世間を震撼させる強盗事件が後を絶ちません。「明日は我が身」と不安に思っている方もいるでしょう。強盗被害に遭わないようにするには、対策が必要です。
本コラムでは、強盗の基礎知識から強盗犯の標的になりやすい家の特徴、具体的な防犯対策を紹介しています。強盗被害を案じている方だけでなく、家の防犯力を向上したい方にも役立つ情報が満載です。ご自身や家族の安全を守るためにも、今日から防犯対策を始めませんか?
この記事を読んでわかること
強盗とは脅迫や暴行によって他人の動きを抑え、金品を奪い取る犯罪です。住居に侵入し、家主を脅して金品を奪う行為は住居強盗になります。
強盗犯は犯行に及ぶ前に「侵入しやすい家かどうか」を下調べしています。無施錠だったり、人目に付きにくかったりする家は強盗犯から狙われやすいです。
強盗被害を防ぐには家の防犯対策が欠かせません。補助錠を付ける・窓ガラスに防犯シートを貼る・防犯カメラを設置するといった対策を講じましょう。また、ホームセキュリティの導入も有効です。
強盗の基礎知識
まずは、強盗についての知識を深めていきましょう。
強盗とは?泥棒との違い
強盗とは脅迫や暴行によって他人の動きを抑え、金品を奪い取る犯罪です。「泥棒」と混同しやすいですが、強盗とイコールではありません。強盗は住居に侵入し家主を脅して金品を奪う住居強盗だけでなく、路上強盗・コンビニ強盗・タクシー強盗といった犯罪も該当します。
一方、泥棒は住居に侵入して金品を奪う行為の総称です。一言で泥棒といっても、次の3つの種類に区別されています。
【泥棒の種類】
種類 | 内容 |
空き巣 | 家主が不在の住宅に侵入し、金品を奪う |
居空き | 在宅の家に侵入し、家主の目を盗んで金品を奪う |
忍び込み | 夜間に家主が就寝しているのを見計らって住宅に侵入し金品を奪う |
住居に侵入し、居合わせた家主を脅して金品を強奪する行為は「侵入強盗」に該当します。今回は、住居への侵入強盗にスポットを当ててみましょう。
強盗犯は下調べしている
強盗犯は無作為にターゲットを決めているわけではありません。犯行の発覚リスクを下げるために、あらかじめ住宅環境や周囲を下調べしています。
【強盗犯が事前確認するポイント】
- 住宅の施錠状況
- 侵入・逃走経路
- 住宅周辺の人通り
- 生活パターン・家族構成 など
下調べの結果、狙いやすい家を決めたら、強盗犯は該当する住宅の表札や電気メーターなどにマーキング(印)を残していくことがあります。
強盗の被害に遭いやすい時間帯がある
続いて、強盗の被害に遭いやすい時間帯を知っておきましょう。警視庁がまとめた2021年の「犯罪 発生時間」の資料を基に、強盗(強盗殺人や強盗傷人を含む)が発生した時間帯をグラフにまとめました。
結果を見ると、強盗は夕方から明け方にかけての犯行が多いことがわかります。
強盗に狙われる家・狙われない家の特徴
次に、強盗に狙われる家と狙われない家の特徴をお伝えします。
強盗に狙われる家の特徴
強盗犯が目をつけやすい家の特徴は以下のとおりです。
【強盗犯に狙われる家の特徴】
- 防犯対策が充分でない
- 人目につきにくい(死角が多い・人通りが少ないなど)
- 逃走しやすい
- 高齢者や女性のひとり暮らし
- 高級品を購入しているなど
強盗犯は下調べの時点で施錠状態や防犯対策がどうなっているか確認しています。対策が甘ければ、必然的に「強盗しやすい家」と認識されてしまうでしょう。また、高い塀があったり、人通りが少なかったりと、敷地内が人目に付きにくい住宅も標的になりかねません。
また、最近では高級品を購入した顧客情報が闇ルートで出回り、強盗犯のターゲットにされるケースもあるようです。
強盗に狙われにくい家の特徴
一方、強盗犯が警戒する家には次のような特徴があります。
【強盗犯に狙われにくい家の特徴】
- 防犯対策が万全
- 侵入に時間を要する
- 人目につきやすい(死角が少ない・人通りが多いなど)
- 男性の存在があるなど
「あの家の住人は高級品を購入した」と情報が出回っても、防犯対策が万全であれば強盗犯に狙われにくいでしょう。「なかなか窓を破れない」「隠れる場所がないから周囲から見られやすい」といった家も対象外になりやすいです。
強盗に対するおすすめの防犯対策
ここからは具体的な防犯対策を紹介します。
ドアの錠を2つにする
玄関や勝手口などのドアには鍵を2つ設置しましょう。というのも、ドアに鍵が複数付いていると侵入に時間を要するため、強盗犯が嫌がるのです。「もともとドアの鍵が1つしかない」という場合は補助錠を取り付けてみてください。
また、ドアとドア枠の隙間を埋めるガードプレートの設置もおすすめです。ガードプレートを設置しておけば、ドアとドア枠の間にバールなどを入れられないので鍵の破壊を防げます。
カメラ付きインターホンを設置する
カメラが付いたインターホンを設置すると、強盗犯は「自分の姿が映ってしまう」と警戒します。宅配や工事を装ってインターホンを鳴らし犯行に及ぶ手口もありますが、カメラがあることで予防になるでしょう。
インターホンのカメラに録画機能があれば、万が一強盗に侵入されても証拠の映像を残しておけるので、早期解決につながります。
補助錠を窓に設置する
ドアと同様に、窓にも補助錠を設置してください。もともと窓に付いている半円型のクレセント錠だけでは侵入されやすく、防犯効果が高いとはいえません。窓のサッシに補助錠があれば、クレセント錠と併用しましょう。
サッシに補助錠がない場合は工事不要で簡単に取り付けられる補助錠がホームセンターなどで販売されているので、設置を検討してみてください。
防犯砂利を活用する
踏むと大きな音が出る防犯砂利。その音量は掃除機に匹敵するほどです。つまり、防犯砂利を家の周りに敷き詰めておけば、不審者が敷地内に足を踏み入れたときに大きな音が発生するのです。強盗犯は「目立つ行為を避けたい」という心理が働くため、犯行を諦める要素となるでしょう。
窓ガラスに防犯シートを貼る
窓からの侵入防止にガラスの内側に防犯シート(防犯フィルム)を貼り付けるのも有効です。防犯シートを貼っておけば、金属バットで叩き割ろうとしてもなかなか破れません。かなりの力で強打すれば割れることもありますが、大きな音が響いて目立ってしまいます。
防犯シートと併せて窓に警報機を設置すると、さらなる対策強化になります。例え窓ガラスが破られたとしても、警報機のセンサーが異常を感知して大きな警報音を鳴らすため、近隣住民に「強盗が入った」と気づいてもらいやすいのもメリットです。
光るセンサーライトを設置する
玄関や庭に人の動きを感知するセンサーライトを設置するのも良いでしょう。夜間で人目につきにくい状況であっても、センサーライトがパッと明るく照らせば不審者の侵入に気づきやすくなります。
さらに、センサーライトが設置してあると、強盗犯に「この家は防犯意識が高い」と印象づけられます。センサーライトは強盗を牽制する意味合いとしても効果を発揮するでしょう。
宅配は宅配ボックスを活用する
宅配された荷物の受け取りは直接対応するのではなく、宅配ボックスを活用してください。前述のとおり、強盗の手口で宅配を装って家に押し入るケースがあります。特にひとり暮らしの女性や高齢者は不用意にドアを開けるのは好ましくありません。
そこで、宅配ボックスを設置し、荷物が届いたときはインターホン越しに「宅配ボックスに入れてください」と伝えましょう。このような対応で、強盗被害に遭うリスクを低減できます。
防犯カメラを設置する
強盗対策に防犯カメラの設置もおすすめです。強盗犯は画像や映像などで犯行の証拠が残ることを警戒するので、犯罪抑止に大いに役立ちます。本物でなくダミーの防犯カメラでも、強盗犯に「犯行は難しい」という印象を与えるでしょう。
家庭に防犯カメラを設置する際は、くらしのセゾンにお任せください。防犯カメラを購入して設置する他、月額4,840円(税込)からレンタル契約も可能です。不具合時の出張修理にも対応しています。くらしのセゾンで防犯カメラを設置し、安心できる暮らしを手に入れませんか。
庭で犬を飼う
警視庁が発表している情報によると、侵入を諦める要因に「犬を飼っていた」という理由を挙げる犯罪者も多いそうです。必ずしも犬が不審者に対して吠えるわけではありませんが、一定の防犯効果があると考えられます。番犬としておすすめなのは、ドーベルマンやジャーマン・シェパードといった忠誠心・警戒心が高い犬種です。
強盗犯に鉢合わせしてしまったときの対処法
いくら防犯対策をしていても、強盗被害に遭う可能性は捨てきれません。そのため、強盗犯に鉢合わせてしまったときの対処法も知っておきましょう。
抵抗しない
強盗犯に鉢合わせても、抵抗しないでください。大声を出したり暴れたりと強盗犯に抵抗すると、さらなる暴行を加えられかねません。最悪の場合、命が奪われることもあります。ご自身の身を守ることを最優先にし、強盗犯に抵抗するのは控えてください。
護身用グッズの扱いには注意が必要
強盗対策として、スタンガンや催涙スプレーといった護身用グッズを備えようと考える方もいるかもしれません。確かに、護身用グッズは強盗犯に対抗する手段になります。
しかし、使い慣れていないと使いこなすのが難しいだけでなく、強盗犯に奪われればかえってご自身の身を危険にさらすことになるのです。
護身用グッズの準備ばかりに注力するよりは住宅の防犯対策を強化するのが得策です。
帰宅時に異変を感じたらひとりでは家に入らない
「鍵をかけて外出したのに帰ってきたら開いている」「玄関の靴が散乱している」など、帰宅時に異変を感じたときは、ひとりで家に入らないでください。強盗犯と鉢合わせしてしまう危険性があります。家に入る前に近所の方や警察に相談し協力を仰ぎましょう。
ひとり暮らしの女性や高齢者は注意!
「女性や高齢者のひとり暮らしは強盗犯に狙われやすい」と紹介しました。強盗被害を防ぐために、女性や高齢者はさらなる対策をおすすめします。
女性のひとり暮らし対策
女性のひとり暮らしの場合、強盗犯に「女性だけで住んでいる」と悟られないようにするのが重要です。そこで、次の対策を講じてみてください。
- 洗濯物を室内干しにする(屋外に干すときは男性の衣類も一緒に干す)
- 女性らしいカーテンを選ばない
- 誰かが来たときはインターホンなどで姿を確認してから対応する
- 帰宅時に周囲に不審者がいないか確認してから家に入るなど
「女性のひとり暮らしではない」とアピールすると共に、常に警戒心を持って行動しましょう。
高齢者のひとり暮らし対策
高齢者が強盗犯に狙われやすい理由として、逃げやすさが挙げられます。強盗犯は体力が衰えがちな高齢者から「逃げきれるだろう」と高をくくっているのです。他にも、玄関を施錠していない・訪問者をよく確認せず対応するといった傾向があり、強盗犯がつけ入る隙が大きいのも要因でしょう。
そこで、ひとり暮らしの高齢者は以下の対策を行ってください。
- 施錠を徹底する
- 誰かが来たら身分を確認してから対応する
- 知らない番号からかかってくる電話はとらないなど
まずは、鍵をかける意識をしっかり持つことが重要です。また、誰かが家に来ても安直に対応せず、身分を確認してから対応しましょう。
防犯性を高めるためにホームセキュリティの導入の検討も!
より防犯対策を強固にしたければ、ホームセキュリティの導入をおすすめします。ホームセキュリティとは、家にセンサーやカメラを設置して安全を守ることを目的としたサービスです。ご自身でセンサーなどを設置して防犯力を高めるタイプと、ホームセキュリティ会社が監視して異常時に警備員が駆けつけるタイプの2パターンあります。
くらしのセゾンではホームセキュリティを提供しています。月額1,078円(税込)からと低価格で、防犯グッズが設置可能です。窓の締め忘れや異常を感知した際はスマホに通知が届くので、外出先でも手軽に確認できます。ご自宅の防犯力向上に、くらしのセゾンのホームセキュリティをご検討ください。
強盗の対策には日頃からの心がけが大切!
強盗の被害に遭わないためには、防犯対策はもちろん、日頃からの心がけも大切です。ついつい行ってしまう習慣や行動を見直し、防犯意識を高めましょう。
戸締まりは必ず行う
家の外に出る際は必ず鍵をかけてください。ゴミ捨てなど短時間の外出も例外ではありません。強盗犯は無施錠になるタイミングを見計らって侵入してくるので「ほんの数分だから」といった油断は禁物です。在宅時も鍵を開けたままにせず、施錠する習慣をつけましょう。
家の鍵はしっかり持ち歩く
家の合鍵をポストなどに入れたままにしていませんか?たとえ敷地内であっても、屋外に家の鍵を置いておくのは危険です。家の鍵はご自身でしっかり管理し、第三者が手に取る可能性がある場所に保管しないでください。
足場になるような物は外に置かない
庭に脚立やバケツなど、強盗犯の足場となり得る物は置かないようにしましょう。脚立を利用して、強盗が2階から侵入することも考えられます。脚立などはきちんとしまい、庭を整理しておくことが防犯につながります。
郵便物を溜めない
ポストに郵便物や新聞が溜まっていると、強盗犯に「留守にしています」とアピールしているようなものです。そのため、ポストに何か届いたら速やかに取っておきましょう。長期間不在になる場合は、郵便局に不在届を提出して配達をストップさせるという方法があります。新聞も配達停止の手続きが可能です。
近所との付き合いを多くする
近所の方と付き合いを密にしておくのも防犯につながります。というのも、強盗犯は連帯感のある地域を好まない傾向にあるためです。また、日頃から近所の方とコミュニケーションを取っていれば、いざというときにお互い助け合えるメリットもあります。
おわりに
凶悪な強盗から身を守るには防犯対策が必須です。強盗犯に狙われないように、防犯カメラの設置やホームセキュリティの導入も視野に入れ、家の防犯対策を強化しましょう。
ただ「家の防犯対策が万全だから」と油断するのは良くありません。行動にも意識を向け、強盗の被害を未然に防げるよう日頃の心がけも大切にしましょう。