を求められる可能性があります。
- 1社からの希望借入額が500,000円を超える場合
- 複数の貸金業者からの借入総額が100万円を超える場合
主な収入証明書は、以下のとおりです。
- 源泉徴収票
- 所得証明書
- 税額通知書・住民税決定通知書
- 給与明細書・賞与明細書
- 確定申告書
企業にお勤めの方は毎年1月頃に勤務先から受け取れる源泉徴収表の提出が一般的です。ただし、源泉徴収票であっても「公的年金等の源泉徴収票」「退職所得の源泉徴収票」は、収入証明書としては利用できません。
源泉徴収票が無い場合は「所得証明書」または「税額通知書・住民税決定通知書」を提出しましょう。所得証明書は、市区町村役場で発行してもらえます。一方、税額通知書・住民税決定通知書は、毎年5月頃に市区町村役場から送られてきます。
自営業(個人事業主)の方は、毎年2月から3月にかけて提出する確定申告書も収入証明書として認められます。場合によっては決算書を求められるケースもありますので、用意しておくと良いでしょう。
カードローンの審査に落ちる理由
カードローンの審査に落ちる理由は、主に5つです。申し込み前に把握しておきましょう。
安定した収入が見込めない
収入の安定性は、返済能力に大きく影響します。安定した収入が見込めないと、カードローンの申し込み先から「資金を継続的に回収できないリスクが高い」とみなされやすいためです。
他社の返済状況が悪い
すでに他社から融資を受けている場合、カードローンの申し込み先は信用情報機関の情報を参照し、返済状況を確認します。返済の遅延などがある場合、貸付リスクが高いと判断される傾向にあるため、たとえ収入が安定していても審査に通らない可能性があります。
借り入れがすでに年収の3分の1を超過している
貸金業法の総量規制により、貸金業者は年収の3分の1を超える貸付ができません。銀行は貸金業法の対象外ですが、貸付リスクを防ぐ目的で自主的に借入総額の大きい申込者を避ける傾向にあります。やはり審査には通らない可能性が高いでしょう。
本人確認、居住確認ができない
カードローンの利用を申し込む際は、本人確認書類の提出が必ず求められます。本人確認や居住確認ができない場合、審査に通ることはないでしょう。
連絡が取りにくい、電話が繋がらない
必要なときに利用者と連絡を取れないと貸し倒れにつながるおそれがあるため、貸金業者や金融業者にとって大きなリスクです。したがって、申し込み情報の修正依頼や在籍確認などの連絡が取れない場合、その時点で審査に落ちてしまう可能性があります。
カードローンは審査に通りやすい?
金融機関(銀行など)と貸金業者(消費者金融など)は同じく「カードローン」というサービスを提供していますが、金融機関と貸金業者では適用される法律が異なります。具体的には、銀行は銀行法に従い、貸金業者は貸金業法に従います。
貸金業者は貸金業法の総量規制を遵守する必要があるため、年収の3分の1を超える貸付ができません。銀行は貸金業法の総量規制の適用を受けませんが、借入残高は審査対象のひとつになります。
また金融機関と貸金業者は、信用情報機関でカードローン申し込み者の借入状況や返済状況などを確認できます。そのため、貸付リスクの高い申し込み者を審査の時点で把握できます。銀行と貸金業者では加盟している信用情報機関が異なるものの、提携をしているため、延滞情報など、情報内容に大きな差異はありません。
これらのことを考慮すると、金融機関ごとに独自の審査基準を設けているとしても、どの金融機関も総合的な審査を実施し、「カードローンは審査に通りやすい」わけではないことが推察されます。
銀行と消費者金融で審査に違いはあるのか
審査方法は、銀行と消費者金融とで異なります。また同じ消費者金融であっても、大手と中小では審査方法は違うでしょう。
銀行のローンは保証会社がついている
銀行のカードローンの場合、原則として保証会社が審査をします。保証会社は借り手の返済を保証しなければならないからです。
なお、近年は独自の審査体制を構築している銀行もみられます。このような銀行の場合、銀行の審査と保証会社の審査を通らなければなりません。
大手消費者金融はスコアリングシステムを導入している場合が多い
大手消費者金融の多くは、審査方法にスコアリングシステムを導入しています。スコアリングシステムは、個人の信用度を点数化するシステムで、融資の可否や利用限度額などを自動で判断します。
中小消費者金融は担当者が個別審査することもある
中小消費者金融も、審査方法にスコアリングシステムを導入している会社もありますが、、個別審査を実施しているケースもあります。大手消費者金融と比べて審査に通りやすいというわけではなく、個別審査によってあくまで画一的な判断を避け、融通を利かせていると理解しましょう。
個人向けローンの種類と特徴
カードローンの他に、個人向けローンにはいくつかの種類があります。以下では、主な個人向けローンとその特徴について解説します。
カードローン
カードローンは、ローン専用のカードや銀行のキャッシュカードを使い、契約時に決めた契約限度額の範囲内で借り入れができる個人向けローンです。銀行や消費者金融などの金融機関が提供しています。契約限度額の範囲内であれば何度でも利用できる点が特徴です。
フリーローン
フリーローンは、借入金の使い道に制限のない個人向けローンで、銀行での取り扱いが比較的多いようです。必要な資金を一括で借り入れ、その後は返済のみという点は、契約限度額の範囲内であれば何度でも利用できるカードローンとは異なります。
自動車ローン
自動車ローンは、自動車の購入費用やその他の諸費用を賄うための個人向けローンで、主に銀行や信販会社が提供しています。マイカーローン、オートローンといわれることもあります。
教育ローン
教育ローンは、学費や教材費などを賄うための個人向けローンです。日本政策金融公庫が提供している「国の教育ローン」と、金融機関や信販会社が提供している「民間の教育ローン」があります。
事業ローン(個人事業主向け)
事業ローンは、事業資金や開業資金を調達するための個人事業主向けのローンです。別に法人名義で借りられるものがあります。ビジネスローン、事業者ローンといわれることもあります。
住宅ローン
住宅ローンは、住宅購入などの費用に充てる資金を借りられる個人向けローンです。銀行などの金融機関の他、財形住宅融資、社内住宅融資、不動産会社の業界団体など金融機関以外の機関が取り扱うものもあります。
住宅ローンは住宅購入用以外に住み替えローン、建て替えローン、リフォームローンなどがあります。
おわりに
カードローンは使い道に制限がありませんので、いざという時のために1枚持っていると安心です。契約限度額の範囲内であれば、何度でも利用することができる点も魅力的です。
審査のポイントを一言でまとめると「貸したお金を返してくれるかどうか」です。返済できる見込みがあると判断されればお金を借りられます。借りる側としては「返せる範囲内で無理なく利用する」ことが大切です。どれだけ借りられるかではなく、どれだけ返せるかを基準に利用するようにしましょう。
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