お年玉には、お金の入れ方や折り方にもマナーがあるのをご存じですか?きちんとマナーを知っておかないと、恥ずかしい思いをしてしまうかもしれません。今回は、正しいお金の入れ方やお札の折り方と併せて、お年玉にまつわるマナーを解説します。
気になる金額の相場や不測の事態への対処法も、お年玉を渡す予定のある方は覚えておいて損はありません。お年玉のマナーを知って、気持ち良く1年をスタートしませんか?
この記事を読んでわかること
- お年玉に入れるお札は新札、折り方は三つ折りが正解
- 金額の相場は、未就学児は1,000円以下、小学生が3,000円前後、中学生では5,000円、高校生になると10,000円程度
- 新札やポチ袋がない時は、別のもので代用し、しっかりお詫びする
- ポチ袋は、子どもが喜びそうなデザインで記名スペースもあるものがおすすめ
お年玉の意味や由来
はじめに、お年玉の由来についておさらいしておきましょう。もともとお年玉は、お金でなくお餅だったといわれています。お正月に新年の神様「年神様」にお餅をお供えし、年神様の霊魂が宿った餅を家長が子どもに分け与えたことが由来です。
その後、与えるものがお餅から金品に変わっていきましたが、年始めに子ども達の幸せや成長を願う気持ちで渡す点は変わらず定着しています。
お年玉の正しい入れ方と作法
お年玉には正しい入れ方があります。1年の始まりに渡すものなので、正しい作法を知って準備したいものです。ちょっとした気遣いで、相手がお年玉を取り出しやすくなります。
ここでは、お札や硬貨の正しい入れ方とお年玉袋、いわゆるポチ袋への名前の書き方を解説します。
お札の正しい折り方と入れ方
お年玉を用意する際の正しいお札の折り方と入れ方は以下の4ステップです。
- 肖像画が描かれている表面が見えるように向ける
- 表面が内側になるように、左から3分の1程を折る
- 右から3分の1程を折り三つ折りにする
- ポチ袋の表側が見えるように持ち、三つ折りしたお札を、お札の右側が上に被さった向きで入れる
お札は肖像画がある方が表です。三つ折りする際は、折り目が強くつき過ぎないように、そっと折りましょう。ポチ袋に入れる時に、お札の上下が逆さまにならないように気をつけてください。
硬貨の正しい入れ方
ポチ袋を表に向け、硬貨も表向きにして入れましょう。漢数字と絵柄がある側が表、ローマ数字と製造年が刻印されている側が裏です。
お年玉袋の名前の書き方
お年玉袋への名前の書き方は、表面の左上部に渡す相手の名前、裏面の左下部に自分の名前を書くのが基本です。しかし、デザインやスペースの関係で書くのが難しい場合もあるかもしれません。その場合は、多少書く位置が変わってもマナー違反にはならないため、無理に基本どおりにする必要はありません。
渡す相手が漢字を読めない小さな子どもだった場合などは、〇〇ちゃん、△△くんといった愛称をひらがなで書いてあげても良いでしょう。渡す相手を考えながら書くのがポイントです。
お年玉のマナー
お年玉の渡し方には、さまざまなマナーがあります。新しい年の始まりに、マナーを守ってお年玉を渡せば、渡す側ももらう側も気持ち良く新年を迎えられるでしょう。ここではお年玉に関するマナーを7つご紹介します。どれも大切なことなので、覚えておいて損はありません。
お年玉袋に入れるお札は新札を用意する
お年玉に入れるお札は新札であることがマナーです。新札はお年玉を準備する際に前もって用意しなければなりません。新札を用意することが、「相手を思って事前に準備した」という気遣いを示すことにつながります。
新札と似た言葉に「ピン札」があります。新札が発行後1度も使われていない紙幣であるのに対して、ピン札はシワがないきれいな紙幣を指します。どうしても新札が用意できない場合には、ピン札を代用するのも可能です。とはいえ、できるだけ新札を用意して誠意を伝えるのが良いでしょう。
お札は三つ折りにする
お年玉に入れるお札は三つ折りにしましょう。お年玉は包んで渡すのがマナーであり、ポチ袋はお札を三つ折りにして入れるのにちょうど良いサイズになっています。
また四つ折りは、「4」が「死」を連想する日本の祝い事には避けられている数字であることや、ポチ袋が不自然に厚くなってしまうことから、避けた方が良いでしょう。
お札を折らない場合は、大きい封筒タイプのポチ袋や祝儀袋を使うことも可能です。
お札が複数枚ある場合は重ねて入れる
お年玉に入れるお札が複数枚の場合は、お札を重ねた状態で三つ折りにします。お札の枚数が多く折りにくい時は、1枚ずつ三つ折りにした後、再度広げて重ね、まとめて折りたたむようにすると良いでしょう。お年玉が取り出しやすくなります。お札を重ねる際は、上下の向きが揃うよう注意してください。
「4」と「9」のつく金額は避ける
四つ折りと同様に、4,000円や40,000円などの「4」がつく金額も避けましょう。加えて「9」も「苦」をイメージすることから、日本のお祝い事ではあまり良い印象を持たれません。9,000円など「9」がつく金額も避けた方が良いでしょう。
ポチ袋に入れる金額は10,000円までにする
ポチ袋に入れて渡す金額は、10,000円未満です。お年玉が10,000円以上の高額になる場合は、ポチ袋ではなく祝儀袋を使用しましょう。反対に、10,000円未満の金額を祝儀袋に入れて渡すのもマナー違反です。金額に見合った包みを用意しましょう。
上司や先輩の子どもにはお年玉ではないものにする
お年玉は、家長が子ども達に渡すのが始まりだったため、本来目上の方から目下の方に渡すものです。
そのため、目上の方の子どもにお年玉を渡すことは失礼になります。上司や先輩といった目上の方の子どもにお年玉を渡したい場合は、「お年賀」として現金でないものを贈りましょう。ギフトカードや図書カードなどがおすすめです。家族で食べられるお菓子の詰合せなどでも良いでしょう。
関東は1月7日・関西は1月15日までにお年玉を渡す
一般的に、お年玉は「松の内」までに渡すのがマナーです。松の内は地域によって異なり、関東地方では1月7日、関西地方では1月15日までとされています。松の内を過ぎてから渡す場合は、遅れてしまったお詫びを一言添えるのが良いでしょう。
お年玉に入れる金額の相場【年齢別】
ここまで、お札や包みなど、正しいお年玉の作法やマナーをみてきましたが、次に気になるのが金額です。お年玉の金額は年齢とともに高くなる傾向がありますが、実際にどのくらい渡せば良いか悩まれる方も多いでしょう。
ここからは、住信SBIネット銀行株式会社による調査結果をもとに、お年玉金額の相場を年齢別にご紹介します。
未就学児の場合
お年玉を未就学児へ渡す場合は、「1,000円以下」が相場です。小学校入学前の小さな子どもの場合、お金の意味もまだわからないことが多く、管理も親がするのが一般的でしょう。そのため渡すとしても少額な場合が多いようです。また、お札より小銭の方が子どもにお金とわかりやすいことも理由の1つかもしれません。
小学生の場合
お年玉の意味がわかるようになってくる小学生の場合、金額の相場が「1,001~5,000円」にあがります。また低学年だと「1,001~3,000円」ですが、高学年になると「3,001~5,000円」と、学年によっても相場が異なります。子どもの数が多い家庭では、親戚からの金額をあらかじめ相談し統一している場合もあるようです。
中学生の場合
中学生の場合、「3,001~5,000円」や「5,001~10,000円」という声が多く、「5,000円」あたりが相場といえるでしょう。小学生の時と比べ、金額を高くする方も多いです。
高校生の場合
高校生になると、お年玉の相場は「5,001~10,000円」となります。孫の人数が少ない方など、お年玉を渡す対象が少ない場合は、金額の相場があがることもあるようです。
大学生の場合
お年玉を渡す相手が大学生の場合、高校生の場合と同様「5,001~10,000円」とする方が多いですが、「10,001~30,000円」と考える方も一定数います。大学生にもお年玉をあげるかどうかという点については、「学生の間まではあげる」という考えもあれば「高校・成人するまで」という考えもあるようです。
参照元:NEOBANK 住信SBIネット銀行|~お年玉に関する意識調査 2021~ お年玉をあげる予定がある人は例年より減少 新型コロナウィルスの影響でお正月の過ごし方に変化
お年玉についての疑問!こんな時はどう対処する?
マナーが大切なお年玉ですが、新札やポチ袋が用意できない場合もあるかもしれません。そのような不測の事態への対処法もチェックしておきましょう。
新札が用意できない時の対処法
新札やピン札が用意できなかった場合は、できるだけキレイでしわのないお札を選ぶようにしましょう。銀行に行く時間がなかったり、会う予定のなかった相手に急きょ渡すことになったりした場合には仕方がありません。ただし、お年玉を渡す際には、新札を用意できなかった旨を伝え、きちんとお詫びすることが礼儀です。
ポチ袋が用意できない時の対処法
ポチ袋がない状況でお年玉を渡す場合は、白い紙や折り紙など、何か紙に包むようにしましょう。ポチ袋の代わりになる手持ちの紙が何もない場合、ティッシュペーパーでも結構です。
現金を何にも包まずに渡すのはマナー違反になります。この場合も、やはり事前に用意できていなかったことをお詫びする一言を添えてお年玉を渡しましょう。急にお年玉を渡すことになった場合、ポチ袋を用意していないことや足りなくなることも考えられます。和紙や柄つきの折り紙があれば、ポチ袋として役立つでしょう。
お年玉もキャッシュレス化⁉
新型コロナウィルスの影響から、帰省ができないことや衛生面的な理由で、キャッシュレスでお年玉をあげようと考える方が増えています。
総合マネースクール・ファイナンシャルアカデミーが実施した、子どもを持つ全国男女300人を対象とする2021年の意識調査によれば、お年玉のキャッシュレス化に過半数が賛成しているという結果が得られました。また同調査で賛成派は、3年前より20%増加したそうです。
キャッシュレスには他にも支払いが手軽で便利なうえ、ポイントが貯まるといったメリットがあるようです。キャッシュレスでお年玉を渡す方法には以下の3つがあります。
- プリペイド型電子マネー
- PayPayなどのモバイル決済
- 交通系のICカード
通常の買い物でもキャッシュレスが広まっており、今後は「キャッシュレスお年玉」も増えていくかもしれません。
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参照元:ファイナンシャルアカデミー|【お金トレンド調査】2022年のお年玉事情。「キャッシュレスのお年玉」に過半数の親が賛成
ポチ袋を選ぶ時のポイント!
お年玉用のポチ袋を選ぶ際は、子どもの好きなキャラクターがデザインされたものや遊び心のあるユニークなものを選ぶと良いでしょう。
また、干支などお正月ならではのデザインのものを選べば、新年を迎えた実感が湧き、気分もあがります。
さらに、確実に名前を記入できるよう記名スペースがあるものを選ぶと安心です。親戚が多く集まる場などでお年玉を渡す場合、誰に渡し、誰から受け取ったかわかりにくいこともあるでしょう。記名していることで、渡す側も受け取る側もお年玉を管理しやすくなります。
おわりに
今回は、お年玉の正しい入れ方と併せて、マナーや金額の相場について解説しました。意外と知らないマナーも多かったのではないでしょうか。お年玉は子どもの成長や幸せを願って贈るものです。大人としてマナーをしっかり守り、心を込めて渡しましょう。子ども達の笑顔で、気持ちの良い新年を迎えられますよ。