ハウスクリーニングのなかでも、レンジフードはエアコンと並んで需要が高い清掃サービスです。キッチンの換気を担うレンジフードは、いったいどれぐらいの頻度で、どのように掃除すれば良いのでしょうか。
今回は家庭でできるレンジフードの簡単な掃除方法や、プロに依頼するメリットと注意点についてご紹介します。
レンジフードとは?
レンジフードの概要
レンジフードとは、厳密には換気扇を覆っているフード部分を指します。しかし、ハウスクリーニング業界では、フード部分だけでなく、内部のフィルターや換気扇を含めて、レンジフードということが多いようです。
レンジフードの種類
レンジフードの内部にある換気扇には主に2種類のタイプがあります。
・シロッコファン型
縦に細長い板の羽を円の周囲にぐるりと張り巡らせ、それを回転させることによって、キッチン内の汚れた空気を吸い込み、室外に排出します。
ファン型の換気扇は、一見するとタイヤのような形をしており、外側はレンジフードに覆われています。一般的にレンジフードといえば、このシロッコファンタイプを指すことが多いようです。
・プロペラ型
扇風機に似た羽を回転させることで、汚れた空気を外に排出します。キッチンなどの壁に直接つけられているものが多く、フードで覆われているものは少数派です。
レンジフードの汚れを放置するとどうなる?
レンジフードを汚れたままにしておくと、キッチン周りがベタベタになり、衛生的に問題があるほか、レンジフード内部の換気設備にも悪い影響が出てきます。レンジフードのメンテナンスを怠ったときによく見られるトラブル例を挙げてみました。
レンジフードの汚れを放置したときのトラブル例
・火災を引き起こすことも
レンジフードの汚れの原因は油とほこりです。掃除を怠ると、燃えやすいものがどんどんと付着していきます。
何年も掃除をせずに放置した場合、汚れた油汚れが固まって燃料のようになってしまい、調理の油から引火して火災が発生する恐れがあります。
・排煙力が低下する
レンジフード内に集められた汚れた空気を吸った換気扇には、油やほこりが付着します。長い間放置すると汚れがこびりついてしまい、ファンの回転が悪くなって排煙力が低下します。
換気扇があまり効かなくなったら、ファンの汚れが原因で換気効率が下がっている可能性があります。
・害虫が増える
汚れのせいで換気扇の動きが悪くなると、油を含んだ蒸気がうまく排出できません。そのため、キッチンの壁などに油汚れが付着してベタベタになってしまいます。
このベタベタは害虫の大好物です。コバエやゴキブリなどの害虫が臭いにつられて換気扇から室内に侵入してきます。
・故障しやすくなる
油汚れでファンの回転が悪くなると、モーターの軸に負担がかかります。負担が大きい場合は軸が歪んで、交換しなくてはならなくなることもあります。
換気扇の音がうるさくなったり、変な音がするようになったりしたら、モーターの軸にトラブルが発生している可能性がありますので、速やかに修理を依頼しましょう。
特に気を付けたいのが、汚れの付着によってファンのモーターが劣化し、高温となった内部から自然発火する場合です。油という可燃性の物質がこびりつくレンジフードは、火の手が回りやすい場所です。
万が一、コンロ周りでトラブルがあった場合でも火災のリスクにつながらないように、レンジフードをしっかり掃除しましょう。
拭き掃除は3日に1回、フィルター掃除は1ヵ月に1回
レンジフードの掃除はキッチンのなかでも、複雑な点が多く、掃除を億劫に感じている方も多いでしょう。「ベタベタしていて触りたくない」「どこを掃除したら良いのか分からない」といった声もよく聞かれます。
レンジフードの掃除は大きく分けて、3つの部分があります。
掃除する部分 | 掃除の頻度 | 難易度 |
フード | 毎日~3日に1回程度 | 難易度・低 換気扇を覆うフード部分を、中性洗剤やアルカリ性洗剤で拭き掃除します。 軽い汚れのうちに清掃することをなるべく日課にしましょう。 |
フィルター | 1ヵ月に1回程度 | 難易度・中 ファンの汚れを防ぐために取り付けられたフィルターを掃除します。 ファンに汚れが回らないように、フィルターに詰まった油汚れをキレイに取り除きます。 |
ファン | 1年に1回程度 | 難易度・高 ファン部分を外して、部品を分解し、一つひとつ丁寧に汚れを落とします。 |
フードを毎日、または3日に1回掃除するのが億劫という方は、フィルターの掃除に合わせて、月に1回は必ず掃除すると良いでしょう。
最も難しいのはファン部分の掃除です。自分自身でもできますが、電気器具を分解するため、ある程度の知識とコツが必要です。清掃の複雑さから、毎年1回程度の頻度で専門会社に依頼する方も多いようです。
レンジフードクリーニングを依頼できる専門会社と依頼するメリット・注意点は?
レンジフードの掃除を依頼できる専門会社の種類や専門会社に依頼するメリット・注意点について解説します。
レンジフードクリーニングを依頼できる専門会社
・ハウスクリーニング専門会社
ハウスクリーニング専門会社は、業務用の洗剤や掃除道具などを利用して、室内のあらゆる場所を掃除する専門会社です。床・壁・キッチン・風呂・トイレ・エアコンなど、室内のあらゆる箇所が対象範囲となり、レンジフードクリーニングにも対応しています。
・便利屋(家事代行)
便利屋(家事代行)とは、さまざまな用事を代行する事業者の総称です。便利屋が受ける仕事は、引っ越し手伝い、水回りの修理、空き家の管理、家事代行などさまざまで、レンジフードを含む室内の清掃も含まれます。
利用する道具や洗剤が異なるため、専門会社に比べると品質はやや低めですが、料金は安い傾向があります。なかにはクリーニングに特化した便利屋もあり、専門会社と同等の品質のクリーニングを提供しています。
専門会社に依頼するメリット
レンジフードクリーニングを専門会社に依頼するメリットとしては以下の7つが挙げられます。
・換気効率が向上して節約にもつながる
レンジフードクリーニングを行うことで、換気効率が向上します。少ない電力で換気ができるようになることから、電気代の節約につながります。
・汚れを残さずに徹底的に掃除してもらえる
専門会社に依頼した場合、フードやフィルターだけでなく、内部のファンまでしっかりとクリーニングしてもらえます。
「ファンの臭いが気になる」「ファンの音が大きくなった」などの症状がある場合は、ファンそのものに汚れが堆積している可能性が高いので、プロに徹底して掃除をしてもらうと良いでしょう。
・クリーニング中の故障の心配が少ない
レンジフードのなかのファンは電気製品です。あまり知識を持たずに適当に分解してしまうと、動かなくなったり、破損したりする恐れがあります。
組み立てや分解にあまり自信がない場合は、プロに依頼すると安心です。
・徹底的に清掃してもらうことでレンジフードが長持ちする
内部に蓄積した汚れを徹底的に除去してもらえるため、劣化を抑えることができるほか、機器への負荷が軽減するためレンジフードが長持ちします。
・レンジフードの種類を問わず掃除してもらえる
レンジフードの作りは、メーカーや商品によってさまざまです。なかには素人には難しい複雑な作りのものもあります。経験の豊富なプロであれば、ほとんどのメーカーのものに対応可能です。なお、海外製のものは対象外の場合があります。
・半年~1年程度は簡単な手入れだけで使い続けられる
レンジフードの使用頻度にもよりますが、一度徹底してプロに掃除してもらうと、その後1年は、日常の簡単なお掃除だけで快適に使用できます。
レンジフードを頻繁に使用する飲食店などの場合は、数ヵ月〜半年に一度、プロのメンテナンスを受けると良いでしょう。
・日々の清掃が楽になる
徹底的にクリーニングを行うと、日々の清掃は拭き掃除などで十分です。少しの手間でピカピカの状態を維持することができるようになります。
注意点
専門会社に依頼すると、やはり費用がかかります。会社探し、見積依頼、実施日に在宅の必要があるなど、手間がかかるのも注意点の一つです。また、繁忙期と重なると予約が取りづらく、費用も高くなる傾向があります。
ハウスクリーニングは、転勤・進学・就職などイベントがある3〜4月と、大掃除のシーズンである11〜12月が繁忙期になるため、このタイミングを外して依頼することをおすすめします。閑散期であれば、キャンペーンなどで費用が安くなっていることもあります。
レンジフードクリーニングの作業の流れと所要時間
専門会社にレンジフードクリーニングを依頼した場合のおおまかな作業の流れと所要時間について解説します。
レンジフードクリーニングの作業の流れ
レンジフードクリーニングは以下の流れで進行します。
・分解作業
レンジフードを確認し、分解できる部品をすべて取り外します。
・本体清掃
レンジフードの本体内部を清掃します。
・高所部分の清掃
レンジフードの上部や天井との接地面など、手の届きにくい箇所も清掃します。
・部品洗浄
業務用の洗剤・掃除道具を使い、分解したすべての部品を洗浄します。フィルターはブラシなどを使って、細かな汚れまでキレイに取り除きます。
・部品の組み立て、動作確認
洗浄が完了したら、分解した部品を元に戻し、レンジフード全体をから拭きします。最後に動作確認のために試運転を行い完了です。
レンジフードクリーニングにかかる時間は?
レンジフード1台につき、だいたい2〜3時間が目安です。メーカーやファンの大きさ、汚れ具合などにより、もう少し時間がかかる場合もあります。
レンジフードクリーニングの専門会社を選ぶ6つのポイント
レンジフードクリーニングの専門会社を選ぶ際には、以下の6つのポイントを確認しましょう。
料金と作業内容を確認する
まずは、クリーニングの料金を確認しましょう。レンジフードの内部洗浄のみの金額なのか、外部洗浄も込みの金額なのかもチェックして、希望するクリーニング内容の料金がどの程度の金額なのかを把握しましょう。
作業完了までの時間を確認する
次に、作業完了までの時間を確認します。所要時間の目安がWebサイトに記載されていない場合は、問い合わせて確認してみてください。
駐車場代がプランに含まれているか否かについて確認する
清掃スタッフはほとんどの場合、車で移動しています。会社によっては清掃費用とは別に駐車場代が発生することがあるため、事前に料金に駐車場代が含まれているのか、別途支払いが必要なのかを確認しましょう。
実績や口コミを確認する
専門会社の清掃の品質を把握するために、実績や口コミを確認しましょう。経験が豊富な専門会社の場合は、Webサイトに実績や口コミが掲載されていることが多いです。実績、口コミなどの記載がない場合は、避けた方が良いかもしれません。
損害賠償制度がある専門会社かどうかを確認する
清掃によってレンジフードやキッチンが破損してしまったり、故障してしまったときのために、その会社に損害賠償制度があるかどうかを確認しましょう。
損害賠償制度がある会社であれば、作業によって破損・故障が生じた場合、その修理費などを負担してくれます。
複数の会社に見積もりをとる
クリーニングにかかる費用を抑えるためにも、必ず複数の会社から見積もりをもらうようにしましょう。複数の会社から見積もりをもらうことで、サービス内容と料金のバランスがもっとも良い会社を選ぶことができます。
レンジフードクリーニングの費用相場
レンジフードの清掃料金は専門会社によって異なりますが、相場価格は15,000〜20,000円ぐらいです。フッ素や艶出しなどのコーティングをオプションで付けると、料金に5,000円前後が加算されます。また、プロペラ型の場合は、シロッコファン型よりも2割ほど価格が安くなります。
レンジフードのクリーニングでお困りの方は、くらしのセゾン「レンジフードクリーニング」がおすすめ
くらしのセゾン「レンジフードクリーニング」は、経験豊富なプロによるレンジフードクリーニングサービスです。
プランには、レンジフードの外部・内部洗浄のほか、ファンの分解洗浄なども含まれており、一度の利用でレンジフードの細部までキレイにすることができます。
レンジフードクリーニングを専門会社に依頼したいという方は、以下リンク先よりお問い合わせください。
おわりに
レンジのフードやフィルターなど、自分自身でできるお手入れはなるべくこまめに行いたいものですが、ファンなどの複雑な作業が必要な部分は、信頼できるクリーニング専門会社に依頼するのがおすすめです。
レンジフードを機能的に保つには見た目の清潔さだけでなく、内部の清掃も重要となってきますので、定期的なメンテナンスにも注意を向けていきましょう。