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停電したらどうする?自宅・外出先での対処法や普段からの備えについて解説

停電したらどうする?自宅・外出先での対処法や普段からの備えについて解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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電気は私たちの生活に欠かせませんが、「停電」は突然起きます。急に停電すると、焦ってしまう方もいるでしょう。特に夜間に停電が起きたら、真っ暗になってしまうので不安になります。

今回は、停電が発生したときに冷静に行動できるように、停電時の対処法について紹介していきます。自宅のみが停電している場合と、地域全体が停電している場合に分けて紹介しますので、さまざまな状況に対応できるように備えておきましょう。

この記事を読んでわかること

・停電したら、窓から外を見たり、電力会社のホームページをチェックしたりして停電範囲を確認する

・自宅が停電しているときはブレーカーを確認して停電の理由を調べる

・なかなか停電から復旧しないときは、通電火災防止のため家電製品の電源プラグを抜いておく

・停電に備えて、水や食料の準備、太陽光発電や蓄電池システムなどの電力の確保をしておく

1.停電したらまず停電範囲を確認しよう

停電したらまず停電範囲を確認しよう

停電したときは、まずどこまで停電が広がっているのか、状況を把握しましょう。自宅だけ停電している場合と、周辺地域も停電が起きている場合では、対応方法が変わります。そのため窓から外を見て、近所の家の様子や街灯などをチェックしてみてください。

真っ暗になり、周辺の状況がはっきりしない場合には、転倒したりぶつけたりしてケガをする恐れがあるため、むやみに動かず、懐中電灯などを使用して視界を確保しましょう。

2.自宅だけが停電したときの対処法

自宅だけが停電したときの対処法

周辺を見渡したとき、停電しているのが自宅だけの場合には、どのように対応したら良いでしょうか。

2-1.ブレーカーを確認する

停電になったら、最初に自宅のブレーカーを確認してみましょう。ブレーカーには、アンペアブレーカー、安全ブレーカー、漏電ブレーカーの3種類あります。

アンペアブレーカーは家全体に流れる電気量を管理しているブレーカーなので、落ちると家全体が停電します。アンペアブレーカーが落ちている場合は、契約しているアンペア数を超えて電気を使用している可能性があるでしょう。

安全ブレーカーは、部屋や機器ごとの電気供給量をコントロールしているブレーカーです。管理している部屋や機器に一定量以上の電流が流れると、個別にブレーカーが落ちる仕組みになっているため、家全体で契約アンペア数を超えていない場合でもブレーカーが落ちます。

漏電ブレーカーは、家の電気回路内で漏電が発生したときに、電気の流れを遮断するために落ちるブレーカーです。電気製品の損傷やブレーカーの故障でも漏電ブレーカーは落ちることがあり、家全体が停電します。

どのブレーカーも落ちていない場合は停電の原因がわからないので、電力会社に確認しましょう。

2-2.家全体が停電しているとき

家全体が停電しているとき

家全体が停電したときは、以下のような手順でブレーカーを確認します。

  1. どのブレーカーが落ちているか確認する
  2. アンペアブレーカーが下がっている場合は、使用している電化製品の電源プラグをすべて抜き、一度に使用する家電製品の数を減らす
  3. 漏電ブレーカーが落ちている場合はすべてのブレーカー(アンペアブレーカー、漏電ブレーカー、安全ブレーカー)を1度落とす
  4. アンペアブレーカー、漏電ブレーカーを上げる
  5. 安全ブレーカーを1つずつ上げる

漏電が起きている場合、安全ブレーカーを上げていくとどこかで漏電ブレーカーが落ちます。つまり、漏電ブレーカーが落ちる直前に上げた安全ブレーカーの回路で、漏電している可能性が高くなります。漏電の可能性が高い安全ブレーカーは、下げたままにしておきましょう。

漏電ブレーカーを再度上げて、残りの安全ブレーカーもすべて上げます。漏電している場所がわかったら、電気工事店や電力会社に連絡してください。また電化製品のトラブルで漏電している可能性もあるため、漏電が疑われる回線につながる電化製品の電源プラグを抜き、電化製品に異常がないか確認してみましょう。

なお、最近ではアンペアブレーカーがないスマートメーターが採用されている家庭もあります。その場合、停電から10秒すると自動で電気が復旧する仕組みになっています。10秒以上経っても電気がつかないときは、漏電している可能性があるので漏電ブレーカーを確認してください。

2-3.一部の部屋のみ停電しているとき

家全体ではなく特定の部屋のみが停電している場合は、特定の回路の電圧が瞬間的に上がって容量を超えてしまった可能性が考えられます。その際は、以下の手順でブレーカーを確認しましょう。

  1. 下りている安全ブレーカーを確認する
  2. 下りている安全ブレーカーがあれば、電気が消えた部屋で使用している電化製品の電源プラグを抜き、下りている安全ブレーカーを上げる

安全ブレーカーが下がり切らずに中間点で止まっている場合には、一度ブレーカーを下げてから上げましょう。

2-4.ブレーカーが落ちていないとき

場合によっては、どのブレーカーも下がっていないのに停電しているケースもあります。その場合は、自宅に引き込んでいる電線が切れていたり、家の中の電気設備にトラブルが生じていたりする可能性があります。また、近所で電気設備点検や工事のために一時的に計画停電している可能性も考えられるので、事前に通知されていないかどうか確認してみましょう。停電の原因がはっきりしないときには、電力会社に確認してみてください。

参照元:東京電力パワーグリッド株式会社|停電時の対応方法につきまして

3.近所や周辺の家も停電したときの対処法

近所や周辺の家も停電したときの対処法

自宅だけでなく、周辺地域でも停電が発生している場合には、外的要因で停電が発生しているかもしれません。停電が自宅だけでない場合の対処法を確認してみましょう。

3-1.地域の電力会社のホームページで停電情報を確認する

自宅だけでなく、周辺の家なども停電しているときには、地域の電力会社のホームページなどで停電情報を確認してください。ただし、停電情報は停電が発生してからすぐには掲載されない場合があります。掲載されていないときは、発生後30分程経過してからもう一度確認してみましょう。

なお、地域一帯が停電しているときは、地震や台風などの自然災害の他、鳥が電線に巣を作ってしまったり車がぶつかり配電設備が損傷したりすることが原因です。この場合、停電からの復旧は自宅で対処できないため、電力会社に任せましょう。

3-2.家電製品の電源プラグはコンセントから抜く

停電からいつ復旧するかわからない場合は、家電製品の電源プラグを抜いておいた方が安心です。特に災害時の停電の場合、アイロンやヒーター、ドライヤーなど発熱するタイプの電化製品は、近くに紙類やカーテンなどの可燃物があると通電時に着火する可能性があります。

また、水漏れなどにより家電製品や配線コードが損傷したりしたところに通電した場合も、出火(通電火災)する可能性があるので危険です。

加えて、パソコンや周辺機器は、停電から普及する際に必要以上の電圧や電流が流れる可能性があり、故障してしまうケースもあります。そのため、停電になったらデータを保存して電源を切り、コンセントから外しておきましょう。

3-3.避難する際はブレーカーを落とす

避難する際はブレーカーを落とす

前述したように、停電から復旧したときに、壊れたり倒れたりしている家電製品に電気が通ると、火事になる可能性があります。また、万が一ガス漏れが発生した場合には、破損した電化製品に通電したことで引火し、大変な事故になる恐れも考えられるでしょう。

地震や台風などの自然災害時に、避難のために家を離れる際には、通電火災防止のため必ずブレーカーをすべて下ろして避難してください。

3-4.停電が長引きそうなら太陽光発電などに切り替える

停電が長時間になりそうなときは、何らかの電気の供給源があると安心です。自宅に太陽光発電や蓄電池システムが設備されている場合は、自立運転に切り替えて電力を確保しましょう。

自立運転への切り替えは、手動で切り替えるタイプと自動で切り替わるタイプがあります。万が一の場合に備えて、切り替え方法を確認しておくと安心です。

ただし太陽光発電は、電力量に制限があったり、天候により発電量が左右されたりするので、使用条件も把握しておきましょう。蓄電池システムがある場合は、夜間でも電力を確保できます。

種類により使用できるコンセントが限られている場合と、どのコンセントも使用できるタイプがあります。ご自宅に蓄電池システムがある方は、どのタイプか確認しておきましょう。

また、他に電力を確保する方法として、発電機があります。発電機にはガス式とガソリン式がありますが、どちらの燃料も取り扱いや管理には注意が必要です。また、一酸化炭素中毒を引き起こす可能性があるため、室内では使用しないでください。屋外で使用する場合も、家の中に排気ガスが入らないように気をつけましょう。

3-5.スマートフォンや携帯電話を省エネモードにする

停電時は、情報収集や連絡を取れる環境を整えておくことが大事です。固定電話やインターネット回線を使用したIP電話などは、停電時には使用できません。そのため、スマートフォンや携帯電話はできるだけ電池を長持ちさせておきましょう。

電池の消費を減らすためには、画面を暗くしたり、省電力(低電力)モードに切り替えたりする方法が有効です。また、スマートフォンは電波を探すために多くの電池を消費してしまうので、電池を節約したいときは機内モードに切り替えるのも良いでしょう。

4.停電が長引いたときに困ることは?

停電が長引いたときに困ることは?

停電が長引くと困ることがたくさんあります。さまざまな事態を想定して、しっかりと備えておきましょう。

4-1.トイレのリモコンスイッチが利用できない

レバーで流すタイプのトイレは停電中でも断水になっていなければ水を流せますが、センサーやボタンで流すタイプのトイレは機能しなくなります。センサー式のトイレでも、緊急時のために備え付けられたレバーなどにより使用できるものもあるため、取扱説明書などで確認しておきましょう。

ただし、床下浸水している場合や地震などにより配水管が壊れている可能性が考えられる場合には、トイレの水を流すと汚水が逆流してくることがあります。排水設備に不安があるときはトイレの水は流さず、携帯トイレなどを使用しましょう。

4-2.電気錠や自動開閉玄関は使用できない

停電になると、電気錠や自動でドアの開閉ができるタイプの玄関は使用できなくなります。手動で鍵をかけたりドアを開け締めしたりすることは可能ですが、非常用の鍵が必要なので、緊急時にすぐに取り出せるようにわかりやすい場所に保管しておきましょう。

4-3.冷蔵庫は冷却機能が停止する

冷蔵庫は冷却機能が停止してしまいます。冷却されなくなっても開閉しなければ2~3時間程度は冷蔵庫内の温度を保てるので、停電後は冷蔵庫の扉はできるだけ開閉しないようにしましょう。

停電が長引きそうな場合は、冷蔵庫の一番上の棚に保冷材や冷凍食品を入れておくと冷蔵庫内の温度上昇を防げます。また消費期限が早いものから消費すれば、食べ物の無駄も防げるでしょう。

4-4.電気を使用する冷暖房機器が使用できない

停電が起きると、電気を使用する冷暖房機器は使用できません。そのため、季節によっては気温の変化にも注意も必要です。真夏に停電が起きた場合には、熱中症に備えてこまめな水分補給や風通しを良くする工夫をしましょう。

濡らしたタオルを首に巻いたり、脇の下を冷やしたりするのも体温を下げるため熱中症予防になります。冬には、上着や手袋、帽子などの防寒着や毛布、使い捨てカイロ、アルミ製の保温シートなど寒さ対策となるものを備えておきましょう。

5.外出先で停電が発生したら?

外出先で停電が発生したら?

外出中に停電が発生した場合の対応についても、確認しておきましょう。

5-1.エレベーターに乗っている場合

エレベーターに乗っている時に停電が発生して、出られなくなってしまった場合は、慌てず落ち着いて行動しましょう。

最近のエレベーターは、閉じ込め防止機能があり、停電が起きてもバッテリー運転で近くの階まで移動して、扉が自動で開くようになっています。扉をこじ開けて外に出ようとするのは、昇降路に転落する可能性があり危険なのでやめましょう。

また、ご自身でもすべての階のボタンを押す対応をしてください。そうすると、最寄りのフロアで停止し扉が開くことがあります。もしも閉じ込められてしまったときは、インターホンや携帯電話などで外部に連絡し、救助を待ちましょう。

5-2.信号機が消えている場合

車の運転中や屋外を歩行中に停電が発生する場合もあります。停電が起きると信号が消えてしまうため、交通事故には充分注意してください。信号がある交差点には、停電時には交通整備する警察官がいるので、警察官の誘導に従いましょう。

警察官がいない場合は、スピードを落とし、交差点は一時停止して譲り合って通行します。歩行中の場合は、交通事故に巻き込まれないように反射板を使用するなど、周囲から目立つ工夫をしましょう。

6.日頃からできる停電の備えは?

日頃からできる停電の備えは?

最後に、普段からできる停電への備えについてご紹介します。

6-1.水や食料を準備しておく

停電に備えて、水や食料は最低3日分準備しておきましょう。水は、ひとり当たり1日3Lを目安に用意しておくと安心です。食料はできるだけ手間がかからないインスタント食品や缶詰が使いやすいでしょう。

好きな食べ物や普段食べなれているものを用意しておくのもおすすめです。食べ物だけでなく、カセットコンロや割り箸、紙皿、ラップなどもあると便利でしょう。

6-2.電力を確保しておく

停電し、電力が供給されなくなった場合を想定し、モバイルバッテリーや発電機などを用意しておくことも大事です。また太陽光発電や蓄電池システムの導入も検討しておきましょう。

太陽光発電だけの場合は、昼間のみ電力の使用ができますが、蓄電池システムがあれば夜間でも使用できます。使用方法や使用条件などを確認し、ご自宅に合うものを準備しておきましょう。

蓄電池システムの導入を検討している場合には、「Smart Star」もチェックしてみてください。Smart Starは、AI機能を搭載した蓄電システムで、気候の変化に合わせて充放電を自動管理してくれます。

全負荷型ですべてのコンセントに使用できるだけでなく、200Vの電圧が必要なエアコンや冷蔵庫などの家電にも使用できるので、停電の際には安心です。

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6-3.継続的に情報を得られるアイテムを準備しておく

停電時には情報を継続して収集することが大事です。そのため、手回しで充電できるラジオがあると安心でしょう。他にも、スマートフォンにラジオや停電に関するアプリをインストールしておくこともおすすめです。

また自治体が発信するSNSでは、被害情報や支援情報など地域に寄り添った情報が得られるのでチェックしておきましょう。

6-4.車のガソリンは日頃から満タンにしておく

車を持っている方は、ガソリンを普段から満タンにしておきましょう。車は移動手段だけでなく、スマートフォンの充電ができることや、ラジオやテレビがつくという点で、貴重な情報源になり得ます。

6-5.家族構成に合わせた備品を用意しておく

家族構成に合わせた備品を用意しておく

停電の備えとしては、一般的な備品以外に家族構成や状況に合わせて必要なものを用意しておくことも大事です。例えば赤ちゃんがいる家庭なら、ミルクやオムツを用意しておきましょう。

ペットがいる場合は、ペットフードやケージなどを準備しておく必要があります。また、停電が発生するとスーパーマーケットやコンビニでキャッシュレス決済ができなくなる可能性が考えられるので、現金も用意しておきましょう。

6-6.マンションやアパートに住んでいる場合の停電時の備え

マンションやアパートに住んでいる場合には、上述してきた備えに加えて、次のようなことも検討しておきましょう。例えば、エレベーターがついている場合、マンション全体やアパート全体が停電すると使用できなくなってしまいます。

自宅が高層階の場合は、普段から多めに水や食料を備えておくと安心です。また停電時に外出していた場合には、自宅の階までたどり着けない可能性があります。エントランスやロビーで一時避難できるように、普段から簡易的な災害グッズを持ち歩くのも良いでしょう。

オートロック扉や機械式の駐車場なども使用できなくなる可能性が高いので、緊急時のドアの開閉や車以外の移動手段などをシミュレーションしておくと良いでしょう。

おわりに

停電は突然起こるので、普段からの備えが大切です。当然のように使用している電気が使えなくなると焦ったり不安になったりしますが、二次災害を起こさないためにも落ち着いて行動しましょう。

また電力が長時間使用できなくなることを想定して、太陽光発電や蓄電池システムなど、電力の確保についても検討し、必要であれば準備しておくと安心です。

参照元:東京消防庁<日野消防署><安全安心情報><備えよう!いざという時の非常物品>

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