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片づかない理由!圧倒的に不足しているのはこれ!

中里 ひろこ Graceful Life代表

執筆者

Graceful Life代表

中里 ひろこ

Graceful Life代表。転勤や子育て中の片付かない日々に悩んだ経験から、思考整理から始める整理術ライフオーガナイズを学ぶ。個人宅のサポートを経て、現在は講師として活動。最近は「片付け」を通して自分を大事にする女性の生き方も伝えている。著書『わたしに合った「片づけ」ができる仕組みづくり』(講談社2021/5)

片づけが苦手な方とお話しをすると「片づかない理由」は、「自身や家族が片づけられない人だから」と思い込んでいる方がとても多いように感じます。もちろん、ご家庭により「片づかない理由」はさまざまありますが、実は片づけられないと思っている人が本当に必要なのは、片づけノウハウではなく「片づける時間の確保」です。学校だと授業の合間に終了した授業の教材を片づけ、次の授業の準備をするリセット時間が確保されています。けれど、家庭の家事時間は流動的なことが多く、そもそも片づける時間配分が少なすぎることが片づかない原因ということが非常に多いのです。 

多忙な方は必要なモノがすぐに見つからないと、探す時間を惜しみ、新たに買う選択をするのでモノが増えるといった悪循環が起きています。片づかない方の多くが忙しすぎるともいえるのです。実際、「いつ、片づける時間をとっているか」と質問すると「気付いた時に」「思い立ったら」など、隙間時間でなんとかしているので片づけるモノの量と片づけにかかる時間のバランスが取れていないのです。ご自身の時間と向き合い、片づける時間を確保することについてご紹介していきます。

1.片づけと時間管理の関係 

1-1.どれほど忙しい人にも平等な24時間 

時間は平等だとは分かっていても、ご自身で自分自身をコントロールできている時間がどのくらいあるのかご存知ですか?24時間のうち、他者が関係する仕事時間など自身でコントロールできない時間を引き算します。その残りから、自身のなかの優先順位の高い時間を引き算していくと、思っているよりも限られた時間しか残らないことが多いです。その限られた時間の使い方を、コントロールできるかどうかで、1日の充実度やできることの質や量も変わってきます。 

私たちは、苦手なことに積極的に時間を使おうとはしないので、片づけが苦手な方はどうしても片づける時間が後回しになってしまいます。AIが発達して、使ったモノが自動で収納場所に戻ってくれる時代が早くくれば嬉しいのですが、「使ったら、元に戻す」という行為に自身の時間を費やさないわけにはいきません。まずは、自身の24時間の使い方を一度書き出してみてください。 

1-2.片づける時間を生み出し、確保する 

24時間を書き出してみると、家事にどれほどの時間を確保できているのかが見えてきます。料理、洗濯、掃除とさまざまな家事がありますが、その項目ごとに片づけることもセットで存在するのです。片づけることが習慣になっている方は、意識せずとも流れ作業のように「出したら戻す」という片づけの基本行為ができています。例えば、「食後の片づけ」時間を分解してみましょう。食器をシンクに運ぶ時間、食器を洗う時間、洗い終わった食器を食器棚に戻す時間と分けて考えていくのです。ついつい、後回しになりがちな片づける時間をアラームで測っておくと、どこに時間がかかるのか、苦手な家事には何分くらい時間が必要なのかも見えてきます。すると、圧倒的に「片づける時間」の確保が足りないことに気付く方が多く、行動する時間がないから片づかなかったことも仕方ないと理解できるのです。 

1-3.足りない時間はゴール設定を変える 

時間は限りあるので、自身がコントロールできる時間の中で今一度あなたにとってどういう時間の過ごし方がご自身の理想なのか考えてみてください。時間が余っている方は、その時間を「片づける時間」にすれば良いとなりますが、多くの方が「時間が足りない」ということに気付きます。 

では、どうすれば良いのか?時間を生み出すためには、現状のどの時間を削減するのかを考える必要にせまられます。ただし、睡眠時間など健康に関わることは削れない年代です。普段当たり前に行っている家事にも目を向けてみるチャンスとなります。洗濯時間が長いなら、毎日洗っているモノの洗濯頻度を少なくできないかと考えてみます。洗濯することが面倒と感じるマット類や雑巾を手放したり、アイロンの時間を節約するためにクリーニングを利用したり今までと異なる選択ややめるという選択のできる家事があることに気付いてみましょう。 

2.貴重な時間を価値あることに使おう 

2-1.自身の時間を「投資、消費、浪費」で分解する 

自身の時間を見直す時に参考になるのが「投資、消費、浪費」で分けてみるという考え方です。 

投資=未来にリターンを見込める時間 

消費=日常生活で必要不可欠な時間 

浪費=無駄な時間 

こうして分けて考えると、どの時間を多く取りたいのか、または減らしたいのかが分かります。そもそも、貴方にとって「片づけの時間」はどこに当てはまりますか?対象の場所やモノによっても捉え方が変わるかもしれません。「片づける時間」を増やすことで「探しものの時間が減る」「探す時のストレスが減る」などメリットを感じる「投資」と考えられると、その時間の確保の優先順位はあがってくるはずです。また、なんとなく習慣的に行っているけれど、改めて考えると「消費」や「浪費」と位置付けられる時間があれば、その時間を減らし、「投資」となる時間を増やしていくと1日の時間価値があがります。 

2-2.時間を増やす方法を考える 

家族がいる場合、自身の時間だけでなく家族の時間も見直してもらうことをおすすめします。家のことは、家族みんなで協力すれば良いので、家族にも片づける時間の確保を考えてもらうのです。家事にはどんな種類があるのか、どのくらいの時間がかかるのかなど情報共有してみると、「こんなに多くの家事がある」ということに驚かれることが多いです。 

また、一緒に片づける時間をとることは、コミュニケーションの時間にもなりますし、作業時間も時短になりメリットも多いです。もし、協力時間が増えないようであれば「外注」して時間を購入することも選べます。好きでもない片づけを不機嫌にやり続けるよりも、外注することにより、貴重な時間を本当に使いたいことに使うという選択もできるのです。 

また、最近は最新家電を取り入れることで「片づけ」以外の家事時間を縮小できるようになってきています。食洗機を使う、お掃除ロボットを使うなどで自身の時間を増やすことも考えてみてください。そして女性の浪費時間として多いのが買い物時間です。ネットショッピングは、一見時短になっているようですが、ついついネットサーフィンに時間をとられていたり、本来購入しようと思っていた以上の数や種類の品物が家に届き片づけに困っている方も多いです。ネット時間を意識できるようにアラームを鳴らす、ポチッと買い物カゴに入れたリストは本当に必要かどうかを冷静に翌日に見直してから購入するなどルールを決めてみてください。 

2-3.時間管理が苦手な方が意識すべきはこの時間 

片づけの行為には、「直近に使うための準備としての片づけ」と「使用した後に戻すための片づけ」の2種類があります。時間の見積もりが苦手な方は、片づけ時間の見積もりも甘くなりがちです。特に、使用後の片づけ時間を予定するのを忘れやすく、次の予定がせまっていて片づけ終わらず、やりっぱなしになるようです。それぞれの行動の後始末、すなわち学校でいうところの授業と授業の合間の時間がいかに大切かということを認識していただきたいのです。 

いわゆるクッション時間の確保が、かなり片づけにおいて重要なのです。最近は職場もフリーアドレスの座席が増えてきたり、コロナ禍になり自宅でも家族が入れ替わりにWEB会議や授業を受けたりと場所の共有が増えてきています。行動のピリオドをつけるのに「片づける」という時間は、とても大切でご自身のためだけでなく周りへの気遣いにもなります。 

いかがだったでしょうか?あなたの貴重な時間だからこそ、生活のストレスを減らす「片づける時間」を意識して確保してみてくださいね。 

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