歯磨きや洗顔などで毎日使用する洗面所は、水や髪の毛などさまざまなものが落ちたり付着したりして汚れる場所です。しかし、定期的に掃除をしなくてはいけないと思っていても、毎日掃除するのは大変です。長期間放っておくとなかなか取れない頑固な汚れになってしまうこともあります。このコラムではそんな洗面所の掃除について、汚れの原因や掃除方法、掃除が楽になるコツまで紹介していきます。
この記事のまとめ
洗面所が汚れる原因は、白いうろこ状になる水垢や石鹸カス、皮脂などの油汚れなどさまざまです。また洗面所は湿度が高くなりやすい場所にあるため、カビが発生する場合もあります。衛生的に保つためには、クエン酸や重曹などを使用した掃除がおすすめです。
毎日掃除することが洗面所を清潔に保つポイントですが、毎日となると大変です。その場合、日ごろの掃除でほこりや髪の毛を取り除いたり洗面ボウルを軽くふき取ったりしておいて、週に1回もしくは月に1回は、全体的に念入りな掃除をしましょう。ただし、洗面所は床や収納、換気扇など掃除する場所が多くあります。大変なときはプロにお願いするのも良いでしょう。
洗面所が汚れる原因
そもそも洗面所の汚れの原因には何があるのでしょうか。洗面所の汚れの原因は、以下のようなものです。
水垢
洗面所の汚れの原因のひとつが水垢です。水垢は、蛇口や鏡に付着しやすい白いうろこ状の汚れで、水垢が堆積し石化すると、洗面台の陶器にざらつきが生じます。水垢は、水道水に含まれるミネラルやカルシウムなどが固まったものなので、しっかりと掃除をしたつもりでも少し水道水が残っているだけで蒸発し、白く固まってしまいます。
石鹸カスや手垢などの皮脂汚れ
手を洗う頻度が多い洗面所の鏡や蛇口は、手垢などの皮脂が付きやすい場所です。また、石鹸を使用するため、石鹸カスも残りやすくなります。
皮脂や石鹸カスが残った汚れは、最初は目立ちにくいため気づきにくいですが、次第に頑固な汚れになり、落としにくくなります。
また、洗面所では、整髪料や化粧品も使用するため、鏡や周辺の壁などに薬液などが飛び散ります。整髪料や化粧品などに含まれる細かな成分も、放置しておくと汚れの原因になります。
カビや黒ずみ
タイルの目地や壁と洗面台などの境に発生するのが黒ずみです。黒ずみは、洗面台などに残っている石鹸カスや皮脂に、空気中を舞うカビ菌が付着して発生します。また、水回りに発生しやすい酵母菌が原因で発生した赤色の汚れを放置することも、黒ずみの原因になります。
赤色の汚れは、スポンジなどでこすると簡単に落ちますが、黒ずみは掃除を怠ることで洗面台の陶器に広がることもあり、一度こびりついてしまうと簡単には落とせません。
場所別!洗面所の掃除方法
洗面所の掃除の仕方は場所により異なるため、ここからは場所ごとの掃除方法を紹介していきます。洗面所の掃除には、クエン酸や重曹、使い古しの歯ブラシなどが大活躍します。
洗面ボウル
洗面ボウルには、黒ずみや水垢、カビなどのさまざまな種類の汚れがついています。洗面台に付着しやすい黒ずみや水垢は、以下の方法で掃除できます。
準備物
- クエン酸水(水500 ml+クエン酸小さじ1)
- スプレーボトル
- いらない布
- ラップ
- 重曹
掃除手順
- 水垢や黒ずみ汚れが付着しているところに、スプレーボトルに入れたクエン酸水を吹きかける。
- クエン酸水をかけたところに、隙間ができないようにラップをする。
- 2~3分ほど時間をおく。
- 黒ずみが残っていたら重曹を振りかける。
- 乾いた布で重曹と水気を拭き取る。
洗面ボウルにはいろいろなタイプがありますが、陶器製のものは傷がつくと汚れが溜まりやすくなります。硬いたわしなどを使用してこすると、余計に汚れが酷くなってしまうため注意しましょう。
なお、カビの汚れは、重曹と水を3対1で混ぜた重曹ペーストを使用して掃除します。重曹ペーストを歯ブラシに取り、汚れた部分をこすります。汚れが取れたら重曹を水で十分に流して、乾いた布で水気を拭き取りましょう。
排水口
排水口に髪の毛や石鹸カスをそのまま放置すると、ぬめりの原因になります。普段の掃除ではほこりや髪の毛などのゴミを除去し、定期的に以下の方法で掃除しましょう。
準備物
- スポンジ
- ティッシュ
- 歯ブラシ
- 塩素系漂白スプレー
掃除手順
- 排水口に溜まっているゴミや髪の毛をティッシュで拭き取る。
- ぬめりが発生しているところに塩素系漂白スプレーを吹きかけ、数分放置する。
- スポンジや歯ブラシを使い、汚れをこすり落とす。
- 水で洗い流す。
なお、排水口から臭いが発生しているときは、重曹とクエン酸を使用すると効果的です。粉のままの重曹を排水口に振りかけ、その後クエン酸を振りかけます。水を少量流すと泡が発生するので、5分〜20分放置し、その後しっかりと水で洗い流します。
ただし、クエン酸と塩素系漂白剤は同時に使用すると有毒ガスを発生することがあるため、排水口掃除で塩素系漂白剤を使用したときは、しっかりと水で洗い流し、時間をおいてからクエン酸を使用するようにしてください。
蛇口
蛇口は水垢が付着しやすい場所ですが、それ以上に、レバーハンドルの接続部や水が出る口の部分などは隙間が狭いうえに細かいため、きれいにするのは手間がかかります。使用後はできるだけ水気を拭き取るなど、日ごろから濡れたままにしないことが大切です。蛇口の掃除方法は以下の方法で行います。
準備物
- スポンジ
- いらない布
- 歯ブラシ
掃除手順
- ザラザラした汚れがついている場所をスポンジでこすって、くすみを取る。
- 細かいところは歯ブラシを使い、汚れを取る。
蛇口の水が出る場所は、特にきれいにしておきましょう。蛇口にカルキが溜まり硬くなってしまった場合には、薄いカードなどを利用し、こそぎ取ると良いでしょう。強くやりすぎると蛇口を傷つけてしまうことがあるため、少しずつ丁寧に作業を行ってください。 - いらない布で水分をしっかり拭き取る。
鏡
洗面所の鏡はお風呂の鏡とは異なりウロコのような汚れは付きにくいため、水拭き後に乾拭きをするだけできれいになります。しかし、水垢や手垢、衣服に付着したほこりなどが付きやすい場所でもあります。汚れがひどい場合は、以下の方法で掃除しましょう。
準備物
- クエン酸水(水500 ml+クエン酸小さじ1)
- スプレーボトル
- マイクロファイバークロス
- 歯ブラシ
掃除手順
- クエン酸水を鏡に吹きかけて約15分放置する。
- マイクロファイバークロスでクエン酸を拭き取る。
- 鏡の淵などに溜まった汚れを、歯ブラシでかき出す。
- 鏡のくすみが気になる場合は、乾いたマイクロファイバークロスで磨く。
棚
洗面ボウルや蛇口などだけでなく、意外と汚れが溜まりやすいのが洗面所の棚です。濡れたものを置くこともあり、カビやほこりが溜まりやすいため、洗面台と一緒に定期的に掃除しましょう。
準備物
- 重曹水(水200 ml+重曹大さじ1)
- エタノール(アルコール消毒)
- スプレーボトル
掃除手順
- カビや水垢がついている場所に重曹水を吹きかける。
- 水で濡らし、絞った雑巾で拭き掃除をする。
- エタノールを棚全体に吹きかけて消毒をする。
- 乾いた雑巾で水気をしっかりと拭き取る。
床・壁
洗面所の床や壁は、いろいろなものが原因で汚れる場所です。水や皮脂、整髪料、化粧品などが床に飛び散り、それらを放置すると黒ずみに変化します。また、湿度が高い場所なので、カビが発生しやすく、黒ずみに見える場合もあります。黒ずみを放置してしまうと床や壁に染みついてしまうため、以下の方法で掃除しましょう。
準備物
- 重曹水(水500 ml+重曹大さじ1)
- 中性洗剤
- 歯ブラシ
- 雑巾
掃除手順
- 掃除を開始する前に、窓やドアを開け、換気扇などを使用し換気する。
- 黒ずみが見られる場所に、重曹水と中性洗剤を振りかける。
- 歯ブラシでこする。
- 汚れが取れてきたら、雑巾で重曹や洗剤が残らないように拭き取り、乾かす。
黒ずみの汚れが頑固で落ちにくい場合は、住宅用のアルカリ性洗剤とメラミンスポンジを使用し、汚れを落とすのも良いでしょう。ただし、メラミンスポンジで強くこすると細かい傷がつき、汚れがつきやすくなるため、使用する場合は汚れがひどい場所だけにしましょう。
カビが生えている場合は、アルコールとカビ取り剤を使用して掃除するのが効果的です。アルコールをカビに振りかけてカビを拭き取ります。カビの黒ずみが取れない場合は、カビ取り剤を塗布し、2分ほど時間を置いてからカビ取り剤を拭き取りましょう。カビ取り剤が残らないよう、水拭きしてから乾拭きし、乾燥させます。
照明器具
照明器具は、普段の掃除の際は化学モップや帯電式のはたきなどを使用して掃除します。安全のために電源を切り、ドアや窓を開け、換気扇を使用して掃除しましょう。まず、化学モップなどを使用して軽くほこりを落とします。汚れがあるときは、水に濡らし固く絞った雑巾で拭き取りましょう。その後、乾いた雑巾で水気を拭き取ります。
汚れが目立つ際には、以下の方法で掃除しましょう。
準備物
- 化学モップや帯電式のはたき
- 雑巾
- バケツ
- 住宅用洗剤
掃除手順
- 照明の電源を切り、ドアや窓を開け換気する。
- 蛍光灯や電球など、取り外せるものを外す。
- 化学モップや帯電式のはたきを使い、ほこりを落とす。
- 水に濡らし、固く絞った雑巾で外した蛍光灯や電球を拭く。
雑巾は常にきれいな面を使用しましょう。 - 汚れがひどい場合は、水に濡らし固く絞った雑巾に住宅用洗剤をスプレーして汚れを拭く。
- 最後に乾いた雑巾で水気を拭き取る。
洗えるタイプの照明カバーは、浴室などで洗うと良いでしょう。水をかけて住宅用洗剤を使用し、スポンジでこすったら、水で汚れや洗剤を洗い流しましょう。
換気扇
洗面所の換気扇は、汚れが溜まるとスムーズに動かなくなり、換気不良や故障の原因になります。換気扇が機能しなくなると、洗面所に湿気が溜まりカビが生えやすくなったり、換気扇を回すたびに中に蓄積されたほこりやカビを拡散させたりします。そのため、汚れが溜まる前に、定期的に掃除することが大切です。
準備物
- 歯ブラシ
- 薄手の雑巾
- 掃除機
掃除手順
- 換気扇の電源を切る。
- 換気扇カバーを外し、付着したほこりを掃除機で吸う。
- 歯ブラシを使い、水洗いする。
- 洗い終えたら水気を拭き取り、完全に乾かす。
- 換気扇本体のフィンの隙間など、ほこりや汚れが目立つところを歯ブラシでこする。
- ほこりが取れたら、固く絞った雑巾で細部を拭き、乾燥させたら元に戻す。
掃除後、換気扇用のほこり取りフィルターなどを貼っておくと、今後の手入れが楽になります。
換気扇本体は水洗いできないため、洗剤などを使用しないようにしましょう。また、奥まで掃除したい場合でも分解すると故障の原因になる可能性があるため、手が届く範囲までの掃除にしておきましょう。
洗面所の掃除頻度
洗面所は、家族が1日に何度も使用する場所です。毎日使用しているにも関わらず、汚れていることに気づきにくいこともあるため、知らないうちにカビや水垢などで汚れが溜まっています。
汚れを放っておくと落ちにくくなってしまうため、清潔を保つためには毎日掃除することが理想です。しかし、毎日掃除をするのは大変です。日ごろの掃除では拭き取りやほこりの除去程度を行い、1週間に1回や1ヵ月に1回、洗面所全体を上述した方法で念入りに掃除するようにしましょう。
洗面所の掃除を楽にするひと手間
ちょっとしたひと手間で洗面台の掃除が楽になります。
髪の毛やほこりは毎日取り除く
家族全員が毎日使用する洗面所は、毎日こまめに髪の毛やほこりを取り除いておくだけで掃除がぐっと楽になります。雑巾やスポンジを使用して洗面ボウルをさっとひと拭きするだけの、数分の掃除でOKです。
簡単な作業だけでも汚れが溜まりにくくなるため、ひどい汚れにならないようにするために毎日コツコツと続けると良いでしょう。
コーティングを行う
洗面所の洗面ボウルは陶器やホーロー、大理石などで作られていることが多く、通常表面にコーティングが施されています。コーティングの効果は、素材を守ることと水垢などによる汚れを防ぐ撥水効果です。築年数が浅い住宅の場合はコーティングの効果が保たれており、軽い汚れを防いでくれますが、築年数が経過した住宅だとコーティング効果が薄れている可能性があります。
そのため、掃除をしたあとに新たにコーティングを施すと、再びきれいな状態を保てるようになるでしょう。
コーティングには、主にスプレータイプと塗るタイプがあり、スプレータイプは作業しやすいものの、効果の持続期間が短い傾向にあります。一方、塗るタイプは作業の手間がかかりますが、効果が長期間保たれやすいメリットがあります。
ただし、どちらのタイプも洗面ボウルの素材により使用できる薬剤と使用できない薬剤があるため注意しましょう。また、賃貸住宅の場合は、洗面所のコーティングを禁止しているケースもあるため、施工する前には必ず管理会社に確認してください。
プロにお願いしてピカピカにするのもおすすめ
洗面所の掃除は前述してきた方法でできますが、プロにお願いすることも可能です。プロによる洗面所の掃除では、家庭では落とすことが難しい黒カビや水垢、排水口奥のヘドロなどの除去まで、専門の洗剤や道具を使用して行ってくれます。こびりついてしまい、なかなか取れない汚れがある場合は、プロにお願いして徹底的に洗浄してもらうのも良いでしょう。
くらしのセゾンが提供する「洗面所・トイレクリーニング」では、洗面ボウルのざらつきが気になったり、蛇口の水垢がなかなか落ちなかったりするなどの悩みも解決してくれます。掃除にかかる所要時間はおおよそ1〜2時間。洗面台や収納棚などの細かい汚れの掃除や、ご自身ではできないような掃除まで、専門スタッフが丁寧に行ってくれます。ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。
おわりに
洗面所は、思っている以上に汚れている場所です。髪の毛や水垢、皮脂汚れなど、さまざまな種類の汚れがあるため、清潔を保つためには手間や時間がかかります。しかし、衛生的に保ちたい場所でもあるため、汚れがひどいときにはプロに頼むのもおすすめです。
ただし、毎回大掃除のような掃除をしなくてもちょっとした工夫で掃除が楽になり、清潔を保つことができます。洗面所は家族みんなが使用する場所です。きれいに保ち、快適な毎日を過ごせるようにしましょう。