普段の生活をしている中で、この場所にコンセントがあったら便利なのに、と思ったことはないでしょうか。また、使いたい場所にコンセントがなくて、延長コードを活用して家電を使用している方もいるでしょう。このコラムでは、コンセントの増設について、どんな方法でコンセントを増やせるのか、増設工事にはどのくらいの費用がかかるのかなど詳しくご紹介します。コンセントが少なくてお困りの方はぜひ参考にしてみてください。
このコラムのまとめ
コンセントの増設工事には、コンセントの差し込み口の数を増やす方法や既存の電気配線を分岐させる方法、新しく専用の配線を引く方法があります。費用は工事内容により増減しますが、一般的に4,000円〜30,000円程度です。しかし、屋外の場合には70,000円程度かかるケースもあり、電気配線の距離や工事内容などにより異なります。
コンセントの増設工事は、コンセントの寿命のタイミングや部屋のリフォームのタイミングで行うと効率が良くおすすめです。コンセントの増設工事を行う際には、生活動線や将来どんな家電を使用するかを考慮し、コンセントの数や位置を検討してみると良いでしょう。
くらしのセゾンの電気配線工事なら、コンセントの増設工事はもちろん、照明器具の取り替え工事やエアコンの取り付け、漏電の調査など電気に関するお悩みに幅広く対応しています。365日年中無休、最短即日で専門スタッフが駆けつけます。1年間の無償工事保証付きでアフターフォローも安心です。
コンセントを増やす方法は?
コンセントが足りないときや使用したい場所にコンセントがない場合には、コンセントを増設すると生活が便利になります。まずは、どのような方法でコンセントの増設ができるのか見ていきましょう。
コンセントの差し込み口の数を増やす
コンセントの差し込み口の数を増やす工事は、コンセントを増やす方法の中で一番簡単に行うことができます。この工事では、基本的に電気配線の変更をする必要がありません。そのため、電源が多く必要なテレビ周りには6口コンセントを増設する、パソコンを使用する場所にはコンセントLANやUSBコンセントを増設するなどの変更をするだけです。
しかし、差し込み口を増やす工事だけでは使用できる電気容量は変わらないため、消費電力が大きい家電を使用する場所では電力が足りなくなってしまう可能性が考えられます。ひとつの回路で使用できる電気容量は20A。コンセントの差し込み口の数を増やすだけで使用したい家電に対応できるかどうか考慮し、検討しましょう。
今ある電気配線を分岐させる
新しい場所にコンセントを増設したい場合は、すでにある電気配線から分岐する方法があります。屋内の電気配線で、電圧が100Vのところからであれば、換気扇や電灯のスイッチ部分からコンセント増設も可能です。しかし、屋内配線でもエアコンを使用している場所では200Vの配線が通っており、100V用の家電はつなげられないので気をつけましょう。
また一般的に、ひとつの回路につなげられるコンセントの数は4〜5つですが、電気配線を分岐させる工事では、使用できる電気量が変わりません。分岐させたい電気配線が電子レンジなど、電力消費量の大きい家電がつながれている場合には注意が必要です。増設を考えるときは、電力に余裕がある配線から分岐させるようにしましょう。
消費電力が大きい電化製品を使うなら分電盤から専用の配線を引く
上で紹介した2つの方法の場合は、消費電力が大きい家電には向いていません。消費電力が大きい家電を使用したいときや、ブレーカーが頻繁に落ちてしまう場合は、分電盤から専用の配線を引き、コンセントを増設するのがおすすめです。
分電盤に空きがない場合は、新たなブレーカーを設置したり分電盤の交換が必要になるケースもあります。しかし、分電盤に空きがある場合は、増設したいコンセントまで配線するだけです。専用の配線を引くことで、他の電気機器の電力消費量を気にすることなく、消費電力が大きな家電でも安心して使用できるでしょう。
専用配線を引くのがおすすめの家電は、エアコンや冷蔵庫、ドラム式洗濯乾燥機、IHクッキングヒーターなどです。なお、水気が多い家電を使用する場合は、必ずアースが付いたコンセントを増設しましょう。
電圧を変更する方法もある
場合によっては、コンセントの追加工事をしなくて良いケースもあります。最近使用されている分電盤は、簡単な作業で電圧の変更が可能です。
200Vのコンセントを増設したいと考えている場合には、分電盤で100Vから200Vへ変更できるか確認してみましょう。取り付けられている分電盤の取扱説明書や、メーカーのWEBサイトなどで確認し、不安がある場合は電気工事士に依頼しましょう。
ただし、家が古い場合、取り付けられている分電盤が古く、電圧の切り替えができないものがほとんどです。またブレーカーが200Vに対応していなかったり、200Vの配線が家まで引き込まれていなかったりすることもあります。その際には、別途工事が必要です。
コンセントの増設はDIYできない
コンセントの増設工事は、DIYができません。ここでは、DIYができない理由と、増設工事の依頼先を紹介します。
電気配線工事には資格が必要
電気工事はすべて、簡単な工事であっても感電や漏電、火災を招く可能性があり、工事を行うには電気工事士二種の資格が必要ですので、電気の配線工事はDIYではできません。無資格での工事は、電気工事法に触れ罰則を課せられるため、資格のあるプロに任せましょう。
コンセントの増設工事はどこに頼む?
コンセントの増設工事を依頼するときは、電気工事店や家電量販店に相談してみましょう。
電気工事店
電気工事店とは、地域の電気屋さんやリフォーム会社のことです。電気工事店を探す際は、ご自身が住んでいる地域を管轄している電気工事協会や電気工事業工業組合に問い合わせてみるか、それぞれのWEBサイトで検索してみましょう。
くらしのセゾンの電気配線工事なら、コンセントの増設工事はもちろん、照明器具の取り替え工事やエアコンの取り付け、漏電の調査など電気に関するお悩みに幅広く対応しています。365日年中無休、最短即日で専門スタッフが駆けつけます。1年間の無償工事保証付きでアフターフォローも安心なためおすすめです。
家電量販店
家電量販店ではコンセントの増設工事を専門には行っていませんが、購入した家電に合わせて、電圧の切り替え工事を行ってくれることがあります。エアコンなどの家電を購入した際は、取り付け工事と同時に、必要であれば電圧の切り替え工事を依頼すると良いでしょう。なお、前述したとおり、古い家の場合には、電圧の切り替え工事が行えない場合があるため、注意しましょう。
コンセントの増設工事にかかる費用と時間
ここからは、コンセントの増設工事にかかる費用を紹介していきます。
工事費用は電気配線の距離で異なる
コンセントの増設工事にかかる費用は、電気配線の距離により異なり、一般的に距離が長ければ費用は高くなり、距離が短くなると費用は安くなります。配線の距離が5m未満の場合の相場は約10,000円、5m以上の場合は約30,000円です。
また、工事の種類によって費用は変動します。先に紹介したコンセントの増設工事の種類ごとに、費用の相場を見てみましょう。
- コンセントの差し込み口の数を増やす(所要時間:1~3時間程度)…約5,000円~
- 既存の電気配線から配線を分岐させる(所要時間:1~3時間程度)…約5,000円~
- 分電盤から専用の配線を引く(所要時間:数時間~半日程度)…約10,000円~
- 電圧の切り替え…4,000円~30,000円程度
なお、電圧やコンセントの設置場所、配線方法などによっても費用が異なります。
参照元:コンセント増設費用はいくら?どこに頼む?おすすめの設置場所をチェック|ニフティ不動産
増設するコンセントの電圧が大きいと費用がかかる
増設するコンセントの電圧により、費用は異なります。100Vから200Vへ変更する場合は、約3,000〜6,000円程度ですが、200Vコンセントを新しく増設する場合の費用相場は、約25,000〜30,000円となり、100Vから200Vへ変更する場合よりかなり高額です。
コンセントを外に増設する場合も高額になりやすい
新しくコンセントを設置する場所が屋外の場合も、費用が高くなる傾向にあります。屋外でコンセントが必要なシーンは、防犯カメラの設置や電気自動車の充電、高圧洗浄機の使用などです。
既存のコンセントを分岐する場合は、それほど費用はかかりません。しかし、専用のコンセントを増設する、防水機能・いたずら防止機能を付けるなど、コンセントの設置方法や機能によっては高額になることもあります。
また、外壁の色やデザインとのバランスを考慮すると費用が上がることもあり、費用相場は幅広く、15,000〜70,000円程度です。
露出型と埋め込み型とで費用が変わる
どこに配線を這わせるかによっても、かかる費用は変わります。配線を引く方法は、壁の外に露出させて引く露出型と、壁の中に這わせる埋め込み型です。
露出型のメリットは、壁紙を張り替える必要がなく、比較的費用が安い点です。しかし壁や天井、床に配線が通るため、見た目の悪さや配線に破損のリスクがある点がデメリットになるでしょう。一方、埋め込み型は見た目がスッキリし、配線を傷付ける心配がありません。
しかし、壁の中に配線を通すため、壁紙の張り替えが必要な他、建物の構造によっては難しい作業になる可能性があります。費用の目安は、100Vの工事で、配線の距離が5m以内の場合、露出型では5,000円程度から、埋め込み型では7,000円程度からです。
コンセントの増設ができない場所はある?
続いて、コンセントの増設工事のできない場所があるのか確認しておきましょう。
水がかかる場所にはコンセントを増設できない
水がかかりやすい場所は漏電や感電リスクがあるため、簡単にコンセントの設置はできません。キッチンにコンセントを増設したい場合はコンロやシンク周辺を避け、調理スペースや収納スペースを選ぶようにしましょう。どうしても設置したい場合は、防水コンセントやカバー付きのタイプにしましょう。
賃貸の場合は不動産会社・大家さんに確認を
賃貸住宅でコンセントの増設工事を行いたい場合は、先に不動産会社や大家さんに確認しましょう。コンセントの差し込み口の数を増やすだけの工事であれば認められるケースもあります。
しかし、コンセントを新しく設置したい場合は、壁や壁紙への影響があるため、許可されないことが多いでしょう。なお、許可なく工事を行った場合は、退去時に原状回復費用が余計にかかってしまうため、気をつけましょう。
部屋ごとのおすすめのコンセントの数は?
家全体や部屋のリフォームと同時にコンセントの増設を検討している場合には、コンセントの数も考慮しておくと良いでしょう。最近では、エアコンの設置台数をはじめ、使用する家電の数が増えているため、コンセントは多めに用意しておくと安心です。
下に、部屋ごとの理想のコンセントの数をまとめましたので、参考にしてください。
【部屋ごとのおすすめのコンセント数】
部屋 | コンセント数(2口) | 使用する電化製品の一例 |
リビング | 5個~ | エアコン、テレビ、空気清浄機、無線LAN、電気ストーブ、ホットカーペット |
キッチン・ダイニング | 11個~ | 冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器、トースター、食洗機、電気ケトル、IHクッキングヒーター、コーヒーメーカー |
寝室・個室 | 5個~ | エアコン、空気清浄機、間接照明、携帯電話・スマホの充電、電気毛布 |
洗面所・トイレ | 4個~ | 洗濯機、ドライヤー、電動歯ブラシ、電気シェーバー、温水洗浄便座 |
玄関・廊下・階段 | 3個~ | 掃除機、イルミネーション(電飾)、水槽 |
屋外 | 2個~ | 芝刈り機、高圧洗浄機、電動自転車、電気自動車の充電、イルミネーション |
リビングのテレビ・パソコン周りは多めに設置
リビングは、主にテレビやパソコン周囲に、ゲーム機や録画機、インターネット機器など、家電が多く集まります。そのため、口数が多いコンセントを設置しておくと良いでしょう。また、テレビやパソコンのモニター裏やケーブル周辺は、ほこりが溜まりやすい場所です。火災の原因になるため、ほこりシャッター付きのコンセントを設置しておくと安心でしょう。
テレビやパソコンだけではなく、リビングには電気ストーブや扇風機など、季節ごとに使用する家電もあります。使い勝手を考慮すると、テレビのコンセントとは反対側に、2つ以上、コンセントを設置しておくのもおすすめです。
キッチンやダイニングのコンセントは使いやすい高さにあると便利
キッチンやダイニングのコンセントの特徴は、消費電力の大きい家電が多いことと、カウンターの上などやや高めの場所で使用することが多い点です。作業しやすい高さを考えて設置すると、料理や家事がやりやすくなるでしょう。ダイニングで使用するホットプレートのためのコンセントは、頻繁には使用しません。そのため、ダイニングテーブルの下に収納式のコンセントを設置する方法もおすすめです。
また、消費電力が大きい電子レンジや食洗機などは、専用のコンセントを設置するとブレーカーが落ちる心配はなく、安心して使用できます。
個室はエアコンやテレビの使用の有無を考慮
個室にコンセントを増設する場合は、エアコンやテレビを使用するかどうか考えてから検討すると良いでしょう。エアコンを設置する場合は専用のコンセントを設置し、テレビを置く場合はアンテナ端子を忘れずに。また、スマートフォンなどのモバイル機器を使用する場合は、USB付きのコンセントを用意しておくと便利です。コンセントの位置は、机やベッドなどの高さを考慮して検討すると良いでしょう。
屋外のコンセントも忘れないようにしよう
屋外は意外にコンセントの必要性が高い場所です。リフォームの際は、屋外にコンセントが必要ないかどうか確認するのを忘れないようにしましょう。設置する場合は、雨にさらされることを考慮し、必ず防水タイプを選択します。設置場所は、家の正面と裏の2ヵ所にあると便利です。
コンセントの増設工事をするタイミング
最後にコンセントの増設工事をするタイミングを紹介します。コンセントが足りないと感じたタイミングでも良いのですが、以下の機会に同時に工事をすると、効率が良いでしょう。
コンセントの寿命のタイミングで増設する
実は、コンセントには寿命があります。新築の場合、約10年でコンセントの点検を行うケースがあるため、そのタイミングに合わせてコンセントの増設工事を行うと、何度も工事を行う必要がありません。ただし、ほこりが多い場所や高温になりやすい場所、使用電力が多い場所では、10年よりも早く寿命が来ることもありますので、コンセントカバーが熱い、変色しているなどの場合は火災の原因になるため、点検を待たずに交換しましょう。
壁や床のリフォームのタイミングに合わせる
また、壁や床をリフォームするタイミングでコンセントの増設工事を行えば、配線を埋め込みたい場合に効率が良く、見た目もキレイに仕上げられます。
差し込み口の位置を考慮する
コンセントが足りないからと、ただコンセントの差し込み口を増やすのではなく、生活動線を考慮して増設する場所を決めると生活しやすくなります。例えば、常夜灯を使用するために、階段周辺に差し込み口を設置したり、掃除機を使用する場所を考えて設置したりすると良いでしょう。
コンセントの使用用途を考慮する
コンセントの使用用途を考えておくことも大事です。将来的にエアコンを使用する可能性がある場所には、あらかじめ200Vの配線を通しておくのも良いでしょう。また、インターネットを使う場合は、必要に応じて、マルチメディアコンセントに変更することもおすすめです。
おわりに
コンセントの増設は、比較的簡単な作業でできることが分かりました。コンセントの増設を検討する際には、まず、どんなシーンでコンセントが足りないのか、将来的に使用する可能性がある家電にはどのようなものがあるのかを洗い出してみることが大切です。欲しい場所にコンセントがあると、生活がグッと便利になることでしょう。