家族の高齢化や病気療養などにより、今までの家をリフォームして住みやすい環境に整える必要が生じる場合があるでしょう。そこで、このコラムではバリアフリーリフォームで使える補助金について解説します。補助金と併せて税金の控除についても解説し、さらに補助金申請時の注意点についてもご紹介していますので、ぜひご一読ください。
この記事を読んでわかること
- バリアフリーリフォームの中でも簡単なものは数万円程度で済むケースがある
- 高額になる場合でも介護保険制度や国等の補助金を活用することで費用負担は軽減される
- リフォーム後は所得税や固定資産税の控除や減額を受けられる
- 補助金制度は毎年変わることがあるため必ず最新の制度内容の確認が必要である
バリアフリーリフォームとは?
バリアフリーリフォームの目的は、安全で快適に過ごせるように環境を作ることです。厚生労働省の調査によると、高齢者が緊急搬送される原因として、家庭内での転倒による事故が多いことが挙げられています。
バリアフリーリフォームの工事内容はさまざまあり、家全体を改修するのではなく部分的なリフォームも可能です。
バリアフリーリフォームの施行例について、この後詳しくご紹介します。例えば、家の中の段差を無くすリフォームや、手すりを付けるリフォームなどがバリアフリーリフォームです。
参照:消費者庁|無理せず対策 高齢者の不慮の事故
バリアフリーリフォームの施工例と費用の目安
家の中でどういう場所のバリアフリー化が可能なのかについて、実際の施工例を挙げてご紹介します。併せて、一般的な費用の目安についてもご紹介しましょう。
- 手すりを設置する
- ドアを変更する
- 床材を変更する
- 段差を解消する
- トイレ・お風呂・キッチンの設備を入れ替える
- 間取りを変更する
1.手すりを設置する
バリアフリーリフォームの中でも費用や工事期間の負担が少なく、比較的行いやすいのが手すりの設置です。手すり1本からでも必要な箇所に設置できるため、実施しやすいリフォームです。手すり1本であれば、数万円程度で済むでしょう。
2.ドアを変更する
ドアの変更で、バリアフリー化が図れるため室内の移動がスムーズになります。特に開き戸(内開きや外開きとなっているドア)を引き戸(左右にスライドさせて開くドア)に変えることで、暮らしやすくなるでしょう。建物の構造上の問題で、ドア自体の変更ができない場合でも、ドアノブを使いやすい形状のものに変えるだけで利便性は向上します。
変更するドアのサイズや形質、トイレや居間など、どのドアを変更するのかによって費用には差がありますが、数万円~60万円ほどが一般的な目安です。
3.床材を変更する
硬くてツルツルした床材から、滑りにくい素材の床やクッションフロアに変えることも暮らしやすさにつながります。室内での転倒を防ぎ、安全な住環境が確保できるでしょう。
トイレなど狭いスペースのみの床材変更の場合は、5万〜10万円程度で済むことが多いです。一方、居間や寝室などある程度の広さがある場合や、使用する床材によっては事前見積もりのうえ検討したほうが良いでしょう。
4.段差を解消する
バリアフリーリフォームと聞いて、段差の解消をイメージする方が多いのではないでしょうか。具体的には室内の段差にスロープを設置し、杖をついての移動や車いすでの移動をしやすくするリフォームです。
室内の部屋移動に伴う段差解消であれば、3万〜15万円程度が費用の目安です。一方、複数の段がある階段にスロープを付ける場合などは費用がかさむことがあります。こちらも事前見積もりのうえ、検討することがおすすめです。
5.トイレ・お風呂・キッチンの設備を入れ替える
トイレを和式から洋式に変更することや、お風呂の浴槽を使いやすいサイズに変更するなど、身体への負担が少ないものに変更するリフォームがあります。
トイレは10万〜40万円ほど、キッチンは100万〜150万円ほど、お風呂の場合は50万〜150万円ほどがそれぞれの費用の目安です。従来の設備の広さや、新しく導入する設備の形状などにより費用には大きな差があります。
6.間取りを変更する
間取りの変更は、ここまでご紹介してきたバリアフリーリフォームの中でもより費用や工事期間がかかることが多いです。大掛かりなリフォームになるため、その分費用もかかることが推測されます。しかし、車椅子でも生活しやすいように廊下を広くするなど間取りを変更することで、生活の質が向上するでしょう。
単に間仕切りの設置程度であれば数万円で済みますが、大掛かりな間取り変更は300万円前後かかる場合もあります。こちらも事前見積もりのうえ、検討することがおすすめです。
バリアフリーリフォームの補助金制度
バリアフリーリフォームの補助金制度には、国と自治体にそれぞれ別の制度があります。主な補助金制度について、以下の事例を挙げながらご紹介しましょう。
- 介護保険の「住宅改修支援制度」
- 自治体の補助金制度の一例
介護保険の「住宅改修支援制度」
介護保険の適用となる住宅改修支援制度では、要支援または要介護認定を受けている場合に対象となり、工事の対象となる費用のうち上限20万円まで支援を受けられます。
ただし、認定を受けている支援や介護の度合いに応じて、ケアマネージャーなどが必要と認めたリフォームだけが対象となるため、希望する全てのリフォームについて支援が受けられるわけではありません。リフォーム着工前に、リフォームプランや目的などを記載した申請書を事前提出する必要があります。制度の主体は、市町村の公的介護保険担当課です。
自治体の補助金制度の一例
各自治体が主体となり実施しているバリアフリーリフォームの補助金制度があります。詳細は、補助金制度を利用する予定の自治体へ確認しましょう。以下、全国の自治体のバリアフリーリフォームの中から具体例を挙げてご紹介します。
東京都大田区
工事内容によって、10万~50万円までの補助金が受けられ、バリアフリーリフォームは助成率10%で、最高20万円が補助金額とされています。事前申込期間は令和5年4月14日から令和6年1月31日までです。その後の本申請は、令和6年3月29日(金曜日)午後5時までとなっています。
参照:大田区|住宅リフォーム助成事業
大阪府大阪市
大阪市では「高齢者住宅改修費給付事業」としてリフォーム費用に対する支援を行っています。具体的には、前述の介護保険制度の適用による住宅改修費の対象とならない費用について助成するというものです。対象となるのは、大阪市内に住所を有し、介護保険料段階が第1~6段階であり、要介護認定で要支援以上の認定を受けた高齢者のいる世帯です。所得基準が低い世帯は助成率が高く(100%)、最大で工事費用のうち30万円までが給付基準額となります。(情報の最終更新日・2023年6月)
参照:大阪市|高齢者住宅改修費給付事業
宮城県仙台市
仙台市が実施している「住宅改良費の助成制度」は、前述の介護保険適用のリフォームとの同時申請が可能です。ただし、介護保険適用が優先される点には注意しましょう。世帯全員が65歳以上で、世帯の全員が住民税非課税、要支援または要介護認定を受けている場合に対象となります。
対象となる工事は、玄関、廊下、トイレ、浴室、居室、階段等に高齢者の日常生活上の安全または便宜を図るための改造を行うものです。個別に必要な改修について必要性を判断され、決定となります。助成金額は、助成対象工事に要する費用の4分の3の額(限度額60万円)です。介護保険適用の支給を受ける場合は、全体の工事費から介護保険適用分の上限20万円を差し引いた金額が助成対象工事費となります。
参照:仙台市|住宅改造費の助成制度
バリアフリーリフォームをすると税金が控除される
バリアフリーリフォームは減税制度の対象になる場合があるため確認しましょう。所得税と固定資産税について、それぞれの控除内容をご紹介します。
- 所得税の特別控除
- 固定資産税の減額
所得税の特別控除
自宅のバリアフリーリフォームを実施した際、控除対象限度額を上限として所得税の10%の控除を受けることが可能です。適用となるのは、令和5年12月31日までで、控除されるのはリフォーム後に居住を開始した年の1年分。限度額はバリアフリーリフォームで200万円が上限となり、他の工事もある場合は別途200万円までが対象です。
固定資産税の減額
バリアフリーリフォームをした翌年分の固定資産税額が、1年間のみ3分の1減額されます。適用となるリフォーム後の工事完了日は令和6年3月31日です。翌年以降分の制度概要については、適宜市町村WEBサイトなどで確認しましょう。
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バリアフリーリフォームで補助金を申請するときの注意点
バリアフリーリフォームの補助金申請をするにあたり、注意したいことについて以下3点についてご紹介します。
- 最新の制度内容を確認する
- リフォームの着工前と着工後に申請が必要
- 申請期間内に早めに手続きを行う
最新の制度内容を確認する
最新の制度内容は、必ず事前に確認しましょう。年度によって制度の内容が変わることがあり、予算を組んで補助金や助成金を実施している場合には、予算に達した段階で締め切り前でも打ち切られる可能性もあります。そのため、最新の情報確認は徹底することが大きな注意点です。
リフォームの着工前と終了後に申請が必要
リフォーム関係の補助金等の手続きでは、リフォームの工事前と終了後に申請が必要な場合がほとんどです。そのため、申請のタイミングに注意が必要です。工事前の申請だけ済ませていても、工事完了後の申請を失念していると補助金等の対象とならない恐れがあります。
申請期間内に早めに手続きを行う
補助金や助成金によっては、予算に達すると締め切られてしまう場合があるため注意しましょう。一般的には、4月からの新年度に募集を開始し、秋頃にかけて受付終了となる補助金制度が多いようです。一方、補助金に間に合わせるために早めに申請をし過ぎても対象外となります。必ず所定の申込・申請期間内を守り、スケジュールには余裕をもって確実に手続きを進めましょう。
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おわりに
バリアフリーリフォームは、暮らしを快適にするためには欠かせないリフォームです。ただし、リフォームを希望している場所にもよりますが、どうしても費用面での心配が生じてしまいます。そこで、介護保険の適用や公的な補助金制度等の活用、リフォーム後の税控除など使える制度は使い、少しでも金銭的な負担軽減を図りましょう。必要に応じてセゾンのリフォームローンの検討もおすすめします。