床に敷かれ、人やペットが頻繁に行き来することから、すぐに汚れが溜まりがちな絨毯(じゅうたん)。実は、繊維の奥にゴミが入りやすい構造で、正しい掃除方法でないとキレイにならないことをご存じでしょうか。
このコラムでは、絨毯の汚れる原因、掃除のポイント、汚れの性質に合わせたシミ取り方法、絨毯の掃除に使える便利なアイテムなどをご紹介します。絨毯をキレイに保ちたい方は、ぜひ参考にしてください。
絨毯が汚れる原因を知ろう
絨毯が汚れる原因には、以下のようなものがあります。
- 髪の毛
- 皮脂
- 汗
- ほこり
- 飲みこぼし
- 食べこぼし
- ペットの毛
- カビ
- ダニ
- 衣類・タオルなどのほつれた繊維 など
絨毯は、繊維の奥にゴミが入りやすい構造となっています。一見キレイに思えても、汚れが溜まっている可能性もあるため、定期的にお掃除するようにしましょう。
毎日のお手入れ!絨毯の掃除のポイントとは?
絨毯のお手入れでは、以下3つの道具が役立ちます。
- 掃除機
- コロコロローラー(粘着ローラー)
- ブラシ(ヘアブラシや毛足が短めの洋服ブラシでOK)
毎日のお手入れについては「絨毯表面の汚れを手で取り除く程度」で、問題ありません。掃除機とコロコロローラー(粘着ローラー)を使用したお手入れは、週1回ほど実施すると良いでしょう。
ここからは、それぞれの道具を使用した実際のお手入れ方法と、掃除のポイントを解説します。
掃除機でキレイにする
掃除機は、絨毯の掃除において最も重要な道具です。家庭で使用される絨毯の汚れの大半は、掃除機をかけることで取り除くことができます。
掃除機を使った絨毯掃除の手順は、以下のとおりです。
- 風通しを良くするために窓を開ける
- 絨毯を手で撫でて「色が濃くなる方向」を確認する
- 絨毯の色が濃くなる方向へブラシをかける
- 絨毯の色が薄くなる方向から、濃くなる方向に向かって、ヘッドを引きながら掃除機をかける
絨毯を手で撫でた時に「色が濃くなる方向」とは「毛並みに逆らった方向」です。毛並みに逆らって掃除機をかけることで、絨毯の毛を起こすことができ、奥の汚れまで吸い取ることができます。
コロコロクリーナーを使う
掃除機をかけた後は、コロコロローラー(粘着ローラー)をかけましょう。これによって、掃除機では取りきれなかった糸くず・髪の毛などが除去できます。平織りやタフテッドなど、毛の短い絨毯には粘着力の高いコロコロクリーナーがおすすめです。
一方、ファーやシャギーなど、毛の長い絨毯の他、天然の繊維を使用した絨毯には比較的粘着力の低いコロコロクリーナーが向いています。
汚れ別!絨毯についたシミを取る方法
絨毯にシミ汚れがついてしまった場合、すぐに対処することを心がけます。シミ汚れの中には、時間の経過とともに目立つようになるものがあるからです。
具体的にはまず、シミ汚れの元となるもの(インクや食べ物など)を乾いた雑巾で拭いてください。次に「シミ汚れの性質」に合わせて、お手入れを実施しましょう。
絨毯についたシミ汚れは「油溶性のシミ」「水溶性のシミ」に大別でき、それぞれに適切な掃除方法が異なりますので、以下で詳しくご紹介します。
油溶性のシミの掃除方法
油溶性のシミは、「マヨネーズ、バター 、ケチャップ、カレーのルー 」などの油分を含み、水に溶けづらい汚れです。
油溶性のシミの掃除方法は、汚れた部分に少量の「中性洗剤」の原液をかけ、汚れに馴染ませてから、濡れ雑巾で叩き、汚れを移します。汚れはもちろん、中性洗剤が絨毯に残らないよう、しっかり取り除いてください。 なお、白い色の絨毯の場合は、酸素系漂白剤の使用が適しています。
また「クレヨン・油性インク汚れ」などの落ちにくい汚れには、数滴のマニキュア除光液を落とし、雑巾で叩きながら汚れを移しましょう。汚れとマニキュア除光液が雑巾に移ったら、仕上げに中性洗剤でも洗います。
これらの掃除方法を実践する前に、以下2点の注意点をご確認ください。
- あらかじめ絨毯の目立たない部分に、中性洗剤・酸素系漂白剤・マニキュア除光液などをつけ、色落ちによる変色などがないか試しましょう。変色した場合、上記の掃除方法は実施しないでください。
- どの掃除方法も、あらかじめ可能な限り、大まかな汚れを落とした上でお試しください。
水溶性のシミの掃除方法
水溶性のシミは「汗や、砂糖・食塩・果汁などを含む飲食物」など、水に溶けやすい汚れです。
水溶性のシミの掃除方法は、数滴の中性洗剤をつけて馴染ませた濡れ雑巾で、叩きながら汚れを移します。汚れの中心部分に向かって叩けば、汚れが広がりません。
仕上げは、中性洗剤をつけていない濡れ雑巾を、汚れていた部分に乗せ、洗剤を吸い取ってください。 なお、汚れが固まっている場合は、汚れが広がらないように注意して、あらかじめ取り除きましょう。
絨毯についた原因不明のシミの掃除方法
絨毯についたシミの種類がわからない場合は、まず「油溶性のシミの掃除方法」から試し、落ちなければ「水溶性のシミの掃除方法」を試します。
試す方法を逆にすると、汚れが広がったり、汚れが落ちなくなったりする恐れがあるためご注意ください。
この手順は「同じ場所が油溶性のシミと水溶性のシミで汚れている場合」「油溶性・水溶性の両方の性質を持つ汚れ(チョコレート・チーズ・ミルクなど)がついている場合」などにも有効です。
絨毯は洗うことができる!?
絨毯の汚れが全体的に目立つ場合は、洗濯がおすすめです。ただし、すべての絨毯が洗濯できるわけではないため、まずは洗濯表示をしっかりチェックしましょう。
持っている絨毯は洗濯できる?できない?洗濯表示をチェック
絨毯の洗濯表示には、主に以下のようなものがあります。
- 桶の中に数字が書かれた表示:数字の温度以下で、洗濯機洗いOK
- 桶の中に手を入れた表示: 手洗いOK
- 桶にバツ印がついた表示:洗濯不可
なお「洗濯機洗いOK」の表示でも、洗濯機に入りきらないほど絨毯が大きい場合は、手洗いしましょう。
洗濯機で洗濯する方法
絨毯を洗濯機で洗う手順は、以下のとおりです。
- 洗濯ネットに絨毯を入れておく
- 普段の洗濯に使用する洗剤を入れる
- 「毛布コース」「大物洗いコース」などを選択する
- 洗濯終了後、風通しの良い場所で日陰干しする
なお、洗濯表示の桶の下に「線」が入っている場合は、水流を弱めて洗濯する必要があります。
具体的に、線が1本の場合は「弱い洗濯処理」、線が2本の場合は「非常に弱い洗濯処理」に限られるため、水流を一番弱くすると良いでしょう。
手洗いで洗濯する方法
絨毯を手洗いする手順は、以下のとおりです。
- お風呂に40℃前後のぬるま湯を、絨毯が浸かる量入れる
- ぬるま湯に洗濯洗剤を溶かしておく
- 浴槽内で絨毯を踏み洗いする
- 洗剤と汚れをしっかりすすぐ
- 風通しの良い場所で日陰干しする
なお、すすぎ立ての絨毯は、多量の水分を含み、重い状態です。すすぎの後、素手で脱水し、浴槽のふちなどで1時間ほど放置すると、ある程度水気を切ることができます。
コインランドリーで洗濯する方法
洗濯機洗いOKにもかかわらず、大きくて自宅の洗濯機に入らない場合は、コインランドリーを利用する方法もあります。 15kgのランドリーが設置されていれば、2〜3畳の絨毯も洗うことが可能です。コインランドリーならば乾燥機を使って、スピーディーに絨毯を乾燥させられる点もメリットです。
ただし、裏面などに熱に弱い「ゴム」が使用されている場合は、乾燥機は使用しないようにします。また、乾燥機が使える絨毯でも、繊維にダメージを与えないために、低温設定で使用するようにしてください。
絨毯の掃除に使える便利なアイテム&使い方
絨毯は基本的に「掃除機・コロコロローラー(粘着ローラー)・ブラシ」で掃除できます。しかし、 掃除の効果・効率をさらに高めたい方は、各種アイテムを活用してみましょう。
ここからは、絨毯掃除に便利なアイテムと使い方をご紹介します。
ゴム手袋
ゴム手袋は、絨毯の毎日のお手入れに活用できるアイテムです。手にゴム手袋を装着し、円を描くように絨毯を撫でることで、髪の毛やホコリをくっつけることができます。
ある程度撫でると毛玉の状態となり、そのまま捨てることが可能です。
絨毯専用のブラシ
絨毯に掃除機をかける前に使用するブラシ(ヘアブラシや洋服ブラシ)は、絨毯の毛を起こすことが主な目的でした。
一方、絨毯専用のブラシは、 髪の毛やホコリなどのゴミをきちんと取ることができます。100円ショップでも販売されていますので探してみましょう。
クリーナー
「リンサークリーナー」は、絨毯に水を吹きつけて汚れを吸引することができる「布製品向けの洗浄機」です。
洗濯機に入らない大きさの絨毯や、動かせない絨毯でも掃除できます。落ちにくいシミを除いて、水だけで洗えるため「絨毯に洗剤や漂白剤を使用するのが心配」という方にもおすすめ。
しみとり剤
近年は、カーペットのシミ取りに特化したスプレーも販売されています。なかには、水性・油性どちらのシミにも対応できる製品もあるため、 お手入れのために常備しておくと便利です。
ペルシャ絨毯やウールカーペットなど、一部の絨毯には使用できないケースがあるため、購入前に製品の表示などを見て確認しましょう。
重曹
さまざまな掃除に利用される重曹は、絨毯のお手入れにも活用できる便利アイテムです。すでにご紹介した酸素系液体漂白剤に重曹を加える方法の他、濃度5%の重曹水を作ってスプレーして拭き取ったり、雑巾に染み込ませてから拭いたりする方法もあります。
特に、カーペットの臭いが気になる時は、重曹での掃除をお試しください。
オキシクリーン
オキシクリーンは日本でも人気の高い、アメリカ発の酸素系漂白剤です。カーペットを漬けこむ丸洗いや、部分的なシミ抜きまで幅広く利用できるため、自宅にオキシクリーンがある方は絨毯掃除に利用してみましょう。
なお、ペットの毛が原因で絨毯が汚れている場合は、オキシクリーンの「カーペット専用のクリーナー」がおすすめ。 ただし、オキシクリーンはウール製の絨毯やペルシャ絨毯などには使用できません。
それでも落ちない絨毯の汚れはどうしたら良い?
これまでにご紹介した方法で絨毯の汚れが落ちない場合は「漂白剤を使った掃除方法」を試しましょう。
「漂白剤を使った掃除方法」は、ご家庭でお試しいただける、絨毯掃除の最後の方法です。これでも汚れが残る場合は、プロに依頼することがベストな方法でしょう
どうしても取れないシミの掃除方法
どうしても絨毯の汚れが落ちない場合は、漂白剤を使用します。生地へのダメージを少しでも軽減するため「酸素系漂白剤」を選びましょう。
具体的な掃除方法は、酸素系漂白剤20mlに大さじ1杯の重曹を加えたものを、汚れに直接塗布して、少しの時間放置します。放置後、レンジで温めた濡れ雑巾で、汚れを叩きながら落とし、最後は少しだけ水をかけ、乾いた雑巾で叩きます。
ただし、絨毯の素材が綿や毛、綿・毛の混紡、ウールのもの、ペルシャ絨毯などには使用できないケースがあるため、製品表示などを事前にご確認ください。
絨毯掃除で困ったらプロに依頼しよう!
「どんな洗い方でも絨毯のシミやニオイが落ちない」という場合は、プロへの依頼がベストです。
くらしのセゾンのハウスクリーニングは「フローリング・カーペットクリーニング」にも対応しています。高い技術力を持つスタッフが、自宅に直接訪問し、専用の薬剤と機材を用いて絨毯・カーペットの汚れをしっかり除去します。
土日祝日でも追加料金がなく、いざというときの保証も用意されているなど、クレディセゾングループならではの安心感も大きなポイントです。まずは下記からお問い合わせください。
おわりに
絨毯は、日々の正しい掃除方法を実践することで、ある程度キレイな状態を保つことができます。掃除機の他、コロコロクリーナー(粘着ローラー)・ブラシ・ゴム手袋・重曹など、身近で安価に手に入るアイテムで充分な掃除ができるので、ぜひ今日から実践してください。
シミ汚れについても、ご家庭である程度は対処できますが、酸素系漂白剤などを使用しても落としきれない場合はプロの手を借りると良いでしょう。