ドアノブが壊れると、ドアの開閉ができなくなってしまうので、できるだけ早く修理したいものです。このコラムはどのようなドアノブであればご自身で修理することができるのか、ドアノブの種類ごとに解説しています。ご自身で修理できない場合にどのような修理会社に依頼すれば良いのか、ポイントや費用相場もご紹介していますので、ドアノブの調子が悪いという方は参考にしてみてください。
この記事を読んでわかること
ドアノブに不具合がある場合、室内で使われているようなシンプルな仕組みのドアノブであれば、ご自身でも修理が可能です。たいていの場合は、ネジが緩んでいることが原因なので、一度ドアノブを取り外して破損している箇所がないか確認し、ネジを締め直しましょう。ドアノブの種類や壊れた箇所によっては修理会社に依頼する必要があります。修理費用はドアノブの種類や設置場所によっても異なりますが、50,000円以内に収まる場合がほとんどです。見積もりをよく確認したうえで、正式に修理依頼をするようにしましょう。
ドアノブの修理は自分でできる?
ご自身で修理できるのか確認するために、まずはどのタイプのドアノブなのか確かめます。ドアノブ自体の構造はどれも似ている部分がありますが、種類はさまざまです。ドアノブの種類や不具合の程度を確認して、ご自身で修理できるのか判断しましょう。
些細な不具合なら自分で直せる
ドアノブの中でも、室内で使われているような丸型の握り玉タイプやレバーハンドルタイプは、比較的簡単な構造になっているため、ご自身でも修理できる場合が多いです。
例えば、ドアノブやドアノブの台座部分がぐらついていたり、ドアの開閉で出し入れされるラッチを固定しているプレートが緩んでいたりといった些細な不具合は、固定しているネジを締めることで改善できます。
また、経年劣化によるサビや破損でドアノブが動かなくなったり、空回りしてしまったりする場合は、一度ドアノブを取り外して確認しましょう。サビが原因の場合は潤滑油などで改善する場合がありますが、あまりに劣化してしまっている場合は交換も検討する必要があります。
修理専門会社に依頼した方が良いケースを把握しよう
下記2点はドアノブの中でも構造が複雑なため、ご自身での修理が難しく、修理会社へ依頼するほうがベターです。
- 玄関でよく使用されているような、ハンドルを押し引きしてドアを開けるプッシュプルタイプ
- 縦型のハンドル上部にあるつまみを親指で押し下げながら開けるサムラッチタイプ
無理に修理しようとすると、かえって症状が悪化してしまい修理費用がかさむ恐れもあるので、すみやかに修理会社に相談しましょう。
ドアノブの修理を自分で行う方法
ここからはご自身でドアノブを修理する詳しい方法について、故障内容に合わせて4種類ご紹介していきます。
ドアノブのグラつきや緩みが気になる場合
ドアノブのグラつきや緩みは、固定しているネジが原因になっている場合がほとんどです。一度ドアノブを取り外して、内部を確認してみましょう。
目立った損傷がなければ、そのまま付け直してネジを締めることで、たいていの場合は改善します。ネジだけが折れてしまっている場合は、ホームセンターに折れたネジを持って行き、同じネジを探して付け替えましょう。
ドアノブが下がったままになってしまっている場合は、ネジだけではなく、中に入っているバネなどが経年劣化で傷んでいることが原因となることが多いです。その場合には、劣化している部品を新しい部品へ付け替えてみましょう。
台座が緩んでいる場合
ドアノブをドアに固定している台座がドアの開閉でガタガタと動いてしまう場合は、台座部分を固定しているネジが緩んでいる恐れがあります。台座が緩んだまま使い続けると、ドアノブごと外れてしまうなど故障の原因になるので、早めの修理が必要です。
ネジ穴が見えるタイプの台座は緩んだネジを締めることで解決します。ネジ穴が見当たらない場合は、側面や下側に付いている場合もあるので、チェックしましょう。それでも見つからない場合は、台座の下にネジ穴が取り付けてあるタイプのこともあります。その場合はマイナスドライバーなどで台座を外してからネジを締めましょう。
ネジを締めてみても改善しない場合は、ドア側のネジ穴が広がってしまって、ネジが引っかからなくなっている可能性があります。その場合は、ネジ穴補修用のパテなどを利用してネジ穴を作り直してから、再度ネジを締めましょう。
ラッチがズレている場合
ドアノブを動かすと出たり引っ込んだりするドア側面のパーツが「ラッチ」です。この部分が正常な位置に収まっていないと、ドアがうまく閉まらなくなったり、開けにくくなったりする原因になります。
ラッチが受け口に正しく収まっていない場合は、ドアを開閉する軸となる部品の蝶番に問題があるか、ラッチ本体や受け口側のネジが緩んでいる可能性があるので、ネジを締めたり、蝶番の補正を試しましょう。
ラッチは部品同士の接触が多いため、ドアノブの部品の中でも劣化しやすいパーツです。とくに雑にドアを締めたりしているとラッチが劣化しやすくなるので、日頃から注意が必要です。ラッチが劣化している場合は、単体での交換が可能なので、ラッチの大きさを測って同じ大きさのものに付け替えましょう。
新しいドアノブに交換したい場合
ドアノブの種類によって交換方法は異なります。新しいドアノブに交換する場合は、新しく取り付けるドアノブの説明書に従って進めましょう。
共通しているポイントは、ドアを開けたまま作業をすることです。作業中にドアが閉まってしまうと、ドアが開かずに部屋の中から出られなくなってしまう恐れがあります。ドアノブの交換が終わって、ラッチが正しく動くか、レバーやハンドルがしっかりと動くか、確認してからドアを閉めるようにしましょう。
ドアノブ修理・交換を依頼した場合の費用相場
ドアノブの構造が複雑な場合や、劣化が激しく手に負えない場合などは修理会社に依頼することになりますが、相場はいくらぐらいなのでしょうか。ここからは気になる費用相場を確認していきましょう。
一般的にドアノブ修理を依頼する場合、ドアノブのタイプや作業内容によって費用は異なりますが、修理・交換費用に加えて、部品代金と出張費用がプラスになります。ドアノブだけを修理・交換する場合は、修理・交換費用が10,000円から20,000円ほどになるところが多いです。
ただし、複雑な修理・交換になる場合は10,000円から20,000円前後プラスになります。出張費用は10,000円から20,000円程度です。部品代金はドアノブのタイプによって異なりますが、安いもので2,000円から手に入ることが多いです。
ドアノブの種類別でみる費用相場
それでは、ドアノブの種類別に費用相場を確認していきましょう。
握り玉の交換費用は15,000円~40,000円
ひと昔前の住宅で多く使用されていた丸型の握り玉タイプのドアノブは、4つのタイプに分けられます。
握り玉のドアノブタイプ | 修理・交換費用相場 |
チューブラ錠 | 15,000円~30,000円 |
インテグラル錠 | 20,000円~40,000円 |
シリンダー円筒錠 | 20,000円~40,000円 |
表示錠 | ドアノブの構造による |
トイレや書斎といった室内のドアに多く使用されているチューブラ錠は、ドアノブを固定しているネジが見えていることが特徴。施錠できるチューブラ錠もあり、鍵を閉めることによってラッチが動かなくなるという仕組みです。
鍵穴がついたインテグラル錠は、鍵穴に鍵を差し込んで施錠することにより、ラッチの上にあるデッドボルトと呼ばれる部品が引きだされ、受け皿に引っかかり鍵がかかります。
シリンダー円筒錠も鍵穴が開いているタイプのドアノブのため、インテグラル錠に似ていますが、握り玉の根元に小さな穴があることとデッドボルトがないことが特徴です。
表示錠は主にトイレなど、鍵が開いているのか閉まっているのか見てわかるようになっているドアノブです。
握り玉タイプのドアノブは安いもので1,000円程度から部品が手に入るため、部品代金が抑えられますが、玄関や勝手口などある程度のセキュリティが必要な場所については、修理・交換費用がやや高くなる傾向があります。
レバーハンドルの交換費用は15,000~50,000円
住宅の中でも多く使用されているタイプが、レバーを下げることでドアを開けるレバーハンドルタイプのドアノブです。レバーハンドルタイプのドアノブも、握り玉タイプと同様の4種類に加え、浴室などで使用されている樹脂製のレバーハンドルの全5種類に分けられます。修理・交換費用はドアノブの種類ではなく、どこに使われているかによって異なることが多いです。
レバーハンドルの設置場所 | 修理・交換費用相場 |
玄関 | 30,000円~50,000円 |
トイレ | 15,000円~40,000円 |
お風呂場 | 18,000円~35,000円 |
その他室内 | 25,000円~50,000円 |
こちらも握り玉タイプと同様に、玄関などで使われている場合はセキュリティ対策により、費用が少しプラスになります。
プッシュプルハンドルの交換費用は30,000円~100,000円
プッシュプルハンドルタイプは、比較的新しい住宅の玄関に使用されていることの多い、押し引きして開けるドアノブです。やや複雑な仕組みになっているため、ご自身での修理は難しく、修理会社へ依頼するほうが安心でしょう。
費用相場は部品代金が10,000円~100,000円と幅があるため、取り付けているドアノブの製品や修理内容によっても異なりますが、およそ修理・交換費用は20,000円から対応可能な修理もあります。予算がある場合は、予算を伝えてみて、修理方法や交換する部品を提案してもらうという方法も検討すると良いでしょう。
サムラッチ錠の交換費用は50,000円~100,000円
ひと昔前の住宅やアンティーク調のドアに使用されている、縦型のハンドル上部に付いたつまみを押し下げてドアを開けるタイプのドアノブをサムラッチ錠といいます。
サムラッチ錠の場合、ドアノブ本体の価格が安くても30,000円台から、シリンダーだけの交換でも10,000円台です。比較的高くなるため、修理会社に依頼する場合は、部品代金に加えて修理・交換費用20,000円から40,000円前後がプラスになります。高額になりがちなので、一度見積もりをしてもらい、内容を確認しましょう。
設置する場所別にみる費用相場
ドアノブの種類別でも少し触れましたが、ドアノブが設置されている場所によっても費用が異なります。それぞれの違いを確認していきましょう。
屋外のドアに設置する場合
玄関や勝手口など、外とつながる鍵付きのドアについては、セキュリティを考慮する必要があります。そのため、防犯性能が高く、ドアノブ自体の部品代金も高額になりがちです。
修理・交換費用は25,000円〜50,000円ほどが相場。セキュリティに優れている分、仕組みが複雑で修理や交換作業が難しくなるため、室内のドアノブと比べて費用が高くなる傾向にあります。
室内のドアに設置する場合
一方、室内に設置されているドアノブは修理・交換費用の相場が25,000円〜50,000円ほどと、比較的安く修理・交換が可能です。脱衣所や浴室など、設置されている場所によってはサビや腐食の可能性があるため、腐食しにくい機能があるドアノブを使用する必要があり、費用がやや高くなる傾向にあります。
また、鍵が付いていたり、緊急時のために外からも開錠できるような機能があったりするドアノブの場合は部品代金や作業代金が高くなる可能性があるでしょう。
ドアノブの修理会社を選ぶ4つのポイント
実際に修理会社に依頼するときには、どのようなポイントに気をつけて選べば良いのでしょうか。ここからはドアノブの修理会社を選ぶポイントを4つお伝えしていきます。
ドアノブ修理会社の種類を確認する
まず、ドアノブの修理はどこに依頼すれば良いのでしょうか。ドアノブの修理を依頼する場合、以下のような専門会社に依頼可能です。
- 鍵の専門会社
- 建具屋や住宅設備の専門会社
- ハウスメーカー(工務店)やリフォーム専門会社
- 便利屋
ドアノブは鍵と一体になっていることも多いため、鍵開けや鍵交換の対応をしている鍵の専門会社で修理を依頼することができます。鍵の専門会社は緊急時の鍵開けも対応できるよう、年中無休のところが多く、すばやく駆けつけてくれます。
障子やドアなど家の中の建具を扱う建具屋や住宅設備の専門会社は、ドアに関してスペシャリストといえるでしょう。交換後のドアノブのサイズがわからなかったり、どのようなドアノブに付け替えるか迷っていたりする場合は、全て任せることも可能です。
その他にも、ハウスメーカーやリフォーム専門会社、街の便利屋などがドアノブの修理に対応してくれる場合もあります。
見積もりの内容は適正か
修理が必要なドアノブのタイプや設置場所によって作業内容が大きく異なるため、見積もりを取ってから正式に修理のお願いをするのが安心です。
作業に見合わない高額な料金を請求する悪質な修理会社もあるため、見積もりに記載されている部品代金が高過ぎないか、修理工程に不明瞭な部分がないかなど、納得してから作業を依頼するようにしましょう。
優れた技術力があるか
わざわざ足を運んで修理に来てもらっても、担当者に充分な技術力がないと修理するまでに時間がかかってしまったり、結局修理できなかったりといったことも起こってしまいます。
そのため、ドアノブの修理実績のある修理会社を選ぶと良いでしょう。また、保証期間を設けているなど、アフターフォローがある修理会社は技術力に自信がある証拠です。たとえ、保証期間内に再び不具合が発生してしまっても、修理対応をしてくれるので安心できます。
評判や実績は高いか
修理経験が豊富で評判のいい修理会社だと安心です。とくに、修理会社の中には高額な修理費用を請求するような悪質な会社もあるため、利用する前に口コミサイトやGoogleマップで口コミや評判を確認するようにしましょう。ただし、やらせや言いがかりといった嘘の口コミもあるため、ひとつの口コミだけを参考にするのではなく、複数の口コミをチェックして判断材料とすることをおすすめします。
ドアノブ修理はくらしのセゾンの「住まいのリペアサービス」で解決
ドアの調子が悪いときには、くらしのセゾンの「住まいのリペアサービス」もおすすめです。ドアノブの不具合の原因にもなる、蝶番の交換や建具の建て付けの調整などを依頼することができ、365日年中無休で専門技術を持ったスタッフが出張対応してくれます。1年間無償工事保証が付いたアフターフォローがあるので、安心して依頼できるでしょう。
おわりに
ドアノブの調子が悪いときには、緩んだネジを締めるなど、ご自身で修理できるケースも多いです。しかし、修理する自信がないときや専門家に任せたいときには修理会社を利用しましょう。このコラムでご紹介した費用相場はあくまでも参考です。不具合の原因やドアノブのタイプによって修理内容は異なるので、見積もりを確認してから修理依頼をするようにしてください。