住宅ローンは長期にわたって返済を行うため、完済前にリフォームや増改築などが必要になるかもしれません。住宅ローンがまだ残っている状態で追加融資を受けられるか、気になるのではないでしょうか。住宅ローンの返済中に資金が必要になった場合は、リフォームローンや借り換えをうまく活用することが大切です。
今回は、住宅ローンの返済中に追加融資を受ける方法や借り換え時のポイントを解説します。
- 住宅ローンの残債がある状態で追加融資を受けられる可能性は低い
- リフォームが目的なら返済中の住宅ローンに組み込んでもらえるケースもある
- 住宅ローンの返済中にリフォーム費用が必要になった場合の資金調達方法は、「リフォームローン」と「住宅ローンの借り換え」の2つがある
- 住宅ローンの借り換えは諸経費がかかり、再度審査や契約が必要になるのがデメリット
残債がある状態で住宅ローンを追加で借りるのは難しい?
住宅ローンは20年、30年などの長期間で返済を進めるものです。そのため、建物の老朽化などにより、返済中にリフォームや増改築を検討するケースは少なくありません。ここでは、残債がある状態で住宅ローンの追加融資を受けられる可能性について説明します。
追加融資を受けられる可能性は低い
基本的に、住宅ローンの残債がある状態で追加融資を受けられる可能性は低いといえます。住宅ローンはマイホームの購入を目的としており、購入する住宅を担保に融資を受けるものです。金融機関では、目的外の融資はできないため、住宅ローン返済中に借入金額を増やすのは難しいでしょう。
ほかの金融機関に依頼する場合は、新たに審査を受ける必要があります。今の住宅ローンを組む際に自宅を担保に入れるため、通常は第1順位の抵当権が設定されていますが、担保余力があれば第2順位以下でも融資を受けることは可能です。
しかし、第1順位の抵当権以外で住宅ローンを組める金融機関は少ないのが現状です。
リフォーム費用としてならローンに組み込めることがある
一方で、リフォームを目的に追加融資を受けたい場合は、返済中の住宅ローンに組み込んでもらえるケースもあります。住宅ローンの資金使途にはリフォーム(増改築)が含まれているため、交渉次第では受け入れてもらえるかもしれません。
契約中の金融機関の判断にはなるものの、ほかの金融機関に相談するよりも審査にとおりやすいでしょう。
追加融資は返済リスクを高めるデメリットも
追加融資を受けると借入金額が大きくなるため、毎月の返済額や総返済額は増えてしまいます。今後は、子どもの教育資金や思わぬ病気・ケガなどでまとまったお金がかかるかもしれません。定年退職後を見据えて、老後の生活資金を準備する必要もあるでしょう。
追加融資は返済リスクを高めるデメリットもあるため、しっかりとした返済計画を立てたうえで利用することが大切です。
住宅ローンの返済中にリフォームなどで資金が必要となった時
住宅ローンの返済中にリフォームなどで資金が必要になった場合は、追加融資のほかにも選択肢があります。ここでは、リフォームローンや住宅ローンの借り換えを活用した資金調達方法を紹介しましょう。
リフォームローンとして追加融資を受ける
住宅ローンの返済中にリフォームなどで追加融資が必要になった際は、新たにリフォームローンを借り入れることが可能です。
リフォームローンとは、築年数の経過した建物の修繕や浴室・トイレなどの設備交換、間取り変更などに利用できるリフォーム専用のローンのこと。住宅ローンよりも借入限度額は低く、金利は高くなりますが、審査は比較的緩やかとなっています。
<リフォームローンと住宅ローンの違い>
リフォームローン | 住宅ローン | |
借入限度額 | 1,000万円程度 | 1億円程度 |
返済期間 | 最長15年程度 | 最長35年程度 |
金利 | 2%~5%程度 | 0.5%~3%程度 |
担保 | 無担保も可 | 必要 |
審査 | 比較的緩やか | やや厳しい |
住宅ローンは担保が必要ですが、リフォームローンは有担保と無担保の2種類があります。有担保の方が借入限度額は大きく、金利は下がりますが、無担保なら住宅ローンの返済中でも融資を受けやすいでしょう。
リフォームローンを利用する場合は、本人確認書類や収入を証明する書類(源泉徴収票など)、リフォーム工事の見積書などの必要書類を準備したうえで申し込みます。住宅ローンの残債があっても、ほかの金融機関で融資を受けることも可能です。
住宅ローンを借り換えることで追加融資を受ける方法
リフォームローンのほかに、住宅ローンを借り換える方法もあります。借り換えとは、ほかの金融機関で新たに住宅ローンを借り入れ、返済中の住宅ローンの残債を一括返済することです。借り換えの際に、住宅ローンの残債にリフォーム費用を含めて融資を受けることで、実質的に追加融資と同じような効果を得られます。
借り換えによって返済中の住宅ローンより金利が下がれば、手数料を考慮しても、追加融資を受けるより支払総額が減る可能性もあるでしょう。ローンを一本化できるため、新たにリフォームローンを組むより家計管理がしやすいのもメリットです。
住宅ローンの借り換えは契約中の金融機関では認められないことが多いので、ほかの金融機関にリフォーム費用を含めて借り換えが可能かを確認してみると良いでしょう。
住宅ローンを借り換える時のデメリット
住宅ローンの借り換えは、リフォーム費用も含めて融資を受けられる可能性がある一方で、注意点もあります。ここでは、住宅ローンを借り換える時のデメリットについて見ていきましょう。
手続きによる諸経費がかかる
住宅ローンの借り換えでは、「返済中の住宅ローンを完済する時」と「新たに住宅ローンを組む時」にそれぞれ諸経費がかかります。
<返済中の住宅ローンを完済する時にかかる諸経費>
- 一括繰上返済手数料
- 抵当権抹消費用(登録免許税、司法書士報酬)
一括繰上返済手数料は30,000円程度が相場ですが、金融機関によって異なります。抵当権抹消登記の登録免許税は、不動産1個につき1,000円なので、土地と建物で2,000円。抵当権抹消費用は、司法書士報酬も含めて20,000円程度が目安となります。
<新たに住宅ローンを組む時にかかる諸経費>
- 事務手数料
- 保証料
- 印紙税
- 抵当権設定費用(登録免許税、司法書士報酬)
事務手数料は、「定率型」と「定額型」の2つがあります。定率型は融資額の2.2%(税込)としている金融機関が多く、保証料が不要になることも。定額型で事務手数料が30,000円程度の金融機関は、別途保証料がかかるケースが一般的です。金融機関によって差があるため、実際にいくらかかるかを計算しておきましょう。
印紙税は、「金銭消費貸借契約書」に貼付する収入印紙です。税額は、融資金額が「1,000万円超5,000万円以下」なら20,000円、「5,000万円超1億円以下」の場合は60,000円となります。
抵当権設定登記の登録免許税は、融資金額の0.4%が原則。ローン金額によって変わってきますが、抵当権設定費用は司法書士報酬も含めて50,000~100,000円程度が目安となります。
再審査の必要がある
借り換えは新たに住宅ローンを組むため、再度審査や契約が必要です。必要書類を準備したうえで仮審査や本審査を受け、契約手続きを行わなくてはなりません。
返済中の住宅ローンを完済するために、契約中の金融機関と融資実行のタイミングを調整するなどの手間もかかります。現在の仕事や収入状況によっては審査に通過できず、融資を受けられない可能性がある点にも注意が必要です。
住宅ローン控除額が減る可能性がある
住宅ローンを組んでマイホームを取得すると、住宅ローン控除を受けられます。住宅ローン控除とは、住宅ローン年末残高の一定割合を所得税(一部は翌年の住民税)から控除する制度です。税負担の軽減効果が高いため、住宅ローン利用者にとっては大きなメリットといえるでしょう。
しかし、借り換え後の融資金額や返済期間によっては、住宅ローンの控除額が減ったり、控除を受けられなくなったりする可能性があります。
毎月の支払いプランを見直す必要がある
住宅ローンの借入時の金利は、変動金利より固定金利の方が高い傾向にあります。固定金利タイプのローンに借り換える場合は、金利の負担がアップして、家計の負担が増えてしまうかもしれません。
また、リフォーム費用なども含めて融資を受ける場合は、借入金額の増加により毎月の返済額が増える可能性があるため、返済計画をしっかりと立てておく必要があります。
リフォームや外構工事で資金調達したい時は
リフォームや外構工事で資金調達したい場合は、セゾンファンデックスの「リフォームローン」がおすすめです。ここでは、セゾンファンデックスの「リフォームローン」のメリットと活用事例を紹介します。
セゾンファンデックスのリフォームローンを利用するメリット
セゾンファンデックスの「リフォームローン」には、以下の3つのメリットがあります。
- 住宅ローン返済中でも借りられる
- 来店せずに手続きできる
- どのリフォーム会社でも使える
セゾンファンデックスの「リフォームローン」は住宅ローンを返済中でも利用でき、リフォーム目的の場合は年収の3分の1を超える融資も可能です。返済金額や回数について相談のうえ、無理のない返済プランを提案します。
WEBサイトまたは電話・郵送での手続きに対応しており、遠方に住んでいても来店不要で利用可能。満20歳から完済時75歳まで申し込みできるので、年齢制限があって申し込みが難しいとお悩みの方にもおすすめです。
また、施工会社を自由に選べるので、リフォーム業者に提携ローンがない場合にも便利。セゾンファンデックスが施工会社に資金を直接振り込むため、手間が省けます。
セゾンファンデックスのリフォームローン活用事例
ここでは、セゾンファンデックスの「リフォームローン」の活用事例を2つ紹介します。
<途中で増加した工事代金の融資事例>
- 職業:無職(年金受給)
- 年齢:60代
- 家族構成:夫婦
- 融資金額:700,000円
- 資金使途:リフォーム費用
リフォーム費用は全額自己資金の予定でしたが、追加費用の発生で資金が足りなくなってしまいました。支払期限が迫っており、依頼した施工業者には提携ローンがなかったため、セゾンファンデックスに相談。60代でも融資を受けられ、リフォーム業者に直接振り込みをしてもらえたので手間が省けました。
<老後に備えた屋根・外壁修繕費用の融資事例>
- 職<老後に備えた屋根・外壁修繕費用の融資事例>業:会社員
- 年齢:60代
- 家族構成:夫婦と子ども2人(社会人)
- 融資金額:1,500,000円
- 資金使途:リフォーム費用
自宅の外壁にヒビが入り、屋根も経年劣化で雨漏りが心配なので、早めにリフォームをすることに。まだ働いていますが、収入が減る前にローンを組んで完済しておきたいという希望があり、セゾンファンデックスの「リフォームローン」で融資を受けました。毎月の返済額を43,000円に設定し、無理なく返済できています。
おわりに
住宅ローンの残債がある状態で追加融資を受けられる可能性は低いため、リフォームなどで資金が必要な場合は、「リフォームローン」と「住宅ローンの借り換え」が選択肢となります。借り換えは諸経費がかかり、再審査も必要になるので、時間や手間をかけたくない場合はリフォームローンがおすすめです。
セゾンファンデックスの「リフォームローン」なら、住宅ローンの返済中でも借入可能。来店不要で、WEBサイトまたは電話・郵送で手続きできます。リフォーム資金でお困りの場合は、お気軽にご相談ください。