買い物の際、クレジットカードを使うとポイントが貯まります。このポイントを貯めたり増やしたりする方法はさまざまですが、FPの頼藤太希氏はなかでも「ポイント投資」がおすすめだといいます。今回は、ポイント投資の仕組みや各社が提供するポイント投資サービスについてみていきましょう。
ポイント投資ってなに?
「ポイント投資」とは、クレジットカードなどでの支払いで貯まるポイントを元手に投資ができるサービスです。投資といえば元手は現金というイメージがあるかもしれませんが、ポイント投資では各サービスのポイントを利用して投資をすることができます。
1.ポイント投資は「現金購入型」と「ポイント連動型」に分かれる
ポイント投資には、大きく分けて「現金購入型」と「ポイント連動型」の2種類があります。
「現金購入型」は、選んだ株や投資信託をポイントで購入する仕組みです。購入した商品は現金で購入したものと同じですので、値上がりしてから売れば利益を現金で受け取れます。
対する「ポイント連動型」は、選んだ株や投資信託の値動きに合わせてポイントが増減する仕組みです。ポイントが連動するだけで、実際に金融商品を買うわけではありません。値上がりしてから売れば、その値上がり分にあたるポイントが受け取れます。
本格的なのは現金購入型ですが、実際に商品を購入するため、証券会社などへの口座開設が必要です。ポイント連動型はそれよりも手軽で、証券会社への口座開設も必要ありません。
主なポイント投資サービスにはどんなものがある?
各社の主なポイント投資サービスには、次のものがあります。それぞれ詳しくみていきましょう。
1.クレディセゾン「永久不滅ポイント」
クレディセゾンの「永久不滅ポイント運用サービス」では、貯まった永久不滅ポイントを運用口座にチャージすることでポイント投資が可能です。
「投資信託コース」では、アクティブコース・バランスコース・資産形成の達人コース・グローバルバランスコース・日本株(TOPIX)コース・アメリカ株コースの6つのコースから選ぶことができます。「株式コース」では、所定の銘柄の株価に連動してポイントが増減します。
また、同社が提供する「セゾンポケット」では投資信託・国内株式の購入代金の一部(または全部)を永久不滅ポイントで支払うことができます。投資信託では「セゾン・グローバルバランスファンド」と「セゾン資産形成の達人ファンド」が購入可能。国内株式では「株つみたて」を利用することで、140銘柄以上に積立投資ができます。
2.楽天証券「楽天ポイント」
「ポイント運用 by 楽天PointClub」では、アクティブコースとバランスコースのどちらかを選ぶだけで、楽天ポイントが投資信託に連動します。楽天証券への口座開設も不要です。
また、楽天の「ポイント投資」では、楽天ポイントを利用して国内株式や投資信託を購入できます。ポイントは各商品の購入代金だけでなく、取引手数料にもあてられます。
このポイント投資による投資信託・米国株式の購入(当月合計3万円以上)は楽天グループの「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」の対象になっているため、楽天市場を利用する際のポイント還元率もアップします。
3.NTTドコモ、SMBC日興証券、大和コネクト証券「dポイント・Pontaポイント」
NTTドコモのサービス「dポイント投資」では、dポイントを「運用ポイント」に交換して運用を行います。運用先は株式重視か債券重視かを選ぶだけの「おまかせ運用」と、日経平均株価、新興国、生活必需品といったテーマを選ぶ「テーマ運用」の2種類から選べます。なお、運用ポイントはいつでもdポイントに戻して引き出すことができます。
SMBC日興証券が提供する「日興フロッギー」は、“記事から株が買える”というユニークな投資サービス。さまざまな企業の紹介記事のなかから気に入った銘柄を見つけたら、記事内のリンクからすぐにその銘柄を買うことができます。会社や経済のことを学びながら投資ができるサービスです。
また、大和コネクト証券が行うポイント投資はdポイントだけでなくPontaポイントも投資可能。同社が手がける国内株式の単元未満株取引に加え、米国株の取引、投資信託の積立投資にポイントが利用できます。さらに、こちらはNISA(一般NISA・つみたてNISA)にも対応しています。
4.SBI証券「Tポイント」
以前、SBIネオモバイル証券という証券会社がTポイントを利用した株式投資サービスを提供していたのですが、同社は2024年にSBI証券と合併することになり、本稿執筆時点では新規の申し込みができなくなっています。ただしSBI証券では、投資信託の売買にTポイントを利用できます。
Tポイントも2024年、三井住友カードの「Vポイント」に統合される予定です。その後、新しい展開があるかもしれません。
5.PayPay証券「PayPayポイント」
PayPay証券の「PayPayポイント運用」では、決済アプリのPayPayから設定するだけで、PayPayポイントが5つのコースの投資信託に連動します。また、「PayPay資産運用」では米国株や米国ETF、国内の投資信託など、90銘柄以上に投資ができるようになっています。
ポイント投資は“手軽でローリスク”
筆者ももちろん、ポイント投資を利用したことがあります。これまでに
- 楽天ポイント(投資信託の購入)
- LINEポイント※(個別株の購入)
- Pontaポイント(個別株の購入)
- PayPayポイント(投資信託の購入)
でそれぞれの商品を購入・運用してきました。
※ LINEポイントでもLINE証券でポイント投資が可能でしたが、LINE証券は2023年6月に事業再編にともなうサービスの縮小を発表。現在はLINEポイントでの投資はできなくなっています。
ポイント投資は、1ポイント、100ポイントといった少ない単位から行えるのがいいですね。そのうえ、仮に値下がりしても元手はポイントですから、自分が投資したお金が減ることはありません。「投資をしてみたいけど、お金が減るのはちょっと……」と思っている人でも投資がしやすいのではないでしょうか。
証券口座の開設が必要な場合であっても、昔とは違い、スマホ1台とマイナンバーカードなどの証明書があれば簡単にできる時代です。ぜひチャレンジしてみましょう!
セゾンの永久不滅ポイントを利用するならなにがおすすめ?
セゾンの永久不滅ポイントを利用して堅実な投資を目指すならば、セゾン投信が運用を行う投資信託「セゾン・グローバルバランスファンド」や「セゾン資産形成の達人ファンド」を選ぶのがひとつの手です※。
※以下のデータは2023年8月10日時点のものです。
●セゾン・グローバルバランスファンド 純資産総額:3,950.31億円 基準価額:21,833 円 信託報酬(税込):年0.58% 3年トータルリターン(年率):10.60% 5年トータルリターン(年率):8.47% |
●セゾン資産形成の達人ファンド 純資産総額:2,728.98億円 基準価額:36,920円 信託報酬(税込):年1.54% 3年トータルリターン(年率):15.91% 5年トータルリターン(年率):11.30% |
これらはいずれも、複数の投資信託に対して投資を行う「ファンド・オブ・ファンズ」と呼ばれる形式の投資信託です。セゾン・グローバルバランスファンドは世界30ヵ国以上の株式と10ヵ国以上の債券に50:50の割合で投資できます。
また、「セゾン資産形成の達人ファンド」は、各地域に強みのある投資信託を通じて株式に投資を行います。安定したリターンを目指すならセゾン・グローバルバランスファンド、より積極的なリターンを狙うならセゾン資産形成の達人ファンドがいいでしょう。
いずれも直近の成績はよく、2023年3月末時点で保有者の99.5%が運用益(含み益)を持っているとのこと。世界中に投資しながらお金を増やす期待ができます。
また、セゾンポケットの個別株に投資するのも面白いですね。セゾンポケットでは、140以上の個別株に投資ができます。ポイントと現金を合わせた積立投資もできますので、このなかから銘柄を選んでコツコツと積み立てていけば、平均購入単価が下がり、少しの値上がりでも利益が狙えるようになります。
おわりに
以上、ポイント投資を活用した資産運用について、お話ししてきました。お金は預けているだけでは増えない時代。お金を増やしたければ、資産運用が欠かせません。
ポイント投資が手始めの投資として最適なことは、ここまでご紹介してきたとおりです。特にまだ投資をしたことがないという方は、まずはポイント投資から始めてみてはいかがでしょうか。