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バリュー株とは?メリット・デメリットから購入前の注意点まで分かりやすく解説

バリュー株とは?メリット・デメリットから購入前の注意点まで分かりやすく解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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株式投資における銘柄分類のひとつに、バリュー株があります。バリュー株とは、その企業の収益性や保有資産などから見て、本来の価値より割安な価格になっている株式のことを指す言葉です。

このコラムでは、バリュー株の概要やメリット・デメリット、購入前の注意点などを詳しくまとめました。ローリスクな株式投資を行いたい方や長期的な投資に興味がある方に有益な情報をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

バリュー株は、企業の本来の価値と比較して、現在の株価が割安な銘柄のことです。株価が割安な理由として、企業の売上高が好調であるにもかかわらず、投資家からの人気が低いことが挙げられます。バリュー株とされる企業には、今後の成長があまり見込めない成熟産業に属する企業や大企業などが多く該当するのが特徴です。

バリュー株は株価の急落リスクが低い傾向にあり、大きな損失を出す心配なく保有できるのがメリットです。また、配当金や株主優待制度が充実した企業が多いため、長期的に投資を行うことで安定したインカムゲインを得ることが期待できます。ただし、ローリスクな反面、大きなリターンは期待できません。

1.バリュー株とは?基礎知識を分かりやすく解説

バリュー株とは?基礎知識を分かりやすく解説

株に興味がある方の中にも「バリュー株投資に興味はあるけれど、具体的な特徴を知らない」「どのようにバリュー株と判断するのか分からない」といった方もいらっしゃるのではないでしょうか?そこでまずは、バリュー株の基礎知識から解説していきましょう。

1-1.バリュー株とは

バリュー株とは、企業の保有資産や生み出している利益などから見た企業価値に比べて、現在の株価が低い状態、つまり割安になっている銘柄を指します。このことから別名、割安株とも呼ばれます。

株が大量に買われており株価が下がりすぎている、今後の成長が期待されていないなどの理由から、業績は良好であっても、投資家からの人気が低くなり株価が割安になっているのが特徴です。バリュー株には、さらなる成長は見込めない大企業や成熟産業に属する企業などが多く該当しています。

1-2.バリュー株の見極め方

次に、どの程度の株価であれば、企業価値と比較して割安といえるのかという見極め方について解説していきます。バリュー株であるかどうかの判断には、PBRとPERという2種類の指標を用いるのが一般的です。

 ・PBRで見極める

PBRとは、「Price Book-value Ratio」の略で株価純資産倍率を意味します。PBRは該当企業の時価総額(市場が評価した値段)が、株主資本の何倍であるかを表す指標です。

ちなみに、株主資本とは企業の資産総額から負債総額を差し引いた純資産のこと。PBRを算出する次の計算式によって、企業が持つ純資産に対して、株価がどの程度の水準であるかが分かります。

PBR=株価÷1株当たりの純資産

一般的にPBRが1倍未満の株は、本来の企業価値を下回った割安銘柄、つまりバリュー株であると判断されます。

 ・PERで見極める

PERとは、「Price Earnings Ratio」の略で株価収益率を意味します。株価と企業の収益力を比べることで株式の投資価値を見極める際に用いられる指標です。PERは、次の計算式で算出されます。

PER=株価÷1株当たりの純利益

PERの倍率が高いと割高、低いと割安と考えます。どの程度のPERであれば株式投資に適当かという明確な基準はないものの、PERが15倍を下回っていればバリュー株と判断するのが一般的です。

まとめると、企業の純利益からバリュー株であるかを見極めるのがPER、純資産から見極めるのがPBRということになります。

1-3.グロース株とバリュー株の違いは?

グロース株とは、将来的に成長や業績の伸びが期待されている銘柄のことです。別名、成長株とも呼ばれます。すでに成熟した大企業が多いバリュー株に対し、グロース株はベンチャー企業やAI関連、エネルギー関連企業などが該当することが多いようです。

バリュー株は、市場の状態が悪化してもさらに値下がりするリスクは低いですが、大きなリターンは期待できません。一方、グロース株は株価が急落する恐れがある代わりに、大きな利益を狙える可能性があります。つまり、バリュー株と対極の関係にあるのがグロース株です。

2.バリュー株のメリット・デメリット

バリュー株のメリット・デメリット

バリュー株への投資を検討する際に押さえておきたいのが、メリットとデメリットです。主なメリットとデメリットを2つずつご紹介します。

2-1.メリット

まずは、バリュー株のメリットから解説していきます。

 ・株価の変動幅が狭い

バリュー株は、グロース株と比較すると株価の値動きが小さい傾向にあることがメリットです。ちなみに、価格の変化の度合いのことを、金融業界ではボラティリティーといいます。そのためバリュー株は、株価のボラティリティーが小さいと表現されることもあります。

バリュー株は投資家からの人気が低く、放置されていることが多いため、株価が急激に変動する可能性が低く、損失リスクも小さいのが特徴です。よって、ボラティリティーが低いバリュー株は、株価が本来の企業価値の水準に戻るまで損失を出すことなく保有することができます。

 ・安定した配当金とインカムゲインが期待できる

バリュー株は、インカムゲインを安定して得られるのが大きなメリットといえます。インカムゲインとは、資産を保有している間に得られる配当金や株式優待制度などによる収益のことです。インカムゲインを得られやすい理由として、バリュー株は配当金や株主優待制度などが充実している大企業が多いことが挙げられます。

バリュー株は株価変動による大きな利益は期待できませんが、配当金と比べて割安な銘柄を購入すれば、高い配当利回りで運用することもできます。バリュー株を購入する方の中には、インカムゲインを目的に投資を行う方も多いようです。

2-2.デメリット

続いて、バリュー株のデメリットについて解説していきます。

 ・大きなリターンが望みにくい

先述のとおり、バリュー株は株価が大幅に上昇する可能性は低いため、株価の値上がりによる大きなリターンもあまり期待できません。つまり、大きなリターンを得たい方には、バリュー株投資は向いていないといえるでしょう。

また、配当金や株主優待制度が安定している企業でも、それらを継続できる保障はないため、インカムゲインを得られなくなる可能性もあります。また、バリュー株は割安な水準から本来の価値に見合った水準に戻ることを期待して投資するものですが、株価が回復するどころか、下落し続けてしまうリスクもあることを視野に入れておきましょう。

 ・銘柄の選定が難しい傾向

銘柄の選定が難しい傾向

バリュー株であるかどうかは、PERやPBRなどの指標を用い、企業価値を適切に見極めなければなりません。その見極めには、株に関する一定の経験と知識が必要になります。この見極めが、株初心者にとっては銘柄選定のハードルが高いと感じられる場合があるようです。

バリュー株を選定する際には、なぜ割安なのか、なぜ投資家に人気がないのかをしっかり考察すること、そしてどこまで株が下落したら損切りするかを決めることなどが重要となります。

3.業種別のPER・PBRをご紹介 

バリュー株は、どのような業種の企業に多いのでしょうか。そこで、日本取引所グループが公開している「規模別・業種別PER・PBR(連結・単体)一覧」より、2022年11月時点のPERおよびPBRを業種別にいくつか抜粋してご紹介します。

業種名PER(倍)PBR(倍)
建設業10.20.8
食料品18.21.3
医薬品38.11.4
石油・石炭製品3.10.6
精密機器17.81.6
情報・通信業24.12.3
銀行業7.80.3
証券・商品先物取引業6.70.7
保険業9.70.8
サービス業20.42.2

バリュー株の指標となるPERが15倍未満かつPBRが1倍未満の業種には、建設業や石油・石炭製品、銀行業、証券・商品先物取引業、保険業などがありました。すでに成熟した業種の企業や、業績が安定しているものの、話題性や知名度の低い企業が多く該当している印象です。なお、各企業のPERやPBRは投資情報誌や投資情報サイトなどで確認してみてください。

参照元:日本取引所グループ 規模別・業種別PER・PBR(連結・単体)一覧(2022年11月分参照)

4.バリュー株を購入する前に知っておきたい注意点 

バリュー株へ投資する前に、知識として身に付けておきたい注意点を2つご紹介します。

4-1.長期的な投資が必要

長期的な投資が必要

バリュー株投資は長期的に行うことで、ある程度のリターンを期待するという手法です。そのため短期的に大きなキャピタルゲイン(株式の資産価値の上昇によって得られる利益)を得たい方には向いていません。バリュー株へ投資する場合は、長期的な視点で相場を見て銘柄を選定する必要があります。

4-2.株価が必ず上昇するとは限らない

バリュー株だけでなく、すべての株においていえることですが、株価が必ず上昇するとは限りません。PERやPBRによってバリュー株であると判断されたとしても、将来的に株価が上昇しない可能性も十分にあり得ます。

例えば、紛争による世界情勢の変化や感染症の流行など、予期せぬ事態によって生活需要が変われば、企業のサービス内容や業績も変化します。そのためバリュー株購入には、現時点の状況だけでなく、将来を見据えた分析が必要になるでしょう。

5.バリュー株を購入するには?

株は証券会社を通じて購入します。そして株を買うときには、証券会社での口座開設が必要です。買いたいバリュー株が見つかったら、まずは証券会社の口座を開設しましょう。

口座開設の手続きや取引の発注は窓口で行うのが一般的ですが、最近ではネット証券やアプリを利用して手軽に株を購入できるようになっています。そのため、証券会社へ足を運ぶ時間や手段がないという方でも、手軽な株式投資が可能です。

Webサイト上の証券サービスの中には、日常生活で利用するクレジットカードやクレジットカードで貯まったポイントなどを活用して投資できるサービスもあります。

おわりに 

バリュー株は、長期的に投資を行うことである程度の利益を得られることが期待できます。そのためには、バリュー株であるかどうかの見極めが重要です。PERとPBRの2つの指標を用い、銘柄を慎重に選定するのがポイントです。

バリュー株投資は大きなリターンを狙う方には向いていませんが、株価が本来の企業価値に戻るまで大きな損失が出るリスクがないため、株式投資が初めての方でも安心して購入できるでしょう。

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