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墓石の修理が必要なのはどんなとき?依頼先から目安費用まで徹底解説

墓石の修理が必要なのはどんなとき?依頼先から目安費用まで徹底解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

当記事をお読みの皆様の中には、ご自分が継承者となっているお墓の墓石が経年劣化・破損のため修理が必要だとか、本格的な修理とまではいかなくともそろそろメンテナンスが必要だとお考えの方も少なくないことでしょう。あるいは、仕事や家事などで多忙だったり遠方にお住まいのため、こまめなお墓参りができず、お墓を不良債権とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。当記事が、そうした方たちがご自分にとっての最適解を見出せる助けになれば幸いです。

この記事を読んでわかること

墓石も、経年劣化や災害などによる破損によって修理やメンテナンスが必要になることがあります。具体的には、例えば彫刻文字の色あせや墓石本体のひび割れや欠け、目地割れ、墓石の傾きや倒壊(の兆し)などです。こうした墓石劣化による事故やトラブルを防ぐために劣化の早期発見と適切で迅速な処置が求められますが、具体的には石材店などプロによる修理や定期的メンテナンス、定期的なお墓参り(お墓参り代行業者利用も含む)による劣化の確認、倒れにくいタイプの墓石への建て替えなどが有効です。また、墓じまいや散骨など自然葬は、こうした墓石関連の事故を根本からなくすという点でも有意義な選択です。

お墓探しサポート
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墓石の修理が必要なケースとおおよその費用

墓石の修理が必要なケースとおおよその費用

墓石といえば、いわゆる「死者の宿る場所」「終の住処」などのイメージと結びつきやすく、また石は長持ちする素材であることから“永遠”のイメージと親和性がありますが、実際には台風や雨、地震などといった自然の力によって損壊することがあります。

なお、墓石の損傷リスクとして多い自然現象・災害は国や地域によって異なりますが、今回は日本国内のケースを前提とします。

墓石の破損は小さく目立たないと気にされず放置されがちですが、放置しておくと亀裂が大きくなったり墓石が倒れるなどして修理が難しくなったり、時と場合によっては法的責任を追及されてしまったりするケースもあります。

その際に、まずどのような場合にどのような修理が必要なのか、おおよその費用も含めて見ていきましょう。

彫刻文字の色あせ 

経年劣化のために墓石に刻んだ色付き彫刻文字が色あせることがあります。

墓石の損傷や損壊というには若干軽微であり、従って後述の墓石の明らかな劣化・破損とは異なりすぐに大きな損壊には直結しません。

彫刻文字の色あせは即大きな損壊に結びつくわけではありませんが、墓が古びて見えてしまう一因となり、管理が行き届いていないのではないかというイメージを与えかねません。

費用

墓石の彫刻文字の色あせの修理(はげてしまったペンキの残りを抜き、新しく色を入れ直す)を専門会社に依頼する場合、10,000〜30,000円が一般的な目安です。

なお、色あせの修理を行うのが墓石のメインの一面だけなのか、側面や墓誌なども含むかによって金額に差が出るので注意が必要です。

また、文字部分のみを修繕すると墓石全体の汚れが目立ってしまうことから墓石クリーニングもおすすめされるケースもありますので、それも含めるともちろん金額もより上がることも忘れてはいけません。

そしてこれは、宗教的な信条も含めた個々人の価値観に基づくものですので一律におすすめはできませんが、もし彫刻文字に色を入れることに特にこだわりがなければ、今後の手間を省くためにも残存するペンキを抜くのみの修理をおすすめします。

ちなみに、近年では色あせ修理や墓石クリーニングをある程度ならご自分で行えるよう、墓石用ペンキも含めた墓石用DIY用品がホームセンターなどでも取り扱われていますので、ご自分でやる場合には、費用はそうした必要な道具などの代金程度です。

墓石のひび割れや欠け

墓石のひび割れや欠け

墓石の破損の中でもよく起こりがちなのが、ひび割れや欠けです。こうした墓石のひび割れ・欠けが起きてしまう理由について説明します。

現在日本で墓石として特によく使われる石材のひとつに、花崗岩(かこうがん)があります。この花崗岩は雨などで表面から浸透した水が凍った際、膨張してひび割れしたり欠けたりする性質があります。

花崗岩を構成している物質は化学的に変質してきめの粗い破片になるので、より劣化が進みやすくなります。

なお、こうした雨水の浸透・浸食から亀裂ができることが墓石のひび割れや欠けの原因であるケースは多いですが、花崗岩以外の石材でもこうしたひび割れや欠けは起こり得るので注意が必要です。

こうしたひび割れや欠けを放置してしまうと、先述のように墓石の劣化が進んでしまい、結果的に修理費用がより高額になるおそれがあります。

費用

こうした墓石のひび割れや欠けに対しては、一般にコーキング(シーリングともいいます)材という補修剤・接着剤のひとつであるシリコン系コーキング材(シリコンコークともいいます)を使って補修します。

コーキング修理の際にかかる費用は、約30,000円〜50,000円程度ですが、より大きなひび割れや欠けがあったりすると、場合によっては墓石本体を新しいものに建て替える必要があるため、お金もより多くかかってしまうことを覚えておきましょう。

目地割れ

目地割れもありがちな墓石損傷例です。目地割れとは積み重ねられた墓石と墓石のつなぎ目(目地)の破損のことであり、季節の移り変わりによる気温の変化に長年さらされてきたことや、地震などによって起こります。

なお余談ですが、前近代〜近代の極めて初頭頃までは石材の加工技術が今ほど発達していなかったこともあり、特に庶民階級の人々の墓石は一枚岩を加工した、現在の日本でよくみられるいわゆる縦型墓石に比べて大幅に背丈が低いものが一般的であったので目地割れは起こりもしませんでした。その意味では、この目地割れ問題は近現代ならではの問題といえるでしょう。

目地割れ部分からは、雨水が侵入してカビやシミなどの原因になってしまう上に先述のような気温の変化による石材の収縮を助長し、墓石の劣化を早めてしまうリスクがあります。

また、後述のように地震による墓石のずれや倒壊の危険を高めてしまいますので、早期発見と迅速な修理が求められます。

費用

目地割れの修理にはだいたいどれほどの費用がかかるのでしょうか。基本的には30,000円〜50,000円程度が相場です。

なお、後述のように墓石の軽微なずれを直す場合には、その中に目地割れの修理費用も含まれます。

墓石がズレる

墓石がずれてしまうのも、軽微なケースも入れるとよくある例です。地震が原因で起こりやすいタイプの破損であり、目地が切れることで墓石がずれてしまいます。

目地割れを放置していると、あまり大きくない地震でも目地の切れによる墓石のずれが起きやすくなるので注意が必要です。墓石のずれを軽微だからといって放置すると、墓石が倒れることも充分あり得るので迅速に対処しましょう。

費用

ずれの程度により金額に差があり、基本的に30,000円〜100,000円程度かかります(これには先述のように、目地割れの修理費用も含みます)。

また、ずれの程度がはなはだしい場合には通常のずれの直し方では元に戻らないため、墓石自体の積み直しが必要になってきます。

その場合には300,000円前後というまとまった金額が相場になってしまいますので、普段から目地割れの兆候には注意が必要です。

墓石の傾き

雨水の浸食による地盤沈下や地震、土砂崩れなど災害が原因で起こりやすく、そうした地盤に関わるトラブルによる基礎に当たる土台の傾きが直接の原因であるケースがよく報告されます。

時には、墓地や霊園に植えてある植栽の木(あるいは、特にいわゆるみなし墓地(墓地埋葬法が施行される前に作られた、霊園や寺院・教会などに正式に属さない墓地)で山林間にある程度以上古い時代からある墓地の場合には、自然の木)の根が影響している場合もありますので、よく注意して判断しましょう。

なおこれも放置すると、墓石が倒れることがありますので早期の適切な処置が求められます。

 費用

傾きをきちんと安全に直すには、既存の墓石とお墓の基礎部分を一時撤去して地盤改良工事を行い、その後新たにお墓の基礎工事を行う必要があるので100万円〜200万円程度が相場になります。

墓石が倒れる

台風や地震などのために、墓石が倒れるケースもあります。特に、現代日本で一般的な縦型の墓は風や地震の揺れに対して脆弱性が高いので、そうした地震や強風の多発しがちな日本には、どちらかといえばむしろ「適さない」タイプであるともいえます。

実際、このタイプのいわゆる和型墓石は先述のように近代に入ってから一般化したいわゆる「作られた伝統」というべきものであり、もっというと近年では新しく墓石を建てる際にはより地震や風に強い洋型墓石が好まれるようになってきています。

また、墓石が倒れた際に隣の墓石を壊してしまうこともあります。これは特に他の家の墓と隣り合わせの場合には重要な問題であり、例えば軽微な地震、あるいはそうした原因も考えられない単なる極端な劣化で倒れた場合には、その倒れた墓石の継承者が管理・修理不行き届きで法的責任を問われる場合もあります。

費用

こうした墓石の倒壊の場合、程度により差は出ますが修理・積み直しには重機が必要になることもあり、基本的に300,000円〜100万円程度かかります。

なお、倒壊した際の墓石本体の破損の修理費もこの中に含まれます。

墓石の修理はどこに依頼する?

墓石の修理はどこに依頼する?

墓石の修理は、街の石材店に依頼するのが一般的です。なお皆様の中には、いわゆるDIYの腕に自信があるので是非ご自分でやってしまおうとお思いの方もいらっしゃることでしょう。

セルフでも修理はできなくはないですが、やはり特殊な技術を必要としますので応急処置程度にとどまってしまうことは免れないでしょう。

従って、プロにお願いする方が長い目で見ても安上がりであり、よりおすすめできる方法です。

墓石修理の一般的な流れ 

墓石修理の一般的な流れ 

では石材店にお願いして墓石を修理する際の一般的な流れは、どのようなものになるのでしょうか。

石材店に連絡

まず石材店に修理の依頼をするため連絡を入れましょう。基本的には、当該のお墓を立ててくれた石材店がおすすめです。

しかし、かなり昔の墓石であったりするため、どこの石材店に立ててもらったかわからない場合もよくあります(場合によっては、前近代に建てられた墓石を補修しなければならないケースもあります)。そうした場合は、とりあえずご近所の石材店に連絡するのが無難です。

見積もりを出してもらう

石材店に連絡をしたら、正式な依頼の前にまず見積もりを出してもらいましょう。墓石はそもそも特殊なものですので、素人というか墓石業界未経験者ではわからない場所が壊れている場合もありがちです。

そのため、どの部分を直す必要があり、それにはどれくらいの費用がかかるのかを把握するための重要な工程である見積もりは大切です。なお、この工程をきちんと踏むことには墓石の壊れている部分だけでなく、墓石全体の今現在の状況を把握して今後のメンテナンス計画の参考にできるというメリットもあります。

しかし、石材店の中には残念ながら悪徳業者も存在しますので、もし見積もりで先述の相場よりも明らかに高い価格になった場合は、他の石材店からも見積もりをもらって比較することをおすすめします。

施工

見積もりの金額と墓石修理の具体的な内容に納得できてきちんと契約を交わしたら、いよいよ施工開始です。なお、場合によっては立ち合いが必要なこともありますので注意しましょう。

また、仏式供養を行なっている場合は、こうした墓石いじりの際は「御魂抜き(閉眼・閉魂法要、根性抜きなどともいいます)」という法要が必要であり、無事修理が終わった際には「開眼法要」を行うことになります。

墓石の破損リスクをできるだけ軽減するコツは?

墓石の破損リスクをできるだけ軽減するコツは?

墓石の大がかりな修理は、手間も費用もかかりますのでできればあまりしないで済ませたいものです。

では、できるだけそうした大がかりな修理をせずに済ませるために、破損リスクを軽減する工夫はできるのでしょうか。

こまめなお墓参り

いわゆる管理者がいる霊園や寺院・教会などの墓地であっても、個々のお墓の微妙な破損までは手が回らないのが現状です。

そのため、お墓の継承者の方がこまめに墓参りに行き、衛生状態の悪化防止も兼ねて掃除などをすることが求められます。

こうした定期的な墓参りによっていわば「現場視察」をすることにより、墓石の破損を早期発見できれば、より安価で修理を済ませることもでき、事故やトラブルの発生を未然に防ぐことにもつながります。

とはいえ、実際には仕事や家事などで多忙であったり、あるいは遠方にお住まいだったりしてご自分ではこまめなお参りができない方も少なくありません。そんな場合には、「くらしのセゾン お墓参り・お墓掃除代行サービス」を利用するのもひとつの打開策です。年2回〜4回のお得な定期プランや写真付き報告書などがあるので、ご自分での定期的な墓参りが困難な方には大いに助けになることでしょう。

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プロによる定期的なメンテナンス

専門会社による定期的なサービスといえば、石材店に定期的なメンテナンスをお願いするのもおすすめです。

各石材店では、墓石のコーティングや免震材、免震・耐震施工を行なっています。そうしたメニューを利用することで、破損リスクを少しでも軽減することができます。

また、石材店の中には保証を付けているケースや、お墓に対する地震保険を扱っているケースもあるので、必要に応じてそれらも利用してみる価値はあります。

倒れにくいタイプの墓石への建て替え・より安全なエリアへのお墓の引っ越し

先述のように、いわゆる和型の墓石は地震や台風など日本で多い自然災害に大してより脆弱であり、それは近年の和型墓石離れの大きな理由のひとつにもなっています。

こうしたことを考えると、ある程度以上のお金がかかるので安易におすすめはできませんが、洋型墓石や一枚岩タイプなどのような、より倒れにくいタイプの墓石への建て替えも選択肢に入れてはいかがでしょうか。

また、これも安易におすすめできない対策ですが、各自治体のハザードマップで洪水・津波・土砂災害などの危険が高いとされるエリアにお墓がある場合には、より安全なエリアへのお墓の引っ越しを視野に入れておくのも悪くありません。

メンテナンスしやすい墓を探すには?

メンテナンスしやすい墓を探すには?

ところで、よりメンテナンスしやすいタイプ、あるいは倒れにくいタイプのお墓やより災害に強いエリアのお墓はどのように探せば良いのでしょうか。実はそうしたお墓探しのプロの方々がいます。「セゾンの相続 お墓探しサポート」では、経験豊富な提携専門家のご紹介が可能です。

メンテナンスしやすく、免震・耐震施工されて破損にも備えやすいお墓は次々と準備されています。その中から、皆様ご自身やご親族にマッチするお墓が見つかれば幸いです。

セゾンの相続 お墓探しサポートの詳細はこちら

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おわりに 

個々人の思想信条は全くさまざまなので一概におすすめはできませんが、墓石の損傷・損壊をめぐる事件・事故やトラブルを根本的に防ぐ方法があります。それは、墓じまいをして遺骨を散骨などのいわゆる自然葬で供養することです。この墓じまいや散骨その他の自然葬についても、もし希望される場合には、「セゾンの相続」で墓じまいや自然葬に強い葬儀社をお探しになることをおすすめします。

<参考文献>

加藤長『令和の葬送 戒名はいらない!』同時代社、2019

R.F.シムス、舟木嘉浩日本語版監修、大英自然史博物館協力『「知」のビジュアル百科1 岩石・鉱物図鑑』あすなろ書房、2004

主婦の友社編『お墓の建て方・祀り方、墓じまいまで』主婦の友社、2021

大野屋テレホンセンター監修『小さな葬儀とお墓選び・墓じまい』自由国民社、2020

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