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遺品整理の正しい進め方は?誰がどのタイミングで、何に注意すれば良いかなど気になる疑問も徹底解説

遺品整理の正しい進め方は?誰がどのタイミングで、何に注意すれば良いかなど気になる疑問も徹底解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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亡き人の残したものを整理することを「遺品整理」といいます。遺品整理は、故人との思い出を振り返るとともに、故人の死を受け入れていくために必要な過程でもあります。また、相続などのことを踏まえると、「行わなければならないこと」でもあります。ここではこの「遺品整理」を取り上げ、その意味やよくある質問について解説していきます。

この記事でわかること

家族が亡くなったときに行わなければならないこととして、「遺品整理」があります。遺品整理を実施することで故人との思い出を振り返り、残された家族が心の整理ができるようになります。またこの「遺品整理」は、相続を考えるうえでも非常に重要です。ここでは「遺品整理とは何か」「遺品整理を始めるタイミング」「遺品整理の基本的な進め方」「遺品整理を行うときの注意点」について解説していきます。

遺品整理とは?実施する意味

​​遺品整理とは?実施する意味​

ここではまず、「遺品整理とは何か」について解説します。

遺品整理とは?

遺品整理とは、亡くなった方が所有していた物を片付ける行為をいいます。処分する物と残す物に仕分けをして、いらない物は適切に処分し、残した物を遺族で適切に分け合います。法律が絡んでくる部分でもありますので、慎重に進めると良いでしょう。

遺品整理を実施する意味

遺品整理を行うことには、3つの意味があります。まず1つ目は、物理的に物を片付け、ゴミを処分するためです。特に、亡くなる直前までひとりで暮らしていた場合、生ごみに虫などが発生することもあります。

2つ目は、相続に関わることをはっきりさせるためです。遺品整理を行っている過程で高額なものが出てきたり、財産目録が出てきたりすることもゼロではありません。また、「故人が最後まで住んでいた家だが、継ぐ人もいないので売りに出したい」という場合も、この遺品整理が必須です。

3つ目の理由は、「残された人が心を整理するために行う」というものです。遺品整理は故人の思い出に向き合い、遺族が気持ちに整理をつけるためにも行われるものなのです。

遺品整理に関するよくある疑問

Q&A

ここからは、遺品整理に関するよくある質問に答えていきます。

遺品整理を始めるタイミングは?

遺品整理を始めるタイミングには、絶対的な決まりはありません。ただ、下記のようなタイミングで始めると良いでしょう。

各種手続き終了後

死亡から14日までに名義変更などの各種の手続きがある程度終わります(手続きによっては、それよりも長い時間がかかるものもあります)。

「近場に故人の家がある」ということであれば、それらの手続きが済んだ後に始めると良いでしょう。場合によっては、遺品整理中にまだ払っていなかった公共料金の支払い用紙などが届くこともありますが、これらにはその都度対応していきましょう。

追悼行事が終わってから

仏教を信じている方ならば四十九日法要の後、神道を信仰している方ならば五十日祭の後、キリスト教ならば召天記念日の後……などのように、宗教によって「亡くなった後、区切りとする追悼の日」があります。これが終わってから遺品整理を始めるのも良いでしょう。

仏教を例にとれば、四十九日法要が終われば人は死後の行き先が決まるといわれています。「次の世界への旅立ちを見守り、また自分たちの身の回りもいったん落ち着いてから遺品整理を始める」という選択肢は、多くの方に選ばれています。

気持ちの整理がついた後

上でも述べたように、遺品整理は「〇日までに行わなければならない」という決まりはありません。そのため、まだ気持ちに整理がついていない……ということであれば、気持ちが落ち着いてから行っても問題はありません。

早く取りかかったほうが良い場合も

遺品整理に明確な「行わなければならないタイミング」はありません。ただ、「故人が遠方でひとり暮らしをしていた」「住んでいたのが一軒家で、物が多い」「突然死だったので、あらゆる物が家に残っている」という場合は、早めに遺品整理を行った方が良いでしょう。

不審者が入り込む可能性もありますし、生ごみなどが残っている可能性もあります。また、家の状態によっては、放置しておくことで周りに迷惑をかけることもあります。さらに賃貸物件の場合、もちろん借りている間はずっと家賃が発生します。

遺品整理に必要な日数・時間の目安は?

遺品整理に必要な日数は、「その人がどのように暮らしていたのか」によって異なります。たとえば「介護施設に入居していて、ほとんど自分の荷物は処分した後だ」という場合は、半日~1日程度で整理が終わります。

「施設には入居していないが、しっかりと終活をしていて、必要最小限のものしか残されていない」というケースでは、1週間も経たずに整理が終わるでしょう。

「身の回りのものはたくさんあったが、家族と同居だった」といったケースではそもそも遺品整理をそれほど急ぐ必要はありませんから、2週間程度をかけてゆっくり取り組んでいけるでしょう。

ただ、「祖父母から受け継いだ大きな一軒家でひとり暮らしをしていた。元気だったのにいきなり亡くなった」などの場合は、荷物がそのまま残されますから、遺品整理に1か月以上の時間がかかることも珍しくありません。

くらしのセゾンの「遺品整理・生前整理」では、大切なものを捨ててしまわないように、遺品整理士がしっかりと対応します。遺品整理士が自宅に訪問し、無料調査や無料見積もりを実施するサービスも行っているので安心です。

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遺品整理は誰が行うべき? 

遺品整理は、故人との思い出を振り返ったり、相続の対象となる高価な物がないかをチェックしたりするために行うものなので、基本的には法定相続人たる配偶者や子どもで行うことになります。

ただし、「天涯孤独であり、頼りになる親族もいなければ、保証人もいない」などの場合はやむを得ず大家などが対応することになるケースも見られます。

しかしこれでは、他人である大家に多大な迷惑を掛けることになります。そのため、身よりがない方は、事前に専門家に相談に行くなどの対策を取っておくと良いでしょう。

なお、「残された荷物が非常に多い」「相続人は遠方に住んでいる・時間がない」などの場合は、プロにお願いするのもひとつの手です。なおプロにお願いする場合は、必ず一般廃棄物収集運搬許可を持っているところに頼みましょう。

この資格を持っている業者でなければ一般家庭の遺品整理を行うことは違法です。また、違法業者に頼んだ場合、遺品が適切に処分されない可能性が高いといえます(産業廃棄物運搬許可を持っているだけの業者では、一般家庭のごみを処分することはできません)。

加えて、「いらないものを買い取ってもらいたい」という場合は、古物商の許可も持っている業者を選ぶようにしてください。

ちなみに「自社では持っていないが、提携している業者がある」とする会社もあります。電話で問い合わせれば、このあたりは教えてもらえます。

遺品整理の基本的な進め方

遺品整理の基本的な進め方​

ここからは、遺品整理の基本的な進め方について解説します。

スケジュールを立てる・必要に応じて親族に伝える

まずは、遺品整理を行うためのスケジュールを立てます。なおこの際に、以下のような場合は、その方たちにも告知しておくとトラブルが起きにくいといえます。

  • 遺言書に、法定相続人以外の方にも相続させたい旨が書かれていた
  • エンディングノートに、「〇〇さんに××を渡したい」と書かれていた
  • 法定相続人ではないが、故人と非常に親しく付き合っていた方がいた

遺品整理に必要な道具を用意する

遺品整理に必要な道具を用意します。

  • ゴミ袋……想像以上の量のゴミが出るため、ゴミ袋は大量に用意しておくと安心です。
  • 段ボールやガムテープ、太い油性ペン……梱包をするときに使うものです。複数枚、複数本用意しましょう。
  • カッターとハサミ、ロープや輪ゴム……物を切ったり、まとめたりするときに使います。
  • 軍手……手を保護したりするために必要です。ほこりが舞うのでマスクも用意しましょう
  • 筆記用具……ボールペンとメモ帳を用意しておきます。ちょっとしたメモをとるのに使えます。

遺品整理を行う際は、動きやすく、汚れても構わない服装で行います。必ず長袖で作業をしましょう。また、ヘルメットがあればより安心です。

遺品の仕分けを開始する

遺品は、以下の4つに分けられます。

  • 相続財産……宝石類や芸術品などで現金や通帳、有価証券、重要な書類を指し、相続税の対象となることもあるので勝手に処分せず、ひとまとめにします。価値がわからない場合は専門家に鑑定を依頼しましょう。
  • 形見……金銭的な価値はないものの、故人の思い出が残るものを指します。故人の愛用品や写真、手紙などが代表例です。
  • 売却……比較的新しい洗濯機などの家電製品や、「まとめて売れば1,000円程度」などのような着物などが相当します。
  • 処分……いわゆる「ごみ」を指します。ごみや粗大ごみは自治体のルールに従って処分しなければならないため、事前にルールを確認しておくと良いでしょう。

この分類に従い、残された物を4つのカテゴリーに分類しましょう。

整理した遺品を分配、処分する

上記に従い、遺品を分け合い、また処分します。まず相続財産かもしれないものは専門家の判断を仰ぎましょう。場合によっては、寄贈や売却などを考えなければなりません。

形見は、欲しい方がいれば渡しても良いでしょう。またエンディングノートは法的な拘束力はないものの、「〇〇に渡してほしい」などの記載があればそれに従うと故人の意に添うことができます。

遺品整理を行う際の注意点

遺品整理を行う際の注意点​

ここからは、遺品整理を行う際の注意点について解説していきます。

もめ事が起こらないようしっかり相談

遺品整理を行うときに、相続対象となる物が出てくることはよくあります。これを意図して勝手に自分の物にしてしまうと、遺産分割協議のやり直しや、相続放棄ができなくなるこなどの可能性があります。

そのため、揉めごとが起こらないように、相続人同士でしっかり話し合いましょう。ベストなのは、「相続人全員で、同じ日に遺品整理を行うこと」です。

大切な物を誤って捨てないように

遺品整理をしていくなかで、さまざまな契約書や古い通帳などが出てくることがあります。これらを「古いものだから」と処分してしまうと、後々の手続きが非常に面倒なことになってしまいかねません。

そのため、判断に迷ったものはとりあえず「保留」としておき、後でまとめて確認するようにしましょう。とくに通帳ならば、その銀行に連絡すればなんらかの対応方法を教えてもらえるはずです。

デジタル遺品やサブスクには注意する

昔とは異なり、今はスマートフォンやパソコンなどの「デジタル遺品」も残されるようになりました。これらは個人情報の宝庫ですし、場合によってはインターネットバンキングなどを利用している可能性もあります。

インターネット契約などは早い段階で解約した方が経済的にはメリットが大きいのですが、スマホの解約やパソコンのデータ消去などは慎重に行った方が良いでしょう。

なお、サブスク契約をしているものは、気づいた時点で解約します。ただ、故人の銀行口座と紐づけられているものは、故人が死亡したことが確認された後に凍結されます。

そのため、「どんなサブスクに加入していたか把握しきれない……」という場合でも、引き落としができなくなった時点でサブスクの提供元から連絡が来ると考えられますから、把握しきれなかったものについてはその連絡が来てから対応するかたちでも問題はないでしょう。

処分する物はルールに従う

物を処分する場合は、自治体のルールに従います。可燃ごみや不燃ごみ、粗大ごみなど、しっかり分類しましょう。故人の家と自身が住んでいる家の地域が違う場合は、ゴミ処分のルールが異なる場合もあるため、とくに注意が必要です。

おわりに

「遺品整理」は、物を整理し、相続を考え、故人との思い出を整理していくために必要不可欠な行動です。

丁寧に遺品に向き合い、ご家族で話し合って遺品整理を行っていくことは、残されたご家族の今後の過ごし方にも良い影響を与えるはずです。遺品整理は時に辛さや痛みももたらしますが、その辛さや痛みもまた、大切な方の死を受け入れていくためのプロセスとなるでしょう。

遺品整理は、相続の面でも物理的な面でも心理的な面でも、非常に重要なものです。ただ、多くの方にとっては初めての経験であるため、戸惑うことも多いかと思います。

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また、家族が亡くなったときに行わなければならないこととして、相続手続きなども挙げられます。「相続が発生したけど、手続きが複雑でわからない」などとお困りの方におすすめなのが、クレディセゾングループの「セゾンの相続 相続手続きサポート」です。

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