更新日
公開日

四十九日法要の香典の相場は?香典を用意する際のマナーや参列時の服装についても紹介

四十九日法要に参列するときの服装尾と参列時のあいさつ
セゾンのくらし大研究 編集部

執筆者
セゾンのくらし大研究 編集部

豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

亡くなってから49日目に行われる四十九日法要。その際に気になるもののひとつが、香典の金額です。香典は葬儀の際だけでなく、四十九日法要の際にも用意するものです。四十九日法要の香典はどの程度の金額を用意したら良いのでしょうか。本記事では四十九日法要時の香典の相場とともに、香典の渡し方などマナーを一緒に紹介していきます。

このコラムでわかること

四十九日法要に参列する際には、香典を準備するのがマナーです。香典の金額は、亡くなられた方との関係性や渡す側の年齢により異なります。両親が亡くなった場合は約10,000~100,000円、関係性が薄い親族の場合には5,000~30,000円程度用意しましょう。親族以外の場合は2,000~10,000円程度が相場です。また会食を伴う法要の場合は5,000~10,000円多めに用意する、夫婦連名時には2人分の費用を包むなど、気をつける点もあります。

四十九日法要とは

四十九日法要とは?

四十九日法要は、仏教において行われる追善供養の儀式のひとつで、命日から49日目に行われます。浄土宗や曹洞宗など主な仏教宗派では、亡くなると7日ごとに生前の行いについて審判を受け、49日目に極楽浄土に行けるか行けないかが決まると考えられています。

そのため7日ごとに法要を行うのが基本でしたが、最近では省略して、一番重要とされる49日目の法要だけが行われるようになってきました。亡くなってから7日目に執り行われる初七日法要も、火葬した日にまとめて行われるケースが増えています。

また以前は、四十九日法要を49日目に行っていましたが、最近では49日目が平日の場合、その直前の土日などに四十九日法要を行うことも多くなっています。

四十九日法要の香典の相場は?

香典は、遺族を労わる気持ちや故人に対する感謝の気持ちを表すものとして、大切なものです。法要の際は香典を持参するのがマナーですが、費用の相場は亡くなられた方との関係性や地域の習慣により異なります。

親族の場合の相場

親族における香典費用の相場は一般的には10,000~30,000円です。亡くなった方との関係が近いほど金額は大きくなり、関係性が遠くなると金額は小さくなる傾向にあります。また香典を渡す側の年齢が高いほど、金額は高くなります。

亡くなったのが両親の場合には10,000~100,000円、祖父母の場合は3,000~30,000円が一般的です。また兄弟姉妹の場合は10,000~50,000円が相場です。その他関係性が薄い親族の場合には、おおよそ5,000~30,000円が相場とされています。

ただし香典の金額は、地域の慣習や家族の考え方によっても異なります。用意する香典の金額に迷った場合は、親族や地域の方に相談してみるのも良いでしょう。

親族以外の場合の相場

親族以外の場合の相場

友人や知人、隣近所の方など親族以外の方が亡くなった場合の香典の相場は2,000~10,000円程度で、親族の場合より金額は低くなる傾向にあります。一般的な相場としては、亡くなったのが友人や知人、隣近所の方の場合でおおよそ2,000~10,000円、職場の方の場合でおおよそ3,000~10,000円です。

香典の金額を決めるときの注意点

香典の金額を決める際には、上述の相場を参考にするとともに、気をつけた方が良い点がいくつかあります。

 偶数や4・9の数字は避ける

4や9の数字は「死」や「苦」を連想させ、縁起が悪いとされています。また、偶数は割り切れる数字であることから「亡くなった方との縁が切れる」「不幸を分かち合う」などのイメージが持たれやすいため避けた方が良いでしょう。

 会食がある場合は多めに包む

会食がある場合は多めに包む

四十九日法要の際には、亡くなった方を偲びながら、会食を行うケースもあります。会食の準備には1人当たり5,000~10,000円程度の費用がかかります。そのため四十九日法要と同時に会食に招かれた方は、5,000~10,000円程度多めに香典として渡すようにするのが基本です。

 夫婦連名の場合は2倍の額を包む

連名の場合でも1人分の金額が減ることはありません。夫婦連名として香典を渡す場合には、1人分の金額を2倍にした金額を用意しましょう。子連れで参列する場合はさらに3,000~5,000円多めに準備しましょう。

 法要に参列できないときも香典を渡す

四十九日法要は招かれたら参列するのが一般的ですが、やむを得ず参列できない場合は現金書留で送付するのがマナーです。

その際は、時候の挨拶とともに参列できないことへのお詫びや亡くなった方への追悼メッセージを添え、前日までに送りましょう。郵送でなくても、代理人を立てたり後日弔問したりしても大丈夫です。

 身内だけで法要を行うときも香典を用意する

身内だけで法要を行う時も香典を用意する

四十九日法要は身内のみで行われるケースもあります。その場合でも、香典を用意することに変わりありません。金額も一般的な法要と変わらないため、亡くなった方との関係性や渡す側の年齢に応じて用意しましょう。

香典とは別にお供え物を持参しても良い?

亡くなった方との関係が深い場合や地域性によっては、香典と別にお供え物を用意するケースもあります。香典を渡す場合には3,000~5,000円程度の金額のお供え物を用意するのが一般的です。香典を渡さない場合には5,000~10,000円程度のものを用意すると良いでしょう。

また渡すものは、後に残らないものを選ぶのがマナーです。お線香やロウソクといった日ごろ供養で使うものや、菓子折りなどを選びましょう。

香典袋の選び方と包み方

続いて香典袋の選び方やお金の包み方などのマナーを紹介します。

香典袋の選び方

香典を包んで渡すための封筒を「香典袋」や「不祝儀袋(ぶしゅうぎぶくろ)」といいます。「のし袋」と混同する方もいるかもしれませんが、のし袋はお祝いごとの際に使用する封筒を指します。

四十九日法要で使用する香典袋は、一般的に黒白もしくは双銀の結び切りの水引がついたものを選びます。関西地方の一部地域では、黄白の水引を使用するところもあるなど地域により異なるため、各々の慣習に従うと良いでしょう。封筒の色は、白無地もしくは蓮の花が描かれたものを選ぶのが基本です。

また入れる香典の金額に見合った香典袋を選ぶことも、マナーとされています。5,000円以下の場合は水引が印字された簡易タイプ、10,000円以上では実際に水引がかけられた香典袋を選びましょう。

香典の包み方

一般的な香典袋には、中袋が別についています。外の包みの中心にお札を入れた中袋を置き、左右を折りたたんでから先に下部を折り返し、最後に上部を被せるように折り返します。下部が上になる包み方は、お祝いごとの意味合いになるため、注意してください。水引は表に結び目が来るようにかけます。

 封筒に入れるときのお札の向き

封筒に入れるときのお札の向き

中袋に入れるお札の向きにも決まりがあり、一般的には中袋の表に肖像画が裏になるように入れます。また肖像画が下側になる向きで入れるという決まりもあります。これは、亡くなった方へのお悔やみの気持ちを表しています。

ただし、このルールはそれほど厳しいものではなく、上下は逆にするという考え方もあるため、気にしすぎなくても良いでしょう。ただし、複数枚入れる場合には、すべてのお札の向きを揃えるようにしてください。中袋がない場合は、そのままお札を包みましょう。

なお、お札は新札でもそうでなくても大丈夫です。お通夜や葬儀の際は、使い古しのお札を使うのがマナーとなっていますが、四十九日法要は準備期間があるため新札を用意しても構いません。

香典袋の表書きの書き方

香典袋には外包みと中袋があり、それぞれに書く項目があります。外包みの表書きには「御仏(佛)前(ごぶつぜん)」と書き、その下に渡すご自身の名前を書きます。仏教では、四十九日法要をもって亡くなった方は成仏し仏になるという考え方より、四十九日法要以前は「御霊前」と書くのが一般的です。また「御香料(おこうりょう)」や「御花料(おはなりょう)」は、他の宗教の場合でも使える言い回しです。宗教による言い回しについては後述します。

なお書く際に使用する墨は、葬儀の際の香典は「悲しみの涙により文字が滲みました」などの意味から薄墨を使用しますが、四十九日法要では濃い墨を使用します。

名前を書く場合は基本的にフルネームで書きます。夫婦連名の場合は夫のフルネームのみを書くことが多いですが、妻の名前も書く場合は夫の名前の左に妻の名前のみ記載します。3名以内の連名の場合は、右から左へ目上の方から順に書くのが基本です。職場として香典を渡す場合など4名以上になるときは、団体名に加え「○○(所属等)一同」の形で書きます。

 中袋の書き方

中袋がある場合には、中袋の表中央に入れた香典の金額、裏面の左下に渡す方の住所と名前を記載します。中袋がない場合には、香典袋の裏面に金額と住所、名前を直接記載しましょう。金額を記載する際には、金額を旧字体の漢数字で記載し「金参萬圓」などのように、頭に「金」、末尾に「圓」と書くのがマナーです。

仏教以外の宗教における香典袋のマナー

仏教以外の宗教における香典袋のマナー

仏教以外の宗教であっても、亡くなった方の供養や追悼の場に参列する際には、香典やお供えを持っていきます。どの宗教でも香典の金額やお札の入れ方は、基本的に前述した仏教の方法と同じで大丈夫です。

 神道

神道では、命日から50日後に亡くなった方は家の守り神となるといわれ「五十日祭」を行います。香典袋は黒白または双銀の水引がかけられた無地のタイプを用意します。蓮の花が描かれたものは仏式のものであるため、気を付けましょう。表書きは「御神前(ごしんぜん」「御榊料(おさかきりょう)」「御玉串料(おたまぐしりょう」などのいずれかにし、下に渡す方のフルネームを記入します。

 キリスト教

キリスト教の場合は、亡くなってから約1ヵ月後に追悼ミサや記念式を行います。その際は、水引がついていない白無地か、十字架もしくは百合が描かれた袋を香典袋として用意しましょう。表書きの書き方はカトリックとプロテスタントで違いがあり、カトリックの場合は「御ミサ料(おんみさりょう)」または「御花料」と記載します。プロテスタントの場合は「忌慰料(きいりょう)」もしくは「御花料」と書き、その下に氏名を記載します。

四十九日法要に参列するときの服装と参列時の挨拶

四十九日法要に参列するときのマナーについても確認しておきましょう。

遺族や親族、参列者の服装

喪服には、正喪服と準喪服、略式喪服の3つの種類があり、立場やシーンにより使い分けます。一般的に、遺族側の施主は正喪服、それ以外の遺族は正喪服か準喪服を着用します。また参列者は、遺族側よりも格式が低い喪服を着用することが基本です。しかし、最近では施主や親族でも準喪服を着用することが増えています。

【準喪服の例】

男性シングルまたはダブルのブラックスーツ
白いワイシャツ
靴・靴下・ハンカチは光沢がない黒
女性光沢がない黒のワンピースやアンサンブル、パンツスーツ(レースなどの飾りは多少であれば可)
ネイルはベージュなどの落ち着いた色なら可
髪は飾りのない黒いゴムでまとめる

四十九日法要の案内に、「平服でお越しください」とあった場合には、略式喪服を着用していくと良いでしょう。

【略式喪服の例】

男性フォーマル以外の黒やグレー、紺などのスーツ
白いワイシャツ
黒い靴下
靴やネクタイは、落ち着いた色であれば黒でなくても可
女性黒やグレー、紺などのワンピースやアンサンブル、パンツスーツ(派手でなければ柄入りも可)
ネイルはベージュなどの落ち着いた色なら可
髪は飾りのない黒いゴムでまとめる

 子どもは制服がベター

四十九日法要に小学生以上の子どもが参列する場合は、制服が望ましいでしょう。制服を持っていない場合は、男児は紺か黒のブレザーとズボン、白いシャツを着用します。

女児は、白もしくは黒のブラウスに紺か黒のスカート、または紺か黒のワンピースが良いでしょう。男女とも靴下は黒が良いですが、手元にない場合は白でも構いません。ただし丈が短すぎるものやニーハイソックス、ルーズソックスなどは相応しくないため控えましょう。

 乳幼児は紺や黒、ベージュなど落ち着いた色の服装

乳幼児は、ピンクや赤などの派手な色は避け、黒や紺など落ち着いた色の服を着ると良いです。靴は黒、靴下は黒や白を選ぶと良いでしょう。幼稚園児は、あれば制服を着用します。また音が出る靴や派手なデザインの靴はやめましょう。

参列するときの持ち物

参列するときの持ち物

四十九日に参列する際の主な持ち物は、香典、袱紗(ふくさ)、数珠、ハンカチです。袱紗は、紫や紺などの落ち着いた色を選びましょう。鶴や亀などの絵柄が入ったものもありますが、無地を選んでおくと間違いはありません。ハンカチは白や黒などのシンプルなものを持っていきましょう。この他、お供え物や供花を用意する場合もあります。

参列時の挨拶の例

四十九日法要において、参列者が挨拶をするのは受付の際と法要終了時です。挨拶するときは、法要に招いていただいたことに対するお礼と、遺族への気遣いを伝えましょう。いずれも手短な挨拶で構いません。

【受付時の挨拶例】

「本日は大切な節目の日にお招きいただき、恐れ入ります。心を込めてお祈りさせていただきます。」

【法要後の挨拶例】

「本日はお声がけいただき、恐縮です。とても温かい式でした。どうぞお元気でお過ごしください。」

香典の渡し方は?

続いて香典の渡し方に関するマナーを確認しておきましょう。

渡す相手とタイミング

四十九日法要で香典を渡すときは、施主に直接手渡しするのが基本です。受付がある場合は受付の際に渡しましょう。受付は会場についてからすぐに行います。地域によっては、ご自身で祭壇やお仏壇にお供えするところもあります。

渡すときは袱紗(ふくさ)に包んで持参するのがマナー

香典は袱紗に包んで持ち歩き、渡すときに渡す相手の前で香典袋を取り出し、相手が読める向きで手渡すのがマナーです。渡す際には、軽く頭を下げ「御仏前にお供えください」と一言添えると良いでしょう。

香典を辞退された場合は?

香典を辞退された場合は?

最後に香典を辞退された場合の対応についても紹介します。

香典を辞退された場合は従うのがマナー

四十九日法要に参列する場合は香典を用意するのがマナーですが、施主によっては香典を辞退される方もいます。香典を辞退する理由は、遺族や参列者の負担を軽減する意味合いによるものなどです。また香典を辞退する意志が、亡くなられた方によるものであるケースもあります。施主が香典を辞退するとした場合は故人や遺族の気持ちを尊重し、基本的には従いましょう。

香典を辞退されている場合は、お供え物などを送る際にも確認しておくことが大切です。辞退されていない場合でも、お供え物を送りたいことを施主へ伝えておくと良いでしょう。

会葬返礼品は受け取る

香典を辞退されている場合でも、施主が会葬返礼品を準備していることがあります。会葬返礼品とは、施主が参列者に対し、時間を割いて参列していただいたことなどへの感謝の気持ちを表したものです。香典返しとは意味合いが違うため、受け取っても問題ありません。

おわりに 

四十九日法要は、亡くなられた方そして遺族にとって大切な節目の日です。年齢があがるにつれて法要に参列する機会が増えます。香典の金額は、渡す側の年齢や故人との関係性により異なります。また参列時のマナーも地域や宗教により異なりますが、知っておいておくと安心です。わからない場合は施主や地域の方に相談し、故人や遺族のためにもマナーを守って参列するようにしましょう。

よく読まれている記事

みんなに記事をシェアする

ライフイベントから探す

お悩みから探す

執筆者・監修者一覧

執筆者・監修者一覧

セミナー情報

公式SNS

おすすめコンテンツの最新情報をいち早くお届けします。みなさんからのたくさんのフォローお待ちしています。