自宅の床を犬が歩く時に「ツルツルして歩きづらそう」「転倒が心配」「足音が下階に響いていないか気になる」など、さまざまな不安を感じた経験はありませんか。
今回は、自宅におけるペット用の床リフォームについてご紹介します。床リフォームの必要性や効果、ペットに適した床材の種類などをまとめました。犬のための床リフォームが気になる方は、ぜひチェックしてください。
この記事を読んでわかること
- 滑りやすい床をリフォームすることで、犬のケガや事故の防止、床へのダメージ軽減、防音遮音の効果がある
- おすすめの床材は、ペット用フローリング、タイルカーペット、フロアタイル、クッションフロアなど
- 施工内容、既存フローリングの状態、使用する素材などによって、費用相場は大きく変動する
どうしてペット用の床にする必要がある?
家のなかで犬などのペットを飼っている場合、できればペットに合わせた床にした方が良いといわれています。どうしてペット用の床にする必要があるのでしょうか。ここでは、主な理由を4つ説明します。
ペットの歩きやすさ、床で滑らないため
日本の住宅に多いフローリングの床は、犬などのペットにとって歩きにくく、ケガや事故の要因となるため危険だといわれています。例えば、一般的なリビングのフローリングやフロアタイル、大理石などのツルツルとした面が特徴的な床は、足を滑らせやすく、自然に力が入ってしまうため足腰に負担がかかってしまうのです。また、犬の毛や爪などが伸びていると、フローリングで余計に滑りやすくなったり、敷いてある絨毯やカーペットに爪が引っかかったりする可能性もあります。日常的に過ごす部屋の床が、犬にとって適していない素材であると、次第に健康面にも影響を及ぼしてしまうでしょう。腰痛や関節症だけでなく、膝蓋骨脱臼、椎間板ヘルニア、股関節形成不全、股関節脱臼などの病気が発症する場合もあるといわれています。特に、毛の長い犬、活動的な小型犬、高齢の犬は配慮が必要です。
お世話や掃除のしやすさのため
犬と暮らす部屋の床は、排泄物や食べこぼし、飲みこぼしによって汚れてしまうことが多いです。そのため、飼い主がお世話や掃除をしやすいように、汚れてしまうことを前提に考えられた床を選んでおくのがおすすめ。床が清潔に保たれることで、犬の悪臭やアレルギーの発症を予防できるなど、犬や人にとっても衛生的で快適な部屋にできます。
床へのダメージ軽減のため
ペット用の床を選ぶことで、床へのダメージの軽減が期待できます。犬が室内にいると、爪で床を傷つけてしまったり、排泄物などが付着して床が腐食したりする場合があるでしょう。耐久性の低い床材の場合、床の見た目がすぐにボロボロになってしまい、修繕が必要になるケースもあるのです。ペット用の床には、傷に強い耐久性のあるものや耐水性に優れたものがあります。初期費用はかかりますが、きれいな床をキープできるため、長期的にみてコストパフォーマンスが高いといえるでしょう。
防音遮音の対策として
ペット用の床にすると、防音遮音対策にもなります。特に、マンションで犬を飼っている場合、下階に足音や飛び跳ねの音が響いてしまう可能性もあるでしょう。ペットの音が原因で住民同士のトラブルにならないためにも、防音遮音の効果が期待できる床材を選ぶのがおすすめです。
犬のためにできる床リフォームと効果
犬のためにできる床リフォームには、どのような種類があるのでしょうか。ここでは、床リフォームの種類とその効果を解説します。
ペット用ワックスを施す
犬のためにできる手頃な床リフォームのひとつとして、ペット用のワックスを施すことがあります。床にペット用のワックスを施せば、犬の転倒や爪による傷つきを防止する効果が期待できるでしょう。床リフォームのなかでも最も手軽にスタートできるもので、比較的費用もかからず、短時間で施工が完了します。また、市販のワックスを購入し、自分でワックスがけをすることも可能です。
床材を変更する
ペット用のワックスを施すだけでは、床を頻繁にメンテナンスし続ける必要があります。そのため、長期的な視点でペットに適した床にしたい方は、床材そのものを変更するリフォームがおすすめです。一般的なフローリングの床をペット用にリフォームするには、主に2つの施工方法があります。
- 上張り
上張りとは、既存の床に新たなフローリングなどの床材を重ねる方法です。廃材処分の費用やさまざまなコストが抑えられる、工事が短期間で済むなどのメリットが挙げられます。
- 張り替え
既存のフローリングの解体撤去の工事を行い、新たな床材に張り替える方法です。きれいな仕上がりが期待できる、下地材が腐食していないかチェックできるなどのメリットがあります。
どちらの施工方法にするのか、そして、新しく張る床材の種類によって、見た目や機能性、コストなどにも違いが出てくるでしょう。
ペットに適した床材とは
ペットに適した床へリフォームする場合、どのような種類の床材があるのでしょうか。ここでは、主に使われている4種類の床材とその特徴をご紹介します。
ペット用フローリング
ペット用フローリングは、一般的なフローリングよりも滑りにくく、傷がつきにくい耐久性が特徴です。リフォーム会社によっては、気になる犬のニオイがつきにくいもの、防音遮音性が高いものなど、いくつかの種類が取り揃えられているケースもあります。また、床の見た目は普通のフローリングと変わりがないため、部屋の雰囲気が変わってしまうという心配もありません。手入れが簡単なのもポイントです。
タイルカーペット
犬の足腰に優しく、遮音性も期待できるのは、クッション性があるタイルカーペットです。1枚ずつ剥がせるタイプであれば、万が一汚れてしまった場合にも、部分的に洗えるなどお手入れがしやすいでしょう。また、さまざまなカラーやデザインがあるため、色の組み合わせを楽しんだり、インテリアと合わせたりして選べます。
タイルカーペットを選ぶ時には、毛の部分が輪になっていないタイプを選択するようにしましょう。毛が輪になっていると、犬の爪が引っかかり、ケガにつながる恐れがあるので注意してください。また、カーペットはダニの温床となりやすいため、防ダニ加工がされている素材を選ぶと安心です。
フロアタイル
粘土などを使用した素材で、とても固く滑りにくい特徴があるフロアタイルです。床が傷つきにくく、耐久性にも優れています。表面がツルツルとしたものは掃除やお手入れがしやすいメリットがありますが、犬の床での滑りにくさを重視するのであれば、ザラザラとした表面のものを選んでください。また、フロアタイルはデザインも多く揃っているので、おしゃれな部屋にしたいという方にもおすすめです。
クッションフロア
クッションフロアは、ふわふわとした柔らかな素材で、衝撃を吸収できる点が特徴です。犬が足を踏ん張りやすく、滑りにくいのはもちろんのこと、防音遮音性も優れています。床が汚れてしまった時にも、簡単に拭き取り掃除が可能です。耐水、抗菌加工がされた素材を選べば、さらに手入れがしやすいでしょう。デザインも豊富で、比較的安価で手に入る床材です。犬だけでなく、人が座った時におしりや腰が痛くなりづらいのも嬉しいポイント。一方、クッションフロアの上に重い家具を配置すると、へこみの跡が残ってしまったり、強い衝撃によりクッションの生地が傷つきやすかったりするため、注意しましょう。
ペット用の床リフォームにかかる費用相場
ここからは、ペット用の床リフォームにかかる一般的な費用相場をご紹介します。下記では、6畳あたりにかかる、施工価格の費用相場をまとめました。
6畳あたりの施工価格の費用相場
床リフォーム内容・床材の種類など | 施工価格/6畳あたりの価格 | 備考 |
ペット用ワックス | 約20,000円~ | ご自身でワックスを購入して施工する場合は、1,000円程度から、さまざまな価格帯の商品があります。 |
ペット用フローリングに変更 | 約60,000~150,000円 | 使用するフローリングの種類によって、価格帯が大きく異なります。 |
タイルカーペットに変更 | 約20,000~90,000円 | |
フロアタイルに変更 | 約40,000~50,000円 | |
クッションフロアに変更 | 約26,000~32,000円 |
なお、記載した施工価格は相場価格です。備考に記載したとおり、既存フローリングの状態や使用する素材によって、価格は大きく異なる場合があります。また、施工内容(上張り、張り替えなど)、依頼するリフォーム会社、住んでいる地域、住宅の状態(築年数や新築など)により、価格が変わる可能性があります。ペット用の床リフォーム施工依頼の際には、希望するリフォーム内容を伝え、必ず事前に見積もりをもらうようにしてください。
犬が滑らないための床リフォームに関するQ&A
ここからは、ペット用の床リフォームに関するよくある疑問に対して、Q&A形式で回答をご紹介します。
ペット用フローリングは自分でDIYできる?
A:施工費などのコストを極力抑えたい場合や一時的な対策としてであれば問題はないでしょう。床をリフォームするための材料や工具は、ホームセンターもしくは100円ショップなどで手に入ります。例えば、ペット用のワックスをかけたり、部分的にタイルカーペットを張ったりするような簡単な施工であれば、ご自身でDIYすることも可能です。
しかし、初心者が作業する場合には施工時間がかかり、きれいな見た目に仕上げるのも難しいでしょう。しっかりとしたクオリティを担保したい、ペットへの安全対策を重視したいと思われる方は、プロに依頼するのがおすすめです。
持ち家ではない、賃貸マンションでもリフォームできる?
A:賃貸物件でリフォームする場合には、まずはマンションの管理会社へ問い合わせましょう。リフォーム工事が可能かどうかの確認が必要になります。
和室のリフォームは可能?
A:和室のリフォームも可能です。例えば、和室を犬専用の部屋に変更するために、洋室に変更するリフォームなどがおすすめ。畳を滑りにくいフローリングの床に変更、押し入れを撤去して広いスペースを確保、引っかきに強い壁紙に変更するなど、さまざまなリフォームのご提案ができます。
くらしのセゾンが提供する「ペットと暮らすリフォーム」では、和室を愛犬専用の洋室にリフォームしたご利用事例があります。ほとんど使用されていなかった和室が、子どもとペットが一緒に遊べるセカンドリビングとして生まれ変わりました。工事費用は、800,000円台です。ぜひ、お気軽にご相談ください。
床をペット用にリフォームする時、注意すべきポイント
床をリフォームする時には、どのような点に注意すべきでしょうか。リフォーム工事で心がけるべきポイントを2つご紹介します。
ペットのストレスにならないリフォームを
リフォーム中は、リフォーム会社の方が家を出入りしたり、騒音が聞こえてきたりする日が続くことになります。そのため、犬にとってはいつもと違う毎日にストレスがかかる場合があるでしょう。例えば、工事による騒音が気になる時間帯には、散歩に行き外出させるなどの対策が必要です。
また、作業している最中は、犬の安全な場所を確保することも心がけましょう。万が一、施工現場に犬が立ち入ってしまうと大変危険です。場合によっては、ペットを隔離する部屋をつくったり、一時的に知り合いやペットホテルなどに預けたりするのもよいでしょう。
リフォーム会社としっかり打ち合わせしよう
リフォーム前には、リフォーム会社と入念な事前打ち合わせをすることが大切です。あらかじめ、犬の性格、家のなかでのペットとの過ごし方などを共有しておきましょう。リフォームの要望だけでなく、ペットに関する事前情報があることで、リフォーム中の犬への接し方に気を配ってくれるケースもあります。
くらしのセゾンが提供する「ペットと暮らすリフォーム」は、消臭快適フロアへの変更、犬専用の部屋にひと部屋まるごとリフォームなど、さまざまな施工に対応します。専門スタッフによる丁寧なヒアリングもあるので、安心してご利用いただけます。ペットのための床リフォームは、ぜひお任せください。
おわりに
犬のためにできる、ペット用床リフォームについてご紹介しました。時間や費用はかかりますが、これから犬と一緒に暮らす部屋をより快適で安全にしたいと思うのであれば、床リフォームは非常に有効な手段のひとつです。犬と過ごす生活をイメージして、ぴったりの床リフォームを考えてみてください。