人生の一大イベントともいえる注文住宅の購入。夢と希望がいっぱいで、理想を追い求めすぎてしまうこともあるでしょう。しかし、流行りの住宅設備やインテリア、間取りを取り入れてみると生活がしづらいと感じ後悔してしまうこともあります。
そうならないよう、今回は注文住宅で後悔しないためのポイントや失敗例についてまとめました。これから注文住宅を建てる予定の方は参考にしてください。
- 注文住宅の購入では、「こんなはずではなかった」と後悔することも。
- 収納や間取り、動線、吹き抜けなど、実際に建ててみて失敗と感じる例もある。
- 将来のライフスタイルを考慮した間取りや余裕ある資金計画、ハウスメーカーの選択も重要。
- 注文住宅を建てて住みにくいと後悔することがないよう、慎重な検討が必要。
注文住宅で後悔しないためには
注文住宅で後悔しないためには、失敗例を知ることが大切です。まずは注文住宅とは何か確認していきましょう。
注文住宅とは
注文住宅とは、ご自身で自由に間取りを決める一戸建ての住宅のことです。注文住宅では、家を購入する施工主が、設計や間取りを決めることができます。分譲住宅や建売住宅のようにすでに建てられてできているものではないので、ご自身の希望を自由に取り入れられることがメリットです。
失敗例を知ることが大切
注文住宅では自由に設計や間取りを決めることができる一方、多くのことをご自身が決めなくてはなりません。しかし、たいていの方は家づくりに関して初心者のため、よほど住宅に詳しくない限り「こうすればよかった」と後悔する点が出てきてしまいます。だからこそ、実際に注文住宅を建てた方がどんなことで失敗や後悔をしているのか知ることが大切なポイントといえます。
注文住宅での失敗例30選
それでは、さっそく注文住宅での失敗例を場所ごとに分けて紹介していきます。
お風呂場での失敗
まず始めに、お風呂での失敗例を見ていきましょう。
玄関とお風呂場が遠い
ペットを飼っていたり、小さい子どもがいたりする家庭では、外遊びで服や手足が汚れることが多いでしょう。玄関からお風呂場までに距離があると、廊下が泥だらけになってしまうかもしれません。そのため、玄関からお風呂場を近くに配置すると便利です。
ただし、近いところに作る場合は、玄関からお風呂場の脱衣所が見えないようにする工夫が必要になります。
お風呂場にテレビをつけたが使わない
新築の場合、ゆっくりお風呂時間を楽しみたくて、オプションで「テレビを付けたい」と思うこともあるでしょう。しかし、小さい子どもがいるとゆっくりとテレビを見る時間はありません。そのため、せっかくテレビを付けても使わないことも多いようです。オプションを選ぶ際は、今後の生活のことを考えてイメージしながら検討すると良いでしょう。
壁をタイルにしたら掃除が大変
デザインも大事ですが、暮らしてからの掃除のことも考えておくと良いでしょう。見た目を優先し壁をタイルにしてしまうと、目地の部分にカビが生えることがあるので、掃除が大変になる可能性もあります。
1日の疲れを癒すためのお風呂場なので、ご自身の好みのデザインにすることも大切なのですが、掃除する時のことを意識しながら選んでみてください。
洗濯物を収納するスペースがない
後から「取り付けておけば……」と後悔しがちなのは脱衣所の収納スペースです。浴室乾燥機や乾燥機付き洗濯機がある場合、タオルや下着などはそのまま収納できるため家事負担を減らすことができます。また、お風呂の後にそこから取り出して使うことができるのでとても便利です。
キッチンでの失敗
続いては、キッチンでの失敗例を紹介します。キッチンは毎日使う場所なので、失敗すると使いづらさを感じやすく、ストレスになるかもしれません。料理するときのことを想像して設計すると良いでしょう。
スペースが足りない
人気の対面式キッチンにすると、通路が狭くなりゴミ箱を置くスペースがなかったといったケースもあります。
他にも、キッチンのカウンタートップに料理するスペースを広くとらなかったことで、ケトルやミキサーなどを置くだけで作業を行うスペースがなくなってしまうことも。そのため、置く可能性のある家具や家電を紙などに書き出し、どこに何を置くのかを先に決めておくことが必要です。
キッチンの高さが身長に合わない
キッチンのカウンタートップの高さがご自身の身長に合わなかったというケースも多いです。キッチンは毎日使う場所なので、少しの高さの違いもストレスや腰痛の原因になってしまいます。実際にショールームに行って試してみるとこのような失敗は少なくなるでしょう。
収納の奥行きが深すぎる
キッチン収納量をたくさん取りたいがために奥行きを持たせた結果、奥のものを取り出しにくく使いづらい収納になってしまったという場合もあります。キッチンに収納するものは、ボールや調理器具など 小さいものが多くあるため、奥行きよりも間口を広くとった方が便利になる場合もあります。
アイランドキッチンにしたらリビングから丸見えで物が置きにくい
アイランドキッチンは家族を見渡しながら料理ができるので、小さな子どもがいる家庭にも人気です。
また、見た目もスタイリッシュなため、おしゃれな家の定番ともいえます。しかしアイランドキッチンにすると、リビングからキッチンが丸見えになるため、物が置きづらいといったデメリットもあります。リビングから見えないように目隠しを作る方法や、収納スペースを確保するなどの対策を行うと良いでしょう。
オール電化でIHにしたら料理がしにくい
オール電化でIHにしたところ、今までガスコンロだった方は料理をしにくくなってしまうことも。もちろんIHにして良かったといった声もあるため、検討する際には実際の使い心地を体験したり、使っている方の話を聞いたりすると良いかもしれません。
玄関での失敗
続いては、玄関での失敗例を紹介します。玄関は外に出るときは必ず通る場所です。何があれば生活しやすいのか考えることが大切でしょう。
収納が少ない
玄関での失敗で多いのは収納の少なさです。玄関に雨具やゴルフババッグ、釣り道具などを置く方もあるでしょう。また子どもがいればベビーカーや野球バット、ボールなどのおもちゃも増えます。
収納スペースが少ないと置く場所に限りがあり、散らかりやすくなってしまうでしょう。そうならないためには玄関に置いておきたいものを把握し、どう収納するかイメージすることが大切です。コートを収納できるコートクロークやシューズクロークなどの設置もおすすめです。
鏡を置くスペースがない
下駄箱の収納を大きくしたために、圧迫感が強くなり玄関が狭くなったと感じることがあります。また鏡を置くスペースを作ることが難しくなったという声も多いです。そのような場合には、下駄箱を鏡張りにすると新たにスペースを取らなくてすむでしょう。
玄関の照明スイッチが遠い
照明のスイッチを玄関に入ってから遠いところに設置したら、帰宅後にすぐに手元を照らせずとても不便だった、というケースもあります。照明スイッチの位置は実際に使うことを想定して 決めることが大切です。どうしても離れたところにしかスイッチを設置できない場合は、自動感知し照明がつく人感センサー付き照明を選ぶと良いでしょう。
玄関を広くすればよかった
リビングを少しでも広くするために玄関を狭くしてしまうと、靴が溢れてしまったり出入りが大変になったりと生活し始めてから困ることがあります。来客時や雨の日も玄関はある程度広い方が便利なようです。
屋外での失敗
外壁や駐車スペースなどのある屋外は周囲の方の目にもつきやすいため、失敗すると後悔が大きくなる場所でもあります。そうならないために、屋外での失敗例と改善ポイントを知っておきましょう。
駐車場が狭くて車を出し入れしにくい
屋外の失敗談の多くは駐車場に関することです。住み始めは車が小さくても、家族が増えていくにつれ車のサイズが大きくなることもあります。また、子どもが大きくなると車の台数が増える可能性もあるため、今後の生活を見越して駐車場のスペースを確保すると良いでしょう。
駐輪スペースが狭くて不便
駐輪スペースはただ駐輪できればいいというわけではありません。縦列で停めるような奥まったスペースの駐輪場では、奥にある自転車を出すのに一度他の自転車を移動させなければならず、とても不便です。
また、場合によってはバイクを購入することも考えられます。そういった可能性も考慮し、駐輪場を検討することが必要です。
ウッドデッキを設置したけど外から丸見え
憧れていたウッドデッキを設置したが、道路から丸見えになってしまい、結局使わなくなったというケースもあります。ウッドデッキを設置する際には、目隠しフェンスや外壁をつけるなどの対策を取っておきましょう。
外壁を派手にしすぎた
外壁を派手な色にしたが、その後の趣味と合わなくなったといったパターンもあります。デザインや外壁はその時の好みで決めたくなるものですが、奇抜なデザインや派手な色にしてしまうと住んでいるうちに飽きてしまう可能性もあります。よほどの覚悟がない限りはシンプルなデザインやカラーにしておくのが良いかもしれません。
収納での失敗
続いては、収納での失敗例と改善ポイントを紹介します。収納スペースに限りがあると、物が溢れてしまう可能性もあるため、注意しましょう。
使う場所の近くに収納を作ればよかった
収納場所を広く取っても、使うべき場所の近くに収納できなければ不便に感じるでしょう。収納の鉄則として、使う場所の近くに収納場所を作ることが大切です。空間や部屋ごとに、そこで使うものを出しやすいように整理しておける場所があると便利です。
ウォークインクローゼットの収納スペースが意外と少ない
一般的な押し入れや壁面収納の場合は、部屋にいて扉を開ければ取り出すことができますが、ウォークインクローゼットの場合はそうはいきません。ウォークインクローゼットは「ウォーク・イン」という名のとおり、クローゼットの中に入って必要なものを取り出します。
つまり、内部に通路を作る必要があり、空間の割にあまり収納ができないということも。部屋の広さによっては壁面収納にした方が効率的なこともあるため、慎重に検討するようにしましょう。
屋根裏収納は不便で使っていない
屋根裏を使って物をたくさん収納しようと思っていたけれど、ハシゴの昇り降りが不便で使わなくなってしまったといったケースもあります。屋根裏収納では固定のはしごを付けることができないため、折りたたみや取り外しできるはしごを使用しなければなりません。そのため、昇り降りのたびにはしごを設置するのが面倒になり、結局使わなくなることがあるようです。
また屋根裏は、夏は想像以上に暑く、取りに行くだけでも汗だくになってしまうため、収納スペースを作りたい場合は換気をよくする工夫が必要です。
リビングや居室での失敗
続いて、リビングや居室それぞれの失敗例と改善ポイントを紹介します。リビングや居室は、家族で過ごすことが多くなる場所のため、過ごしやすい空間作りが必要です。
窓が大きすぎて物をしまう収納スペースがない
リビングに大きな窓を設置したことで、壁面収納がほとんど作れなくなり、物をしまう場所がないケースもあります。子どもが大きくなると、ランドセルなどをリビングに置くことがあるかもしれません。あらかじめ収納場所を確保しておくことが必要です。
床暖房を使わなかった
床暖房を設置したものの、光熱費が高くほとんど使わなくなった、ということもあります。また、床暖房のある場所にテーブルやソファを置いてしまうと、結局隠れてしまいあまり効果的に使えません。足元を温めたい場所を考えた上で設置しましょう。
使わなかったという意見がある一方、必要だったという後悔の声もあります。後から床暖房を入れると、大規模なリフォームを行わなくてはならなくなるため、必要かどうか検討すると良いでしょう。
コンセントの数が少ない
コンセントの場所を考えていなかった、生活してみたら数が足りないなど、配線についても考えていないと、住んでから使い勝手が悪い家だと気づくことになります。例えば、パソコンを置く場所、テレビ周り、キッチン周りなどは、コンセントがたくさんあると便利です。
また、コンセントをつける位置も重要です。家具の配置もイメージしながら、コンセントの位置を決めると良いでしょう。
床材は耐久性が高いものを選べばよかった
子どもが小さい家庭や、ペットを飼っている場合は、フローリングの床材は耐久性の高いものを選ぶと良いでしょう。子どもが小さいと飛び跳ねたり、物を投げたりするため床にキズができやすいです。住み始めてすぐに張り替えになってしまった、ということがないように、あらかじめ検討しておきましょう。
間取りでの失敗
間取りは家事をする上でとても重要です。動線がスムーズだと家事もしやすくなるメリットも。ここからは、間取りの失敗例と改善ポイントを見ていきましょう。
家事動線がスムーズではなかった
家事の動線がスムーズでないと、毎日の生活でストレスを感じることも少なくありません。キッチンや勝手口、洗濯機、物干し、脱衣所を行き来する動線はとても重要です。この動線がスムーズだと時短にもなり、家事が楽になります。
ロフトに収納しようとしたが失敗
ロフトに収納スペースを作ったことで収納があると満足していると、住んだ後に後悔する場合もあります。
ロフト用階段で昇り降りをするのはとても大変です。ロフトに上がる階段を作るのであれば良いですが、その分費用がかかってしまいます。また、小さな子どもがいる場合はロフトがあると危険ですし、歳をとってからは昇り降りが大変になってしまうので、住んだ後のことも考えて作ると良いでしょう。
階段での失敗
階段を吹き抜けの作りにすることによって、解放感がある家になります。しかし、解放感だけを求めていると寒い家になることも。以下で詳しく見ていきましょう。
吹き抜けが寒い
明るくて広々とした吹き抜けには憧れますが、冬や夜は寒くなりがちです。吹き抜けは広々と見せる効果や屋内が明るくなる効果など、良い面もあります。しかし、防寒対策のことまで考えておかないと、寒くて冬が辛い家になってしまいます。
階段に手すりをつけなかった
階段をインテリアの一部と考え、手すりをつけないケースもあります。しかし、大人が使う分には問題なくても、高齢者や子どもには手すりがないと危険です。ヒヤッとした場面に遭遇しないためにも、階段には手すりを付けると良いでしょう。
予算についての失敗
最後に予算についての失敗例を紹介します。
住宅展示場で家を見学すると、マイホームの理想がふくらむことでしょう。しかし、住宅展示場の家は一般的にハイグレードなものが多いため、そのまま参考にしてしまうと、予算オーバーになる可能性が大きいです。予算も事前に決めておくと安心です。
注文住宅で失敗しないためのポイント
ここまで失敗例をいくつか見てきました。どの場所も失敗してしまうと、住みにくさを感じてしまいます。それぞれの失敗例を参考に、ご自身の生活を想像しながら間取りや設計プランを考えてみましょう。
ここからは、注文住宅で失敗しないためのポイントについて見ていきましょう。
将来のライフスタイルまで考えた間取りにする
間取りを検討する際は、今後の生活を見越した間取りにすると良いでしょう。途中でリフォームを行うという手もありますが、作る時に何も考えていないとリフォームが必要になった時に対応が難しいこともあります。そのため、子どもの成長や夫婦が歳を重ねたことも考えた間取りにするのがおすすめです。
余裕を持った資金計画をする
住宅ローンの借入額は無理をしないのが鉄則です。住宅ローンの返済で生活費を圧迫しないためにも、余裕を持った資金計画を立てましょう。
資金計画を立てる際には、クレディセゾンが提携しているiYellの住宅ローン相談窓口が便利です。「住宅ローンのお借換え」や「新規のお借入れ」、「必要資金のお借入れ」の相談を無料で行うことができます。資金計画を検討中の方は、ぜひご利用ください。
オプションは慎重に
品質の良いものやデザイン性の高いもの、便利なものは魅力的に見えます。しかし、生活スタイルに合わせて本当に必要かどうかを吟味することが大切です。
ベストな家づくりは生活スタイルによって異なるので、ご自身にとっての優先順位を考えてオプションを付けると良いでしょう。
ご自身に合うハウスメーカーを選ぶ
家づくりでは、ハウスメーカー選びもとても重要です。ハウスメーカーによって得意な分野や費用が異なります。また商品やサービスも異なるため「予算内でできるだけ希望を叶えてくれるハウスメーカー」をしっかりと選ぶことが、理想のマイホーム造りの第一歩といえるでしょう。
設計プランの打合せに時間を費やす
設計プランは夢のマイホームを実現するために重要です。そのため打ち合わせにも時間をかけましょう。しっかりと要望を伝えて、納得がいくまで行うことが大切です。何も準備しないで打合せを行うと効率的に進まないこともあるので、事前に予算や希望などをまとめておきましょう。
おわりに
注文住宅では、自由な設計や間取りを決めることができるのが魅力ですが、詳しく住宅のことについて知らないと失敗してしまう可能性もあります。そうならないために注文住宅を建てた方の失敗例を確認し、ご自身が後悔しないようにすることが大切です。この記事で家づくりの失敗例やポイントを抑え、素敵なマイホームを作りましょう。