最近の住宅の収納はクローゼットが主流になっていることから、ハンガーなどに衣類を吊るして保管している方も多いでしょう。しかし、服はきちんとたためばハンガーにかけるよりもコンパクトになり、収納スペースを節約できます。たくさん衣類を持っている方や収納場所が限られている場合などは、特にたたむ収納がおすすめです。
この記事では、基本的な服のたたみ方から旅行の際に便利なたたみ方、また、知っておくと役に立つたたみ方のコツなどを紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事を読んでわかること
- 洋服はシワができないように手で伸ばしながら丁寧にたたみ、下敷きなどを使うと同じ大きさにしやすい
- 旅行の際、衣類は丸めてたたむ方法が便利で、スーツはシワにならないようたるみに気をつけてたたむ
- ワイシャツはボタンを留めてたたみ、パーカーのフードは折りたたんでからたたむなど、たたみ方に悩むものは少しのコツでたたみやすく型崩れしにくくなる
- 5秒でたためるTシャツのたたみ方や、自立するたたみ方などを応用すれば便利
- たたみ方や保管に悩むものは、保管もしてくれる宅配クリーニングがおすすめ
服をたたむことのメリット
洋服をきちんとたたむと、吊るす収納に比べて服がコンパクトになり、省スペースがかなうというメリットがあります。吊るす収納ではハンガーをかける場所が必要ですが、たたんでしまう方法なら引き出しや収納ケースなどあらゆる場所にしまうことができるので、スペースを有効に活用できるのです。
収納場所に悩む方は、ぜひたたんで収納してみてくださいね。
きれいな服のたたみ方の基本
ここではきれいな服のたたみ方の基本として半そでTシャツのたたみ方を紹介します。
基本の半そでTシャツのたたみ方
半そでTシャツのたたみ方には、服をたたむための基本的な動作が含まれています。他の服もTシャツのたたみ方を応用してたたむといいでしょう。ここからはたたみ方の基本となるTシャツをきれいにたたむ方法を紹介します。
1.Tシャツの背面を広げシワを伸ばす
まずTシャツは背面を上にして、脇部分や肩の部分の縫い目をきれいに折って広げます。裾や袖が折れないよう気をつけ、シワがあれば手でならして平らにしておきます。
2.襟の端に合わせて袖と身頃を折る
Tシャツの襟(首の空いた部分のフチ)の端から裾にかけてのラインが折り目になるように、袖と脇部分を折ります。そして、Tシャツの袖を縫い目から外側に折り返します。このとき、袖が外へはみ出す場合は内側に折り返し、反対も同じように折りましょう。
3.身頃(胴体部分)を半分に折る
Tシャツの胴体に当たる身頃の半分を折り、裾部分を襟の裏に持ってきます。折る際に折り目に手を添えてシワが寄らないように気をつけます。
4.できあがり
崩れないようにそっと表に返してできあがりです。
きれいに仕上げるコツは「手アイロン」
きれいに仕上げるコツとして「手アイロン」という技があります。手アイロンは手でアイロンのようにシワを伸ばす動作のことです。
洗濯後に干す前にも手アイロンは有効です。干す前の手アイロンは襟を持って衣服を振り、襟の両端やボタンが縫い付けられている部分などを上下にピーンと伸ばします。
たたむときの手アイロンはとにかくシワを伸ばすことを意識しましょう。生地の重なりや膨らみがあるところなどは、ならしてきれいにします。
同じサイズにきれいにたたむコツ
Tシャツやワイシャツを同じ大きさにたたみたいときは、下敷きや雑誌などを入れてたたむと簡単に同じ大きさにたたむことができます。背面に広げた服の首の下に、下敷きや雑誌を乗せ、脇や袖、裾をたたみ、最後に取り出しましょう。同じ大きさだと収納もしやすく、見た目もきれいでおすすめです。
スーツケースなどにおすすめのたたみ方
旅行や出張の際にスーツケースなどに洋服を入れる場合は、スーツケースの形状に合わせてよりコンパクトにたたむのがおすすめ。荷物が多くてごちゃごちゃしがちなスーツケースの中は、一目でどこに何があるかわかるとより便利です。ここでは旅に便利な服のたたみ方をご紹介します。
Tシャツなどは丸めるたたみ方がおすすめ
スーツケースにTシャツやカットソー、スカートやワンピース、チノパンなどを入れる場合は、すべてを丸めてたたむのがおすすめです。スーツケースは浅いため、丸めた服を並べて入れておくと、どこに何があるかわかりやすくなります。
Tシャツやカットソーを丸めるたたみ方
- 背面を広げ、服の裾を数センチ折り返します。
- 襟の中心に脇の縫い目を持ってくるようにたたみます。
- 袖を折り返したら、上下の向きを変え、最初に折り込みを入れていないエリ側からクルクルと内側に服を巻いていきます。折り返した裾部分で全体をくるむように戻し、巻き込みます。
ボトムスを丸めるたたみ方
- まず服を広げ、ウエストの部分10センチほどを外側に折り返します。次に左右3分の1ずつ内側に折り込みます。
- スカートは膨らんだ部分を中心側に折り、全体が四角い形になるようにし、1.と同様にします。
- 裾からくるくると巻いて、ウエスト部分の折り込みをひっくり返したら、できあがりです。
スーツを持ち運ぶときのたたみ方
出張や冠婚葬祭などでスーツを持ち運びたいときは、シワにならないように気をつけましょう。スーツ持ち運び専用のガーメントバッグを利用すれば安心ですが、急な場合や荷物を減らしたい場合などはたたみ方を工夫することで、ある程度対処できます。
スラックスのたたみ方
- 広くて平らなスペースにスラックスを置き、プレスされたプリーツラインをきれいに重ねます。このとき、裾にたるみができないように、折り目やシワに気をつけます。
- そのあと裾側から三つ折りにします。バランスが崩れないよう気をつけ、シワが寄らないように手を添えながら丁寧にたたみます。
ジャケットのたたみ方
- ジャケットの前ボタンを留めます。
- 広くて平らなスペースに、ジャケットの背面を上にしておきます。
- 袖と身頃をつなげている縫い目を目印に、袖を折ります。折り目をつけないようふんわりとたたみ、反対側も同様に折ります。
- たたんだ袖の上部に、三つ折りにたたんだスラックスを乗せます。
- ジャケットの裾部分をもちあげ二つ折りにし、崩さないように正面を向け、できあがりです。持ち運びの際はスーツにシワが寄らないように、スーツはスーツケースの一番上に乗せるようにします。出張先のホテルなどに着いたら、ハンガーにかけて広げるようにしましょう。
たたみ方に悩む衣類のたたみ方のコツ
ここではたたみ方に悩みがちな衣類のたたみ方を一挙ご紹介します。コツを知っていてもたたむのが大変、難しいと思う方は、便利な宅配クリーニングの利用を検討するのもいいでしょう。
ワイシャツのたたみ方
ワイシャツはハンガーにかける収納が基本的にはおすすめです。しかしかける場所がない場合など、たたむ必要がある場合は、ボタンを留めてシワに気をつけてたたむようにしましょう。
- ワイシャツの一番上のボタンを留め、襟の形を整えます。他のボタンは全部留めるか、1~2個ずつの感覚で留めます。ボタンを留めずにたたむときれいにたためないので、おすすめしません。
- 背面を上にして広く平らなスペースにシャツを広げ、袖やわきの縫い目に合わせてシワを伸ばします。
- 袖と身頃の脇を持って、襟の端から肩の先までの半分の位置から裾にかけてのラインが折り目になるように折り込みます。折り返した脇の身頃の縫い目と反対側の脇の縫い目が平行になるように気をつけましょう。
- 袖を外側に折り、袖口は裾の方へ伸ばします。袖口のボタンは開けておく方がシワになりにくくおすすめです。反対側も同様に折ります。
- 三つ折りになるようにシャツを裾側から折ります。このとき折り返し部分が崩れたり、膨らんだりしないよう手を添えて丁寧に折って、できあがりです。
フード付きパーカーのたたみ方のコツ
フード付きパーカーはフード部分がかさばり、ボリュームが出てしまうためコツが必要です。ここではフードを折り込むようにたたむ折り方を解説します。
基本のTシャツのように背面を広げたら、フード部分のみを折り返して横にピーンと広げ、フードの先端を頂点にして三角形になるようにします。三角形の底辺となっている部分の両端を持ち、フードの頂点をとおる中心線に合わせて折るとフードがコンパクトな仕上がりに。あとはTシャツのようにたたむと、お店のディスプレイのようにたたむことができます。
ワンピース・スカートのたたみ方のコツ
ワンピースやスカートは裾に向かって広がるシルエットのため、たたみ方に悩むもののひとつです。うまくたたむコツは、なるべく長方形にしてたたむことです。
スカートやワンピースを広い場所に平らに裾を広げた形で置き、台形の広がった部分を内側に折り、長方形の形に整えてから三つ折りや四つ折りにします。
また、タックの入ったものなどはシワが寄りやすいため、手アイロンを意識してよく伸ばしながらたたみましょう。
セーターのたたみ方
セーターはハンガーにかけて収納すると伸びてしまうことがあるため、なるべくたたんで収納するといいでしょう。また、シワが気になる場合も無理に伸ばさないように気をつけます。
たたみ方はニットの背面を上にして平らな場所に置き、肩を縫い目に合わせて折り、身幅の中に収まるように両袖を折りたたんでから、裾部分を持って半分に折り返します。
保管時の折りシワが気になる薄手のニットは、半分に折る前に袖の上にタオルをはさむとシワ予防に有効です。
カーディガンのたたみ方
カーディガンはハンガーにかけると、重みで伸びて型崩れの原因になってしまいます。シワを伸ばしてボタン側を上にして平らな場所に置き、ボタンを開けた状態で袖をクロスさせ、内側に折り込んで、裾からたたみます。
ボタンを留めたままたたんでしまうと、型崩れの原因になるため、開けてたたむようにしましょう。
靴下のたたみ方
靴下は横向きにした2枚を重ね、全体を三つ折りにし、つま先を折って履き口に入れるとすっきりたためます。また、靴下を縦に伸ばすように置き、かかとを平らにして上に織り上げ、全体を三つ折りにするときれいな四角い形にたため、ケースなどへの収まりがよくなります。
知っておくと便利なたたみ方
他にも知っておくと便利なたたみ方があります。用途に応じていろいろなたたみ方を試してみましょう。また、たたみシワや保管が気になる場合は保管もしてくれる宅配クリーニングがおすすめです。手間なく、きれいな状態が保てる宅配クリーニングは、忙しい現代人の頼れる味方です。
5秒で素早くできるたたみ方
大量のTシャツをたたむときなどに便利な、素早く一瞬でできる、コンパクトで崩れないたたみ方を紹介します。最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れれば5秒程度でTシャツをたためるのでぜひ活用してみてください。
5秒で素早くできるTシャツのたたみ方
- 広くて平らな場所にTシャツの表を上にして自分の左手側にえりが来るように横向きに置きます。肩と襟の真ん中を始点としてA、Aから裾までのラインで真ん中あたりをB、裾をCとします。
- 肩と襟の真ん中部分Aを片手でしっかりと持ち、もう片方の手でBをつまみます。
- Bをしっかりつかんだまま、Aを持っている手で裾側のCをつかんで引っ張ります。このとき、Bは内側に入ったままです。
- AとCをつかんだ手はそのままに、Bを内側から表へ引っ張ります。手を離さずにTシャツの背面を上にして平らな場所に置き、たたまれてない方の袖と身頃をたたむように折るとできあがりです。
タンスや収納におすすめの自立するたたみ方
タンスや収納ケースに入れる際におすすめの、服が自立するたたみ方を紹介します。立てて収納すれば省スペースになるだけでなく、取り出しやすいというメリットがあります。
自立するTシャツのたたみ方
- Tシャツやカットソーの表面を上にして平らな場所に置きます。
- シワを伸ばしながら袖を襟の端に合わせて中心に折り込み、袖が長ければ折り返して裾側に伸ばします。反対の袖も同じように襟の端に合わせて内側へ折ります。
- 裾側から上部を少しずらして開けて折り、身頃の折り目から上にもう一度折ります。すると横から見ると縦に伸びたひらがなの「の」のような形になり、自立して収納しやすくできあがります。
シーズンオフの衣類の管理などはプロに頼むのもおすすめ!
気をつけてたたんでも、折りシワがついたり、伸びてしまったりすることはあります。管理に気を遣う大切な衣類やかさばるシーズンオフの衣類の管理は、保管もしてくれる宅配クリーニングに任せると楽です。
くらしのセゾンの宅配クリーニングなら、衣類は最大12ヵ月まで無料で保管してくれます。保管している間にシワができる心配もなく、使いたい時期に合わせて届けてもらえば、きれいな状態ですぐに着られます。また全国どこでも集荷や配達が送料無料なので、気兼ねなく預けることが可能です。
おわりに
服はたたんでしまえば、吊るす収納よりも省スペースになり、伸びやすい服は型崩れ防止にもなるためおすすめです。
たたむときはシワにならないよう気をつけ、手をアイロンにして丁寧にたたみましょう。旅行に行く際のたたみ方や、たたみ方に悩むもののたたみ方などは知っておくと役に立ちます。
たたむのが難しい大切な晴れ着や保管に困るかさばる服、シーズンオフの服などは、宅配クリーニングを利用してきれいに保管することもできます。家庭の収納やシーンに合った服のたたみ方を実践してみてくださいね。