「伸びてきた庭木の枝を切りたいけど、剪定に適した時期ってあるの?」「初めての剪定でどこか不安…」とお悩みの方もいるでしょう。そこで今回は、庭木の剪定時期について詳しく解説します。種類別に剪定すべき時期や、剪定に必要な道具、基本の剪定方法についても触れています。上手に庭木の剪定を行うコツや、プロにお任せできるサービスも登場するので、ご自宅の庭木の剪定に失敗したくない方は、ぜひ一読ください。
この記事のまとめ
庭木の剪定は常緑樹、落葉樹、針葉樹、果樹、花木など種類別に適した時期を考慮する必要があります。基本的には、冬と夏の2回剪定を行うと覚えておきましょう。剪定時期を間違えると木を弱らせるだけでなく、最悪の場合枯らせてしまう危険性があるため注意が必要です。
基本的な剪定方法は、風通しを良くしたり、樹形を整えたり、花付きを良くしたりなど目的に応じて選ぶと失敗しにくくなります。その他、真夏に剪定をしない、一度に太い枝を何本も剪定しない、不要枝を見極めるといった剪定のコツを押さえておくことも大切な点です。ご自身での剪定が難しいと感じたときは、プロにお任せできるサービスの利用も活用していきましょう。
庭木の種類
まずは、一般家庭の庭によく使用される木の特徴や種類をご紹介します。
常緑樹
常緑樹とは1年を通じて葉が落ちず、常に葉っぱを茂らせる木を指します。基本的に紅葉せず、冬も緑色の葉を楽しめることが特徴です。主な種類としてソヨゴやシマネトリコ、ハイノキ、ポップブッシュなどがあります。
落葉樹
秋になると紅葉し、冬には葉がすべて落ちる木が落葉樹です。常緑樹よりも四季の変化を感じやすい木といえるでしょう。主な種類はモミジやアオダモ、ライラック、ヤマボウシなどです。
針葉樹
針葉樹は、先端が尖った細長い葉と、まっすぐに伸びる幹が特徴の木です。針葉樹の多くが常緑樹で、マツやモミの木、ゴールドクレスト、カイヅカイブキといった種類があります。
果樹
果実が実る木を果樹と呼びます。樹木として鑑賞できるだけでなく、実を収穫して食べられることが最大の特徴です。オリーブ、ラズベリー、ビワ、イチジクなどが初心者でも育てやすい種類となっています。
花木
花木とは鑑賞価値のある花が咲く樹木のことです。庭だけでなく、街路樹や公園にも多く植栽されていることが特徴になります。誰もが知るサクラやウメは春に咲く花木のひとつです。冬の花木にはツバキやサザンカなどがあります。
庭木の剪定に適した時期
庭木の剪定は木の種類にもよりますが、冬と夏の年2回行うのが基本です。では、なぜ冬と夏に剪定をするのか、目的も併せて確認していきましょう。
冬
冬場にする剪定は冬季剪定とも呼ばれ、庭木が活動をはじめる春や初夏になる前に行うことが特徴です。
樹木を健康的に育てるために必要な剪定のため、基本剪定ともいいます。不要な枝や葉を大幅に減らすため、大がかりな剪定になるケースが多いのですが、冬の木は休眠状態なので、ダメージを最小限に抑えることが可能です。
夏
春から活動をはじめた庭木は夏には茂りすぎてしまいます。そのため、日当たりや風通しを良くすることを目的に行うのが夏季剪定です。
冬季剪定のように大がかりではなく、樹木全体の形を整える程度に剪定していきましょう。
庭木の種類別!おすすめの剪定時期
主に夏と冬に行う剪定ですが、樹木の種類により最適な剪定時期は異なります。では庭木の種類別に適切な剪定時期を解説していきましょう。
常緑針葉樹
マツやスギといった常緑針葉樹の冬季剪定は、新芽が育ちはじめる前の3〜4月に行うのがおすすめです。基本的には寒さに強い種類のため、もっと寒い時期の剪定も可能ではありますが、バランスの良い枝葉が育ちやすいため、春先に剪定を行うのが良いでしょう。
また夏の剪定は、暑さが落ち着き秋を感じるようになる9〜10月頃がベストです。形状を綺麗に保つことを目的に軽めに剪定しておきましょう。
常緑広葉樹
キンモクセイやサザンカなどの常緑広葉樹の基本剪定は、暖かい時期が適しています。春の訪れを感じられる3月下旬〜4月下旬、もしくは新葉が落ち着く5月下旬〜6月を目安に行いましょう。
寒さに弱い種類なので、11〜2月の間の剪定はNGです。8〜10月は軽い剪定なら大丈夫ですが、大きくなりすぎて困る場合は、あえてこの時期に基本剪定をして成長を抑えるのも良いでしょう。
落葉広葉樹
落葉広葉樹は葉が落ちて、樹木が休眠する寒い時期に基本剪定を行います。特に枝ぶりがわかりやすい12〜2月がおすすめです。形を整える程度の軽い剪定は3月、6月、9〜10月に行いましょう。4〜5月、7〜8月は成長活動が活発なため、木へのダメージを避けるためにも剪定は控えておくのが無難です。
剪定時期を間違えると?
剪定時期を間違えると、花や実がつかなくなる・樹木が傷つく・枯れたり弱ったりするといった状態になることがあるので注意が必要です。
春に成長する樹木は、夏には栄養を使い切っている状態になるため、実は活力が低下しています。そんな時期に剪定をすると、切られたダメージから回復できず弱ってしまい、最悪のケースでは枯れてしまうことも否定できません。
また、花が咲く木は花芽が付く時期に剪定をすることで、翌年咲く花が減る原因にもなります。枝や葉が成長する時期の剪定は、切った枝の断面から漏れ出す樹液により樹木自体が傷つく危険性があるため、剪定する時期は守るようにしましょう。
庭木の剪定に必要な道具
庭木の剪定に必要な道具には、どのようなものがあるのでしょうか。
- 剪定バサミ…剪定に欠かせない基本のハサミで、太い枝も切ることができます
- 剪定ノコギリ…刃先が丸く片刃になった、生きた木を切るのに適したノコギリです
- 植木バサミ…小枝が切りやすく、盆栽や、作物の収穫にも利用できます
- 刈り込みバサミ…葉や枝を切り落とし、樹形を整えるときに役立ちます
- 高枝切りハサミ…高い位置にある枝や、作物の収穫に活用できるハサミです
- 癒合材…剪定後の切り口を保護する薬剤です
最低でも、剪定バサミと、剪定ノコギリを準備すると、剪定しやすいです。これらの道具の他、脚立や滑り止め付きの作業用手袋、掃除道具(ほうきやゴミ袋など)も準備して作業を行いましょう。
基本の剪定方法の種類
庭木の健康を保つためには、剪定時期だけでなく、剪定方法も知っておく必要があります。では、基本になる剪定の種類を押さえていきましょう。
透かし剪定
まわりに比べて、長すぎる枝や、太い枝、密集している枝を間引いて、適度な空間を作る剪定を透かし剪定といいます。風通しや日当たりを良くし、害虫から守る効果も得ることが可能です。間引き剪定や、枝抜き剪定、枝透かし剪定とも呼ばれています。
整姿剪定
整姿剪定とは、庭木の形を整える目的で行う軽い剪定のことです。成長バランスを整え、美しい見た目を保つことができます。
切り戻し剪定
切り戻し剪定は、伸びた枝の1/3や半分を切り、庭木をひとまわり小さくする剪定方法です。樹木を小さく育てたいとき、成長しすぎた木を今以上に成長させないことを目的に行います。
枝おろし剪定
剪定バサミでは切れないほど太い枝を切る方法が、枝おろし剪定です。ノコギリやチェーンソーを使って枝を切っていきます。大きく育ち過ぎた木を小さくしたいときに行うことが特徴です。
刈り込み剪定
広範囲の枝や葉を切りそろえる剪定方法のことを刈り込み剪定といいます。全体を均一に刈り込んで整える生垣などでよく行う剪定です。木の形が整うので、庭の見た目を美しくすることができます。
切り詰め剪定
切り詰め剪定は、枝を短く切って大きさを縮めたり、花付きを良くしたりするなどの目的で行います。枝を延ばしたい方向に斜めに切ることで、横に広がる樹形を目指すことができるため、高さを抑えたいときにも有効です。
花がら摘み
樹木の成長を促すために、咲き終わった花や、枯れた花を摘み取るお手入れを花がら摘みといいます。不要な花は、果実を実らせたり、つぼみを開いたりするための栄養分を奪ってしまうだけでなく、病気や害虫の温床にもなるため、適宜摘み取っていきましょう。
吊るし切り剪定
吊るし切り剪定とは、大木の枝を切るときに、木に登ってロープを使用しながら枝を剪定する方法のことです。素人では難しい方法のため、基本的にはプロの庭師が行います。
庭木の剪定を上手に行うコツ
庭木の剪定は、切ることによるダメージを最小限に抑えることが大切です。これから剪定をしようと思っている方は、チェックしておきましょう。
真夏に剪定を行わない
真夏の剪定は、庭木が弱る原因になります。多くの庭木は、春に蓄えていた栄養分を消費しながら成長し、真夏に最盛期を迎えるため、実は活力がありません。青々とした元気な見た目とは裏腹に、切ったダメージを補うほどの栄養分がないことを理解し、真夏に剪定することは避けましょう。
弱っている庭木を剪定しない
弱った木を剪定しないことも、上手な剪定のコツのひとつです。弱った木を剪定すると、枝が伸びず葉の量も減ってしまいます。
葉が減れば、光合成で得られる養分も少なくなるため、木が枯れてしまう原因にもなります。弱った木のサインは以下のような状態が当てはまるので、目安として覚えておいてください。
- 葉が小さい、もしくは小枝や葉が少ない
- 木の上部の枝が枯れている
- 樹形が偏っている
- 樹皮が荒れたり、剥がれたりしている
- 幹や枝に空洞がある
- ひこばえ(木の根元から生える若い枝)や胴吹き枝(幹や枝の途中からでる若い枝)がでている
一度に太い枝を何本も剪定しない
一度に何本も太い枝を切るような強すぎる剪定は、木にストレスを与えるだけでなく、大量の徒長枝(上方向に向かって勢いよく伸びる枝)が伸びる可能性があります。樹形を整えるつもりが、逆に形を崩す恐れがあるため、大きくなりすぎた木は年月をかけて少しずつ剪定していきましょう。
枝を垂直に切り落とす
枝にハサミを入れるときは、枝に対して垂直にハサミを入れて切りましょう。枝を斜めに切ると、切り口の面積が広くなるため、雑菌などが侵入するリスクが高くなります。剪定をするときは、切断面が狭くなるよう垂直に切り落とすことを基本として心がけましょう。
樹皮が裂けないように剪定する
太い枝を切るときは、樹皮が裂けないよう何回かに分けて切るのがおすすめです。樹皮が裂けてしまうと、木へのダメージは大きくなります。特に太い枝を切るときは、枝の重みで樹皮が裂けてしまいやすいので、1回で切断はせず複数回に分けて枝を切ると安心です。
切り口に癒合剤を塗布する
剪定した枝の切り口には癒合剤を塗布することで、雑菌や害虫の侵入、栄養分や水分の流出を防ぐことができます。剪定で切った枝の切り口は、樹木にとっては傷口であると認識し、枯れたり、腐ったりしないよう適宜、癒合剤を活用しましょう。
不要枝を見極める
庭木の剪定を上手に行うには、不要枝(樹形を乱す枝)を見極めることも大切です。不要枝を切ると、樹形が自然に整うだけでなく、日光や風通しが良くなる、害虫がつきにくくなるといった効果が期待できます。
不要枝には以下のような種類があるので、どこを切れば良いかわからないという方は、参考にしてください。
- 立ち枝…横ではなく垂直に伸びた枝
- 下り枝…下に伸びた枝
- 逆さ枝…幹の中心や下方向など、本来伸びるべき方向とは逆に伸びた枝
- 絡み枝…他の枝に絡みついた枝
- 車枝…1ヵ所から何本も伸びた枝
- 徒長枝…上方向に勢いよく伸びた枝
- 交差枝…他の枝や幹と交差した枝
- 切腹枝…幹と交差した太い枝
- ふところ枝…幹に近い場所に伸びた枝
- ひこばえ…木の根元から生える若い枝
- 胴吹き枝…幹や枝の途中からでる若い枝
- 並行枝…他の枝とほぼ同じ場所から、太さ、長さ、方向とも平行に伸びた枝
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おわりに
庭木の剪定は、樹木の健康を保つために欠かせない作業です。切り方や剪定時期を間違えれば、場合によっては枯らしたり、弱らせたりするリスクがあります。ご自身で剪定をするときは、樹木の種類を把握したうえで、適切な剪定方法を調べてから行うようにしましょう。
あまりにも大きく育ち過ぎて、ご自身での剪定が難しいというときは、庭木のプロにお任せできるサービスの利用もおすすめです。ご自身に合った方法で庭のお手入れができるよう検討してみてください。