急な仕事やお出かけで、どうしてもペットを連れていけないとき、どこに預けるのが良いでしょうか。候補のひとつとしてペットシッターがありますが、初めて利用する場合は不安を感じることも。今回は、ペットシッターに関するトラブルや利用時の注意点などを紹介します。トラブル回避方法もまとめました。ペットシッターの利用を考えている方は内容を参考に、大切なペットを任せられる預け先を見つけませんか。
この記事を読んでわかること
ペットシッターとは、飼い主が留守にしている間に自宅に来てもらい、ペットのお世話をしてもらうサービスです。ペットは慣れた環境で過ごせるためストレスを感じにくい他、飼い主は預け先への送迎の手間を省けるなどのメリットがあります。しかし、ペットシッターに自宅の鍵を預けることに不安を感じる方もいるでしょう。また予定していたお世話がされていなかったり、ペットがケガをしてしまったりするようなトラブルも聞かれます。ペットシッターと飼い主の間で、お世話の内容やペットの性格など細かく話し合うことで避けられる問題もあるため、事前にしっかりと打ち合わせをしましょう。また、ペットシッター保険などの加入の有無も確認しておくと安心です。
ペットシッターの仕事内容
最初にペットシッターがどのような仕事をするのか、具体的に見てみましょう。
ペットシッターとは?
ペットシッターとは、犬や猫が暮らしている自宅で飼い主の代わりにお世話をする仕事です。ご飯や散歩をはじめ、トイレや毛の掃除、グルーミングなど、依頼先によってはさまざまなサービスを行っています。お世話をするのが飼い主からペットシッターに代わる以外は、ほぼいつもと同じ環境で過ごせるので、ペットにとってストレスが少ないことが特徴です。
同様にペットを預けられるサービスに、ペットホテルや動物病院の預かりなどがあります。しかし最近はペットを飼う方の増加やペットホテルの減少から、ペットシッターの需要が上昇しています。
ペットシッターとペットホテルの違い
ペットホテルは、主にペットショップや動物病院、トリミングサロンなどが経営し、ペットの預かりサービスを行っています。
1頭ずつケージでお世話するところや、預かり中のペットをひとつの広い部屋でお世話するタイプなどスタイルはさまざまです。どのタイプのサービスを選ぶかは、ペットの性格などで判断すると良いでしょう。
中には、預かり時間内に散歩に連れて行ってくれたり、ブラッシングをしてくれたりするペットホテルもあります。また駅や空港に直結しているペットホテルなら、お出かけついでに連れて行けるので預けやすいでしょう。
ただし、ペットホテルにはご自身のペット以外にも動物が預けられているので、病気をもらう可能性は否定できません。環境の違いからストレスを感じてしまう懸念もあります。
また、ペットホテルを利用するには送迎が必要になり、手間だと思う方もいるでしょう。ペットシッターが自宅に来てもらえば、ペットは慣れている環境で過ごせるので、ストレスを感じにくいメリットがあります。また、送迎しなくて済むので飼い主の負担も少ないでしょう。
ペットシッターに資格はいる?
ペットシッターは特別な資格がなくても働くことができます。しかし、ペットシッターに関する民間の資格がいくつかあるため、大事なペットをお願いするのであれば資格所有者に依頼する方が安心です。ペットシッターを選ぶ際の基準になるため、どのような資格があるのか把握しておきましょう。
認定ペットシッター
認定ペットシッターは、飼い主との信頼関係を築く方法や、引っ張る力の強い犬をどのように散歩させたら良いかなど、ペットのお世話に関して多面的に学べる資格です。
ビジネス教育連盟が展開しているペットシッタースクールの認定ペットシッター養育講座を受け、修了試験に受かると認定資格が得られます。認定ペットシッターの資格があると、ペットシッターの開業に必要な「動物取扱業」の登録申請が行えます。
ペットシッター士
日本ペットシッター協会の認定が受けられるペットシッター士は、ペットのしつけや健康管理、感染症、ペットに関する法律などを身に付けられる資格です。認定ペットシッター同様、資格取得により動物取扱業の登録申請の条件を満たせます。
愛犬飼育管理士
愛犬飼育管理士は、血統書の発行やトリマーなどの育成を行っている一般社団法人ジャパンケネルクラブによる資格です。この資格では、犬の正しい飼い方や管理方法、販売などについて学べます。多くの自治体で、愛犬飼育管理士も動物取扱業の登録要件として認めています。
ペットシッターに依頼するメリット・デメリット
ペットシッターを利用する前に、ペットシッターのメリットやデメリットについても知っておきましょう。
ペットシッターを依頼するメリット
ペットシッターにペットを預けるメリットとして、以下が挙げられます。
ペットにかかるストレスが少ない
ペットシッターは、ペットホテルと異なり自宅でお世話してもらうシステムです。慣れない環境で長時間過ごすペットホテルは、ペットにとって大きなストレスがかかります。飼い主がいないだけでなく、知らない動物がたくさんいる空間で過ごすことで、体調不良を起こしてしまうペットもいるでしょう。
しかし、ペットシッターに依頼すれば、餌を食べる場所や散歩のコースもいつもと同じであるため、ペットはストレスを感じにくく安心して過ごせるでしょう。
送迎の必要がない
ペットシッターは、送迎する必要がない点も大きなメリットです。ペットホテルを利用する際に送迎が手間だと感じる方もいるのではないでしょうか。
送迎そのものが大変なだけでなく、飼い主がお迎えに行ける時間がペットホテルの閉店後になってしまうときは、余計に1泊しなくてはならない場合もあります。
中には送迎を行ってくれるペットホテルもありますが、送迎時間が決まっていたり、飼い主の予定の時間と合わなかったりするケースもあるでしょう。
このようにペットホテルを利用する際は、時間や費用が余計にかかってしまう可能性がありますが、ペットシッターを利用すればこれらのロスが生じない点もメリットといえます。
細かいリクエストをしやすい
ペットシッターを利用する際は、ほとんどの場合、自宅で事前面談を行います。そのため、ペットとの相性を確かめられるだけでなく、細かなリクエストにも応じてもらいやすいメリットがあります。
例えば、歩くのに時間がかかるシニア犬はゆっくり散歩してくれたり、運動量が多いペットの散歩時間を長くしてくれたりといった対応をしてもらえます。
他の犬と一緒に行くことが多いペットホテルの散歩サービスよりも満足度が高いでしょう。食事面などでも個別で対応してもらいやすく、ペットの個性や事情に合わせて利用しやすい傾向にあります。
ペットシッターを依頼するデメリット
一方でペットシッターにはデメリットがないわけではありません。事前にチェックしておきましょう。
自宅の鍵を預けることになる
ペットシッターは、飼い主が不在の際に、自宅に来てもらってペットのお世話をしてもらうサービスです。そのため、ペットシッターに鍵を預ける必要があります。家族ではない人に鍵を預けることや、不在時に自宅に入ったりすることに対して、不安を感じる方もいるかもしれません。
緊急時の対応ができない
契約内容にもよりますが、ペットシッターは1回当たり1時間程度自宅でペットのお世話をしてもらうケースがほとんどです。ペットホテルと比べてペットだけで過ごす時間が長いため、万が一ペットシッターがいない時間帯に災害などトラブルが発生した場合は、すぐに対応できないリスクが考えられます。
ペットシッターで発生しやすいトラブル
メリットが多いサービスですが、中には悪質なペットシッターもいるためトラブルやクレームに発展するケースがあります。実際にどのようなトラブルが発生しているのか見てみましょう。
ペットのお世話が不充分で起こるトラブル
ペットシッターと飼い主とのトラブルで多いのが、お世話の内容に関するものです。トイレの掃除や餌の食べ残しの片付けができていないなど、依頼したお世話が充分にこなせていない場合、飼い主は不満を感じるでしょう。原因は、ペットシッターと飼い主との認識の違いが考えられます。
また、初対面であるとペットがペットシッターに懐かず興奮状態になってしまい、予定していたお世話が時間内にできない事態も起こり得ます。
ペットのケガや逃亡によるトラブル
トラブルのひとつに挙げられるのが、ペットシッターがお世話をしている間にペットがケガをしたり逃げたりしてしまうケースです。
「犬の散歩中にリードが外れて逃げた」「ペットが遊んでいるときに脚をケガした」といったトラブルは、ペットシッターの過失の場合もあります。しかし、予期せぬアクシデントにより発生したトラブルは、責任の所在が難しいでしょう。
訪問マナーの悪さによるトラブル
ペットシッターの中には約束した時間に来なかったり、契約した時間よりも早く帰ってしまったりする方もいます。
そうなると、食事やトイレなどのお世話を充分にしてもらえない可能性があるため、ペットが無事かどうか心配になります。また鍵を渡しているにもかかわらずペットシッターが来ないとなると、防犯面でも不安が生じるでしょう。
カギの閉め忘れや紛失によるトラブル
自宅の鍵をペットシッターに預けるため、鍵の閉め忘れや紛失などのトラブルが生じる可能性もあります。
鍵を紛失された場合、防犯面から自宅の鍵を交換しなければならない事態に発展します。賃貸物件に住んでいれば、鍵を交換するのに大家さんの許可を取る必要があり、さらに手間がかかります。
故意的な盗難によるトラブル
あってはならないトラブルですが、ペットシッターを利用した後に家のものが壊れていたり盗難されていたりするケースも否定できません。さらには、ペットシッターが行った証拠がないと、最悪の場合、なんの補償も得られずに諦めざるをえないこともあります。
ペットシッター利用時のトラブルを回避する方法
それでは、ペットシッター利用時のトラブルを回避するために、どのような対策が立てられるか確認しておきましょう。
事前の打ち合わせを必ず行う
ペットシッターとのトラブルを防止するには、まずは依頼するペットシッターとペット・飼い主との信頼関係を築くことが重要です。
そのためには、担当になるシッターと利用前にじっくり打ち合わせましょう。特に初めて利用する場合は、依頼したいお世話の内容だけでなく、ペットの特徴や性格、家の中で気をつけてほしい場所などをきちんと伝える必要があります。
シッターと飼い主との連携が充分に取れていれば、利用後に不満を感じることも少なくなるでしょう。
利用規約や契約書の確認をする
ペットシッターを利用する際は、やむを得ないトラブルが発生する可能性も考えられます。トラブル発生時に、責任の所在がどのようになっているのか、どのような対応をしてもらえるのかなどを書面で確認しておきましょう。
チェックする際は、書面上の表現が曖昧だったり、利用する側が不利になるような内容になったりしていないか、入念に確かめてください。
動物取扱業への登録を確認する
ペットシッター業を開業する際は、「動物取扱業者登録制度」に沿って自治体へ登録申請する必要があります。
動物取扱業者には、ペットの管理方法や飼育施設の規模などについて基準が定められているだけでなく、プロとしてペットを正しく取り扱うことが求められています。
ペットシッターを選ぶときは、動物取扱業者登録をしっかり確認して選ぶと安心でしょう。
監視カメラを設置する
飼い主の不在時にペットの様子を確かめたい場合は、監視カメラを設置しておくと安心です。スマホで離れた場所からでもペットの様子を確認できるペット用カメラなど、便利な機能が備わったものがたくさん販売されています。
ただし、監視カメラの存在を知らせないと、不快に感じるペットシッターもいるでしょう。そのため監視カメラを使用する場合は、あらかじめ設置している旨をペットシッターに伝えてください。
ペットシッター保険や損害保険の加入の有無を確認する
ペットシッターを利用する際は、お世話中にペットがケガをしたり、部屋のものを壊してしまったりなど、予期せぬトラブルが発生しかねません。
しかし、ペットシッターが保険に加入していれば、補償を受けられるケースもあります。そのためペットシッターを選ぶ際は、業務中の賠償責任保険に加入しているかどうかを確認しておくことも大切です。
利用を考えている会社の口コミをチェックする
利用を考えているペットシッターがブログやSNS、公式ホームページなどを開設している場合は、利用した方の口コミをチェックしておきましょう。口コミは率直な意見が記されていることが多いため、利用する際の判断材料として参考になります。
ペットシッターの料金は?
ペットシッターを利用するのに、どのくらいの費用がかかるのかも調べておきましょう。ペットシッターを利用する際は、シッティング料金の他に交通費や初期費用など、さまざまな料金がかかります。初回のペットシッター料金の相場は、カウンセリング費用や出張費を含むと、1時間当たり6,000~12,000円程度です。
サービス先によって、シッティング費用の中に基本料金や出張料金、交通費などを含んでいるところもあれば、シッティング費用と交通費やカウンセリング費用などを分けている場合もあります。また、交通費が一律、もしくは実費の交通費など料金形態もさまざまです。
さらに、依頼が増える年末年始やゴールデンウィーク、お盆などの時期は、割増料金を設定している場合もあります。利用する際は、料金内容やサービス対象エリアをしっかり確認しておきましょう。
ペットへのストレスを考えてペットシッターへ依頼しよう!
仕事や急な用事でペットを預ける際、ペットホテルや動物病院ではペットに大きなストレスがかかってしまうことがあります。ペットへの負担が心配な場合は、慣れた環境で過ごせるペットシッターを利用してみると良いでしょう。
訪問型ペットシッターサービスを行っている「sewakl.(セワクル)」では、ご自宅で飼い主様の代わりにお散歩や食事、トイレや毛の掃除などのお世話全般を担当いたします。大切な家族であるペットのストレスを最小限にできるよう、専門有資格者のシッターが対応。しつけや問題行動のご相談も可能ですので、ペットシッターを探している方はぜひご検討ください。
おわりに
ペットシッターは、ペットへのストレスが少なく、飼い主の送迎負担なども減らせる便利なサービスです。ペットのお世話をお願いするのであればトラブルなく利用したいですね。トラブルは、事前の面談をしっかり行ったり、利用先の保険内容を確認したりすることで防げることもあります。ペットシッターとペットとの相性などもチェックして、安心できるところに依頼してください。