ご自身の人生を総括するため、そしてご自身の死後に残された家族のために、エンディングノートの作成を検討している方もいるでしょう。しかし、なかにはエンディングノートの具体的なやり方がわからない方も多いのではないでしょうか。
実際、エンディングノートは具体的にどういった書き方で進めれば良いのでしょうか。このコラムでは、エンディングノートを作成するうえでの重要なポイント、注意点などについて詳しく解説します。
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エンディングノート作成における押さえておくべきポイント
エンディングノートは専用のノートが販売されていますが、特に決まった書き方はありません。自分自身の思うようにのびのびと書いて問題ありません。しかし、エンディングノートをまったく知らない方は、何から書いて良いのか戸惑ってしまうでしょう。
エンディングノートの執筆を円滑に進めるため、書き始める前に、書くべき要点をしっかりと把握してからにしましょう。ここからは、エンディングノート作成において押さえておくべきポイントを説明します。
個人に関する情報
エンディングノートとは、ご自身の人生を改めて見つめ直して人生全体をリデザインする作業です。エンディングノートの作成を通し、どのような道を歩んできたのか過去を振り返ることにより、今後の余生をどのように過ごすことがベストなのか道筋を見出しやすくなります。
まず第一歩として、ご自身の個人に関する情報の記入から始めてみましょう。エンディングノートの作成者である自分自身がどのような人物なのかを最初に記入しましょう。個人に関する情報の主な項目は以下です。
- 氏名(本名および過去に使われていたニックネーム)
- 生年月日(生まれた年は西暦、和暦の両方を記入)
- 現住所(郵便番号までしっかりと記入)
- 本籍地(今まで本籍地を変更している場合は旧本籍地も記載)
- 血液型・趣味嗜好など(趣味、特技、保有資格、好きな食べ物など)
家族への希望
結婚して子どももいる場合は、家族一人ひとりの生年月日や血液型なども明記して、どのような方たちと関わってきたのかを記載しましょう。性格などといった詳細を書いても良いかもしれません。
それにより、ご自身がどんな方たちとずっと関わってきて人生を歩んできたのかが浮き彫りになります。文章だけでなく時代ごとの家族との写真を添付するのもおすすめです。また、ご自身が家族に対してどんな感情を持っているか、そんなメッセージを書くのも良いでしょう。
エンディングノートにおける家族へのメッセージは、遺言書と同じ意味と考える方もいるかもしれませんが、エンディングノートと遺言書は異なります。この2つの違いについては、後述の「エンディングノートと遺言書は違う」で詳しく解説します。
親戚・友人・知人の詳細
自分自身と関わりのある親戚や友人・知人についても詳しく書きましょう。これらの方々も、名前や連絡先など、わかることから記載していきましょう。それぞれの出会いからその方との思い出、写真などを貼り付けるとより充実するでしょう。死後を想定したメッセージを残しておくのも良いでしょう。
なお、友人たちの連絡先をまとめるのは、ご自身の死後の際に役立つでしょう。葬儀の際に参列者に連絡する場合、エンディングノートに連絡先がまとまっていれば、残された家族は、エンディングノートをもとに一人ひとり連絡を取ることができます。
ペットに関する情報
同居している方がいる場合は問題ないですが、独身でペットを飼っている方の場合、ご自身の死後、残されたペットに関する問題が残ります。近年、多発している孤独死において、ペットが部屋に取り残されたというケースが少なくありません。
このように、飼い主が亡くなったペットを発見した場合、このペットが、普段どんな食事をしているのか、どんなかかりつけの病院に行っているのかという情報は、飼い主が亡くなった場合、誰にもわかりません。
大好きだったペットのためにも、エンディングノートにはペットに関する情報も書けるだけ記載しておきましょう。ペットが何歳であるか、何か病気を持っているかなどといった事柄だけでなく、ペットとの出会いや思い出なども記載するのもおすすめです。
医療や介護の希望
もし、万が一の事態に陥ってしまったら、ということを想定して、その際の対応について書いておくのも、エンディングノートでは大事なことです。
例えば、認知症などの問題です。身体の不自由が身体的なものであればまだ問題ありませんが、認知症など自分自身の意思でコントロールできなくなってしまった場合は、他者にその判断を委ねるしかありません。
完治が難しい病気の場合に延命を希望するか、亡くなるときは病院、自宅のどちらで最期を迎えるのか、医療や介護に関する自分の希望を、こと細かく書いておきましょう。また、ガンなどの病気の場合は自分自身に告知してほしいのか、死後の臓器提供を希望するのかなど、指定があれば書いておくことをおすすめします。
死後の葬儀、埋葬についての希望
葬儀や埋葬方法について決めるのもエンディングノートの重要なポイントです。自分自身が亡くなったときのことを決めておくという考えは、変な印象を持つ方もいるかもしれませんが、近年では生前予約を受け付けている葬儀会社も少なくありません。
葬儀や埋葬方法は各種手続きなどは、残された方たちにとっては手間がかかる作業なので、その負担を軽減させるためにも、葬儀や埋葬方法などは決めて、エンディングノートに詳細を書いておきましょう。葬儀や埋葬方法に関して決める主な項目は以下のとおりです。
- 氏名(本名および過去に使われていたニックネーム)
- 生年月日(生まれた年は西暦、和暦の両方を記入)
- 現住所(郵便番号までしっかりと記入)
- 本籍地(今まで本籍地を変更している場合は旧本籍地も記載)
- 血液型・趣味嗜好など(趣味、特技、保有資格、好きな食べ物など)
資産についての情報
現在、どれくらいの資産を保有しているのか、その資産はどんな種類(現金、預貯金、有価証券、不動産、事業など)があるのか、それぞれ、どのような使い方をしてほしいのか、ということもエンディングノートに書くべき重要事項です。
なお、この時点で加入している保険(特に生命保険金がある保険など)の情報および保険金の受取人なども入れておくと良いでしょう。現金や預貯金の口座、不動産、株式や投資信託など、保有している資産において関係先となる金融機関や証券会社、保険会社、不動産会社などをすべて書いておきましょう。この機会を通して、集約するのも良いでしょう。
お金の貸し借りの債権債務の情報
まだ完済していない家のローンや銀行・消費者金融からの借入についても、エンディングノートでは記載しておくべき重要なポイントです。生きている間に完済する予定だったローンや借入が、返済中に予想外の出来事で命を落とした場合、返済中のローンや借入は家族や保証人が返済を引き継がなければなりません。
具体的な契約内容(借入金額、借入期間、返済予定表)などの資料も合わせて残しておくと、残された遺族の方たちも返済計画が立てやすくなります。一方、知人にお金を貸している場合にもその情報も残しておきましょう。
各種契約の情報(ID、パスワード、暗証番号)
クレジットカードに登録している個人情報、インターネット経由で申し込んだ各種サービスも、エンディングノート作成の機会に、その詳細をまとめておきましょう。この作業は、死後に残された方たちのためでもありますが、ご自身のためにもなります。この機会にあらためて各種情報を整理しておけば、登録・契約したっきりで今の自分自身には必要のないサービスなども把握できるので、必要のないものは解約しておきましょう。
遺言書の有無について
エンディングノートとは別に遺言書を用意している場合は、遺言書の有無及び在り処などを記載しておくと良いでしょう。残された遺族の方たちが遺言書を探す手間が軽減されます。エンディングノートと遺言書の違いは、次で解説します。
エンディングノート作成における注意点
エンディングノートの書き方は完全な決まりがあるわけではないので、書きたいように書いて問題ないのですが、注意すべき点もあります。ここからはエンディングノート作成において注意すべき点について説明します。
エンディングノートと遺言書は異なる
エンディングノートを家族や友人に見てもらうことを大前提として書いている方が大多数でしょう。しかし、エンディングノートは、遺言書にはなりません。遺言書とエンディングノートの違いは以下のとおりです。
- 遺言書は法的効力を満たすための要件が厳しく定められている
- エンディングノートの内容には法的効力がない
つまり、エンディングノートに財産分与についての希望を書いたとしても、それには法的効力がないため、遺族の方々は、故人の意思を気にすることなく、財産分与を行おうとするでしょう。特に相続については法律でルールが定められています。財産分与について、こうしてほしいという希望がある場合は、必ず遺言書を作成しましょう。
エンディングノートの作成=これからの始まり?
エンディングノートを終活と同じものだと勘違いして、エンディングノートを書き終えた段階で、終活も完了と思っている方もいるでしょう。
終活は身辺の整理(不用品だけでなく人間関係など)を行い、余生をどう過ごすのかを計画書の役割も果たします。エンディングノートは、自身の歩んできた道を振り返り、終活を具体的にどう進めるかを考慮する土台づくりであると考えて良いでしょう。エンディングノートの作成だけに満足せず、これからをスタートとして、ぜひ具体的な行動を起こしていきましょう。
エンディングノートの保管方法に気を遣う
エンディングノートは個人情報が満載なので、人に見られて悪用されたら大変なことになります。そのため、厳重な管理が大事ですがあまりにも厳重に隠していると、死後に誰からも発見されない可能性もあるでしょう。
そのような失敗をしないために、隠し場所に気をつけながら、身内の本当に信頼できる方(家族のひとりや親友)などには隠し場所を教えておきましょう。信頼できる方が隠し場所を知っていれば、ご自身の死後も安心です。
おわりに
エンディングノートの作成は、文字どおりご自身の人生のエンディングに向けて作成するものであるとともに、人生を振り返ることによって、過去の忘れていた記憶が蘇り、それがきっかけで数十年疎遠だった古い友人と連絡を取り、昔の交友が復活するなど嬉しい事柄もあります。
相続や葬儀などの準備も大事ですが、ご自身の記憶の奥底に封印されていた楽しい思い出などを思い出す機会として、ぜひエンディングノートの作成に取りかかってみてはいかがでしょうか。
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