トイレを和式から洋式にしたいけれど、費用などがよくわからずリフォームに踏み切れないという方もいるかもしれません。洋式トイレは足腰への負担が少なく、メリットもたくさんあります。
この記事では、和式から洋式トイレへリフォームする際の費用や補助金について解説します。メリットや費用を安く抑えるポイントもご紹介します。
洋式トイレの種類
洋式トイレの種類は、「組み合わせトイレ」、「一体型トイレ」、「タンクレストイレ」の3種類があります。それぞれの特徴と、リフォームの費用について説明していきましょう。
組み合わせトイレ
「組み合わせトイレ」は、独立した便器と便座、タンクを組み合わせたトイレのことです。リフォーム費用は350,000円〜500,000円前後で、3種類の中では最も安価なトイレのタイプになります。見た目やお手入れのしやすさよりも費用を抑えることを優先したい場合は、組み合わせトイレを選ぶと良いでしょう。
一体型トイレ
「一体型トイレ」は、便器と便座(温水洗浄便座)とタンクが一体化しているトイレです。リフォーム費用は400,000円〜550,000円前後となっています。一般的にはこのタイプのトイレが多く使用されている傾向にあります。
タンクレストイレ
名前のとおり、水を溜めるタンクがないすっきりとした形状のタイプのトイレです。リフォーム費用は450,000円~600,000円前後で、3つのタイプの中では最も高額になります。
トイレを和式から洋式にリフォームする工事方法と工事日数
トイレを和式から洋式にリフォームする場合、トイレ本体の交換の他にもいくつか必要な工程があります。工事方法と工事日数について説明していきましょう。
工事方法
工事は次のような順で行われます。
- 既存の便器を解体、撤去
はじめに既存の和式トイレ、タンク、手洗い器などの解体をします。その後は必要に応じて、壁クロス、腰壁タイル、床、段差を分解し取り除きます。解体したものをすべて撤去して、トイレの床は平らな状態にします。
- 配管と電気工事
排水管と給水管を洋式のトイレに合うように設置します。元々トイレにコンセントがない場合で温水洗浄便座を導入する際には、電気工事も必要です。
- 床の下地と内装を整える
床や壁の下地の工事と内装工事をします。解体でむき出しになった床は、木工事(木材で枠組みを作る)を行います。土台が新しくできたら、クッションフロアなどで床材を張り、壁面にパネルも取り付けます。
- 洋式の便器を設置する
最後は、新品の洋式トイレの取り付けです。便器を設置した後、電気コンセントと給水管も接続します。手すりや手洗い器などの新しい設備を導入する場合は、一緒に行います。リフォームが完了したら工事のチェックと試運転をし、トイレの操作方法を確認して引き渡しです。
工事日数
工事日数はリフォームの内容によって異なります。和式トイレに装着するだけで洋式トイレにできるアタッチメントを取りつける場合は、数時間で完了。便器の交換がある場合でも1日程度で終わります。
ただし、床や壁紙などの内装を整えたり、配管や電線の工事も一緒に行ったりする場合は、数日かかることもあります。事前に確認しておくと良いでしょう。
和式から洋式にするメリット
ここからは、トイレを和式から洋式に変えるメリットについて説明していきます。
足腰への負担を軽減できる
和式トイレは使用する際にしゃがむ必要があります。そのため足腰に強い負担がかかってしまいます。高齢の方にとっては、しゃがむ姿勢を維持するのは大変でしょう。
一方、洋式トイレでは、椅子に座った姿勢を保ったまま使用できるため、身体への負担を減らせます。楽な体勢なので、長時間使用しても身体がつらくなることは少ないでしょう。
衛生面が向上する
和式トイレを使用する際、便器だけではなく、その周りが汚れることも珍しくありません。また和式トイレは大量の水で流すため、水の勢いで周りを汚してしまうことも。
一方、和式トイレと比べると、洋式トイレは自動洗浄や脱臭などの機能が充実しているので、こまめな掃除をしなくてもにおいや汚れが残りにくくなっています。また、洋式トイレは座って使用するため、周りが汚れる心配も少ないでしょう。
水道代の節約につながる
従来の和式トイレは、1回の水の使用量が10リットル以上にもなります。一方で、洋式トイレは3〜4リットルの使用量で済みます。毎日使用するトイレを洋式トイレにリフォームするだけで、水の使用量を抑えられるでしょう。
また、節水性能の優れた洋式トイレが各メーカーから開発されています。和式トイレを洋式トイレにリフォームすることは、環境にも経済的にもメリットが多いといえるでしょう。
和式トイレを洋式トイレに改修する場合の費用相場
和式トイレから洋式にリフォームする際の費用相場は、一般的に300,000円~500,000円程度です。同じトイレの種類でも、グレードによって費用が変わります。
タイプ別の費用相場
以下でトイレの種類ごとに、安・並・高のグレード別でまとめました。リフォームの費用はどれくらい掛かるのでしょうか。
その他に費用がかかるケース
トイレ本体の他に費用がかかるケースもあります。みていきましょう。
コンセントを新設する場合
暖房便座などの機能がついた洋式トイレを設置する場合はコンセントが必要になりますが、和式トイレの場合、コンセントがトイレ内にないことも。トイレ内にコンセントを取り付けるための費用は10,000円程度ですが、状況などによって多少変わります。
給水管の移設が必要な場合
一般的に、洋式トイレのタンクは便座の背面に設置します。タンクがコーナーに付いている和式トイレの場合は、給水管の移設が必要になることがあります。選択した商品によって異なるので、専門会社に確認するようにしましょう。
コーナータンクを設置する場合
トイレのスペースが狭い場合、一般的には便器の背面に設置するタンクを、コーナーに取り付けてタンク式の洋式トイレを設置する場合があります。このケースは、便座の背面にタンクが付いているものより20,000〜30,000円程度費用がかかります。
工事よりも格安な「簡易取り付け型洋式トイレ 」
トイレを和式から洋式にリフォームするには工事も日数も必要ですが、「簡易取り付け型洋式トイレ」であれば誰でも簡単に取り付けられ、工事をするよりも安くリフォームできます。ここでは、簡易取り付け型洋式トイレについて詳しくみていきましょう。
簡易取り付け型洋式トイレとは
「簡易取り付け型洋式トイレ」とは、和式トイレの上に便座を置くだけで洋式のトイレにリフォームできるものです。大がかりな工事が必要ないので手軽にリフォームができます。
簡易取り付け型洋式トイレのメリット
簡易取り付け型洋式トイレのメリットについて説明していきましょう。
便座の種類が豊富
簡易取り付け型洋式トイレは、シンプルなタイプや便座が柔らかい素材でできたタイプ、温水洗浄機能付きのタイプなど種類が豊富です。暖房付きの便座を選択すれば、寒い季節に冷たい便座に座るストレスがなくなります。
高齢になってからのトイレが楽
和式トイレでしゃがむ際は、主に太もも部分の筋肉を使います。年齢が60代に突入すると20代の筋肉量に比べて約6割落ちこむとされており、高齢の方にとってしゃがむ動作は負担が大きくなります。
簡易取り付け型洋式トイレを取り付ければ普通の洋式トイレと同様に、しゃがむ動作が軽減されるのでトイレが楽になるでしょう。
リフォーム費用が安く済む
簡易取り付け型洋式トイレは、和式トイレ上に便座を取り付けるだけなので、工事の必要がなく費用が安く済みます。洋式トイレに簡単にリフォームできるのがメリットです。簡易取り付け型洋式トイレにかかる費用相場は、100,000円程度です。
簡易取り付け型洋式トイレのデメリットと注意点は?
続いて、デメリットについてみていきましょう。
掃除が手間
簡易取り付け型洋式トイレは、汚れやすく、内側部分の掃除がしにくいです。掃除をする際は、便器を持ち上げ、掃除用のシートやトイレ用ブラシなどでこすり洗いをすると良いでしょう。
プラスチック製のものが多いですが、陶器製で汚れが付きにくい簡易取り付け型洋式トイレもあるので、掃除を簡単に済ませたい方は、陶器製のものを選ぶと良いでしょう。
便器のズレに注意が必要
便座に滑り止めが付いていますが、基本的には和式トイレの上に置いているだけなので、便座と便器の位置にズレが生じやすいです。
位置がずれてしまうと、使用時に汚してしまうことがあるため、座る際や立ちあがりの動作は注意しましょう。また、多少費用がかかってしまいますが、ネジを使用し固定するタイプの便座もあります。
体重制限やトイレによっては制約がある
一般的に、プラスチックで作られた簡易取り付け型洋式洋式トイレでは、体重制限があります。また、和式トイレの種類によっては、簡易取り付け型洋式洋式トイレが設置できないタイプの便座もあります。購入する前に、体重制限や設置可能なタイプの便座なのかを確認しておきましょう。
トイレリフォームで補助金が使える場合も
トイレのリフォームは補助金が出る場合もあります。詳しく説明していきましょう。
介護保険(住宅改修費)
和式トイレから洋式トイレへのリフォームは、介護を目的としたものであれば介護保険の住宅改修費が適用されます。補助を受ける条件は、介護保険の被保険者が「要支援1または2」、「要介護1〜5」に認定され、改修を行う住宅に居住していることです。
介護保険から、住宅改修費として、利用者所得(介護保険自己負担割)に応じて、7〜9割が支給され、工事費の上限は200,000円です。申請に必要な書類は、ケアマネージャーなどの有資格者でなければ作成できません。
参照元:厚生労働省|介護保険制度における住宅改修、厚生労働省|福祉・介護福祉用具・住宅改修
自治体の補助金
地方自治体によっては、補助金や助成金制度を利用できる場合もあります。詳しくはご自身が住む自治体に確認してみましょう。ここでは東京都目黒区と大阪府泉佐野市の制度を紹介します。
- 東京都目黒区の場合
住宅リフォーム資金助成により、リフォーム工事費用の一部が助成されます。対象は、目黒区民であることや住民税を完納していること、2017年4月1日以降にこの制度を利用していない方です。条件は、目黒区内の専門会社が行う工事であること、工事費用が200,000円(税抜)以上であることなどです。
助成金額は工事費用の10%(1,000円未満は切捨て)で、工事費用は、見積もり金額と実際の工事金額(いずれも税抜)のどちらか低い方になります。なお、トイレのリフォーム工事の場合、助成金額の上限は100,000円です。
- 大阪府泉佐野市の場合
定住促進・地域経済の活性化を目的とした住宅リフォーム助成事業です。対象は、市税の滞納がない方、リフォーム工事を泉佐野市内の専門会社に依頼する方です。
申請日時点で10年以上住んでいる住宅であること、または築5年以上であることが条件となります。助成金額は、補助対象工事費用の10%(1,000円未満は切捨て)で、上限は100,000円です。同一補助対象住宅、同一補助対象者は1回限りとなります。
専門会社選びのポイントと安く抑えるコツ
和式から洋式トイレへのリフォーム費用はできるだけ安く抑えたいですが、失敗は避けたいものです。ここでは、安くて安心できる専門会社を選ぶポイントについて解説します。
実績の多い専門会社に相談する
実績が多い専門会社は、工事経験が豊富なので施工品質も高くなり、トラブルや不具合が発生しにくいでしょう。また、施工実績が多い専門会社はトイレ本体の仕入れ価格が安くなり、工事工程も効率的であるため、無駄なコストを削減できます。
くらしのセゾンの「介護・バリアフリーリフォーム」もおすすめです。高齢者、要介護者が安全に、安心して暮らすことを目的とした住宅リフォームで、トイレのリフォームはもちろん、手すりを取り付けるなど小規模なリフォームから間取り変更や浴室のまるごと取り替えなどの大規模な工事まで対応します。「どのような生活を実現したいか」など豊富な知識を持つ専門スタッフが丁寧にヒアリングし、ご家族の「できる」と「したい」を支援できる環境を整えます。
経験が豊富で安心のくらしのセゾンの介護・バリアフリーリフォームも検討してみてはいかがでしょうか。
複数の専門会社に見積もりを依頼する
費用を抑えてリフォームしたいのであれば、2〜4社くらいの専門会社から見積もりをとりましょう。ポイントは費用だけではなく、専門会社のサービス面などを総合的に判断しましょう。不明な点は直接確認し、信頼できる専門会社を選択しましょう。
アフター保証付きの専門会社を選ぶ
専門会社を選ぶ際は、アフター保証が付いている専門会社を選びましょう。リフォーム後のアフター保証は、リフォームに関して自信があるからこそ、工事後の不備や故障に対応できるということです。安価な専門会社には比較的アフター保証が付かないことが多いので注意しましょう。
メーカーやブランドにこだわらない
耳にしたことのあるような有名なメーカーやブランドであれば、トイレの機能や性能を揃えると、だいたい同じくらいの価格になります。しかし、メーカーやブランドにこだわらなければ、必要のない機能を省け、費用を安くできるケースもあるでしょう。
一度にまとめてリフォームする
壁や床材の状態が悪いまま便器だけをリフォームした場合、数年後にまたその部分を工事しなければならなくなります。中途半端なリフォームは、やり直しが必要になり余計な費用がかかることも。気になるところが複数ある場合は、一度にまとめて工事することを検討しましょう。
リフォームの費用を負担に感じる場合は、365日24時間WEBサイトでの申し込みが可能なセゾンのリフォームローンを検討してみてはいかがでしょうか。
最短2営業日で審査結果の回答が得られるため、急いでいる場合にも対応可能です。返済期間は最長25年まで設定できるため、無理なく利用できます。
セゾンのリフォームローンについて詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
おわりに
和式から洋式トイレにするための、工事方法や費用について説明してきました。費用はトイレの種類やグレードによっても異なり、トイレ本体の他にも費用がかかることがあります。
介護保険や自治体からの補助金が使用できる場合もあるので、確認してみましょう。信頼できる専門会社と相談して、毎日使用するトイレをより快適に使えるようにリフォームしましょう。