高額な治療費の支払いに医療ローンを利用したいけれど審査に落ちてしまったり、落ちるかもしれないと不安に思ったりする人もいるのではないでしょうか。一般的に医療ローンのように目的の決まったローンはカードローンなどより金利が低めですが、審査が厳しい傾向があります。
この記事では医療ローンの概要や審査の基準、審査に通らない理由や落ちた場合の対処法などについて解説します。これから、高額の医療費がかかる予定の人は、ぜひ参考にしてください。
- 医療ローンは医療費の支払いを目的としてローン商品で、信販系と銀行系の医療ローンがある
- 医療ローンの金利はカードローンなどより低い傾向があるが、審査は厳しめ
- 医療ローンの審査に落ちた場合ですぐに医療費の支払いが必要な場合、カードローンなどを利用するとよい


医療ローンとは?フリーローンと何が違う?

医療ローンは、医療関連の支払い目的で使用する目的別ローンの一種です。医療クレジットやメディカルローンとも呼ばれ、治療費や入院費用のような医療に関するさまざまな費用に利用できます。
医療ローンの特徴
医療ローンは、医療費の支払いに特化した目的別ローンです。フリーローンと異なり、治療費や手術費用、入院費用、検査費用といった、医療に関する費用にのみ利用可能です。
大きな特徴として、保険適用外の自由診療にも利用可能な点が挙げられます。先進医療や美容整形などの全額自己負担となる治療費の支払いにも対応しています。
申し込みにあたっては、一般的に医療機関からの見積書や診断書、治療計画書といった治療に関する書類が必要です。
また、フリーローンやカードローンと比べて金利が低めに設定されており、3~15%が相場です。その理由は、使用目的が限定されているためです。
医療ローンの使用用途
医療ローンの使用用途は幅広く、以下のようなさまざまな医療費の支払いに利用できます。
- 入院費用
- 手術費用
- 治療費
- 先進医療費用
- レーシック手術費用
- 美容医療費用(医療脱毛など)
- 美容整形費用
- 歯科治療費用(インプラント、審美歯科など)
- 歯列矯正費用
- 人間ドック費用
- 出産費用
医療ローンは、上記のような高額になりがちな医療費の支払いに利用できます。
医療ローンの審査はゆるい?

医療ローンを利用するには、審査に通る必要があります。審査がゆるいか厳しいか、気になる人も多いでしょう。ここでは、医療ローンの審査基準やかかる時間について解説します。
審査で見られること
医療ローンの審査基準は、どの金融機関も公表していません。一般的には、以下のような項目を審査しているとされています。
- 年齢
- 職業と雇用形態
- 年収
- 勤続年数
- 他社借入状況
- 信用情報
医療ローンの審査では、上記のような項目を総合的に判断します。特に重視されるのは、安定した収入があるかどうかです。パートやアルバイトでも一定の収入があれば申し込みが可能な場合もありますが、金融機関によって基準は異なります。
審査時間はどれくらいかかる?
医療ローンの審査時間は、利用するローンの種類や金融機関によって大きく異なります。
信販系医療ローンの場合、最短で数十分から1時間程度で審査結果が出る場合があります。医療機関で治療を受ける手続きと同時に申し込みができるため、スピーディーな対応が可能となっているのです。
一方、銀行系医療ローンの審査には比較的時間がかかり、通常1週間から2週間程度を要します。銀行系ローンでは仮審査と本審査の2段階で審査が実施されるケースが多いためです。
また、審査にかかる時間は申込者の属性や希望金額によっても変わります。例えば、申込金額が大きい場合や申込者の職業や収入状況によっては、より慎重な審査が行われ、時間がかかる可能性があります。
医療ローンを検討する際は審査時間の違いを考慮し、余裕を持って申し込みましょう。
銀行系医療ローン・信販系医療ローンはどっちが良い?

医療ローンは取り扱う金融機関によって、銀行系医療ローンと信販系医療ローンの2種類に分けられます。銀行系医療ローンは文字どおり銀行や信用金庫といった金融機関が取り扱う医療ローンで、利用者が直接申し込みます。
一方、信販系医療ローンは医療機関と提携する信販会社の医療ローンで、治療を受けるクリニックなどの医療機関を通じての利用が一般的です。
以下は、銀行系医療ローンと信販系医療ローンの違いをまとめた表です。
銀行系医療ローン | 信販系医療ローン | |
---|---|---|
申込方法 | 金融機関に直接 | 医療機関を通じて |
金利 | 低め | 銀行系よりも高め |
手続き | 煩雑な場合あり | 簡単 |
融資までの期間 | 時間がかかる | 迅速 |
銀行系医療ローンは金利が低い
銀行系医療ローンは一般的に年利3%〜8%程度と、信販系医療ローンと比べて低金利で利用できる点が大きな特徴です。一方で審査基準が厳しく、安定した収入や勤続年数のような条件を満たす必要があります。
また、申し込みから融資実行までの時間が比較的長くかかる傾向にあるため、緊急性の高い医療費の支払いには不向きです。融資額は一般的に10万円から500万円の範囲で設定されており、返済期間も比較的長め(最長10年など)に設定できる点も特徴です。
信販系医療ローンは利用のハードルが低い
信販系医療ローンは銀行系と比較して利用しやすいのが特徴です。医療機関を通じて手続きをするため、審査から融資実行までのスピードが速く、急な医療費の支払いにも対応できます。
一方で、年利は4.5%〜15%程度と銀行系より高めに設定されているのが一般的です。また、医療機関との提携ローンを利用する場合、転院が難しくなる可能性がある点にも注意が必要です。
医療ローンの審査が通らない理由6選

医療ローンの審査に通らない理由を、一般的なローンの審査基準を踏まえて解説します。
なお、金融機関ごとに細かい審査基準は異なる点に注意が必要です。
安定した収入がない
医療ローンの審査では、安定した収入がないと審査に通りにくい傾向があります。利用者の返済能力を重視する金融機関にとって、収入の安定性が最も重要な判断基準となるためです。
特にアルバイトやパートの場合、月々の収入がシフト状況によって変動しやすく、安定的な返済が見込めないと判断される場合があります。金融機関によっては年収150万円以上や勤続年数1年以上といった具体的な条件を設けているものもあるため、事前に確認しましょう。
専業主婦(主夫)の場合は原則として自分名義での申し込みは難しいものの、配偶者を連帯保証人にする方法で審査に通る可能性があります。
過去に金融事故を起こしている
過去の金融事故歴は、医療ローンの審査において最も重要視される要素のひとつです。金融機関が利用者の返済能力と信用を判断するうえで、過去の返済履歴を重要な判断材料としているためです。
具体的には延滞や未払い、債務整理のような履歴が信用情報機関に登録されている場合、審査に通りにくくなります。特に、任意整理や自己破産などの債務整理の記録は、情報が登録されてから5〜7年程度は信用情報として残るため、この期間中の審査通過は難しいでしょう。
そのため、日頃から期日通りの返済を心がけ、良好な信用情報を維持する必要があるのです。
他社でたくさん借りている
他社からの借入残高が多い場合、医療ローンの審査は通りにくくなります。複数の借り入れで返済額が多くなると、金融機関にとって貸し倒れのリスクが高まるためです。
例えば、月々の返済額が収入に対して一定の割合を超えている場合や、複数の金融機関からの借り入れがある場合は、新たな返済負担が重くなりすぎると判断される可能性があります。カードローンやクレジットカードの分割払いなど、すでに複数の返済を抱えている状況では、返済計画の見直しや既存の借り入れの整理が望ましいでしょう。
このように新規の医療ローン契約には現在の借入状況が大きく影響するため、事前の対策が重要です。
職場の在籍確認ができない
勤務先への在籍確認ができない場合、医療ローンの審査の通過は難しくなります。医療ローンの審査では在籍確認が実施される場合があり、金融機関は申込者が安定した収入を得ている事実を確認するのです。
在籍確認では通常、金融機関の担当者が勤務先に電話をかけます。その際、金融機関名は明かさず、個人名で連絡が入るため、プライバシーは守られます。電話がかかってきたときに席を外している場合でも、他の社員が「席を外しています」などと答えると、在籍確認は完了する仕組みです。
しかし、在籍確認を拒否する場合は、審査に支障をきたす原因となります。そのため、医療ローンの申込時には勤務先への在籍確認の有無を確認し、スムーズな審査のための準備を整えておきましょう。
勤続年数が短い
勤続年数が短い場合、医療ローンの審査は通りにくい場合があります。金融機関が収入の安定性を判断するうえで、勤続年数を重要な指標としているためです。
一般的に、同じ職場での勤続年数が2〜3年以上あることが望ましいとされています。特に転職を繰り返している場合や就職して間もない場合は収入の継続性に不安があると判断され、審査に不利に働く可能性があります。
ただし、勤続年数の基準は金融機関によって異なります。状況に応じて適切な医療ローンを選択しましょう。
申請内容が正しくない
申請内容に誤りがある場合、たとえ故意でなくても医療ローンの審査は通過できない可能性があります。金融機関は申込者の申告する情報をもとに審査するためです。
例えば、年収を概算で記入して実際の額と異なっていた場合や、過去の借入状況の記載に漏れがあった場合なども、虚偽申告とみなされるおそれがあります。また、住所や電話番号といった基本情報が現状と異なっているケースも、審査に悪影響を及ぼす原因となります。
そのため、申し込みの際は書類の記入内容を何度も確認し、正確な情報を提供しましょう。
医療ローンの審査に通らなかったらどうする?

医療ローンの審査に落ちてしまった場合、別の方法での医療費の調達も検討してみましょう。
クレジットカードの分割払いやリボ払いを利用
医療費の支払いには、クレジットカードの分割払いやリボ払いを活用する方法があります。多くの医療機関でクレジットカード決済を導入しており、一括払いが難しい場合でも計画的な支払いが可能です。
ただし、利用の際は分割払いやリボ払いの手数料率や総支払額をしっかりと確認しましょう。また、クレジットカードの利用可能枠や分割回数にも制限がある場合の多い点に注意が必要です。お手持ちのカードで利用できる支払い方法は事前に確認しましょう。
医療機関によってはクレジットカード払いに対応していない可能性もあるため、受診前に支払方法を確認しておくと安心です。
医療ローン以外のローンを利用
医療費の支払いが急を要する場合、カードローンの利用も有効な選択肢のひとつです。カードローンは医療ローンと比べて審査時間が短く、資金をスピーディーに調達できる特徴があります。
また、使途が自由なため、医療費以外の関連費用にも柔軟に対応できるのがメリットです。ただし、金利が医療ローンより高めに設定されている場合が多いため、借入額や返済計画は慎重に検討する必要があります。
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おわりに
医療ローンは医療費専用のローン商品として比較的低金利で利用できる一方で、審査基準は厳しめの傾向にあります。審査では収入の安定性や返済能力が重視され、職業や勤続年数、他社借入状況などが総合的に判断されます。
医療ローンの審査に通らない場合や急な医療費の支払いが必要な場合は、クレジットカードのリボ払いやカードローンの利用も検討してみましょう。特に審査のスピードや利便性を重視する場合は、即日審査可能で手続きも簡単なカードローンの利用がおすすめです。
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