家族として一緒に生活をし、愛情を注いできたペットの死ほど悲しいものはありません。どうしても人間よりもペット寿命の方が短いため、飼い主家族が看取ることが多いでしょう。 心が張り裂けるほど悲しい時ではありますが、生前可愛がっていたからこそ、最期まで後悔がないように供養してあげることが大切です。 そこでこのコラムは、ペットが亡くなったときの流れや費用などを紹介していきます。
ペットが死亡した際の流れ
愛するペットが亡くなってしまったときは、届け出や葬式の準備をしなければなりません。ですがペットの種類によってすべきことに多少の違いがあります。
役所に届け出が必要な場合がある
いろいろな動物をペットにしている昨今です。まず『犬』と『特定動物』に関しては、死亡した際に届け出が必要となります。犬好きの方々でも、死亡の際に届け出が必要とは認識されていないケースも多いようです。特定動物とは、危害を加える可能性がある動物のことですが、詳しくは環境省のホームページをご確認ください。
また犬の場合は狂犬病の予防接種が義務付けられており、死亡届を出すことで登録を抹消してもらう必要があります。登録されていない犬、狂犬病の予防注射を受けていない犬、鑑札や注射済票を装着していない犬は、捕獲・抑留の対象となります。また、飼い犬を登録していない所有者や飼い犬に予防注射を受けさせていない所有者、飼い犬に鑑札や注射済票を装着していない所有者は20万円以下の罰金の対象となります。
違反にならないためにも、亡くなって30日以内に死亡届を提出するようにしましょう。提出方法は、各市町村によって異なるので、詳しくはお住まいの市町村で検索してみてください。
火葬方法を決めて、葬儀会社に連絡
届け出も大事ですが、速やかに火葬方法なども決めなければいけません。人間と違い、ペットの火葬方法にはいくつか種類があり、依頼する葬儀会社によって対応が異なります。
どの方法がペットや家族にとってベストな選択なのか、充分に考えた上で決めるようにしましょう。
安置する
当然のことですが、ペットはその命が尽きた瞬間から腐敗が進行してしまいます。最後まで綺麗に残すためにも、安置方法には充分に注意しましょう。
犬や猫の安置方法をご紹介いたします。
・ひとまわり大きな段ボールなどに、優しく折り曲げた状態で納める。
・毛並みや体を綺麗にしてあげる。
・タオルで包んだ保冷剤でしっかり冷やす。
・生前遊んでいたおもちゃなどを供える。
上記の手順を守れば、腐敗の進行を防ぎ綺麗な状態で安置できます。最後のお別れの時間を大切に、天国でも幸せになってほしいという気持ちで行ってあげましょう。
指定日に火葬
火葬方法は後ほど詳しく紹介しますが、ご自身で火葬場へ連れて行く方法だけでなく、迎えに来てくれるサービスがある会社もあります。こちらは、葬儀会社や火葬方法によって様々なので、打ち合わせはしっかり行っておきましょう。
納骨
火葬が済み、ペットの遺骨を霊園や民間の納骨堂がある施設などに納骨します。なかにはペット遺骨を自宅に持ち帰る方もいるでしょう。もちろん、もう少し一緒に過ごしたい方もいらっしゃると思いますが、四十九日には納骨すると良いでしょう。
上記の流れで、ペットの葬儀は一通り終わったといえます。命日や新しい年などの定期的なお墓参りなど可愛がっていたペットへの気持ちは忘れないようにしましょう。
ペットの火葬方法・費用
ペットも人間と同じように、きちんと供養し火葬してもらうのが一番理想的だといえます。最後まできちんと家族に見届けてもらえば、亡くなったペットも安らかに成仏してくれるでしょう。
ただ葬儀を依頼する会社やペットの種類や大きさによって、値段はさまざまです。あくまで、目安として考えてください。
合同火葬
各自治体で回収した野良猫や野良犬など他の動物と一緒に火葬する方法です。他の動物の骨が混ざってしまうため、火葬後の遺骨は、飼い主の元へは戻ってきません。また他の遺骨と一緒に、合同墓地に埋葬されます。遺骨が戻ってこないのは寂しいですが、他の動物と一緒に墓地に入れるので、寂しい思いはしないかもしれません。
・小型犬や猫(1~5kg)12,000円~
・小型犬や猫(5~10kg)20,000円~
・中型犬(10~25kg)30,000円~
・大型犬(25~40kg)40,000円~
・超大型犬(40kg以上)50,000円~
個別火葬
一人火葬ともいいますが、葬儀会社にすべて火葬をお願いする方法です。最期まで供養してあげたいけど、立ち会うことがつらい方もいるでしょう。そのような方は、この個別火葬を選ぶと良いでしょう。どうしても火葬の日程に都合がつかないという方でも、葬儀会社に一任するため、遺体を放置することなく供養することができます。遺体を個別に火葬するため、遺骨は手元に戻ってきます。
・小型犬や猫(1~5kg)17,000円~
・小型犬や猫(5~10kg)25,000円~
・中型犬(10~25kg)35,000円~
・大型犬(25~40kg)45,000円~
・超大型犬(40kg以上)55,000円~
立会火葬
やはり最期は、ご自身が立ち会いたいと思う方は、立会火葬を選ぶと良いでしょう。火葬場で遺体を火葬し、そのまま飼い主によってお骨上げをします。この立会火葬は、人間の火葬とほぼ同じです。お骨上げを家族がするため、そのまま遺骨は持ち帰ることができます。
火葬場の予約が必要だったり、ご自身で遺体を運んだりしないといけませんが、最後に立ち会ってお別れをしたいという方は、立会火葬がおすすめです。
・小型犬や猫(1~5kg)19,000円~
・小型犬や猫(5~10kg)27,000円~
・中型犬(10~25kg)37,000円~
・大型犬(25~40kg)47,000円~
・超大型犬(40kg以上)57,000円~
訪問火葬
立ち会いたいという気持ちはあるけど、なかなか予定が合わないという方は、訪問火葬を選ぶのも1つの方法です。この訪問火葬とは、ご自宅の駐車場などに移動火葬車がやってきて、その場で火葬を行います。環境にも配慮した設計になっていて、煙や音は最小限で済みますので、周囲への影響もそこまでありません。
それでも駐車場などで火葬することを気にする人たちも近くにいるかもしれませんので、事前に確認しましょう。
・小型犬や猫(1~5kg)15,000円~
・小型犬や猫(5~10kg)22,000円~
・中型犬(10~25kg)32,000円~
・大型犬(25~40kg)42,000円~
・超大型犬(40kg以上)52,000円~
ペットのお墓の種類・費用
ペットの火葬が終わると、お墓の準備もしなければなりません。ペットのお墓といっても、いくつか種類が存在しており、値段がそれぞれ異なります。やはり遺骨が手元に戻ってきた場合は、お墓に納骨し安らかに眠ってもらうのが一番だと思います。
ご家族で相談して、納得できるお墓を選ぶことが大切です。
人間と同じお墓
実は、皆さんのお墓にペットの遺骨を一緒に納骨することができます。そうすれば新たにお墓を用意する必要もありませんし、費用もそこまでかかりません。そして、いつかは飼い主のそばにいられるようになるわけですから、ペットも飼い主も幸せになること間違いなしです。
ただ、仏教上は「ペットと人間が同じお墓に入る」のはタブーとされています。それに伴い、霊園によってはペットの埋葬を許可していないところもあります。最近では、ペットの埋葬可能な霊園も増えていますので、まずは各霊園に確認してみてください。
もし新しく用意するということであれば、『数十万~数百万円』の費用がかかります。それだけでなく、管理費も必要になります。
ペット霊園
最近は、ペット専用の霊園も存在しています。お墓を立てて、しっかりと供養をしてあげたいという方も多いことからでしょう。一般的な霊園よりも費用がかからないので、ペット霊園を選んでみるのも良いでしょう。
ペット霊園の相場は、『10万~数十万円』となります。別途管理費がかかる場合もあるので、ご注意ください。
納骨堂
お墓を立てるのはどうしても費用がかかってしまい、すぐに用意できないという方もいるでしょう。そういう方は、きちんとした場所に納骨してあげるのが良いでしょう。ロッカー式のような専用スペースに納骨します。納骨堂も屋内に設置されているところが多いため、お墓参りも天候を気にせずに行くことができます。
年間契約で納骨することが多いですが、『1万~数万円』の費用がかかります。最近では、人とペットが納骨できる納骨堂もありますが、ペット専用と比べると高額な傾向にあります。
自宅の庭に埋葬
ずっとご自身の傍にいてほしいという方は、自宅の庭にお墓を立てたり、自宅に骨壺を置いて供養する方法もあります。専用の墓石も販売していますし、骨壺を置く仏壇のように専用のグッズも販売されています。 費用としては、『数千~数万円』と幅広いので、気になる方は調べてみてください。
おわりに
最愛のペットが亡くなってしまったら、飼い主として悲痛な気持ちになることは間違いありません。ただ安らかに成仏してもらうためにも、きちんとご家族で供養する方法は考えてあげましょう。どんな方法であれ、飼い主が選んだ方法であれば、亡くなったペットも幸せな気持ちのまま成仏するでしょう。最愛のペットとの向き合い方の参考になれば幸いです。