「ごみ屋敷」の映像や写真を見たことがある方は多いでしょう。ごみ屋敷とは、ごみや物がたくさんあり過ぎて、家からはみ出しているような家です。
近所にごみ屋敷があれば、迷惑を被ってしまうことも多いでしょう。家族や友人がごみ屋敷を作ってしまい、どうしたら良いか悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
本記事では、ごみ屋敷に住む人の心理状態や解決方法について説明します。ごみ屋敷問題で悩んでいる方は参考にしてください。
この記事を読んでわかること
- ごみ屋敷の住人は孤独感を抱えていて、寂しさから物を集めたり捨てられなくなったりしていることが多い
- 認知症やセルフネグレクトが原因で家をごみ屋敷にしてしまうこともある
- ごみ屋敷を放置していると、害虫、悪臭、火災などのリスクがあり、近隣にも迷惑がかかる
- 自分で片づけられないごみ屋敷は、プロの業者に依頼して片づけてもらうのがおすすめ
ごみ屋敷に住む人の心理とは
「ごみ屋敷」は、近年テレビなどのメディアでもとりあげられることが多くなりました。物やごみで埋め尽くされたごみ屋敷を見て、そもそもなぜそんな状態になってしまうのか、住んでいる方はどんな気持ちなのかが気になる方も多いでしょう。
ごみ屋敷に住んでいる方は、心理的な問題を抱えていることが多くなっています。まずは、ごみ屋敷の住人の心理状態について考えてみます。
孤独を感じている
家をごみ屋敷にする方は、ひとり暮らしであることが多いはずです。家族や友人との交流もほとんどなく、孤独を感じていることがあります。こうした孤独から、ごみを捨てられなくなっているのです。
物に囲まれていると、孤独感が薄れます。他人から見たらごみであっても、本人はごみだと思っていません。すべて寂しさを埋めてくれる物なのです。
配偶者など身近な方との死別の後、家がごみ屋敷になってしまうパターンもよくあります。これ以上何も失いたくないという気持ちから、ごみも捨てられなくなってしまうのです。
捨てるのがもったいない
物を捨てるとなると、「もったいない」という心理が強くなり、捨てられない方もいます。このタイプの方は、物を捨てること自体に抵抗を感じ、溜め込んでしまうのです。
まだ使えるものであれば、捨てずに活用することもできるでしょう。しかし、ごみ屋敷の住人は、お菓子の箱やペットボトルなども、活用法を考えているわけでもないのに捨てられません。捨てること自体がもったいないことと考えているため、捨てるという行為ができないのです。
汚い部屋で過ごすことに抵抗がない
散らかっている部屋やごみだらけの部屋にいると、落ち着かなくなってくるものです。しかし、家をごみ屋敷にしている方は、汚い部屋にいても気になりません。
ごみ屋敷の住人は、散らかった部屋でも我慢できるというよりも、散らかっているという意識がないのです。
片づけられないと諦めている
ごみ屋敷に住んでいる方は、片づけられない自分を正当化しています。仕事が忙しくて片づける時間がない場合などには、片づけること自体を考えないようにしているのです。
物を増やすことには抵抗がなく、増えた物を片づけようという考えは起こりません。こうして、部屋は散らかっていく一方なのです。
捨てられたごみをかわいそうに感じる
物に対して愛着心を持ちやすい方が、家をごみ屋敷にしています。一旦自分の家にやってきた物はみんな、自分の友達のように感じているのです。
このタイプの方は、捨てられるごみを見ても、「かわいそう」という意識を持ってしまいます。自分の家にあるごみだけでなく、道端に捨てられているごみも、「かわいそう」と思って持ち帰ってしまうことがあります。
ごみ屋敷は精神的疾患が原因?
精神的疾患やメンタルが不安定なことが原因で、家をごみ屋敷にしてしまうケースもあります。どういった精神状態の方がごみ屋敷の住人になりやすいかを知っておきましょう。
過度のストレスや過労
大きなストレスを感じたり、疲れが極限にまで溜まってしまったりすると、何もする気力が起こりません。掃除や片づけは後回しになるどころか、家を整えること自体に意識がいかなくなります。
ごみ屋敷の住人は、ストレスや疲労で精神状態も不安定になっており、片づけ困難になってしまっていることがあります。
認知症
高齢者の場合、認知症になっていることも考えられます。認知症になると、それまでできたことができなくなってしまいます。物を片づけようとして途中で忘れてしまったり、ごみ出しの日を忘れてしまったりしていることもあるのです。
認知症になったら、家に何があったかも忘れてしまい、同じ物をいくつも買ってしまうこともあります。こうして物がどんどん増えれば、やがてごみ屋敷になってしまうでしょう。
ADHD
ADHDとは注意欠陥多動性障害のことで、発達障害のひとつとされています。ADHDの方は、片づけるということが苦手です。片づけに集中することができなかったり、捨てる物と捨てない物の判断ができなかったりします。
ADHDの方は、物を散らかしているのではなく、意図的に置いている場合もあります。他人に手を出されることを極端に嫌がることもあり、物が蓄積して、ごみ屋敷状態を招いてしまうのです。
セルフネグレクト
セルフネグレクトとは、「自己放任」を意味します。自分に関心がなくなり、自分の身のまわりのことを放棄してしまう状態です。
セルフネグレクトになると、食事や入浴など当たり前の生活習慣もこなす気力がなくなります。すべてがどうでもよくなり、掃除やごみ出しもしなくなってしまいます。その結果、家がごみ屋敷になっていくこともあります。
ごみ屋敷の住人が取る心理的行動
ごみ屋敷に住む方は、特徴的な行動をとります。ここからは、ごみ屋敷の住人が取りやすい心理的行動について説明します。
物を使っても片づけない
ごみ屋敷の住人は、物を使った後、片づけるという習慣がありません。使った物は、そのまま出しっぱなしにしています。「次に使うときに便利だから」という理由で、片づけないことを正当化していることもあるのです。
また、片づけようにも、片づける場所がないこともあります。収納できる場所があるかを考えずに物を買ってしまうことも多いからです。使った物を片付けなければ、必然的に家の中は散らかっていくでしょう。
衝動買い
家がごみ屋敷になっている方の多くは、衝動的に買い物をしてしまう方です。買い物がストレス解消のひとつの手段になっていることもあります。計画的な買い物はせず、感情に任せて欲しい物を即座に買ってしまうのです。
衝動買いしてしまう方は、必要のない物まで買ってしまいます。買った物は使わず、そのまま積み重ねられていることもあります。このようにして無駄な物がどんどん溜まり、ごみ屋敷状態を招いてしまうのです。
物を捨てようとしない
ごみ屋敷の住人は、物に執着があるため、物を捨てようとしません。「もったいない」という理由で、たとえごみであっても手放そうとしないのです。
ごみ収集日が来ても、全くごみを出さないこともあります。捨てること自体に罪悪感を持つこともあり、何も捨てられないのです。
人と関わろうとしない
ごみ屋敷に住んでいる人は、他人とのかかわりを拒否します。他人が親切にアドバイスしてくれても、聞こうとはしません。他人に頼りたくないと思っていて、何でも自分で解決しようとします。
ごみ屋敷の住人は、他人に心を開きません。「自分のことは誰にもわからない」と思って、心を閉ざしているのです。
ごみ屋敷を放っておいてはいけない理由
自分の家がごみ屋敷になっている場合や、身近にごみ屋敷がある場合には、早めに解決する方法を考えたほうが良いでしょう。ここからは、ごみ屋敷を放っておくと、どのようなデメリットがあるのかについて説明します。
生ごみ放置により害虫が発生する
生ごみを放置している場合、そのままでは害虫や害獣が発生してしまいます。ハエ、ゴキブリ、ネズミなどがわいてくる可能性があるでしょう。
虫や動物はごみ屋敷の中だけにとどまりません。近隣の家にもやってきて、大きな迷惑をかけてしまうでしょう。衛生状態が悪くなれば、健康にも影響を及ぼしてしまうことがあります。
ごみの腐敗により悪臭が発生する
ごみの日にごみを出すことなく生ごみをそのままにしていると、やがて腐敗します。コンビニ弁当やカップラーメンの容器も、食べ物や飲み物が残っていれば腐敗してくるでしょう。
ごみが腐敗すれば、悪臭が発生します。悪臭は周辺の地域に漂ってしまいますから、近隣の住人とトラブルになる可能性があります。
火災が起きる可能性がある
ごみ屋敷には火災のリスクもあります。掃除をすることがなければ、家の中にホコリが蓄積されます。コンセント周りにホコリがたまれば、そこから引火することもあるのです。
ごみだらけのごみ屋敷は、放火の被害にあう危険性も考えられます。もし火災が起これば、周辺の家屋まで被害を及ぼしてしまうでしょう。地域の安全のためにも、ごみ屋敷問題は一刻も早く解決しなければなりません。
ごみ屋敷から脱却する方法
家をごみ屋敷にしてしまう人は、精神的疾患や心理的な原因があることも多く、現状をなかなか変えられないことがあります。放置しておくと手がつけられなくなってしまうので、早めの対策が肝心です。ごみ屋敷から脱却するにはどうすれば良いのかを知っておきましょう。
人と積極的にコミュニケーションを取る
ごみ屋敷の住人は、孤独感を抱えながら生活しています。人とコミュニケーションをとれば、孤独感を解消することができるはずです。
身近にごみ屋敷がある場合、住んでいる方の話を聞けないかを考えてみましょう。家族や友人の協力が得られない場合には、自治体の相談窓口に相談してみる方法もあります。
綺麗な部屋で生活をしてみる
長期間ごみ屋敷に住んでいると、周りに物やごみがたくさんある状態が当たり前になってしまいます。散らかっていても全く気にならなくなるのです。逆に、物がないと落ち着かないようにもなってしまいます。
ごみ屋敷状態から抜け出すには、ごみのない部屋が快適であることに気づく必要があります。家族の協力を得て、しばらくの間綺麗な部屋で生活をしてもらうことも検討してみましょう。
ごみを捨てる習慣をつける
ごみ屋敷の住人は、ごみが出たときにごみ箱に入れる、ごみ箱のごみは収集日に回収してもらうといった習慣がありません。ごみを捨てる習慣をつけることが何よりも大切です。
まずはごみ箱を置き、ごみを捨てる場所を明確にします。必要なものと不要なものを区別することが習慣化できるような工夫もしましょう。
専門業者に依頼しよう
ごみ屋敷の住人は、自分で家を片づけられないことが多いでしょう。家族が協力しようにも、難しいことがあります。手がつけられないごみ屋敷は、専門の業者に依頼して片づけてもらうのがおすすめです。
専門業者に依頼すれば、費用がかかってしまいます。しかし、ごみ屋敷を専門業者に片づけてもらうことには、費用を上回るメリットがあります。
自分で片づけるよりも安全
ごみ屋敷の片づけには、危険が伴います。たくさん物が積み重なったところでは、物が落ちてくるなどして、ケガをする可能性があります。害虫が発生していれば、病気になるリスクもあるでしょう。ごみ屋敷には火災の危険性もあるため、十分注意しなければなりません。
専門の業者に依頼すれば、片づけに慣れたスタッフが、安全対策をしっかり行ったうえで作業を進めてくれます。ケガなどのトラブルの心配なく、ごみ屋敷の片づけができます。
手間がかからない
ごみ屋敷の片づけには手間と時間がかかります。専門業者に依頼すれば、手間がかかりません。短時間で片付けが完了します。
ごみや物で散らかった家というのは、自分で片づけると想像以上の労力がかかります。たとえお金がかかっても、手間を省けるメリットは大きいでしょう。
条例や法律に従った処分が可能
自分で片づける場合には、ルールに従って、ごみをきちんと分別しなければなりません。ごみが多すぎる場合、通常の収集には出せないこともあります。また、粗大ごみを出す場合には事前に申し込みの手続きも必要になります。
専門業者に依頼すれば、ごみを分別し、条例や法律に従って処分してくれます。手間をかけずにごみを正しく処分することができます。
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おわりに
ごみ屋敷に住んでいる方は、孤独感や物への執着から、片づけられなくなってしまっていることがあります。ごみ屋敷は、精神的疾患や複雑な心理が原因になっていることもあり、簡単には解決しない問題です。
ごみ屋敷を放置していると、近隣に迷惑がかかるだけでなく、火災などのリスクもあります。できるだけ早く片づけ、ごみ屋敷状態を解消しましょう。本人や家族だけで対応できない場合には、専門の業者の力を借りるのがおすすめです。