「自宅が老朽化してきたからきれいにしたい」「夫婦だけの生活になったので子ども部屋を趣味の部屋にしたい」とリフォームを計画している方もいるのではないでしょうか。ただ、お金をかけてリフォームするのなら、誰しも後悔したくないものです。
今回は、起こりがちなリフォーム失敗例をまとめてみました。また、リフォームの失敗原因と、対策方法も紹介しています。失敗例から学び、ぜひより良いリフォームを目指しましょう。
この記事のまとめ
リフォームにはどのような失敗が起こりがちなのか、失敗に至る原因はどこにあるのか、失敗しないためにどう対策したら良いのかについて具体的にまとめていました。
例えば、新調したシステムキッチンが大きすぎて料理がしにくい、良かれと思って導入した機能をほとんど使用しない…などがリフォームの失敗例としてあげられます。
リフォームが失敗してしまう原因は、リフォーム会社に任せきりになっていたり、予算を切り詰めすぎていたりと、さまざまです。失敗しないためには、まずリフォームの目的を明確にし、リフォーム会社や家族とのコミュニケーションを密にしましょう。また、リフォーム全体の費用を把握し、支払方法まで計画しておくことも大切です。
リフォームが失敗!その原因は?
「リフォームがなんだかうまくいかなかった」と後悔する前に、リフォーム失敗となりやすい原因を知っておきましょう。
リフォーム会社に任せきりだった
リフォーム会社に任せきりにすると失敗する可能性があります。思い描くリフォームを実現するには、しっかりとこちらの要望を伝えなければなりません。「よくわからないから」とリフォーム会社に任せきりにしていると、希望どおりに仕上がらないケースがあるのです。
また、リフォーム会社とのやりとりが不足していると、把握していない工事や料金が追加されている場合があります。そうなると、トラブルに発展しかねません。
予算内に収めようと必要なものまで削ってしまった
予算を立てるのは大切ですが、出費を抑えることに躍起になって必要なものまで省いてしまうと、リフォームの失敗につながります。必要な工事が削られてしまうと、せっかくリフォームしても不満が残るでしょう。
また、建物の劣化状況と補修箇所を把握していないために追加料金が発生し、予想より費用がかさむ失敗も起こりがちです。
オプションの有無の判断を見誤った
先ほどの例とは逆に、「すすめられてオプションをつけたけれど、実際あまり使っていない」というケースがあります。オプションの説明を聞いているときは、便利で魅力的に感じるかもしれません。
リフォームの計画中は気が大きくなりやすく、すすめられたオプションをつい選びたくなることもあるでしょう。その結果、不要なオプションまでつけてしまうという失敗が起こるのです。
家族間での相談が足りなかった
家は誰か1人のためではなく、家族みんなで生活する場所です。そのため、リフォームを成功させるには家族間での相談が欠かせません。要望や譲れない部分を出し合わず、全体の意見のすり合わせが不十分なままリフォームを進めてしまうと、誰かが不満を抱くことになるでしょう。
間取りや採寸、実物の確認が不十分だった
間取りや採寸をきちんとしていないと、「トイレの便座を交換したら大きすぎて使いにくい」「システムキッチンのサイズを見誤って冷蔵庫が入らない」という事態が発生します。
また、新調する壁紙やトイレなどの確認をカタログや写真のみで済ましてしまうと、実物は思っていたのと違って、イメージどおりにならないリスクもあるのです。
【場所別】リフォーム失敗例18パターン
続いて、起こりやすいリフォーム失敗例を場所別に紹介します。
リビング
リビングは家の中でも過ごす時間が多いため、失敗は避けたい場所です。家族みんなにとって居心地の良いリビングとなるように、失敗例を参考にしてみてください。
フローリング材がリビングに合わない
床は面積が広いため、全体の雰囲気にも大きく影響を及ぼします。そのため、リビングに安いフローリング材を選ぶと、部屋全体がチープな印象になりがちです。フローリング材によっては傷つきやすいもの、変形しやすいものもあり、肌触りが悪いと、素足で歩きにくくなってしまいます。
また、リビング全体を統一感のある雰囲気にするためには、手持ちの家具やカーテンの色と相性の良いフローリング材を選びましょう。
階段を設置したら雰囲気が暗くなった
家族とのコミュニケーションがとりやすくなることから、リビングに階段を設置するのは、よくあるリフォームです。ただ、階段の位置によっては、部屋が暗くなったり、圧迫感で開放的な雰囲気が損なわれたりします。さらには、リビングに階段を設置すると、「料理のニオイが2階に上がって服についてしまう」という思わぬ落とし穴も。
リビングに階段を設置する際は、設置場所や家の間取りによってはこのようなデメリットもあることを頭に入れておいてください。
壁紙がまぶしくて落ち着かない・ホコリが溜まる
壁紙も床と同様にリビングの雰囲気を大きく左右します。あまりに明るく白い壁紙に張り替えると、眩しくて目がチカチカしてしまい、落ち着きません。壁紙に立体的な模様があると、凹凸にホコリが溜まりやすく、掃除の手間が増えてしまいます。
壁紙もフローリング材と同様に、部屋の雰囲気を左右する要素のため、慎重に選びましょう。
キッチン
次に、キッチンの失敗例を紹介します。料理をするキッチンは、動きやすさや使いやすさがポイントです。
作業スペースが狭くなった
システムキッチンのサイズやタイプ(対面型・アイランド型など)が間取りに合っていないと、作業スペースが狭くなり、料理しにくくなってしまいます。「冷蔵庫やレンジの扉が開けにくい」「幅が狭くキッチンですれ違えない」という事態も発生しがちです。
新たなシステムキッチンや冷蔵庫を設置する際は、作業スペースがきちんと確保できるか事前に確認しましょう。
冷蔵庫の位置が不便になった
料理中の動線に影響するのは、冷蔵庫の位置です。冷蔵庫の位置を変えたら以前と動きが変わり、料理の効率が悪くなることが考えられます。
また、冷蔵庫の失敗は位置だけではありません。リフォーム前に使っていた冷蔵庫のサイズでプランを立ててしまい、「冷蔵庫を新しくしたら置くスペースがなくなった」「買い替えた冷蔵庫が搬入できない」という失敗も多いようです。
収納を増やしたものの使い勝手が悪かった
キッチンの収納を増やす場合もありますが、使い勝手を確認しないまま増やしてしまうと、「引き出しの奥に入れたものが取り出しにくい」「台に登らないと手が届かない」というケースが発生しかねません。便利さを求めて導入したものの、逆に不便になってしまうのです。
キッチンで頻繁に使う道具はすぐ手に取りやすい収納にするなど、しっかり計画を立てる必要があります。
トイレ
続いて、トイレのリフォーム失敗例を見ていきましょう。トイレはあまりスペースが広くないため、サイズや増やす設備を慎重に検討しなければなりません。
便器のサイズを大きくしたら使いにくい
便器をサイズアップすると、トイレへの出入りやドアの開閉がしにくくなる失敗が起こり得ます。特に男性は、壁と便器の間に十分なスペースがないと用を足しにくいため、不便を感じやすいでしょう。
このような失敗を避けるには、トイレの広さと便器の大きさを正確に把握する必要があります。どうしても便器のサイズを大きくしたい場合は、タンクがないタンクレストイレがおすすめです。
トイレ内に手洗い場を追加したら、逆に不便になった
トイレ内に手洗い場があると、そのまま手を洗えて便利ですが、実際に手洗い場を設置してみるとトイレのスペースが狭くなり、動きにくくなってしまうケースが起こっています。さらに、手を洗った水滴が飛び散り、掃除の手間が増えてしまうことも懸念事項です。
トイレを使用する際、不便にならないスペースを確保できるか、トイレ内に手洗い場が必要かどうかをしっかり検討しましょう。
間接照明に変えたら暗くて掃除しにくい
トイレ内の照明を間接照明に変更するリフォームが人気ですが、間接照明は照度が低いため、必然的にトイレ内が暗くなります。暗いことで懸念されるのが、掃除のしにくさ。トイレは衛生的に保ちたい場所のため、暗くて掃除が行き届かないという事態は避けたいところです。
トイレを清潔に保つためにも、照明はなるべく明るいものを選びましょう。
浴室
浴室のリフォームに失敗すると、リラックスできないだけではなく、カビの温床となりかねません。ありがちな失敗例を見ていきましょう。
浴槽のサイズアップで洗い場が狭くなった
「足を伸ばしてゆっくりお湯につかりたい」と浴槽を大きくしすぎると、必然的に洗い場が狭くなります。浴室は、お湯につかるだけではなく身体を洗う場所でもあるため、洗い場の十分なスペース確保も重要です。
浴槽を入れ替える際は、洗い場とのスペースのバランスを考慮してください。
好みの内装に変えたらカビや結露が発生しやすくなった
浴室の内装をデザイン重視で選んでしまうと、素材によってはカビや結露が発生しやすくなる可能性があります。特に暗い色は注意が必要です。暗い色は、水垢が目につきやすい反面、カビは目立ちにくく、知らぬ間にカビが繁殖していることがあります。
ゆったり過ごしたい浴室では、雰囲気はもちろん重要ですが、カビや結露の発生を抑制できる素材かどうかチェックしましょう。
必要のない機能・設備まで入れてしまった
打たせ湯や光の演出など、浴室の機能や設備はさまざまあります。よりリラックスしたいと、導入を検討する方もいるでしょう。ところが、せっかく最新機能を入れても最初しか使わなかったり、メンテナンスが面倒でそのままにしていたりと、結局持て余してしまう可能性が否定できません。
無駄な出費とならないよう、本当に必要な機能や設備かどうかをしっかり吟味しましょう。
寝室
寝室のリフォームにも失敗するケースがあります。しっかり睡眠をとり、身体を休ませることができる寝室にするためにも、失敗しないよう参考にしてください。
壁紙を変更したらなんだか落ち着かない
色は睡眠の質に影響するとされています。そのため、寝室の壁紙に派手なものを選んでしまうと、落ち着かなくなる可能性があるのです。壁紙選びで後悔しないためにも、落ち着けるカラーを選びましょう。ブルーやグリーン、ピンク、ベージュなど、主張しすぎない色がおすすめです。
ベッドが大きすぎて使いにくい
寝室の広さに対してベッドが大きすぎると、使いにくくなる恐れがあります。例えば、ベッドが大きいため片側を壁につけてしまうと、もう片側からしか移動できません。ベッドが壁についていると、ベッドメイクもしにくいでしょう。かといって、両サイドにスペースを確保しようとベッドをドアに近づけると、今度はドアの開閉が困難になります。
寝室が使いにくくならないように、部屋の間取りとベッドサイズのバランスを考慮しましょう。
コンセントや照明のスイッチの位置が不便
寝室のコンセントや照明のスイッチの位置は重要です。せっかく身体を横にしても起き上がらないと消灯できなかったり、スマホの充電ができなかったりすると、わずらわしさを感じてしまうでしょう。
照明のオンオフは、リモコンタイプの照明を設置することで解決します。コンセントはベッドサイドに設置し、くつろぎながらも充電しやすいよう計画してみてください。
その他
ここからは、リフォーム全体で失敗しやすいポイントを紹介します。
窓の位置が悪くて周囲の視線が気になってしまう
快適な生活が送れないリスクをはらんでいるのが、窓の位置の失敗です。リビングやトイレの窓の位置が悪いと、外からの視線が気になってしまうでしょう。寝室の場合、東側に窓を設けると朝日が眩しくてゆっくり寝られないかもしれません。また、窓が大きすぎると光がたくさん差し込み、室内が暑くなりやすいです。
窓の位置やサイズを変更する際は、外からの見え方や方角に配慮してください。
間取りを変更したら逆に住みにくくなった
間取りの変更を伴うリフォームは、生活スタイルや動線を反映していないと、快適性が失われてしまいます。特に寝室の位置は重要です。寝室の近くにリビングを設けてしまうと、寝室で寝ていても、リビングからのテレビの音が気になってなかなか眠れない恐れがあります。
間取りを変更するリフォームは大きな工事と高額な費用を要するため、失敗しないよう普段の生活パターンの見極めが肝心です。
予想以上に仮住まいの費用がかさんだ
大がかりなリフォームとなると、一旦仮住まいに引っ越す必要が出てきます。しばらく仮住まいで生活するには、リフォーム自体の費用とは別にお金を捻出しなければなりません。施工期間が長くなれば、それだけ費用がかさみます。
思いがけない出費で予算オーバーとならないよう、施工期間を事前に確認し、リフォーム費用だけでなく仮住まいの費用も計算に入れておきましょう。
リフォームの失敗を防ぐ5つの対策
ここからは、リフォームの失敗原因や事例をふまえ、失敗を防ぐ対策をお伝えします。せっかく行ったリフォームがやり直しとならないよう、次の5つのポイントを押さえましょう。
リフォームの目的を明確にする
「老朽化が目立つので設備を新しくする」「将来に備えてバリアフリー化する」など、どうしてリフォームをするのかという目的を明確にしてください。目的があやふやだと、不要なオプションまでつけてしまいかねません。現在の使いづらい点・譲れない点などをピックアップし、整理しておくのも有効です。
ショールームで実物を確認する
リフォームで交換・新調するものは、実物をご自身の目で確かめておきましょう。カタログや写真だけで決めてしまうと、「写真より色が明るくて部屋の雰囲気に合わなかった」「思っていたより大きくてスペースが狭くなった」など、イメージと違う仕上がりになる可能性があります。ショールームに足を運び、実物の住宅設備を見ておくと安心です。
リフォーム会社や職人とコミュニケーションをとる
リフォーム会社や職人さんとは、積極的にコミュニケーションをとりましょう。コミュニケーションを円滑にしておけば、不安や質問を相談しやすくなります。リフォームを成功させるためには、些細なことでも疑問を解消しておくことが大切です。追加の費用や工事の必要な場合も、その都度確認しておきましょう。
打ち合わせの内容を書面に残す
リフォーム会社や職人さんとのやりとりは、記録に残しておきましょう。そうすることで会話の内容を確認でき、言った・言っていないの食い違いを防げます。許可が得られれば、打ち合せの会話を録音するのもひとつの方法です。
支払方法をシミュレーションしておく
リフォーム費用の支払いをどうするか、事前にシミュレーションしておくことも重要です。ここで、各エリアのリフォーム費用の相場を確認しておきましょう。
エリア | 費用相場 |
リビング | 15万円~200万円 |
キッチン | 100万円~300万円 |
トイレ交換 | 15万円~30万円 |
寝室 | 50万円~100万円 |
浴室 | 50万円~150万円 |
リフォームの内容にもよりますが、どのエリアも15万円以上かかることがわかります。同時にいくつかのエリアをリフォームするなら、さらに高額な料金を支払わなければなりません。一括で支払うのか分割払いにするのか、支払方法を計画しておきましょう。
また、支払方法としてリフォームローンという選択肢もあります。セゾンのリフォームローンは、最長25年、最高500万円まで借入可能です。申し込み時に担保や保証人の設定も必要ありません。リフォーム費用の捻出にお悩みの方は、セゾンのリフォームローンをご検討ください。
セゾンのリフォームローンについて詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
おわりに
リフォームを失敗する原因には、リフォーム会社や家族との相談不足をはじめ、甘い採寸、予算の切り詰めすぎなどがあります。せっかくリフォームしても、失敗してしまうと逆に住みにくくなりかねません。リフォームしたことを後悔しないためにも、失敗例から学び、対策のポイントを押さえて、理想の住居を手に入れましょう。