お年玉は、お正月に子どもたちが楽しみにしているイベントですが「いつまで渡すべき?」や「金額はどうする?」など、渡す大人にとっては悩みどころが多いのではないでしょうか。今回は、お年玉をいつまで渡すべきか、また、お年玉を渡す時のマナーや、年齢別の金額相場も紹介します。最後まで読んで、お年玉を渡す相手に喜んでもらいましょう。
この記事を読んでわかること
- 一説によるとお年玉の由来は「歳神様の魂(玉)」で、お金ではなく餅を分け与えていたことがはじまり
- お年玉は「就職したら」や「成人を迎えたら」などが区切りを家族や親族間で決めておくのが良い
- お年玉は渡してはいけない相手や金額、お金の入れ方などのマナーがある
- お年玉は現金だけでなく、金券や品物、キャッシュレスでも渡せる
そもそもお年玉とは?意味や由来について
正月になると子どもに渡すお年玉の由来は、諸説ありますが「歳神様の魂(玉)」からきています。もともと、年末に五穀豊穣を祈って歳神様へお供えした丸い鏡餅を、お年玉として年明けに家長から家族や奉公人に分け与えていました。
年明けには歳神様が鏡餅に魂を込めて帰られることや、お下がりとして玉のような餅をいただくことから「としだま」と呼ばれるようになったようです。
お金を贈るようになったのは、各家庭で餅をついてお供えする習慣が減少したためといわれています。また、昭和の高度経済成長をきっかけに、餅よりも手軽に準備できるお金を贈る文化が浸透していきました。
お年玉は何歳まで渡すもの?
お年玉をあげる年齢について、特に決まりはありません。何歳まで渡しても良いですが、区切りを決めておくのも大切でしょう。ここでは、一般的なお年玉の区切りを紹介します。
学生まで
お年玉は学生までとしている家庭も少なくありません。高校を卒業して就職するなら高校生まで、大学や大学院まで進学するのであればその学校を卒業するまでなど、学生であるうちはお年玉を渡します。
収入を得るようになるまで
収入を得るタイミングを区切りとしている家庭もあります。ただし、どの時点をもって「収入を得る」とするかは曖昧です。
就職だけでなく、学生のうちからアルバイトをはじめた場合でも収入を得られるようになるので、定義づけをはっきりさせる必要がありそうです。例えば、下記のようなタイミングで区切るのはいかがでしょうか。
- 就職が決まった
- アルバイトをはじめた
- アルバイトを許可された
- はじめて給料をもらった
自分でお金を稼ぐ力がついてからお年玉を卒業しているので、タイミングとしても自然かもしれません。
20歳まで
飲酒や喫煙が法律的に認められる、20歳までに渡すという方針もあります。年齢で決めると、子どもの進学や就職状況に左右されないので、判断しやすいという点がメリットです。また、2022年に変更になった成人年齢の18歳までとするのも良いかもしれません。
成人していてもお年玉をもらう場合がある
中には、成人後や結婚後にもお年玉を渡しているケースもあります。本来お年玉は、目上の方から目下の方へ渡すものでした。
そのため、大人になっても、親や祖父母からお年玉をもらっている方がいるのも不思議ではありません。また、経済的に余裕がある場合は、税金対策のひとつとして毎年お年玉を渡すのも手です。
【年齢別】お年玉の金額相場
お年玉は渡す金額が明確に決まっていないところが、悩みどころではないしょうか。相場を知っておけば、少ないかもしれないと心配したり、多く渡しすぎて毎年お年玉を負担に感じたりすることも軽減されるでしょう。年齢ごとのお年玉の相場を一覧表にしました。
年齢 | 相場金額 |
未就学児 | ~1,000円 |
小学生 | 1,000円~5,000円 |
中学生 | 3,000円~10,000円 |
高校生 | 5,000円~30,000円 |
大学生 | 5,000円~30,000円 |
年齢があがるとお年玉の金額も増える傾向があります。住信SBIネット銀行株式会社の「お年玉に関する意識調査 2021」の資料を参考に、相場について詳細をまとめました。お年玉を渡す際の参考にしてください。
未就学児へのお年玉の金額相場
未就学児の場合、1,000円以下と少額が多数です。お金の価値がまだわかっていない年齢であることや、お金の管理を親がしていることが理由と考えられます。
お札よりも小銭の方が喜ぶ子どもの場合、500円玉を2枚用意するという方もいるようです。また、お金以外にも絵本やおもちゃをプレゼントするのも喜ばれるかもしれません。
小学生へのお年玉の金額相場
小学生へのお年玉の金額相場は、低学年(1~3年生)が1,000円~3,000円、高学年(4~6年生)が3,000円~5,000円です。
学年があがるほど、増えていく傾向があります。子どもが多い場合、祖父母や親戚同士で金額を合わせるのも良いでしょう。
中学生へのお年玉の金額相場
中学生は5,000円~1万円の範囲で渡す家庭が最も多い結果になりました。しかし、3,000円~5,000円の金額層も一定数の回答があり、家庭によって差が出るようです。1万円よりも大きい金額は、10%程度と少数派でした。
高校生へのお年玉の金額相場
高校生になると、5,000円~1万円が最多、2番目が1万円~3万円でした。キリよく1万円と決めたり、渡す子どもが少ない場合はもう少し金額を上げたりするのも良いかもしれません。
大学生へのお年玉の金額相場
大学生も、高校生同様5,000円~3万円が相場です。高校生に比べ、1万円よりも多く渡すという方が増えます。一方で、大学生になったらお年玉をあげないという方もいるようです。
参照元:SBI Holdings|お年玉に関する意識調査 2021~お年玉をあげる予定がある人は例年より減少新型コロナウィルスの影響でお正月の過ごし方に変化(5枚目)
覚えておこう!お年玉についてのマナー
お年玉の金額相場や区切りの目安をご紹介してきましたが、これでひと安心するにはまだ早いです。実は、お年玉を渡す時にはマナーがあります。
あまり気にしたことのない方も多いかもしれませんが、知らないうちに失礼に当たる行動をしてしまうかもしれません。正しいマナーを知って、気持ちよくお年玉を渡しましょう。
お年玉は目上の方に渡さない
お年玉を目上の方に渡すのは、失礼に当たります。お年玉は本来、目上の方(家長)から下(家族や奉公人)へ歳神様にお供えした餅を分け与えていたからです。子どもから親、部下から上司はもちろん、上司の子どもも目上の方に当たるので注意してください。
親へ渡す場合は「お年賀」、上司の子どもへ渡す場合は「玩具料」や「文具料」などとするのが良いでしょう。または、お菓子やおもちゃなど、現金以外の方法を検討するのもひとつの手です。
お年玉はポチ袋に入れる
お年玉を渡す際は、ポチ袋を用意してください。日本では、買い物以外でお金をそのまま渡すのはマナー違反です。コンビニでも購入が可能ですが、子どもの急な訪問でポチ袋の用意が間に合わない場合は紙に包んで渡します。手持ちのコピー用紙や折り紙、なければティッシュでも構いません。
渡す時には、ポチ袋が用意できなかったことを一言お詫びしましょう。
お年玉のお札や硬貨はキレイなものを用意する
お正月は新年を迎えるお祝い事なので、できるだけ新札を用意しておくのが好まれます。新札とは、発行されてから使用されていないお札のことです。
新札がない場合は、折り目やしわのないピン札を選びましょう。想定外のタイミングでお年玉を渡すことになっても慌てないように、年始に向けてきれいな状態のお札や硬貨を別に用意しておくと安心です。
ポチ袋に相手と自分の名前を書く
ポチ袋の場合、表面の左上に相手の名前、裏面の左下に自分の名前を書いてください。それぞれ左上、左下が好ましいですが、袋の絵柄によって位置が多少変わってしまっても構いません。
名前を記入する際は相手の年齢を考慮して、小さい子どもにはフルネームではなく「〇〇ちゃんへ」や「〇〇おじいちゃんより」などわかりやすく書く工夫をしてみてください。
祝儀袋の場合、水引の下に自分の名前を書きます。水引の上には「お年玉」と記入しましょう。
「死」や「苦」を連想させる数字の金額は避ける
4,000円や4万円、9,000円など「4」や「9」のつく金額は「死」や「苦」を連想させてしまいます。よほどの事情がない限り避けましょう。渡す側は気にしなくても、受け取る側やその親が不快に感じるケースがあるかもしれません。
お札や硬貨は正しく入れる
ポチ袋に入れる際の、お札の折り方や硬貨の裏表をご存じですか?ここではお札や硬貨の正しい入れ方を解説します。
お札の正しい折り方
お札をポチ袋に入れる際には、肖像が描かれている表面が内側になるように三つ折りにします。先に左側を折りたたみ、右側が上にくるように折るのが正解です。肖像の端に合わせて折ると、きれいな三等分になるので試してみてください。
お札が2枚以上ある時は、重ねて折ります。また、新札を用意した場合、ふんわりと折るようにし、折り目をくっきりつけないようにしましょう。ポチ袋に入れる際は、お札の上下が逆さまにならないように気をつけましょう。
硬貨の正しい入れ方
ポチ袋の表面と硬貨の表側を合わせて入れます。基本的に、硬貨の表は花や建物など図柄が描いてある方、裏は英数字が書いてある方です。5円玉は、稲穂や「五円」と描かれている方が表面です。
お札を折らない入れ方
折らないで入る封筒サイズの袋を使用する場合は、お札の表裏はもちろん、上下にも注意してください。肖像がお札の表面上側です。
お年玉の金額や渡し方を決める時のポイント!
お年玉を渡す前に決めておきたい3つのポイントを紹介します。それぞれの決定方法も紹介するので、事前に確認して未然に新年のトラブルを防ぎましょう。
お年玉を誰に渡すのか決める
正月には親族はもちろん、友人家族などさまざまなグループで集まる機会があるので、お年玉を渡す相手は事前に決めておくのが良いでしょう。
新年に会う子ども全員に渡すのは、経済的にも大変なので、事前に基準を決めておくと安心です。お年玉を渡す基準の決め方には次の方法があります。
- 子どもの親同士で相談する
- お年玉の由来を考える
- 一般的な基準を参考にする
住信SBIネット銀行株式会社の「お年玉に関する意識調査 2021」の調査からも、お年玉を渡す相手は、甥・姪・自分の子ども・親戚の子ども・孫が一般的という結果が出ています。
また、先述したとおり、本来お年玉として餅を分け与えていた相手は、家族や親族です。お年玉の由来から見ても、親族のみに渡すのが自然でしょう。そうはいっても、新年に友人の子どもと会う機会があった場合に「渡した方が良いのかな?」と悩むケースもあるかもしれません。
その場合、子どもの親同士で事前に相談しておくと、渡す側ももらう相手も気持ち良くやりとりができます。
お年玉の金額を決める
事前に渡す金額を決めておくのも大切です。金額を決める方法は以下の4種類です。
- 地域や家庭の習慣に従う
- 一般的な基準を参考にする
- 子どもの親同士で相談する
- 計算式に当てはめる
お年玉は基本的に親族間でのやり取りなので、地域や家庭の習慣や方針に従うのが良いでしょう。お年玉に関して習慣や方針が特にない場合は、先述した相場を参考にしたり、「○年生まではこの金額」など子どもの親同士で相談したりして決めておくのがおすすめです。
また、お年玉は年齢が上がるごとに金額も増える傾向があります。「年齢×500円」など計算式に当てはめて金額を決める方法もシンプルで良いかもしれません。計算上「4,000円」「4,500円」など4や「9」がつく金額となってしまう年齢の場合は、そのままの金額で渡すか、前後の年齢に合わせるかも決めておきましょう。
お年玉の渡し方を決める
一般的には現金で渡すお年玉ですが、それ以外の方法を検討している方は、以下を参考にしてみてください。
- 金券(図書カード・QUOカード・ギフト券など)
- 品物
- キャッシュレス
「本をたくさん読んでほしい」という希望がある方は、図書カードがおすすめです。また、QUOカードやギフト券などは新札を用意する手間がなく、もらい手も使い道を制限されないので良いでしょう。また、小さい子には、絵本やおもちゃなどをお年玉として渡す方もいるようです。
さらに、事前準備のいらない「キャッシュレス」のお年玉もあります。
総合マネースクールのファイナンシャルアカデミーが行った「キャッシュレスとお年玉に関する意識調査」によると、お年玉キャッシュレス化の賛成は過半数を越える結果となりました。お年玉のキャッシュレス化は、ポチ袋を用意する手間も省けるので、渡す側の負担も軽減されます。
一方で「お金のありがたみが伝わりにくい」という声もあがっているので、親はお年玉をもらった時には必ず感謝を伝えるよう子どもに教えましょう。
参照元:SBI Holdings|お年玉に関する意識調査 2021~お年玉をあげる予定がある人は例年より減少新型コロナウィルスの影響でお正月の過ごし方に変化(5枚目)、株式会社FinancialAcademyのプレスリリース|2022年のお年玉事情。「キャッシュレスのお年玉」に過半数の親が賛成
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おわりに
今回は、お年玉を渡す年齢の目安や金額の相場などを紹介しました。お年玉は子どもにとって楽しみな正月のイベントです。お互いが不快な気持ちにならないよう金額や渡し方についても、家族で話し合う機会を設けてみてはいかがでしょうか。また、楽しい正月を過ごすためにも、お年玉に関するマナーを覚えておきましょう。この記事を参考に、余裕を持ってお年玉の準備をはじめてみてください。