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開眼供養ですることは?当日の流れやお布施についても徹底解説

セゾンのくらし大研究 編集部

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お墓を新しく建てたときや仏壇を購入したときには、亡くなった方の魂を入れる儀式である「開眼供養」が必要です。開眼供養とは具体的にどのようなタイミングで何をすると良いのでしょうか。納骨式と併せて行う場合と生前にお墓を建てた場合とでは、準備する物も当日の流れも変わってきます。

このコラムでは、開眼供養について必要な準備や、当日の流れを解説するとともに、お布施などの開眼供養にかかる費用も併せてご説明しましょう。

この記事のまとめ

開眼供養とは、新しく建てたお墓や、仏壇を購入した際に故人の魂を入れる儀式のこと。家族が亡くなり新しくお墓を建てたときや、生前家族のためにお墓を建てたときに行います。納骨式と併せて行う場合、寺院などで法要をあげてから開眼供養を行う流れです。


開眼供養の準備として、日程調整や僧侶の手配、お布施や引き出物の用意、当日着る服なども確認しておきましょう。行うタイミングで弔辞か慶事かが変わるため注意が必要です。お布施の金額は開眼供養のみでは30,000~50,000円、納骨式を同時にする場合はその1.5~2倍が相場です。納骨式と同時に行う場合は白い封筒へ、生前にお墓を建てた場合は祝儀袋に入れて渡しましょう。

開眼供養とは?

開眼供養(かいげんくよう)とは、新しくお墓を建てたときや、仏壇とその御本尊を購入したときなどに亡くなった方の魂を入れる法要のことをいいます。お墓や御本尊などを新しく購入した時点では、ただの石や木にすぎません。

開眼供養をして故人の魂を入れる儀式を行って初めて、礼拝を行えるように。また、今あるお墓に亡くなった方の戒名を追加する場合も開眼供養が必要です。同じ意味として「開眼法要」や「入魂式」などと呼ばれることもあり、宗派により呼び方に違いがあります。

開眼供養を日本で初めて行ったと伝わるのは、奈良県にある東大寺の大仏が完成したときとのこと。752年(天平勝宝4年)の完成の最後に、大きな筆で大仏に「目」を入れたことから、開眼供養の儀式が始まりました。

また、故人の魂を入れる開眼供養とは逆の意味で「閉眼供養」というものがあります。閉眼供養は、お墓を改葬するときなどに魂を抜いて、墓石や御本尊などをただの石や木に戻すことです。

開眼供養を行うタイミングはいつ?

開眼供養を行うタイミングはいつでしょうか。家族が亡くなったケースはもちろん、他にも開眼供養を行わなければならないタイミングがあるので、覚えておきましょう。

四十九日や一周忌の法要をする時

家族が亡くなってからお墓を建てた場合や先祖代々のお墓に亡くなった方の戒名を追加する場合は、開眼供養が必要です。開眼供養を行うタイミングとして、四十九日や一周忌法要をする際、納骨式に合わせて行うことが一般的です。

なぜなら、四十九日や一周忌の法要では親族が集まりやすいためです。納骨式で同時に行えなかった場合、お彼岸やお盆に合わせて行っても問題ないでしょう。

また、お墓や仏壇だけでなく、位牌も開眼供養の対象です。葬儀のときに使用する白木位牌は、本位牌ができるまでの仮の位牌です。本位牌が出来上がったら、亡くなった方の魂を移すための儀式が必要になります。本位牌の開眼供養も四十九日法要に合わせて行うのが一般的です。

寿陵墓を建てた時

寿陵墓とは、生前にご自身や家族のために建てたお墓のことをいい、「生前墓」ともいいます。亡くなった方のために建てたお墓の法要は「弔事」に当たりますが、寿陵墓を建てた場合はお祝い事なので「慶事」に当たる点が大きな違いです。

最近では、家族に負担をかけたくないと考える方が寿陵墓を建てるケースが多いようです。

開眼供養は新しくお墓を建てたときにするものなので、お墓が完成したときに行うのが一般的ですが、亡くなった方の遺骨を納める時に行うこともあります。しかし、亡くなった後に家族に負担をかけたくないと考えるのであれば、先に済ませておくのも良いでしょう。

仏壇を初めて購入した時

仏壇を購入すると開眼供養が必要になる、という認識を持つ方は少ないかもしれません。しかし、初めて仏壇を購入した際も、お墓同様仏壇の御本尊や位牌に魂を込める仏事として、開眼供養を行います。

仏具店で仏壇を購入すると開眼供養の説明をしてくれますが、近年では通販などで仏壇を購入する方も増えており説明を受ける機会がない場合も。仏壇を購入した際も開眼供養が必要であるということを忘れないよう注意しましょう。

また、引っ越しをして仏壇を移す場合や、家の中で別の部屋へ仏壇を移動させた場合も同様に開眼供養が必要です。引っ越しや別の部屋への移動のために一旦家の外に出す場合、元の位牌から魂を抜く閉眼供養を行い、落ち着いてから新たに開眼供養を行います。

開眼供養に必要な準備をしよう

開眼供養を行う際はどのような準備が必要なのでしょうか。家族が亡くなった場合は特に慌ただしくなるので、あらかじめ必要な準備について知っておくとスムーズに進めることができ安心です。また、生前にお墓を建てた場合は準備する引き出物やお布施に違いが出てくるので、注意して準備を進めましょう。

僧侶と日程を調整し日取りを決める

開眼供養は一般的に菩提寺の僧侶に依頼します。菩提寺がない場合や、お墓の場所が住まいから遠い場合は、菩提寺以外のお寺にお願いしても差し支えありません。頼める僧侶がいない場合は、石材店や墓地管理会社に相談すると宗派や宗旨を考慮して僧侶を紹介してもらえるでしょう。

最近では供養してくれる僧侶をWEBサイトで手配するケースもあるようです。依頼する僧侶が決まったら、石材店とも合わせて早めに日程調整を行いましょう。遺骨を埋葬する場合は、四十九日や一周忌の納骨式と合わせて行うことが一般的です。

施主を決める

開眼供養を中心となって行う主宰者のことを「施主」といいます。施主は墓地の使用権所有者である「祭祀承継者」が務めることが一般的です。祭祀承継者は相続人や被相続人が指名した方で、お墓や仏壇などの祭祀財産を受け継いで、法要の段取りやお墓維持などの役目があります。

参列者を決め出欠確認の連絡を行う

開眼供養をする日程が決まったら招待者を決定し、遅くても1ヵ月前までに連絡をとりましょう。招待する方に特に決まりはありませんが、親戚や故人が生前親しかった知人などを招くケースがほとんど。案内状には開催日時や儀式にかかる時間の他に、会場の地図や住所などを記載するとわかりやすく親切です。

参加の可否について2週間前までに返信をもらうようにします。招待者が少ない場合は電話での確認でも構いません。

会食の手配や引き出物の用意をする

開眼供養が終わった後は会食を行うことが一般的なので、会場を手配します。墓地や霊園では会食用のスペースが設けられていることがあるので、会食に参加する大まかな人数とともに墓地管理者へ相談しておくと良いでしょう。会食を法要と離れた場所で行う際は、会場へ移動するための車やバスを手配する必要もでてきます。

また、会食が終わった後に渡す引き出物の手配も忘れずに行いましょう。引き出物を準備するうえで注意することは、納骨式と合わせて行う開眼供養の場合は弔事、生前にお墓を建てた場合は慶事となり、引き出物につける熨斗紙の種類や表書きが異なるということです。

納骨式と同時に行う際ののし紙は「黒白結び切り」や「黄白結び切り」の水引を使い、表書きは「粗供養」や「志」とします。一方、生前にお墓を建てる寿陵はあくまでも慶事。「紅白蝶結び」の熨斗紙に「御礼」「内祝」「開眼供養御礼」「建碑内祝」と表書きをします。

引き出物の内容も同様に注意が必要です。弔事の場合の引き出物は、香典返しと同じように消え物(お茶や海苔など)や日用品、慶事の場合はタオルやお菓子などが好ましいでしょう。

内容と数が決まり次第速やかに手配します。地域によっては引き出物を用意しないところもあるので、事前に親族など相談ができる方がいる場合は確認しておくと安心です。

お供え物や供花の手配をする

開眼供養でのお供え物は、亡くなった家族の好きだった食べ物や飲み物の他に、季節の果物をお供えすることが一般的です。また、仏教では五供(ごく)と呼ばれる「花」「香」「灯燭」「浄水」「仏飯」を供えることが良いとされています。

「花」とは供花、「香」とは線香のこと。供花を用意する場合は、トゲや強い毒性、匂いのある花は避けましょう。ツルに咲く花なども敬遠されます。「灯燭」はロウソクをともす火のことをいい、「浄水」はお水やお茶のこと。「仏飯」は米や塩、山の幸などといった仏前に備えるご飯のことをいいます。お供え物を選ぶ際の参考にしてみましょう。

お布施を準備する

開眼供養をする際の読経料として、僧侶に渡すお布施を用意しましょう。お布施の準備も引き出物と同じく、弔事か慶事かによって準備する袋が異なります。亡くなった方がいて、納骨式と一緒に法要を行うのが弔事です。そのため奉書紙か、白い封筒に入れてお布施として渡しましょう。

生前にお墓を建てたときに行う法要は慶事なので、お祝い用の祝儀袋に入れて表書きは「内祝」や「開眼御礼」と書いて渡します。さらに、僧侶が会場へ来てくれた際のお車代や、僧侶が法要後の会食を欠席した場合に渡すお食事代も準備しましょう。

お布施やお車代などの金額の相場は、後の「かかる費用」の欄で説明します。

当日着る服を準備する

開眼供養を納骨式と併せて行う場合は、弔事に当たるので喪服を用意します。一方、寿陵墓を建てた場合は慶事なので基本的に礼服を着用しましょう。慶事の場合は、参加者同士で事前に話し合って、飾り気のない平服で参加する場合もあります。

開眼供養の当日の流れ

それでは開眼供養当日の流れを見ていきましょう。納骨式と併せて行う際の開眼供養と生前にお墓を建てて行う開眼供養とでは流れが少し変わってきますので、注意してご覧ください。

お墓や祭壇、お供え物を用意する

まずは敷地内や墓石を掃除して清めた後、軸石(棹石、竿石)にサラシ(白い布)を巻きます。サラシを巻く目的は、魂の入っていない墓石に邪気が入るのを防ぐためです。次に墓前に祭壇を設け、お供え物や供花を供え、焼香をするための香炉に炭を置きます。

このときサラシの巻き方やお供え物の並べ方などわからない点がある場合は、石材店が手伝ってくれるので、相談しましょう。

寺院や法要会館で読経を行う

開眼供養と同時に四十九日法要などを行う場合は、法要を先に済ませます。寺院や法要会館などで僧侶による読経が行われ、その際親族たちが自宅に集合し、一緒に寺院や法要会館へ移動することもあるでしょう。生前にお墓を建てた場合は、法要はしないので墓石の前での開眼供養へと進みます。

お墓の前に移動し開眼供養と焼香を行う

四十九日などの法要が終わったらお墓の前へ移動し、先ほど巻いておいたサラシを外しましょう。サラシを外すことを「除幕」といいます。外したサラシは妊婦さんの腹帯として使用すると安産に。

サラシを外した後に行われるのは僧侶による読経で、このとき亡くなった方がいる場合は納骨式を併せて行います。最後に焼香を行い、開眼供養は終了です。

会食を行う

開眼供養が終わったら会食会場へ移動し、会食を行います。会食後、解散する際に参加者へ引き出物を渡しましょう。

開眼供養にかかる費用について

開眼供養にはさまざまな費用がかかります。ここでは、それぞれにかかる一般的な相場金額を紹介しましょう。

僧侶へのお布施

開眼供養で僧侶に読経をしていただいたお礼としてお布施を用意します。お礼の金額に特に決まりはありませんが、相場は30,000~50,000円が一般的。また、納骨式と一緒に開眼供養を行った場合は、開眼供養のみで包むお布施相場の約1.5~2倍の額を包むと良いとされています。金額をどうしたら良いか悩む場合は菩提寺が同じ親戚や僧侶に相談してみましょう。

僧侶へのお車代やお食事代

僧侶を自宅へ招いた場合や会場へ移動するような場合はお車代として、5,000~10,000円を包みます。白い封筒に「御車代」と表書きをして渡しましょう。また、開眼供養後の会食を僧侶が辞退した場合のお食事代としては、5,000~10,000円ほどが相場金額です。その際の表書きは「御膳料」「御斎料」などとして、白い封筒に入れて渡します。

お供え物や供花代

お供え物やお墓に供える花代として、合わせて5,000~10,000円ほどかかるのが一般的です。

参列者へ渡す引き出物

慶事として開眼供養のみ行う場合は、2,000~3,000円ほどが一般的な相場。納骨式などの法要を一緒に行う弔辞の場合の相場金額は、3,000~5,000円ほどです。

石材店や墓地管理者への謝礼

慣れない開眼供養を行うにあたり、石材店や墓地管理者に相談をする場面も多いことでしょう。そのためお世話になったお礼として、10,000円ほど渡すことが一般的なならわしです。

参列者側の場合は香典を用意する

今回は開眼供養を行う側の話が中心ですが、参加者となる場合は、施主に渡す祝儀や香典を忘れずに用意していきましょう。親族が行う開眼供養の場合は、5,000~10,000円、知人として呼ばれた場合は3,000~5,000円程度を包むのが一般的です。納骨式も同時に行われる弔事の場合は不祝儀袋へ、寿陵墓を建てたことによる開眼供養の場合は慶事としてご祝儀袋に包むことも忘れずに行いましょう。

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おわりに 

お墓や仏壇などを新しく購入した時は開眼供養を行いましょう。準備や当日の流れでわからないことがある場合は、石材店や墓地管理者に相談するとアドバイスがもらえます。また、お布施の金額に特に決まりはありませんが、相談できる親戚などがいたら聞いてみるのもおすすめです。弔事か慶事かによって準備や流れが異なるので、注意しましょう。

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