「ペットをお迎えしたいけど、50代からだと無理?」「長く一緒に過ごすために、何に気を付けたらいい?」
今回のコラムでは、そんなお悩みを抱える方向けに、ペット飼育前に考えておきたいことを5つご紹介します。
- 15年後の未来を考えておく
- 毎年かかる費用について知る
- 自力でのしつけにこだわらない
- 旅行や入院時に頼れる人がいるか?
- 世話ができなくなったときの対策
これらの5つについて具体的に取り上げていきますので、これからペットをお迎えしようと思っている方はぜひチェックしてくださいね。
50代からペットを飼育するメリット
本題に入る前に、50代からペットを飼育することのメリットについて触れておきたいと思います。
50代、60代とある程度年齢を重ねると、経済的な負担が気になったり、体力的な面でペットを飼うのが難しいと感じる方が多いようです。
しかしミドルシニア世代、シニア世代の方がペットをお迎えすることには、そうしたデメリット以上に大きなメリットがあるのです。
- 生活にハリが生まれる
- 家族内でのコミュニケーションが増える
- 運動不足の解消
ここでは、上記の3つのメリットについてご紹介します。
生活にハリが生まれる
イオンライフ株式会社が運営するメディア「メモリアルなび」では、ペットを飼っている60歳以上の方を対象としたアンケート結果が紹介されています。
そのアンケートの中で「ペットを飼って良かったと思うことはどんなところですか。」という問いへの回答が、次の通りです。
(引用:一人暮らしでペットの世話ができなくなった場合のことを考えていない方は6割!)
ダントツに多いのが、「癒された」という回答です。
特に飼い始めてすぐの頃は、愛くるしい新しい家族の存在に癒され、生活にハリが生まれたと感じます。
散歩やエサやり、トイレの世話、通院などやるべきことが増えて大変にはなるものの、それだけ日々が充実して日常生活もガラッと変わります。
特にお子さんが自立して手がかからなくなり、キャリアが晩年に差し掛かって老後が見えてくる50代以降の方にとっては、ペットの存在が日々の生きがいになる可能性も高いのではないでしょうか。
家族内でのコミュニケーションが増える
先ほどのアンケート調査でも第二位に挙がっているのが「家族との会話が増えた」という回答です。
ペットをお迎えすると、家庭の中でも新たな子どもが生まれたような雰囲気になり、自然とコミュニケーションが増えるはずです。
家族みんなで写真を撮る機会が増えたり、一緒に散歩やお出かけする機会も増えたりと、家庭を明るくする役割も担ってくれるのがペットです。
「夫の定年後は熟年離婚が増える」などとささやかれる昨今ですが、新たな家族を迎えることで夫婦関係も良好になり、夫婦円満な老後を送れるようになる可能性も高まるでしょう。
運動不足の解消
犬や猫を新しい家族にお迎えすると、自然と運動不足が解消されるメリットもあります。たとえば犬を飼い始めた場合には、基本的には毎日の散歩が必要になります。
朝に1回、夕方に1回と散歩に行くようにすれば、毎日長時間歩く習慣が身に付きます。特に老後は運動の習慣がないとすぐに体力が低下してしまいますから、運動不足解消のために犬をお迎えするのも50代以上の方にはおすすめです。
一方で猫の場合はあまり運動するイメージがないかもしれませんが、お迎えする子の性格によっては、活発に家の中を走り回ることもあります。
猫じゃらしなどのおもちゃで遊ぶのが大好きで、夜中には大運動会を始めてしまう…なんてことも。
そうした猫の遊びに付き合ってあげるために、自然と飼い主の運動量も増えていきます。特に子猫のうちは活発に動き回る子が多いですから、なるべく若い猫をお迎えするのがおすすめです。
ペット飼育前の注意点①15年後の未来を考えておく
ここからは、実際にペットを飼育する前の注意点についてチェックしていきましょう。
まず、あなたは犬や猫の一般的な平均寿命をご存じでしょうか?
一般社団法人ペットフード協会が実施した「令和2年 全国犬猫飼育実態調査」によれば、犬の平均寿命は14.48歳、猫の平均寿命は15.45歳であることがわかっています。
ざっくり15年くらいの寿命だと考えて、ペットを0歳の頃からお迎えするとしたら、その後15年間のお世話が必要となります。
15年といわれると、かなり長い期間ですよね。現在50歳の方であれば、65歳まではペットのお世話を続ける必要があるということです。現在55歳の方なら、70歳までペットの面倒を見る必要があります。
ここまでくると飼い主の平均寿命も近づいてきますから、「わたしや家族にもしものことがあったら…」を考えておかなければなりません。
また、15年後には定年を迎え、年金と貯金の切り崩しが生活費の中心になっていることも考えられます。そうした状況でもしっかりとペットのお世話をして、お金をかけてあげられるのかを考慮しておく必要があるのです。
ペット飼育前の注意点②毎年かかる費用について知る
あなたはペットの飼育にかかる年間費用をご存じですか?
アニコム損害保険株式会社のアンケート調査によれば、犬は平均338,561円、猫は平均164,835円の年間費用がかかるとされています。
(参考:ペットにかける年間支出調査 2020|PR TIMES)
特に子犬・子猫の頃は生活用具を揃えたりワクチンを打ったりするために費用がかさみますし、10歳を超えてくると介護が必要になってくる可能性も否定できません。
贅沢をさせるとはいわないまでも、せめて添加物が少ないフードや、健康増進に役立つおやつなども選んであげたいと思うなら、それだけ食費も高くつきます。そうした年間費用を15年間ずっと払い続けることが可能かどうかも、ペットを飼い始めるときに必ず考えておきたい要素です。
また、多くの人が意外と忘れがちなのが、「ペット保険」の保険料です。
犬や猫もときには大きな病気にかかったり、ケガをしたりすることもありますが、犬や猫には私たち人間の健康保険のような公的保険制度はありません。
そのため高額な治療費を飼い主が自費で支払わなければならなくなる可能性があります。それを防ぐために多くの飼い主が入っているのが、ペット保険です。
セゾンカードでも、次の2つのペット保険と提携しています。
- アニコム損害保険株式会社の「どうぶつ健保」
- アイペット損害保険株式会社のペット保険「うちの子」「うちの子ライト」
万が一のときに備えて、ペットのための保険への加入も検討しておきましょう。
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ペット飼育前の注意点③自力でのしつけにこだわらない
ペットを飼い始めて必ず必要になるのが「しつけ」です。
特に外に出る機会の多い犬をお迎えする場合には、しっかりとしたしつけをする必要があります。飼い主以外の人からおやつをもらったり、吠えたり噛み付いたりせずに他の犬と触れ合うことができれば、ペットホテルやペットシッターも利用しやすくなります。
飼い主が旅行に行く際などに長期間誰かに預けなければならないときにも、しつけが行き届いているペットであれば預かってもらえやすくなります。
しかし、50代以降の人がご自身だけで完璧にしつけようとするのは簡単ではありません。特に体が大きい中型犬以上の犬になると、体格相応の力もありますから、飼い主のケガにもつながりかねません。
そんなときには遠慮せずに、しつけ教室やトレーナーさんの力を借りるようにしましょう。しつけのプロに見てもらうことによって、飼い主も犬も安心して過ごせるような関係性を築くことができます。
子犬の頃に一度しつければ将来的にもメリットが大きいので、できるだけお迎えしてすぐにしつけについて考え始めたいですね。
ペット飼育前の注意点④旅行や入院時に頼れる人がいるか?
仕事をリタイヤした後の老後の楽しみといえば、旅行。定年退職したら、家族で国内旅行や海外旅行に行く予定を立てている方も多いのではないでしょうか。
日帰りの旅行であれば大きく心配する必要はないですが、何泊もして家を空ける時間が長くなるなら、ペットを誰かに預けるということも考えておく必要があります。
近くに住んでいる親戚や兄弟に頼めるならそれがベストですが、難しければペットホテルなどを利用することになります。ペットホテルに預けるにしても、ペットの不安やストレスが大きくなりやすいですし、相性が悪ければ体調を崩すことだってあります。例えば、人間の幼児を保育園に預けるようなものだと考えると分かりやすいでしょう。
また、飼い主ご自身や家族が何かのケガや病気で入院し、家を空けることになった場合にも、誰かにペットを預かってもらわなければなりません。そうした緊急時にペットのお世話を頼めるような人がいるかどうかも、事前に考えておきたいところです。
ペット飼育前の注意点⑤世話ができなくなったときの対策
あまり考えたくないことではありますが、ペットの寿命よりも先に、飼い主である私たちが寿命を迎える可能性もゼロではありません。
残されたのが配偶者や成人している子どもであれば、自分で自分の生活を成り立たせることができます。
しかし犬や猫などのペットは、飼い主がいなければ生きていくことすら困難になるのです。特に飼い主が60代に差し掛かると、この手の心配事も現実味を帯びてきます。
「もしわたしがいなくなったとしても、愛するペットが安心して暮らしていけるのかどうか?」
そんなふうに想像し、対策しておくことが非常に重要なのです。できれば新しくペットをお迎えするタイミングで、家族や親戚と相談しながら万が一の際の引き受け先を決めておけると安心ですね。
おわりに
ここでは50代の方がペットを飼い始めるときに考えておきたいこととして、次の5つを紹介してきました。
- 15年後の未来を考えておく
- 毎年かかる費用について知る
- 自力でのしつけにこだわらない
- 旅行や入院時に頼れる人がいるか?
- 世話ができなくなったときの対策
ペットにかかる費用やしつけの問題はもちろんですが、万が一ペットよりも先にご自身の寿命を迎えた際にどうするのかを考えておくことが非常に重要になってきます。
周りの家族や親戚にもサポートしてもらいながら、新しい家族をお迎えしましょう。