人生の節目に訪れる厄年は、古くから日本人の暮らしに根付いた風習です。良くないことが起こるとされ、悪いイメージがある厄年ですが、そもそもどんなものでしょうか。今回は、2024年に厄年に当たる方を一覧表で紹介し、厄年や厄払い・厄除けについても解説します。また、厄年同様に厄を払うべきとされる方位除けの対象者も一覧表で紹介します。「今年が厄年」という方は、ぜひご覧ください。
この記事を読んでわかること
- 厄年は災いが降りかかりやすい年のこと
- 厄年は、数え年で男性の4歳、25歳、42歳、61歳、女性は4歳、19歳、33歳、37歳、61歳の方
- 厄年は前厄・本厄・後厄の3年間続く
- 厄年同様に九星気学の考え方の中に凶年があり「方位除け」と呼ばれる祈願を受けるべきとされる年がある
- 厄払いは神社で受ける祈祷、厄除けは寺院で受ける祈祷、厄落としは厄を落とすための風習を指す
- 厄年でやってはいけないことは厄年に悲観的になり過ぎること
厄年とは
厄年とはそもそもどんなものでしょうか。
厄年の概要について解説します。
厄年とは?
厄年は、人生の中で災いが降りかかりやすいとされている年のことです。一般的に数え年で男性の4歳、25歳、42歳、61歳、女性は4歳、19歳、33歳、37歳、61歳が厄年に当たります。
元々中国の陰陽道の考え方に基づいているものであり、古くから日本人の暮らしに根付いてきた風習です。
平安時代に書かれた源氏物語の「若紫の巻」で紫の上が37歳の厄年に加持祈祷を受けたという描写があり、当時の貴族にはすでに厄年の概念が広がっていたことがうかがえます。
厄年と聞くと悪いイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし厄年は「役年」とも呼ばれ、かつては節目の年祝いや神輿の担ぎ手になるなど、神事にかかわる役回りという意味もありました。
現代では厄年を社会的立場や精神・身体面で節目になる年としてとらえることが多いようです。社会的責任が大きくなり、出産や子育てなどライフステージの転換点が厄年と重なりやすいため、不安定な時期としてとらえられています。
大厄とは?
大厄とは男性42歳、女性33歳を指し、厄年の中でも特に注意が必要な年とされています。
ライフネット生命保険株式会社が2016年12月、全国の20歳~59歳までの男女1,000人を対象にした厄年の意識調査では、男性では40代、女性で30代の大厄が訪れるタイミングで厄年を気にする人の割合が大幅に増えているという結果が出ています。
また、同調査の設問の一つ、『「大厄は健康を害しやすい」は本当だと思いますか?』の結果には男女とも半数以上の人が、「思う」「どちらかといえば思う」を選択しました。現代社会においても多くの人の意識の中で、大厄は災厄に注意すべき年としてとらえられているのが興味深い結果です。
42歳は「死に」、33歳は「散々」の語呂合わせがその由来という説もあります。しかし、身体的にも精神的にも用心すべき年として注意を払い、気になる方は厄払いや厄除けの祈祷を受けるといいでしょう。
厄年は3年間も続く?
厄年は男性の4歳、25歳、42歳、61歳、女性は4歳、19歳、33歳、37歳、61歳ですが、これは「本厄」です。実は厄年は本厄の前後の年も「前厄」「後厄」として注意すべきとされ、3年間続きます。
この理由には諸説あり、人の環境の変化は3年程度かかるからという説や、役の前兆が現れる年が前厄、厄が薄れる年を後厄とした、という説があります。厄払いは前厄、本厄、後厄の3回受ける人もいれば、本厄のみ受ける人もいるようです。
2024年の厄年早見表
ここでは一般的な厄年を一覧表で紹介します。厄年の年齢は数え年で数えますが、一部地域では満年齢で数えるところや、沖縄県など厄年に当たる年齢が異なる地域もあるためご注意ください。
数え年は生まれた年を1歳とし、新年を迎える度に1歳ずつ年齢を重ねる年齢の数え方です。満年齢は生まれた年が0歳として、誕生日を経るごとに1歳年齢を重ねる数え方です。
厄年早見表では、数え年で年齢、生まれ年を記載しております。対象となる年かどうか確認してみま
しょう。
【男性】
前厄 | 本厄 | 後厄 |
3歳(令和4年生)とら | 4歳(令和3年生)うし | 5歳(令和2年生)ねずみ |
24歳(平成13年生)へび | 25歳(平成12年生)たつ | 26歳(平成11年生)うさぎ |
41歳(昭和59年生)ねずみ | 42歳(昭和58年生)いのしし※大厄 | 43歳(昭和57年生)いぬ |
60歳(昭和40年生)へび | 61歳(昭和39年生)たつ | 62歳(昭和38年生)うさぎ |
【女性】
前厄 | 本厄 | 後厄 |
3歳(令和4年生)とら | 4歳(令和3年生)うし | 5歳(令和2年生)ねずみ |
18歳(平成19年生)いのしし | 19歳(平成18年生)いぬ | 20歳(平成17年生)とり |
32歳(平成5年生)とり | 33歳(平成4年生)さる※大厄 | 34歳(平成3年生)ひつじ |
36歳(昭和64年生・平成元年生)へび | 37歳(昭和63年生)たつ | 38歳(昭和62年生)うさぎ |
60歳(昭和40年生)へび | 61歳(昭和39年生)たつ | 62歳(昭和38年生)うさぎ |
産泰神社|【2024年最新】厄年年齢早見表 厄年とは?厄年にやってはいけないことって?厄年の疑問にお答えします より
2024年の方位除け早見表
神社や寺院を参詣していると、厄除けの近くに方位除け早見表を見かけることがあります。
方位除けは九星気学という考え方に基づき、厄を避けるため方位除けの祈祷を受けたほうがいいとされる年を表しています。ここでは厄年同様に気にする人も多い方位除けについて紹介します。
九星気学とは
方位除けの考え方のもとになっているのが、古代中国で生まれた占術「九星気学」です。人を生まれ年によって9つの本命星に分類し、干支や十干、五行を組み合わせてその星回りで運勢や相性、家相などを占います。
九星気学では1年ごとに自分の本命星が移動し、運気に影響すると考えられています。本命星の移動した位置によっては物事がうまくいかず、運気が停滞すると考えられている年があり、この年に方位除け祈願を受けます。
方位除け祈願を受けた方がいい年とは
方位除け祈願を受けた方がいいとされている年は、八方塞(はっぽうふさがり)、表鬼門、裏鬼門、困難宮に本命星が移動したときです。これらに当たる年は、運気の流れが変わって注意が必要な年とされています。
八方塞は、八方位をすべて塞がれどの方角でもうまくいかない、とされる年。表鬼門は変化が多くなり、運気が衰えがちな年を指します。裏鬼門は衰退の運気が徐々に好転する兆しはあるものの、年の前半は注意が必要な年、困難宮に当たる年は運気が停滞するとされています。
気になる場合は、厄年同様に方位除け祈願を受けるといいでしょう。
2024年の方位除け早見表
2024年に方位除けを受けた方が良いとされる人の数え年の年齢を、一覧表で紹介します。
八方塞(三碧木星) | 裏鬼門(九紫火星) | 困難宮(八白土星) | 表鬼門(六白金星) |
1歳(令和6年生) | 7歳(平成30年生) | 6歳(令和元年生) | 4歳(令和3年生) |
10歳(平成27年生) | 16歳(平成21年生) | 15歳(平成22年生) | 13歳(平成24年生) |
19歳(平成18年生) | 25歳(平成12年生) | 24歳(平成13年生) | 22歳(平成15年生) |
28歳(平成9年生) | 34歳(平成3年生) | 33歳(平成4年生) | 31歳(平成6年生) |
37歳(昭和63年生) | 43歳(昭和57年生) | 42歳(昭和58年生) | 40歳(昭和60年生) |
46歳(昭和54年生) | 52歳(昭和48年生) | 51歳(昭和49年生) | 49歳(昭和51年生) |
55歳(昭和45年生) | 61歳(昭和39年生) | 60歳(昭和40年生) | 58歳(昭和42年生) |
64歳(昭和36年生) | 70歳(昭和30年生) | 69歳(昭和31年生) | 67歳(昭和33年生) |
73歳(昭和27年生) | 79歳(昭和21年生) | 78歳(昭和22年生) | 76歳(昭和24年生) |
82歳(昭和18年生) | 88歳(昭和12年生) | 87歳(昭和13年生) | 85歳(昭和15年生) |
91歳(昭和9年生) | 97歳(昭和21年生) | 96歳(昭和4年生) | 94歳(昭和6年生) |
100歳(大正14生) | 106歳(大正8年生) | 105歳(大正9年生) | 103歳(大正11年生) |
厄払い・厄除け・厄落としを解説
厄年が気になって厄払いや厄除けに出かけようと計画している方もいらっしゃるでしょう。ここでは混同しやすい厄払いと厄除け、厄落としの違いを解説し、厄払いや厄除けに神社や寺院へ行くべき時期やマナー、また厄年に避けるべきことを紹介します。
厄払い・厄除け・厄落としとは何か
ここでは混同しやすい厄払い・厄除け・厄落としの違いを解説します。
厄払い
厄払いとは神社でお祓い(おはらい)を受け、すでに降りかかった厄を祓ってもらうことです。神様のご加護を受け、災厄から身を守るために、神社で祝詞をあげて祈祷してもらいます。厄年だけでなく、良くないことが起こっている場合も厄払いを受けることが可能です。
厄除け
厄除けは厄を避けるために祈祷をしてもらうことを指します。一般的にはお寺で受ける、災厄を避けるための祈祷を厄除けと呼びます。つまり、災いが寄ってこないように、という予防的な観点から行われます。厄年でない場合に厄除けを受ける方もいるようです。
厄落とし
「厄落とし」とは、自ら厄を作り出し、今後の厄を減らす行為を指します。例えば大事なものを故意に落とす、他人にご馳走をふるまうなど、自分が損するような行為を通して、自分についている厄を落とすという考え方です。
厄落としの風習は地域ごとに異なります。江戸時代には節分の夜に誰にも知られないようにふんどしを四辻(交差点)に落として厄落としにした、というユニークなものもあったようです。お住まいの地域でどんな厄落としがあるか気になる場合は、神社などで問い合わせてみるといいでしょう。
厄払い・厄除けに行くべき時期やマナー
厄払いや厄除けは神社や寺院でいつでも受けられるため、行くべき時期に決まりはありません。ただし1年の加護を祈祷してもらうため、元旦から節分にかけて厄払いや厄除けへ行く方が多いようです。
厄払い、厄除けを受ける際は、礼節を持った服装で参詣するのがおすすめです。男性は礼服やスーツ、女性はスーツやワンピースが良いとされていますが、普段着の場合は派手でなく、肌の露出が少ないものを選びましょう。
厄払い・厄除けでは社務所などで祈祷の申し込みをし、儀式の流れを確認します。その際、神社では初穂料、寺院では祈祷料と書いたのし袋に祈祷していただくお礼としてお金を包んでお渡しします。
一般的には5,000円~10,000円程度を包むようです。このとき用意できる場合は新札を用意し、できない場合もなるべく折れやしわのないお札を使用します。
服装や祈祷料について指定がある神社や寺院もあるようです。気になる場合は事前に問い合わせましょう。
厄年にやってはいけないこととは?
「厄年は災いが降りかかる年だから新しいことや大きな決断は避けるべき」と信じている方もいるかもしれません。たしかに厄年は災厄が降りかかりやすい年とされています。
しかし心身が成熟し、社会的にも責任を持つ転換期だから不安定になりやすい、という理由で気にする人が多いとされているだけで、本来厄年にやっていけないことはありません。
なんでも厄年のせいにするなど、厄年を意識し過ぎることこそが厄年にやってはいけないことです。人生の中で誰にでも訪れるものなので、悲観的になるのもよくありません。どうしても厄年が気になる場合は、厄払いや厄除けを受けて加護を受けるようにしましょう。
おわりに
厄年に当たると、どうしても「悪いことが起きないかしら」と不安になる方もいるでしょう。しかし厄年の考え方が生まれた時代と現代では、人の寿命や社会のあり方も大きく異なります。現代では人生の節目として心身のコンディションに注意し、事故などに気をつける年という意味合いでとらえられることが多くなりました。厄年が気になる場合は、神社や寺院で厄払いや厄除けを受け、災い転じて福となる1年に変えるのがおすすめです。