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喪主のやることを時系列で確認!喪主のマナー・挨拶のポイントもご紹介

喪主のやることを時系列で確認!喪主のマナー・挨拶のポイントもご紹介
セゾンのくらし大研究 編集部

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葬儀の代表役である「喪主」には、行うべきことがたくさんあります。ここでは、「そもそも喪主とは何か」「喪主の役割と、施主との違い」「喪主の決め方」「喪主を務める際のマナーと、挨拶のポイント」「喪主がやるべきこと・行うべきこと(日程順)」「喪主の負担を軽減するために、周りの人間ができること」を紹介していきます。

この記事を読んでわかること

喪主とは、葬儀の代表者のことをいいます。喪主は葬儀全般を取り仕切る役目を担うため、だれがこれを務めるかの選定をきちんと行わなければなりません。ここでは「喪主」をキーワードに、喪主と施主との違いや、喪主の決め方、喪主を務める場合の挨拶や服装のマナーについて解説していきます。また数多くある喪主の「やるべきこと」も紹介します。喪主がやるべきことは非常にたくさんあるため、周りのサポートも非常に重要です。そのため、最後にはこの「周りが行うべきこと」も取り上げていきます。

お葬式サポート
お葬式サポート

喪主とは

喪主とは

「喪主のやること」について紹介する前に、「まず、そもそも喪主とは何か」について解説していきます。

喪主の役割

喪主とは、「葬儀の主催者」を指す言葉です。ご家族の代表として弔問客に挨拶をしたり、葬式に関するさまざまなことを決定したりするのが、喪主の役割です。

葬式の席において非常に重要な役目を果たすことになるのがこの「喪主」であり、葬儀会社のスタッフ(担当者)との打ち合わせも喪主が中心となって行っていくことになります。

施主との違い

この「喪主」と似た意味を持つ言葉として「施主」があります。現在はこの2つを、ひとりの人間が兼任することが多くなってきましたが、実はこの2つは明確に違うものです。

喪主はすでに述べた通り、残されたご家族の代表として葬儀全体を取り仕切る役目をいいます。対して施主とは、「葬儀に関係するお金を出す方」をいいます。

一般的な葬儀では、喪主=施主、となることが多いのですが、社葬の場合は「喪主は故人のご家族が務め、施主は会社が務める」といった形式を取ることになります。

また、「故人の妻が喪主を務める予定だったが、意気消沈しており、娘婿が喪主を行うことになった。ただし、葬儀の費用は故人の妻が支払う」などの場合は、一般的な葬儀であっても、喪主と施主を違う人物が務めることとなります。

喪主の決め方

喪主の決め方

喪主は、葬儀に関するあらゆることの最終決定権を持つことになるケースが多い立場です。ではこの「喪主」は、どのようにして決めるのでしょうか。それについて解説していきます。ではこの「喪主」は、どのようにして決めるのでしょうか。それについて解説していきます。

喪主は誰がやる?

喪主を務めるのは、原則として、「亡くなった方と、関係が近い親族」です。

配偶者がいれば配偶者が務めるのが一般的であり、子どもがいればその長子が務めるのが一般的です。

なお、「結婚をしておらず、子どももいない」という場合は、故人の兄弟姉妹のうちの年長者が務めることが多いといえます。不幸にして、未成年のお子さんが親御さんより先に旅立った場合は、親が喪主を務めます。

かつては、喪主は男性が務めるものとされてきました。しかし現在はこの考えは廃れつつあり、故人との関係性の深さが優先されるようになってきました。

また、「長男は家を出ていて、次男が故人と同居していた」という場合は次男が喪主を務めることもありますし、葬儀関係の仕事に就いている家族がいる場合はその方が喪主を務めることもあります。

喪主のさまざまなケース

どの葬儀でも基本的には喪主が選ばれますが、例外的に下記のような状況で行う葬儀もあります。

  • 喪主なし…血縁者がまったくない、あるいは死後の世話を親族に拒絶された場合がこれに該当します。基本的には、直葬という形で見送られます。
  • 複数喪主…「参列者の数が多く、ひとりで対応するのが難しい」などのケースでは、複数人の喪主が選ばれる場合もあります。
  • 血縁者以外…喪主は原則として故人の家族が務めますが、これは法律的な決まりに基づくものではありません。そのため、故人の遺志などによって、血縁者以外の方が喪主を務めることもあります。

喪主としてのマナーや挨拶のポイント

喪主としてのマナーや挨拶のポイント

ここからは、喪主を務める場合のマナーや、挨拶の基本について解説します。

服装

葬送儀礼において着用する服装として、「喪服」があります。喪服は以下の3つに分けられており、格が異なります。そして、参列者は親族以上の、親族は喪主以上の格の喪服を着用してはいけないと決められています。

  • 正喪服
  • 準喪服
  • 略喪服

喪主が着用できるのは、正喪服もしくは準喪服です。男性はモーニングコートあるいはブラックフォーマルを着用し、女性もブラックフォーマルを着用します。和装の場合は、染め抜き五つ紋の家紋が入った黒い和服を選びます。

マナー

喪主は、通夜や葬儀では一番初めに焼香や献花を行います。喪主のやり方を他の方も真似することになるので、焼香や献花のやり方をきちんと学んでおく必要があります。

また、通夜や葬儀の場では、焼香や献花を終えた方にお辞儀をして、その方々の弔問を受ける役目も担います。ただしこれは喪主に限らず、故人の家族全員が行います。

なお喪主は葬儀の代表者ではありますが、精進落としの席では末席に座ります。喪主は葬儀の打ち合わせや、弔問客への挨拶を行うのが仕事であるため、お茶出しなどは積極的には担当しません。ただしこのあたりは家族ごとに考え方に違いがあります。

挨拶

喪主のもっとも重要な役目のひとつとして、「挨拶」があります。一般葬で喪主が挨拶を行うシーンは、以下の通りです。

  1. 受付脇などで、弔問客に軽く挨拶をする
  2. 通夜の終了時の挨拶
  3. 通夜振る舞いのときの挨拶
  4. 葬儀・告別式後の挨拶
  5. 出棺時の挨拶
  6. 火葬終了後の挨拶
  7. 会食開始時の挨拶
  8. 会食後の挨拶

なお、5と6は省略されることもあります。

挨拶をするときは、挨拶文を暗記する必要はありません。原稿を手元に用意して読み上げる形で問題ありません。

喪主のやること

喪主のやること

ここからは、喪主がやるべきことについて解説していきます。喪主のやるべきことは非常に多くあるため、段階別に解説していきます。

亡くなった直後~葬儀準備

まずは、亡くなった直後~葬儀準備までにやることを紹介していきます。

死亡診断書の受け取りと提出

人が亡くなったら、まずは医師から死亡診断書あるいは死体検案書を受け取ります。死亡診断書も死体検案書も両方とも「人が亡くなったこと」を証明する書類ですが、後者は事件性がゼロではない場合に発行されます。

この死亡診断書あるいは死体検案書は、死亡後、7日以内に役場に提出しなければなりません。しかし喪主がこの提出までを行うことはほとんどありません。葬儀会社が代行してくれるからです。

葬儀社選び・依頼

家族の死を見送った後に、葬儀会社を決定します。現在は病院で亡くなる人が圧倒的に多いのですが、病院にご遺体をいつまでも置いておくことはできません。早めに葬儀会社を決定し、連絡を行いましょう。

葬儀社との打ち合わせ

葬儀会社との打ち合わせを行います。決めることは無数にありますが、この段階では、以下の項目などについて必要最低限のところまでを決めるだけで問題ありません。

  • 葬式の形式(直葬か家族葬か、それとも一般葬か)
  • 葬式の宗教および宗派(必要に応じて宗教団体に連絡をする)
  • 葬式の規模
  • 葬式の会場
  • 葬式の日程

遺影写真選び・遺品集めなど

遺影用の写真を選んだり、音楽を選んだり、棺に入れる品を探したりします。ただしこのあたりは喪主でなくても務められるため、他の方が行っても良いでしょう。

訃報連絡

訃報の連絡を行います。訃報の連絡は家族で手分けをして行うのが一般的です。近しい方には電話で直接連絡を取りますが、「故人の子どもの友人」などの場合は、SNSを使って一括で連絡をしても失礼には当たらないでしょう。

通夜・葬儀当日

ここからは、通夜~葬儀・告別式当日に喪主がやるべき行動について解説していきます。

葬儀会場や司会者との打ち合わせ

葬儀会社の担当者や、会場の司会者などと細かい打ち合わせを行います。例えば供花や供物をどこに置くのか、会食の席順はどうするのか、弔電は誰のものを披露するのかなどです。

また、遅くてもこの段階で、通夜振る舞いや会食などの食事の手配を行います。なお、葬儀に対する希望(特定の花を多く入れてほしいなど)があれば、できるだけ早い段階で葬儀会社の担当者に共有しておきます。

宗教者への挨拶

宗教者が葬儀会場についたら、挨拶に伺います。なお「お布施を渡すタイミング」は個々の事例で異なりますが、この段階で渡しても問題ありません。

参列者への挨拶

時間があれば、受付の横や親族控え室などで参列者に挨拶を行います。一般葬の場合は参列者の数も多くなることが予想されるので、挨拶は簡潔にした方が良いでしょう。

式での喪主挨拶

通夜や葬儀・告別式で、家族代表として挨拶を行います。挨拶にかける時間は3分程度が目安です。

  • 足を運んでくれたことへの感謝
  • 故人のエピソード
  • 故人が旅立った後でも、変わらない付き合いをしてほしい
  • (必要に応じて)次の行動の案内で構成します。

なお会食時の挨拶は、開始時と終了時で異なります。

<開始時>

  • 滞りなく式を進められたことの礼
  • 粗宴を用意した
  • 故人の話を聞かせてほしい

<終了時>

  • 時間が来たこと
  • これからも変わらないお付き合いをお願いしたい
  • これで終了とする
  • (決まっていれば)追悼行事の案内

などで構成します。

不祝儀の受け取り

一般葬の場合、受付は喪主ではない方が務めます。不祝儀は受付の方が管理してくれているので、タイミングを見てそれを受け取りましょう。

火葬や納骨

火葬場に行き、最後のお別れを行います。火葬後に収骨を行いますが、骨壺は喪主が持って帰るのが一般的です。

葬儀後

喪主の仕事は、葬儀が終わってもまだ続きます。ここからは、葬儀が終わった後に喪主が行うべきことについて解説していきます。

なおここでは便宜上「喪主」としていますが、葬儀後のやるべきことについては実際には喪主と家族が話し合って決定・実行していくことが多いといえます。

遺骨の弔い方を決める

「遺骨をどうするか」を決めます。先祖代々受け継がれているお墓があればそこに入れるのが第一の選択肢となりますが、故人の希望や家族の考え方によって、樹木葬や海洋葬を選んでも良いでしょう。

葬儀後の各種手続き

葬儀後に行うべきことは、非常に多くあります。年金受給停止の手続きや健康保険の停止、公共料金の停止や携帯電話の解約、サブスクの契約解除など、さまざまな「行うべき手続き」が発生します。

追悼行事の準備

四十九日法要などに代表される、追悼行事の準備を行います。宗教・宗派に則って手配するのが一般的ですが、現在は省略するケースもあります。

喪主や遺族の負担を少なくするためにできること

上記で紹介してきたように、喪主が行うべき行動はたくさんあります。喪主の負担を軽減するためには、周囲の人が「できること(遺影選びや書類手続きなど)」を積極的に行う必要があるでしょう。

また、事前にある程度準備をしておくことで、喪主の負担は軽減できます。例えば、葬儀会社を事前に選んでおいたり、かかる費用を算出しておいたりするのも、そのような事前準備に含まれます。

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おわりに 

喪主は葬儀の責任を担う立場にあり、やらなければならないことも無数にあります。大切な家族を失った混乱のなかでこれらの行動を的確にとるのは、かなり大変です。

そのため周囲の方は喪主のサポートに当たらなければなりませんし、事前に準備をするなどして負担の軽減に努めることが重要です。

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