雨樋(あまど)が劣化してきていたりぶつけてしまって破損したりしているが、修理をしたほうが良いか、修理するならどのくらいの費用がかかるのかわからず、そのままにしている方も多いのでないでしょうか。また、自分で修理できるのか気になっている方もいるかもしれません。
今回は、どんな状況のときに雨樋修理をしたほうが良いか、メンテナンスの方法などを紹介します。修理にかかる費用や修理の依頼先なども紹介するので、参考にしてください。
この記事を読んでわかること
雨樋は、雨水を下水などに誘導する設備です。うまく機能していないと外壁の傷みや住宅の基礎の老朽化につながります。雨樋の劣化などを修理せずに放置してしまうと、隣家に雨水が流れ込み近隣トラブルに発展する可能性もあるため、早めに修理しましょう。 雨樋の修理に必要な部品はホームセンターで購入できるため、ご自身で修理することもできます。しかし、2階部分などは危険も伴うため、専門の修理会社に依頼する方が安心です。専門会社に依頼する際の費用は、足場をかけて住宅全体の雨樋を修理すると40万円~60万円が目安です。費用を抑えるためには、定期的に掃除をして、詰まりなどが起きないようにしておきましょう。
1.雨樋の修理・メンテナンスが必要な場面
雨樋(あまどい)とは、屋根を流れる雨水を集め、下水や地上に誘導する設備で、雨水が住宅内に入ってくることを防ぎます。雨樋がないと、雨水が屋根から外壁を伝って流れるため、外壁が傷みやすくなるのです。
また屋根から直接地面に雨水が落ちることで、住宅の基礎の老朽化にもつながってしまいます。雨樋は、普段あまり気にすることのない場所ですが、実は重要な役割があるのです。
雨樋は、地域の特性によって劣化や破損しやすい場合があります。台風や大雪などが多い地域は、雨樋が劣化しやすい環境にあるため、メンテナンスの頻度が高いです。また海や川が近い湿度が高い地域は、苔が生えやすいので定期的に掃除をしないと、雨樋が破損してしまう可能性があります。
気温が高い地域では、雨樋が変形することもあるでしょう。この他、森林が近い場所に住宅がある場合は、葉っぱなどが詰まりやすくなります。
これらの原因や経年劣化などによって、雨樋が傾いている、雨樋を支えている金具が外れている、雨樋のつなぎめに隙間があるなど不具合がある場合には、修理が必要です。
2.雨樋を修理せず放置するのはトラブルの元
雨樋を修理しないで放置すると、さまざまな問題が生じます。汚れを放置すると、雨樋にカビや苔が繁殖し、雨水がスムーズに流れにくくなったり、悪臭が発生したりすることもあります。
また、何らかの原因で雨水が雨樋を流れないで、外壁を伝ってしまうと外壁のひび割れの原因となり、住宅の寿命が短くなってしまうこともあるでしょう。地面に雨水が溜まれば、住宅の基礎が劣化しやすくなります。
さらに、自分の家だけの問題でなく、近隣トラブルの原因になってしまう可能性も考えられます。雨樋がうまく機能せずに、雨水が隣の家に流れ込んでしまうと、近隣の住民に迷惑がかかってしまうでしょう。
そのため、雨樋の破損などを見つけたら見過ごしてしまわずに、早めに修理をすることが大切です。
3.雨樋の修理を自分で行う場合の方法
雨樋の修理は意外と難しく、危険が伴うケースもあるため、自分でできないと判断した場合には修理会社に依頼するのが賢明です。ただし、雨樋の修理に必要な部材は、ホームセンターで購入できるので簡単な修理であれば自分で行うこともできます。ここでは、自分で修理する場合の流れや使用する道具を紹介します。
3-1.雨樋を交換する流れ
雨樋を修理する際の流れは以下のとおりです。
【雨樋修理の手順】
- 取り付けてある雨樋や金具を外す
最初に本体を外し、支えとなる金具を取る。金具を外した後の穴は、水の侵入を防ぐためコーキング剤で塞ぎます。
- 新しい雨樋の金具を取り付ける
雨樋の種類に合わせた金具を設置します。
- 軒樋に穴をあけ、集水器を取り付ける
※集水器は、屋根に沿って横に通る軒樋から、縦に下がる樋に雨水を引き継ぐ部品です。
- 軒樋の長さはノコギリを使って調節し、軒継手という部品で継ぎ目をしっかりつなぐ
- 新しい縦樋を取り付ける
エルボという縦樋を曲げた部材を使用しながら、屋根や壁沿いに縦樋を取り付けます。
雨樋の処分方法は市区町村により異なるため、ご自身がお住まいの自治体に確認してみましょう。
3-2.雨樋の修理・交換に必要な道具
雨樋を修理に必要な道具は、ホームセンターで揃えられます。修理をするのか交換をするのか、雨樋の割れ程度の簡単な修理をするのかにより、必要なものが異なります。状況に応じて、以下のようなものを用意しておきましょう。
雨樋修理・交換時に必要な道具
雨樋本体・軍手・雨樋カット用ののこぎり・補修用テープ・雑巾・アルミテープ・専用の接着剤・コーキング剤・脚立など
なお雨樋本体は、ホームセンターでは置いてあるメーカーや在庫が少ない場合があります。基本的なタイプなら在庫があることも多いですが、形状や素材によりいろいろなタイプがあるので、確認してみましょう。
3-3.状況別の修理方法
自分で雨樋の修理ができる場合の修理方法を簡単に紹介します。
小さな穴やひび割れがある場合
雨樋にひび割れが見られた場合には、コーキングで修理できます。ひび割れた場所の周りをマスキングテープで囲み、コーキング剤を充てんしたらヘラでならします。しっかり乾燥させてからマスキングテープをはがしましょう。
穴が1ヵ所開いている程度の小さな破損の場合は、雑巾で表面のほこりを拭き取り、アルミテープを貼って塞ぐのがおすすめです。雨樋にわずかなズレが生じている場合は、専用の接着剤により補修できる場合があります。ただし、補修テープや接着剤による修理はあくまでも応急処置なので、応急処置が済んだらできるだけ早く専門の修理会社に相談し、修理してもらうのが良いでしょう。
雨樋が割れた場合
自転車やバイクを停めようとして、間違って雨樋にぶつけてしまったなど、何らかの理由で雨樋が割れてしまうこともあります。
亀裂が入った程度の割れの場合は、雑巾で雨樋の表面の汚れを軽くふき取り、割れたところにカットしたアルミテープを貼って修理できます。見た目が気になる場合は、上から塗装すると良いでしょう。雨樋がバラバラに割れてしまったり、破片を紛失してしまったりした場合は、新しいものと交換する必要があります。
雨樋から水漏れしている場合
雨樋は、ベランダに溜まった水を排水するためにも使われます。ベランダにある排水口の蓋は、網の目が粗いことが多く、砂や土が大量に流れてしまうと詰まってしまい、排水できずに水漏れの原因になってしまうことがあります。
土砂などが原因で雨樋から水漏れしているときは、土砂が乾燥したタイミングで掃除して除去しましょう。掃除が難しい場合は、専門の清掃会社に相談してください。
4.屋根の雨樋が壊れたら修理会社の利用がおすすめ
屋根の雨樋を修理する際は、高い場所での作業であり危険を伴うこともあるため、雨樋修理を専門に行っている建築板金業にお願いするのが無難でしょう。ここでは、専門家に雨樋を修理してもらうときの手順や日数、費用などを紹介していきます。
4-1.雨樋を修理会社が修理を行う手順
雨樋修理を修理会社に行ってもらう際は、以下のような手順で行います。
- 取り付けたい雨樋を選ぶ
軒樋のみを交換する場合は、縦樋との相互性があるため、既存の部品と同じものを選ぶことをおすすめします。縦樋も同時に修理をする場合は、どのメーカーでも良いですが種類が多いので、専門の修理会社に相談してみましょう。
- 足場を組む
足場は、1階部分の雨樋交換時には不要ですが、2階以上の雨樋を交換する場合には基本的には使用します。
- 雨樋を外し、新品に交換する
4-2.雨樋の修理にかかる日数
雨樋の修理には、それほど長い日数はかかりません。雨樋の修理にかかる一般的な日数は、以下のとおりです。
雨樋の修理にかかる平均的な日数
雨樋の掃除やひび割れ補修、一部のパーツ交換…約半日
雨樋全体の交換…約1~2日
住宅全体の雨樋修理・交換…約2~3日
具体的にどのくらいの日数が必要になるか知りたい場合は、一度現状を確認してもらいましょう。
4-3.雨樋を修理会社が修理するときの費用相場
雨樋の修理を専門会社に依頼した場合には、どのくらいの費用がかかるのかもチェックしておきましょう。
雨樋の修理費用は、補修内容や足場設置の有無により異なります。足場を組まずに、住宅全体の雨樋を修理する場合にかかる費用は10万円~30万円程度です。部分的な修理の場合には、2万円~5万円ほどになります。足場設置には通常10万円~30万円程度かかるため、足場を組んで作業してもらう場合は、40万円~60万円ほどかかると見込んでおきましょう。
ちなみに雨樋1ヵ所当たりでは、1万円~3万円程度の費用がかかります。雨樋のつなぎめの補修は1ヵ所当たり約1万円~3万円、雨樋の掃除は1万円~5万円程度の費用が目安です。
なお、修理する雨樋が高い場所にある場合は、高所作業を行える免許取得者に依頼する必要があるため、さらに人件費がかかることがあります。
参照元:雨樋はどこに頼む?修理費用と依頼先のメリット・デメリット – くらしのマーケットマガジン
参照元:雨樋の修理・補修にかかる費用・価格・業者の選び方 | リフォーム費用の一括見積り -リショップナビ
5.雨樋の修理価格を抑える、お得にするポイント
雨樋の修理にはやや費用がかかるため、できるだけ費用を抑えたいと考える方もいるでしょう。ここでは、雨樋の修理費用を抑えるためのコツを紹介します。
5-1.雨樋の掃除を定期的に行う
雨樋の修理費用を抑えるためには、定期的に雨樋を掃除して、長持ちするようにしましょう。雨樋掃除は、4月下旬~5月上旬の梅雨に入る前と、落ち葉が増える10月に行うのがおすすめです。掃除の際には、軍手やほうき、トング、ゴミ袋、やすりなどを用意しましょう。
パイプ下に溜まっているゴミは、ほうきとトングを使用してかきだします。縦樋は軽く叩いてゴミを落として掃除しましょう。また集水器のゴミを取り除くのも忘れないでください。詰まる原因になるような出っ張った部分がある場合は、やすりで削っておきましょう。
5-2.複数の修理会社から相見積もりを取る
雨樋修理の費用を抑えるためには、複数の修理会社に見積もりを取ることもひとつの方法です。いくつかの見積もりを比較し、安いところを選べるように、3社程度に見積もりを依頼しましょう。
見積もり費用が安過ぎる場合は、材料を安価なものにされたり、打ち合わせ内容と異なる補修方法で修理されたりするケースがあります。逆に高過ぎる場合は必要のない修理が含まれるなど、トラブルの原因になることがあるため注意しましょう。
そのため、見積もりを出してもらう際には、一部のみの修理で問題ないか、雨樋全てを交換する必要があるかなど事前にしっかりと調べてもらうことも大切です。また依頼する際には、スタッフの対応も同時に確認しておきましょう。
5-3.雨樋の修理に使える火災保険に加入しているか確認する
台風などの暴風雨や雪の重み、雹(ひょう)などにより雨樋が破損した場合は、火災保険の対象になることがあるため、ご自身が加入している火災保険が、雨樋修理に使えるかどうか確認してみましょう。
例えば、台風で雨樋が傾いてしまったり、支持金具が外れてしまったりした場合に、火災保険が利用できるケースが多くあります。加入している契約内容を確認し、利用できそうな場合は保険会社に相談してみましょう。
6.雨樋の修理会社を選ぶときのコツ3つ
ここでは、雨樋修理をする際にどんな修理会社に依頼したら良いのか、選ぶ際のコツを紹介します。
6-1.国家資格を持つ職人・スタッフがいる
雨樋修理を依頼する際には「建築板金技能士」や「施工管理技士」などの国家資格を有しているスタッフがいる修理会社を選ぶと良いでしょう。
国家資格取得に力を入れているところでは、技術面の向上に対する意識が高いと考えられるためです。雨樋は住宅の寿命にも関わる場所なので、専門の資格がある方に修理してもらったほうが安心できます。
6-2.建設業許可を持つ修理会社を選ぶ
建築業許可とは、都道府県知事や国土交通省により与えられるもので、ある一定額以上の建築工事をする場合に必要です。
雨樋修理は建設業許可がなくてもできますが、建設業許可は簡単に取得できるものではないため、保有している修理会社は信用度が高いと考えられます。そのため、どこの修理会社にするか迷った際の指標になるでしょう。
6-3.地域において長年営業している修理会社を選ぶ
地域で長年営業を続けている修理会社に修理を依頼するのもポイントです。地域密着型の修理会社は、地域の特色を理解しているので、お住まいの地域の気候に合った部品を選んで修理してくれるでしょう。また、何かあったときに気軽に相談できる点もメリットです。
7.雨樋の修理費用は「セゾンのリフォームローン」を活用しよう!
雨樋の修理は、住宅全体に及んだ場合には、結構な費用がかかります。まとまった費用を用意するのが大変な場合には「セゾンのリフォームローン」の利用もおすすめです。
セゾンのリフォームローンは、住宅に関する水回りや内装、外装、外構リフォームなど幅広く対応しています。WEBサイトで簡単に申し込みをして、最短2営業日で結果が出るので、お急ぎの際も安心です。雨樋費用の調達で悩んだ際には、ぜひセゾンのリフォームローンもチェックしてみてください。
おわりに
雨樋は、普段あまり気にしない場所ですが、住宅の寿命が左右される大切な場所です。ご自身でも修理できますが、場所によっては危険が伴ったり、手間がかかるだけでなく上手に修理できるかどうかもわからなかったりします。ご自身で行うのは簡単な修理の他、定期的にできる範囲の掃除を行うなど雨樋が長持ちするような対策程度にしておきましょう。雨樋で気になる場所がある場合は、早めに修理会社に相談してみてください。