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葬式の香典マナーとは?金額相場や香典袋の書き方について詳しく解説!

セゾンのくらし大研究 編集部

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葬式には香典を持参しますが、香典の書き方や渡し方のマナーについて、胸を張って「知っている」と言える方は多くはないのでしょうか。「いくら包めばいい?」と迷う方も多いはずです。この記事では、香典の書き方や包み方、渡し方の他、故人との関係性による香典の金額相場について解説します。

急に葬式に出ることになった方も、この記事を読めば慌てずに香典を用意でき、マナーを守った参列ができるようになります。

この記事のまとめ

このコラムを読めば、香典の意味や金額相場、香典袋の選び方、書き方、包み方、そして渡し方までを知ることができます。香典の金額相場は、故人との関係性により違ってきます。親族の場合、一般参列者の場合、そして会社関係の場合など、さまざまな立場を想定した香典相場をご紹介しています。
また、香典を直接手渡せないときには、郵送という手段があります。このコラムでは香典の郵送マナーについても触れており、香典の全てを知ることができる包括的な内容となっています。

葬式の香典とは?

香典とは、線香や花の代わりに故人の霊前に供える金品のことです。参列者が金品を贈ることで、葬式にかかる遺族の金銭的負担を軽くするという意味合いも持ち合わせています

香典を渡すタイミングは、通夜のときと葬儀のときの2つがあります。いずれの場合も、儀式が始まる前までに、葬儀式場の手前に設置される受付で香典を手渡します。通夜と葬式、どちらにも参列する場合は、通夜で香典を渡します。ただし参列人数が少ないなどの都合で通夜に受付が設けられない場合は、葬式で香典を渡します。

香典の金額には立場によって相場があり、相場とはかけ離れた金額を渡してしまうと、遺族を困惑させてしまうことがあります。また、宗教・宗派によって選ぶべき香典袋や表書きが違うため、事前に宗派を調べておき、正しい袋や表書きを選ぶ必要があります。

葬式で渡す香典の金額相場

葬式における香典の金額相場は、故人との関係や自分の年齢によって変わります。親族など、故人との関係性が濃ければ金額が高くなりますし、関係性が薄いほど低くなります。また、自分の年齢が若いほど金額は比較的低めで、年齢を重ねると高めになります。

香典の金額は、多すぎてもマナー違反になります。相場からかけ離れた金額にしないことが大事です。

親族の場合

10代〜20代30代40代50代60代以上
親(実親、義理の親)3万~10万円5万~10万円5万~10万円10万円10万円
祖父・祖母1万円1万~3万円1万~3万円1万~3万円1万~3万円
兄弟・姉妹3万~5万円5万円5万円5万円5万円
その他親戚1万円1万円1万円1万円1万円

前提として、10代~20代の場合、学生や未婚で親元に暮らしてしている方は、親族が亡くなったとき個別に香典を用意しません。

一方で若くても独立して働いている方、結婚し新しい家庭を持っている方は、両親とは別に自分の名前で香典を用意したほうがいいでしょう。「自分の場合は?」と迷ったら、両親に確認してみましょう。

故人が親の場合、喪主と同じくらい故人に近い関係性ということになります。10万円が香典の相場ですが、10代から20代であれば3万円、30代であれば5万円からが相場になります。義理の親であっても、相場は変わりません。

故人が祖父・祖母の場合は1万円から3万円が香典金額のベースになります。とくに若い10代~20代の場合は1万円でもかまいません。

故人が兄妹・姉妹の場合は、5万円が香典の相場ですが、10代~20代であれば3万円から5万円の間で考えます。

その他の親戚の場合は、1万円程度が相場です。ただしとくに親しい間柄であった場合は、金額を厚くしてもいいでしょう。

なお、精進落としに出席する場合、出席する人数に応じて5,000円ほどをプラスするのが一般的です

例えば、自分にとってそれほど近いわけではない親戚が亡くなったら、1人で参列する場合の香典金額は1万円ですが、葬儀後に家族3人で精進落としに参加するなら、5,000円×3=15,000円をプラスして包みます。

結果、香典は25,000円となります。「キリの良い数を」と考えるなら、3万円でもいいでしょう。

職場や取引先の場合

10代〜20代30代40代50代60代以上
勤務先の上司・同僚・部下5,000円5,000~1万円5,000~1万円1万円1万円
勤務先の家族5,000円5,000~1万円5,000~1万円1万円1万円
取引先の関係者5,000円5,000~1万円1万~3万円1万~5万円1万~5万円

職場や取引先の関係で香典を包む場合は、必ず上司や総務に確認してから金額を決めるようにしましょう。とくに取引先の関係者が故人の場合、自社と取引先とのつながり、故人の肩書きに配慮して金額を決めるのが大事です。

友人・知人の場合

10代〜20代30代40代50代60代以上
友人とその家族5,000円5,000円5,000~1万円5,000~1万円5,000~1万円
隣人・近所3,000~5,000円3,000~5,000円3,000~5,000円3,000~5000円3,000~5,000円
その他3,000~5,000円3,000~5,000円3,000~1万円3,000~1万円3,000~1万円

とくに親しい友人やその家族が亡くなったときには、年齢に関係なく1万円以上を包むこともあります。また、近所の場合は自治会などの取り決めで金額が定められていることがあるため、確認が必要です。

相場以外に香典金額で気をつけたいこと

香典金額を決めるとき、「4」は「死」を思わせ、「9」は「苦しみ」を連想させることから、4と9から始まる数字の金額は避けます。

偶数も「別れる」ことを思わせることからタブー視されていますが、お札の数が偶数でなければいいとされます。例えば2万円を包みたいとき、1万円札1枚と5千円札2枚であれば、合計3枚となり、許されます。

ただし、お札の数が奇数であっても、「8」で始まる「8,000円」や「8万円」は、葬儀の場では避けられます。漢数字の「八」が末広がりを示すめでたい意味合いを持つからです。

香典袋(不祝儀袋)の選び方

香典袋は、渡す金額や宗教・宗派によって選び方が変わります。マナーに沿った香典袋を選ぶ必要があります。

渡す金額で選ぶ香典袋(不祝儀袋)

香典袋には、白と黒の水引が袋にプリントされているものや、実際に白黒の、あるいは双銀の水引がついているものなど、種類が豊富にあります。袋の中に入れる金額によって、適した袋が変わります。

香典金額が5,000円程度であれば、白と黒の水引がプリントされている香典袋を選びます。1万円以上であれば、実際に白黒の、あるいは双銀の水引がついている香典袋を選びます。

宗教で選ぶ香典袋(不祝儀袋)

香典袋にあしらわれている水引にも種類があり、宗教・宗派によって好ましいものが異なります。適した香典袋を、宗教・宗派別に表で解説します。

宗教・宗派水引の種類表書き
仏式白黒あるいは双銀の結び切り御霊前(浄土真宗以外)
御仏前・御佛前(浄土真宗のみ)
御香典・御香料(全宗派)
キリスト教なし、あるいは右肩に十字架のモチーフお花料
神式白黒あるいは双銀の結び切り御玉串料御神前

仏式の場合、宗派が分かっていれば、浄土真宗以外は「御霊前」、浄土真宗は「御仏前」または「御佛前」と表書きします。浄土真宗以外の宗派では、「人は亡くなると49日間、『霊』となってさまよう」という考え方をしますが、浄土真宗は「人は亡くなるとすぐ『仏』となる」という考え方をするためです。宗派が分からない場合は、「御香典」あるいは「御香料」とします。

なお、キリスト教では水引や、仏教のシンボルである蓮の花があしらわれた香典袋を使いません。シンプルな白い封筒か、右肩に十字架のモチーフがついているキリスト教専用の香典袋を使い、表書きは「お花料」とします。

神道の場合、仏教と同じように水引のあしらわれた不祝儀袋でかまいませんが、表書きは「御玉串料」あるいは「御神前」とします。玉串とは、神道の葬儀の最中に祭壇へ捧げる、榊(さかき)の枝に紙垂(しで。しめ縄などにあしらわれている白く長い紙)をつけたものです。

香典袋(不祝儀袋)の書き方

葬式の際、香典袋には薄墨の筆ペンか毛筆を使います。「墨が悲しみの涙で薄くなってしまった」ことを表すためです。ただし、表の袋には薄墨で書きますが、内袋に住所などを書く際は黒いペンでも問題ありません。筆ペンを持つ機会があまりない方は、袋に書く前に何度か試し書きをしたほうが安心です。

香典袋の書き方には、マナーがいくつかあります。

表袋上段の書き方

表袋を、水引がかかっている場所を中心として上段と下段に分けた場合、表袋の上段には、前述したような宗教・宗派別の文言を書き込みます。仏教の場合、浄土真宗以外であれば「御霊前」、浄土真宗であれば「御仏前(御佛前)」、宗派が分からないなら「御香典」「御香料」です。

キリスト教の場合は「お花料」、神式の場合は「御玉串料」あるいは「御神前」とします。

宗教・宗派が分からない場合には、「御香典」で構いません。

表袋下段の書き方

表袋の下段には、香典を包む方の名前を書きます。包む人数や立場により、名前の書き方が変わります。

【個人で渡す場合】

香典を個人で渡す場合には、下段の中央に自分の名前をフルネームで縦書きします。

【2名以上で渡す場合】

2名の場合は、二人のフルネームを並べて縦書きします。表袋の中心を意識し、左右にバランス良く記載しましょう。

3名の場合は、名前を3つ並べます。右側から目上の人順に書きましょう。上下関係がなければ、五十音順とします。

4名以上の場合は「(職場名)一同」「(団体名)一同」のように、全員の名前は書かずにおきます。

【会社や団体で渡す場合】

会社や団体からの香典である場合には、表袋の中央に会社あるいは団体の代表者名を縦書きし、名前のすぐ右側に会社名・団体名をやや小さめに書き入れます。

【代理で渡す場合】

香典を代理で渡す場合は、封筒の中央に香典を包んだ人の名前を書き、名前の左下に小さく「代」もしくは「内」と書き添えます。代理人の名前は書きません。なお、参列者名簿も同様に書きます。

中袋の書き方(中袋がある場合)

実際に水引があしらわれている香典袋の多くは、表袋と中袋に分かれています。現金は、中袋のほうに入れます。そして、中袋にも書くべき事項があります。

中袋の表側

中袋の表側には、金額を記載します。中央に「金●●円也」と大きく縦書きします。金額は、旧字体の漢数字で書きます。旧字体を使う理由は、今の漢数字である「一」「二」などを使うと、書き換えられてしまう恐れがあるためとされています。

〈旧字体の漢数字〉

一 → 壱

二 → 弐

三 → 参

(4は、葬儀の場では使用しません)

五 → 伍

六 → 陸

七 → 漆(または質)

(8と9は、葬儀の場では使用しません)

千 → 阡

万 → 萬

〈表記例〉

5,000円の場合 → 金伍阡円也

1万円の場合 → 金壱萬円也

中袋の裏側

中袋の裏側には、左下に郵便番号、住所、フルネームを記載します。名前が3名を超えるようであれば、別紙に全員分の名前を書いて同封しましょう。住所氏名は「よく知っている親族だから」といった理由で省略してしまいがちですが、遺族が香典返しを送付するために必要な情報ですから、しっかり書き入れましょう。

金額と住所氏名の書き方(中袋がない場合)

水引がプリントされた香典袋には、中袋がない場合が多々あります。中袋がなければ、封筒の裏側の左下に住所氏名を縦書きし、名前の左側に小さく「金●●円也」と金額を書きます。

香典袋(不祝儀袋)への入れ方

使用するお札や、お札の入れ方にも、香典袋特有のマナーがあります。

お札に新札は使わない

葬式の香典には、新札を使いません。ひとつの折り目もない新札は、「まるで葬式があると知っていて、準備をしていたよう」だからと、タブー視されているためです。

また、シワや汚れの目立つお札も、故人へのお供えとしてふさわしくありません。やや使用感のあるお札を選びましょう。もし新札しかなければ、真ん中で一度折ってから使用します。

お札は裏向きに揃える

お札の向きを全て揃えた上で、袋の表面に対してお札の裏側(人物の顔がプリントされていない側)が見えるように入れるのがマナーとされています。その理由としては、「葬儀では顔を伏せるため」「会計係や遺族が封筒を裏側から開けたとき、お札の正面が見えるようにするため」など諸説あります。

中袋を包む

表袋を開き、その中央に中袋を置きます。折り目通りに、左、右の順にかぶせ、最後に上部を下部にかぶせて完了です。上部を下部にかぶせるのは、「お悔やみの場なので、頭を垂れる」「悲しみの涙が流れ落ちる」といった意味合いがあります。下部に上部をかぶせてしまうと、おめでたい意味合いになるため気をつけましょう。

香典の渡し方

香典袋を渡すときにも、袱紗を使うなどいくつかのマナーがあります。ここでは、郵送するときの手順に関しても解説します。

手渡しの場合

葬式の当日、受付に手渡しをする場合は、香典袋を袱紗(ふくさ)に包んで持参します。袱紗とは、小さな風呂敷状の布です。香典袋を包みやすくするため、袋を置く台がついている袱紗や、挟み込むタイプの袱紗も市販されています。

袱紗はおめでたい席にも使われるため、慶事用の袱紗と、弔事用の袱紗があります。黄色や桃色など明るい色味の袱紗は慶事用、ねずみ色や藍色といった暗い色合いの袱紗が弔事用です。紫色の袱紗は、慶弔両用です。葬式の場では、慶事用の袱紗を使わないようにしましょう。

袱紗の包み方は、以下のとおりです。

風呂敷状の袱紗、台つき袱紗

袱紗の中央に(台つきの場合は、台にピッタリ重なるように)香典袋を置き、画像のように右→下→上→左の順に香典袋を包み込みます。最後、右側のはみ出した部分を内側に折って終了です。

挟み込むタイプの袱紗

画像のように、挟み込む部分を右側に置き、香典袋をスライドさせて納め、左側からふたとなる部分をかぶせます。香典袋を取り出すとき、左手を使って開けるように挟み込むのが正解です。慶事の場合は逆向きになるため、注意しましょう。

郵送する場合

通夜や葬式に参列できず、香典を送りたい場合には、郵送が可能です。ただし、普通郵便で現金を送ることは禁じられています。必ず現金書留で送るようにしましょう。

郵送する場合は、現金を入れた香典袋を持って郵便局へ行きます。香典袋のほか、お悔やみの言葉を記した手紙を添えると想いが伝わりやすいでしょう。手紙は無地の白い便せんを使い、お悔やみの言葉や参列できなかったことへのお詫び、ささやかな気持ち(香典のこと)を同封した旨をしたためます。なお、お悔やみの手紙は2枚以上書かず、1枚だけにするのがマナーです。

郵便局の窓口で、現金書留のための封筒を購入しましょう。お届け先や依頼主など必要事項を記載したら、香典袋と手紙を封筒に入れ、再び窓口へ行って発送依頼をします。料金を支払い、控えをもらって終了です。

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おわりに

このコラムでは、葬式の香典について解説しました。いざというとき慌てずに済むよう、喪服と同じ場所に不祝儀袋や弔事用の袱紗、薄墨の筆ペンなどをあらかじめ揃えておくのがおすすめです。筆ペンは乾いてしまうと使えなくなりますから、折に触れて試し書きをし、使えないようなら新品を買い置きしておきましょう。

準備がしっかりできていれば、突然葬式が発生したときも、落ち着いて香典の手配ができます。

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