シニア世代の悩みの種のひとつが終活です。近年では生前贈与とともに終活準備をしているシニア層が増えています。このコラムでは終活をスムーズに進めていくための事前準備についてご紹介します。終活について何から準備したら良いか確認しましょう。
生前の相続準備から死後の相続手続きまで
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エンディングノートについて
超高齢社会の現代において老後時間が長期化することに伴い、事前にご自身の死に備えて準備をする終活が注目されています。ご自身の明確な意思や判断能力がある元気なうちに、今後必要となる医療や介護のあり方から財産分与の方法、さらに葬儀や埋葬を始めとした死後の手続きまで準備しておくことが大事です。
終活のメリットは、ご自身の望むかたちで人生の幕引きができるということが挙げられます。事前に自分で最期の迎え方を選び、信頼できる方にその後のことを託せれば、老いや死へ向かうことの不安が軽減され、精神的にも安心感が得られるのではないでしょうか。
それでは実際に終活はいつから始めるのが良いのでしょうか。前提として年老いてから準備するのでは遅いということです。その理由は3つあります。
- 終活には相応の時間と手間がかかる
元気な時でないと、時間をかけてご自身の最期の迎え方を熟慮することができない - ご自身の明確な意思、判断能力が必要である
認知症のように意思や判断能力があいまいになると、自分の思いどおりの遺言や相続が実現できない可能性が高くなる - 人の死はいつ訪れるのかわからない
いつかはやろうと思いつつ手を付けないまま亡くなると、遺された親族にかかる負担が大きくなる場合がある
もしも「明日なにかあったら」と気になったときが終活を始めるタイミングだと思います。このコラムに興味をもっていただいたということは、終活にご興味のある方だと思いますので、今この瞬間が終活準備を始めるタイミングではないでしょうか。
またよく終活を始めるタイミングとして定年退職のような人生の節目にスタートする方も多いようです。ご自身にできない死後事務を信じて託せる方が不可欠になりますので、まずはエンディングノートの作成から始めてみてください。
一般的に紹介されているエンディングノートは、ご自身の人生の振り返りや医療、介護など生前に行うものと、葬儀や埋葬など死後に行うもの、それぞれに対する要望から、相続に関する資産や不動産の処分方法、取引口座がある金融機関や加入している生命保険、損害保険、クレジットカードなどのメモ、大切な人へのメッセージといった項目で構成されています。
これらのなかで特に大事なのが死後事務であるといわれています。死後事務には、主に葬儀や埋葬、公的年金、健康保険、公共サービスなどの各種届出手続きやデジタル遺品の消去、家財などの整理、形見分け、訃報連絡から飼っているペットの引き取りなど多岐にわたります。
もちろん家族や親族がいれば任せることも可能ですが、いない場合は放置されたままになることがほとんどです。また家族、親族がいても具体的な要望、指示がなければ本人の希望が通らないこともあります。こういったことを防ぐためにはご自身の希望を明確に記録し、信頼できる方に依頼しその方に必要な費用や報酬を渡せるようにしておくことが非常に重要です。
頭のなかでぼんやりと考えているよりは、実際にノートに書き出して文字にしてみることで、ご自身の思いや考えの整理、やりたいことの発見にもつながるかもしれません。すべての項目を埋められなくても、まずは一度書き始めてみてはいかがでしょうか。
ただし注意していただきたいことは、エンディングノートに法的な効力はありません。財産について確実にご自身の意思を反映させたい場合は、エンディングノートの作成とともに遺言書の作成をおすすめします。
断捨離について
次は断捨離についてです。一度エンディングノートに書き出してみるとあまりにもやるべきことが多く何から手を付けたら良いか迷ってしまうと思います。まずは身の回りから少しずつ始めてみましょう。
例えば通帳や年金手帳、証券など重要なものをひとつの箱にまとめることから終活をスタートした方もいます。どこから取りかかるにしても、家財整理を第一優先で始めてみることをおすすめします。
またひとり暮らしでも家族との同居であっても、故人の身の回りのものを誰かが片付けなくてはいけません。片付けには想像以上に体力も気力も必要な作業です。また場合によっては処分に費用もかかってきます。まだ早いと思っていても、心身ともに元気なうちから時間を見つけて少しでも始めてみると良いでしょう。そういった意味でも生活環境が変わる定年はひとつの良いきっかけとなります。
最初は必要なものと不要なものに分け、不要なものは捨てるか売るかに分類して処分を進めていきます。戸建てからマンションへ、あるいは高齢者施設へと住む場所をコンパクトにすることを前提に断捨離してみると良いでしょう。
また、必要なもののうち、着物やアクセサリーなど価値や愛着のあるものは形見分けとして誰に譲るかを決めておくと良いでしょう。ただし、高価なものは財産として遺産分割の対象となる可能性があるため、遺言に残しておくことをおすすめします。
SNS上のデータの処理も必要です。どこかで消さなければ永遠に閲覧できる状態で残ってしまいます。これらはデジタル遺品と呼ばれています。こうしたデータ処理に加えて、インターネット上で契約した定額制サービスの解約も必要です。
こうした処理を誰かに任せるために、パソコンやスマホのロックを解除するためのパスワードやSNSにログインするためのIDやパスワードなどをわかるように書き留めておく必要があります。
ただし安易にIDやパスワードを、誰もがわかる場所に置いておいては、なりすましや預金の引き出しなど悪用される危険があるので、親族などの特定の方にだけ伝わる工夫をすると良いでしょう。
この機会に一度、自分の口座から定期的に引き落としされている項目をチェックし、不要と思われるものを整理しておくのもおすすめです。
またペットについては、里親を決めたり、親族や友人に世話を依頼したりするケースもありますが、口約束ではなく金銭の問題も含めてきちんと契約しておかないと、いざという時にトラブルになることがありますので責任をもって世話をしてくれる方にお願いすることが必要です。
介護・医療について
介護や医療については難しい問題です。ご自身が何歳まで生きるのか、またどのような状態になるのかは誰にも予測ができません。そのため、今わかっている範囲で準備をすることしかできません。不安を抱えながら生きるより、その時点での心配事を解消しておくと気が楽になります。
多くの方にとって最大の心配事のひとつに、ご自身の健康状態が挙げられると思います。これから医療にどれくらいの費用がかかるのか、介護される状況になるのかなど漠然とした不安は誰にでもあります。現時点では元気な状態でも、いつ介護が必要になるかは誰にも分かりません。徐々に要介護度が上がっていく場合もあれば、急病で状況が一変する場合もありえます。
いずれにせよ、要介護となったときに備えて介護費用を確保しておくことは重要であり今後の人生を少しでも安心して過ごすための担保になります。介護される状況を少しでも快適にするため、ご自身の意向をエンディングノートに書いておくことをおすすめします。
医療については、加入している医療保険や生命保険が妥当なものかどうかを今一度見直してみましょう。過剰に加入していないかなど再検討することをおすすめします。
誰もが自分の最期を想像するのは楽しいことではありませんが、終末期についても考えておきましょう。意思表示できない状態になった場合、諸々の判断は家族をはじめ身近な方に委ね、延命治療を続けるか否かなども難しい決断となります。
残された大事な方にそうした心理的負担をかけないために、ご自身らしい最期にするため、医療の選択(病名や余命の告知、延命治療の有無、臓器提供など)について意思表示をエンディングノートに記載しておくと安心です。
より意思を伝える意味では、リビングウィル(終末期医療における事前指示書)の作成をすることも選択肢のひとつです。例えば、意識がなくなったら延命措置は不要、痛みがある場合は緩和治療を、食事をご自身で取れなくなったら、栄養補給は不要などご自身の意思を書き記します。
これを公証役場に持参し公正証書としておけば、望まない措置や治療を避けることができ、同時に身近な方の葛藤を軽減することができますのでおすすめします。また万が一の時はどの医療機関、どの医師の治療を受けたいか、臨終をどこで誰に看取ってほしいかも明らかにしておくと良いでしょう。
クレディセゾングループが提供する、おひとりさま総合支援サービス「ひとりのミカタ」は、入院や高齢者施設入居時の「身元保証」、もしものときの「緊急連絡先」、ご逝去後の「エンディングサポート(死後事務手続き)」など、おひとりさまの毎日の暮らしや終活のさまざまなお悩みごとを総合的に支援するサービスです。
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葬儀・墓について
最後は葬儀、墓についてです。亡くなったあとのことまで考えてられないと思う方もいるかもしれませんが、ここまでが終活です。残された家族に心身の負担のかからないように事前に決めておくと良いでしょう。
近年、葬儀や埋葬のニーズが多様化し、葬儀社にもさまざまなプランを取り入れられる傾向が強まってきています。ご自身はどんな葬儀を希望しているのか、または希望していないのかなど、通夜と告別式を行う一般葬が良いのか、家族だけの家族葬が良いのかエンディングノートなどを使って、宗教や葬儀の規模やスタイル、希望する喪主、誰に挨拶、誰に葬儀に参列してほしいのかを記しておくと良いでしょう。
また葬儀費用については、一般葬の相場は100万円前後といわれていますが、参列者を限定、曜日と時間帯を選ぶことで費用を抑えることができます。仏教の葬儀であれば、菩提寺、宗派、葬儀社、戒名もわかるように書き留めておくことも大事です。一緒に火葬してほしいものまで書き出しておくのもおすすめです。
遺影を選ぶのもたいへんです。写真は生前から用意しておきましょう。もうひとつ大事なのが訃報の連絡先。リストアップしておけば、遺族や身近な方の大きな助けになります。子どもや頼れる親族がいれば生前に渡しておく、生命保険などが使えるようにしておくなどして、葬儀費用を何らかの方法で確保しておくことが必要です。かつては先祖代々の墓に入るのが一般的でしたが、最近は、近親の家族のみ、配偶者のみ、ひとりなど、さまざまなケースがあります。
墓に入ることを選択した場合、入るべき墓がなければ、事前確保しておく必要があります。墓の維持、管理を誰に頼むのかも合わせて考え、墓を継ぐ子どもがいる場合は、子どもの居住地の近くに購入することも検討しましょう。先祖代々の墓を管理するのがご自身だけ、つまり墓を継ぐ方がいないという場合は、墓じまいの検討をする必要もあるかもしれません。
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おわりに
昨今の長寿化に伴い、老後の時間も長くなりました。人生100年時代に突入しており仮に65歳定年とすると残り35年もあります。長いセカンドライフを、あなたらしく生きがいを持って生き生きと過ごすことはとても大切ですので、これから何をやりたいか、誰と会いたいか、どこに行きたいか、など整理してみることをおすすめします。それらの実現に向けて行動することが、充実した毎日を送ることにもつながります。
「わが人生に一片の悔いなし」といえるように、また大切なご家族のためにも、上手に終活を行ってみてはいかがでしょうか。今回のコラムが少しでも参考になりましたら幸いです。