家賃の支払い方法は主に4種類あります。「それぞれの違いがわからない」「家賃を滞納したらどうなってしまうのか」と疑問に感じている方のために比較してポイント、注意点を確認するとともに、近年利用されることが多い「家賃(賃貸)債務保証会社」の概要も解説します。さらに、クレジットカード払いで年間どれくらいお得になるかの試算も解説しているため、参考にしてください。
家賃の支払い方法は、「現金手渡し」「クレジットカード払い」「指定口座への振り込み」「口座からの自動引き落とし」の4つです。口座からの自動引き落としが一般的ですが、お得にポイントを貯められるクレジットカード払いも増えています。家賃債務保証会社を利用すると連帯保証人をつけずに、マンション・アパートに住める場合も。家賃の滞納は、訴訟リスクを伴うため普段から家計の収支バランスを保ちましょう。
家賃の支払い方法4つ
新たに賃貸借契約を結び、マンションやアパートに住む際には、毎月家賃の支払いが必要です。家賃の支払い方法は以下の4つがあります。それぞれ支払いのやり方とおすすめのポイント、注意点を解説しましょう。
- 現金手渡し
- クレジットカード払い
- 指定口座への振り込み
- 口座からの自動引き落とし
現金の手渡し
現金の手渡しは、現金をオーナーである大家に直接渡すことです。現金を入れる封筒などを用意し、表面に「◯◯マンション △△△号室 □月分家賃 在中」、裏面に「賃借人氏名」を書いて手渡すと丁寧でしょう。また、支払ったことを証明するために領収書を受け取っておくと安心です。
預金口座から現金を引き出す際に手数料がかかる場合があるものの、振り込み手数料がかからないメリットがあります。しかしながら毎月オーナーとスケジュールを調整して直接会う必要があり、また封筒の準備も手間になることから、昨今ではあまり利用されていない方法です。
クレジットカード払い
クレジットカード払いは、その名のとおり、クレジットカードで支払う方法です。毎月決まった日に家賃がクレジットカード決済され、クレジットカード会社指定の引き落とし日に指定口座から家賃分が引き落とされます。
毎月自動請求になるため引き落とし用の口座に残高さえあれば、手間がかかりません。この点は「口座からの自動引き落とし」と同様ですが、さらにクレジットカードの決済時にポイントを貯められるメリットもあります。クレジットカード会社のポイント還元によって、貯めたポイントで商品への交換や買い物などを楽しむこともできるでしょう。
指定口座への振り込み
オーナーや不動産管理会社が指定する口座へ振り込む方法です。入居者が同じ金融機関の口座を開設している場合は振り込み手数料がかからないケースもありますが、そうでない場合は振り込み手数料がかかることが一般的です。また、一度に振り込む家賃額が高くなるほど、振り込み手数料も高くなる場合もあるでしょう。
一方で「毎月25日までに振り込む」と日付を指定されたとしても、その日付にさえ間に合えば振り込みのタイミングはご自身で調整できる点がメリットといえます。
口座からの自動引き落とし
ご自身の口座から、自動で引き落とされる方法です。毎月決まった日に家賃の引き落としが行われるため、口座残高へ準備しておけば手間がかかりません。また、一般的に振り込みより手数料が安くなるというメリットもあります。
しかしオーナーや不動産管理会社から金融機関の指定があれば、口座を開設しなければならないケースがある点に注意しましょう。加えて、自動引き落としの申し込み手続きをする必要もあります。
基本的に支払い方法は選べない
それぞれ家賃の支払い方法はメリット・デメリットがあるものの、入居者が4つの支払い方法から自由に選べるわけではありません。原則としてオーナーや不動産管理会社が支払い方法を指定します。
ただ、物件によっては複数の支払い方法から選べる場合もありますが、入居者の希望どおりではない可能性もあるでしょう。どうしてもオーナーや不動産管理会社指定の支払い方法が難しい場合は、一度相談しても良いかもしれません。
自動引き落としの注意点
昨今ではクレジットカード払いが増えていますが、一般的には口座からの自動引き落としが多くなっています。ただ、自動引き落としにはいくつか注意点もあるため、解説します。
いつ引き落とされる?
自動引き落としの日付は、オーナーや不動産管理会社から指定されることが一般的です。引き落とし日の前日までに、口座に家賃分以上の残高を準備しておく必要があります。引き落とし日当日に、口座へ入金したとしても間に合わない可能性が高いでしょう。
口座残高が足りないと?
もし、引き落とし日に口座残高が家賃分を下回っていると引き落としできず、「不動産管理会社からの連絡」や「(日付をあらためて)再引き落とし」といった対応をされるでしょう。
家賃(賃貸)債務保証会社とは
最近では賃貸借契約時に「家賃債務保証会社」への加入を求められることがあります。家賃債務保証会社とは、借主が期日までに家賃を支払えなかった場合に、家賃債務保証会社が家賃を立て替えてオーナーや不動産管理会社に支払うサービスを展開しています。
家賃債務保証会社のメリット
最大のメリットは、連帯保証人がいなくても賃貸借契約が締結できる点です。以前は「連帯保証人になってくれる方がいない」といった理由で入居を断られるケースがありました。
しかし家賃債務保証会社を利用すれば、オーナーは安心して家賃を回収できるため、連帯保証人がいなくとも賃貸借契約を結べる可能性が高くなります。ただし、賃貸物件によっては家賃債務保証会社と連帯保証人の両方を求められるケースもあるでしょう。
家賃債務保証会社の注意点
一方で、入居者は家賃債務保証会社に保証料(保証委託料)を支払う必要があります。保証料は家賃債務保証会社やサービスによって異なりますが、初年度で家賃の0.5〜1ヵ月分が目安です。
また家賃を滞納した場合、家賃債務保証会社が一時的に立て替えてくれるものの、家賃が免除されるわけではありません。入居者はその家賃を家賃債務保証会社に返さなければならない点にも注意しましょう。
家賃債務保証への加入を求められるケース
では、どのような場合に家賃債務保証会社の利用を求められるのか、いくつかケースを紹介します。
- 入居者の勤め先がベンチャー企業・零細企業、また自営業者で収入が不安定であると判断されるケース
- 入居者の信用情報に傷があるケース
- シェアハウスなどの目的で住むケース
入居者の収入が不安定だとオーナーは家賃回収にリスクを感じやすいため、家賃債務保証会社への加入を求めることがあります。また、入居者自身が過去に「ローンの支払いを滞納した」など信用情報に傷がある場合もリスクを懸念されるでしょう。
一方、複数名が同居するシェアハウスなどで住む場合も「途中で何人か出て行って、家賃が支払えなくなる」といった懸念から加入を求められることがあります。
クレジットカードで家賃を支払うとどれくらいお得?
実は4つの支払い方法で、最もお得になる可能性が高いのは「クレジットカード払い」です。実際にどのくらいお得になるのか、解説します。
【家賃をセゾンカードで支払った場合】
- 家賃100,000円
- 1,000円につき「永久不滅ポイント」1ポイント
- セゾンカードへの新規入会特典1,600ポイント ※入会時によって異なる
初年度に貯まる永久不滅ポイントは2,800ポイント(100×12ヵ月+1,600)です。400ポイント=2,000円相当という換算率を踏まえると、なんと14,000円相当もお得になります。
さらに「セゾンの家賃保証」を利用して4年間住んだ場合も計算してみましょう。セゾンの家賃保証は連帯保証人の代行サービスです。家賃保証料と家賃は、セゾンカードで決済ができ、永久不滅ポイントが貯まります。
セゾンの家賃保証は、月額賃料等の40%が初回保証料として必要になります(※2年目以降は、次年度以降保証料10,000円。月額賃料等が 150,000円以上の場合 14,000 円)。
【4年間、上記の物件に住み続けた場合のポイント試算】
初年度:1,200(家賃)+40(初回保証料)+1,600(新規入会特典)
2〜4年目:{1,200(家賃)+10(次年度以降保証料)}×3年
合計:6,470ポイント
6,470ポイント、つまり32,350円相当もお得になる計算です。
さらに電気・ガス・水道・携帯といったインフラをすべてセゾンカードでまとめて支払えば、より効率的に永久不滅ポイントを貯められるでしょう。ちなみに、セゾンカード払いで貯まった永久不滅ポイントは家賃や保証料に充てることもできます。
セゾンカードをまだお持ちでない場合は「SAISON CARD Digital(セゾンカードデジタル)」がおすすめです。「SAISON CARD Digital」は国内初の完全ナンバーレスカードです。クレジットカード番号はスマホに直接届けられ、プラスチックのカードにはクレジットカード番号が記されていません。
また、最短5分で手続きも完了するので、これからセゾンカードを利用したいという方はSAISON CARD Digitalがおすすめです。
SAISON CARD Digitalについて詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
家賃の支払いを滞納し続けるとどうなるか
もし家賃の支払いに遅れたり、滞納を続けていたりするとどのようなペナルティを受けるか、流れに沿って解説します。
連帯保証人への請求
まず、賃貸借契約時に連帯保証人を立てていた場合は、連帯保証人に対して電話や郵便(内容証明郵便)が届きます。それでも入居者本人からの回収を見込めない場合は、連帯保証人に対して入居者が滞納している家賃の支払いが求められるでしょう。
明け渡し訴訟・強制退去
家賃を滞納し続けていると「明け渡し訴訟」を受けることになるでしょう。明け渡し訴訟とは、家賃未払いの入居者は物件を不法占拠していることになるため、物件の明け渡しを求めて訴訟を起こすものです。
この請求が認められれば、裁判所から明け渡しを命じられます。それでも退去しない場合は、明け渡しの強制執行を申し立てられて「強制退去(強制的な開錠・鍵交換・荷物の搬出)」させられるでしょう。
信用情報への傷
CICに加盟している家賃保証会社で滞納した場合には、家賃を滞納するとCICやJICCなどで事故情報が登録され、車購入、クレジットカード発行時の審査に悪影響を及ぼす可能性があります。
CICでは、事故情報の登録が滞納解消から5年以内続くため、私生活に影響を及ぼすことになるでしょう。なお、連帯保証人については、借主本人の滞納に関係なく、信用情報に傷がつくことはありません。
訴訟リスク
もし「家賃を滞納したまま引っ越す」など強硬手段を取った場合、損害賠償請求など訴訟を起こされるかもしれません。そのまま家賃を踏み倒すことは不可能に近いため、普段から家計の収支バランスを保ち、収入に合わない高い家賃の物件に住まないなどして、滞納しないようにしましょう。
おわりに
家賃の支払い方法は4種類あり、「口座からの自動引き落とし」や「クレジットカード払い」が主流となっています。クレジットカードで貯められるポイントを活用することで、よりお得に新生活をスタートできるでしょう。